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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/21354
おかしなおかしな大学:横浜市立大学 医学部で最初に定員割れを起こす?
2011.09.06(火)
難波 紘二
MRIC by 医療ガバナンス学会 発行
今年7月30日の朝刊によると全国の4年制私立大学の4割が、この春定員割れを起こしたという。「大学全入」どころか、全入させても定員に達しないのだ。昨年は学生募集を中止した(つまり4年後廃校になる)大学が5校あったが、今年は報道がない。
定員割れした大学の先は見えている。授業料収入と文科省補助金の減少による財政悪化、その結果として、運転資金の借り入れ増大、負債過多による倒産あるいはマンモス大学への吸収合併だろう。
医学・歯学系でも私学の歯学部は全17校中11学部が定員割れを起こしている。少子化のせいというより、同期に医学部に進んだ場合と比べると開業時年収が4割低いという経済格差が原因だ。
歯科医の2割は年収200万円以下
「日経メディカル」によると歯科医の2割は年収200万円以下の「ワーキングプア」だという。歯科大学の淘汰も進むだろう。
二流どころの公立大学も似たり寄ったりの運命にある。なかでもおかしなのが、横浜市立大学。
ここは学長と理事長がおり、学長よりも理事長が実権を持っている。昨年12月初め医学部神経内科の黒岩義之教授が友人たちと会食した際、次期理事長について意見を述べたという理由で、今年の1月に学長と理事長に呼び出され医学部長辞任を迫られた。
拒否すると2月に再び同様に迫られ、再度拒否すると4月7日付で「解任通知」を送付され、地位保全を求めて裁判となった。
結局これは黒岩教授が折れて、7月31日付で「医学部長辞任」ということで、両者の和解が成立した。
黒岩教授は昨年5月から「全国医学部長病院長会議」の会長を務めており、並み居る国立大学や大手私大を差し置いてこのポジションに就いたということは、常識では横浜市立大の誇りであろう。医学部長辞任は会長辞任を意味する。
ところがである。この医学部では、2月の期末試験の際に、別の(基礎系?)教授が試験会場で、2年生のある男子学生を名指しで、「お前はストーカーだ」などと侮辱する言辞を吐いた。
のちほど教授室を訪れた学生に対して、土下座を強要し、その頭を靴で踏みにじった。これも学生が裁判を起こし、330万円の慰謝料を要求している。
問題の教授は、ある女子学生からストーカーに関する苦情を聞いたが、人違いをしてその学生と思い込んでやったという。つまり全くの無実の学生を足蹴にしたのだ。
で、理事長は公判でこの教授が事実関係を認めたとして、7月29日付で停職3カ月の処分に付した。
330万円の研究費不正使用なら停職3カ月が相場だが、無実の学生の人格を踏みにじり、頭を足蹴にした人物(しかも講座の教授)の処分としては軽すぎないか?
学長や理事長は、3カ月後に復職したこの教授が、まともに教育をし、教室の主宰者として研究指導ができると思っているのだろうか?
理事長を動かす「黒い情念」
しかもである。行きがけの駄賃と思ったのか、江戸の敵を長崎でと思ったのか、くだんの医学部長に「監督不行届」の名目で戒告処分を行った。
事件が起こった時に、学部長に不当な「辞任要求」を突きつけて、学部長を自分の身を護るのが精一杯、という立場に追い込んだのは理事長ではないか。
アカハラ裁判が確定した時は、黒岩教授は学部長を辞任しているから、もう処分できない。7月30、31日は土日で事務が動かない。だから29日に処分したのであり、これは「黒岩憎し」の処分である。
黒岩氏の業績と経歴を見れば、理事長を動かしている「黒い情念」の本態は容易に察せられる。
医師専用メルマガとブログのm3は4月からこの2つの話題で持ちきりであった。MRICメールマガジン VOL 139でも黒岩教授を支持する同窓生の意見が発表されている。しかし、29日付で処分が出るまで、2つの事件が連動しているとは思ってもみなかった。
この事件で、横浜市大は「伏魔殿」であることがよく分かった。特に「次期理事長を話題にすることすら許さない」妖怪がいることが分かった。
人事は基本的に選挙による国公立大学では信じられないことだ。この大学は1999年に、心臓疾患の患者と肺疾患の患者を取り違えて手術するという、信じられない医療ミスを起こしている。
こういう大学へは良い人材が集まらない。医療事故が多いので患者も行かない。優秀な学生も集まらない。
歯学部の定員割れはもう起こっている。医学部で初の定員割れを起こすのは、横浜市立大学ではないか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/21350?page=4
医療界にも競争システムの導入を
強豪・清水商業高校サッカー部が示唆すること
2011.09.06(火)
上 昌広
相手がたとえ弱くても絶対に手を抜かない清水商業
あとで、関係者からからくりを聞いた。実は清水商業の選手にとって、いまが進路決定に大切な時期らしい。7〜9月に活躍できないと、希望する大学やプロに進めないそうだ。
私は、冬の高校サッカー選手権こそ勝負だと思っていたが、関係者にとっては「進路が決まった後の派手な文化祭」という認識らしい。
清水商業の大瀧監督は、どんなに弱い相手でも手を抜く選手は使わない。清水商業サッカー部は総勢90人を擁する大所帯だ。レギュラーの代わりなど、いくらでもいる。相馬高校相手に手を抜けば、次のチャンスがなくなるのだろう。
清水商業の選手たちは、相馬高校だけでなく、自軍のベンチとも「戦っていた」ことになる。清水商業が一流を維持しているのは、このような熾烈な競争の賜だろう。
この話は、医療関係者にとっても示唆に富む。横浜市・秋田県という、我が国を代表する医師不足地域で勤務する宮下医師は「医師不足の地域は、何でも医師不足のせいにして、実はサボっている」と公言する。確かに、私もそのような側面は否定できないと思う。
私は血液内科医だ。東大医科研以外に、埼玉県行田市でも診療をしているが、東京都内であれば抗がん剤治療にトライするような患者でも、「もう歳だし、保存的に行きましょう」と言ってしまうことがある。
そして、そのような判断は誰からも批判されない。もし、抗がん剤を投与しようとすれば、常勤の専門医がいる東京都内の病院と連絡し(埼玉県内の専門施設はいつも満床で、初めから候補に上がらない)、退院後のケアまで調整しなければならないからだ。
家族の移動まで考えればハードルは高く、現実的でない。患者にとってベストか否かは分からないが、私、および病院スタッフにとって楽な選択だ。ただ、こんなことを続けていると、レベルが下がる。どうすればいいのだろう。やはり、医療界にも競争が必要だと思う。
いま、医学部新設が議論されている。宮城県仙台厚生病院と東北福祉大が連携して医学部新設に立候補し、千葉県成田市は小泉一成市長が医学部誘致を明言した。
また、埼玉県知事選では現職・新顔とも「医学部新設」に言及している。多くの自治体が医師不足の解決策として、医学部新設を考えている。
医学部新設に冷たい医療界
一方、医療界の反応は冷たい。全国医学部長病院長会議は医学部新設に絶対反対を貫いている。その主張は「医学教育のレベルを落とし、百害あって一利なし」だ。
その代表が全国医学部長病院長会議では黒岩義之・前会長、嘉山孝正・国立がん研究センター理事長らだ。彼らの口から、「医師のレベルアップには競争が不可欠」という発言が出ることはない。
また、震災で被害を受けた東北大学の里見進・病院長は、復興のために「ITを用いた集約化」を提唱している。本来、ITは自立・分散・協調を促進するツールであり、集約化とは相反する概念だ。
今回の震災では、海岸部の医療機関が壊滅し、救急患者のケアができなかった。東北の特徴は、岩手・福島で県庁所在地と被災地を山脈が遮っていること。急患の搬送など不可能だ。被災地に医師がいなければ、ITでつないでも対応できない。理論が破綻している。
私が興味深く思っているのは黒岩氏、里見氏が所属している組織が、地域への医師派遣を完全に独占していることだ。
例えば、人口370万人の横浜市の医育機関は横浜市大だけである。人口235万人の宮城県における東北大の立場も同様だ。東京、大阪、京都、名古屋、福岡、北海道などで、医学部が熾烈な競争を繰り広げているのとは対照的である。
独占は停滞を生む。両大学のアカデミックなアクティビティーは決して高いとは言えない。また、毎日新聞の調査(2010年8月2日)によれば、東北大卒業生の県内残留率は東北地方、および七帝大で最低だ。
競争なくして進歩なし
また、横浜市大の卒業生の大学病院残留率は神奈川県の4大学の中で最も低い。
一方で、最近の横浜市大の不祥事は目を覆うばかりだ。これは独占が生んだ弊害であり、医師不足のなれの果てとも言える。
「医師を増やせば、医師の質が下がる」などを真顔で議論していれば、やがて国民から愛想を尽かされる。
普通の教養があれば、「質の維持には一定の競争が必要」「量は質に転化する」ことを知っている。そろそろ、本気で将来の医療を語ろうではないか。清水商業の「競争システム」は示唆に富む。
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