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不安の種は欧州の混乱に尽きる 米国経済の足踏みが長期化してもマイナス成長転落は考えにくいこれだけの理由
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/108.html
投稿者 sci 日時 2011 年 9 月 01 日 03:34:45: 6WQSToHgoAVCQ
 

マイナス成長になることは通常は考えられないが、
政治が逆噴射すれば、どうなるかは、我々が、良く知っているところだ

http://diamond.jp/articles/-/13821/votes
ソブリン危機――歴史的難局の選択肢
【第10回】 2011年9月1日 

不安の種は欧州の混乱に尽きる 米国経済の足踏みが長期化してもマイナス成長転落は考えにくいこれだけの理由
――ディーン・ベイカー 経済政策研究センター所長 

世界的な金融危機から3年。震源地となった米国は、まさに“日本病”ともいうべき停滞に直面し、もがき苦しんでいる。ギリシャなど過剰債務国のデフォルトリスクをはらむユーロ圏のような危機的状況ではないものの、超低金利・低成長に陥った日本の姿に重なる超大国の袋小路は世界経済の前途への悲観論を否応なく高める。しかしその一方で、2000年代半ばにサブプライムローン問題についていち早く警鐘を鳴らしたエコノミストのディーン・ベイカー氏は、ユーロ圏が無秩序な混乱に陥らない限り、米国経済の先行きを過度に悲観することは間違いだと語る。(聞き手/ジャーナリスト 瀧口範子)

――米国経済の現状をどう見ているか。
ディーン・ベイカー(Dean Baker)
ワシントンのシンクタンク、経済政策研究センター(CEPR)の共同所長。米国ではサブプライムローン問題をいち早く指摘したエコノミストとして有名。ミシガン大学で経済学の博士号取得。バックウェル大学助教授などを経て現職。世界銀行や米国議会の経済委員会、OECDのコンサルタントを務めた経験もある。近著に『Taking Economics Seriously』『False Profits: Recovering from the Bubble Economy』などがある。欧米の大手新聞やテレビ番組のコメンテーターとしても活躍中。

 ここ最近、米国経済の二番底懸念を頻繁に耳にするようになったが、そのような無責任な分析は傾聴に値しないと言いたい。債務上限引き上げ協議の紛糾に象徴されるように、ワシントンに緊縮財政ムードが広がる中、大規模な財政出動が難しくなり、景気浮揚の決め手に欠けるのは事実だが、現状を分析する限りにおいては、けっして大きく底割れするような事態にはまだ至っていない。米国経済の現状と行方を正しく表現するならば、住宅バブル崩壊からの回復過程にあり、まだまだ低成長が続くということだ。

――その場合の低成長とは、どの程度の成長率を指しているのか。

 私の試算では、住宅バブル崩壊で失った需要は1.2〜1.4兆ドルに上り、簡単に埋め合わせできるようなものではない。新たな大型の財政出動がないという前提で話せば、今年の成長率は2%前後になると見ている。下半期はガソリン価格が下がるなどして多少景気が押し上げられるだろう。ただ、それでも今年の成長率は年率換算で良くて2.5%程度が上限なのではないだろうか。来年(2012年)についても、あまり期待できないと思っている。

――低成長が何年くらい続くと見ているか。

 少なくとも今後数年間はこのままだ。どこかで低迷を脱する必要があるが、緊縮財政ムードが続くと仮定すれば、貿易収支の改善に頼るしかなく、それもドル安がさらに進むことによってしかもたらされない。

 米国政府はドル安を強く求めておらず、また貿易相手国も輸出市場を保持するためにドル安を望んでいない。となれば、貿易面での改善も期待できず、やはり低成長率と高失業率の期間が長引くという予測に行き着くほかはない。

 ただ、私は、米国経済が深刻なデフレに陥る、あるいは制御不能のインフレに直面するといった類のシナリオは杞憂だと考えている。現在、コアCPI(食品とエネルギーを除いた消費者物価指数)は前年比で2%をやや下回るくらいだが、そこから大きく変化することはないだろう。繰り返すが、要するに、退屈な低成長の時代が続くということだ。

――仮にその予想を超えて景気がさらに冷え込み、底割れするとしたら、何がきっかけになると思うか。
次のページ>> 欧州中央銀行は、火事場でホースを持って立ち尽くす消防士

 こう答えよう。くすぶっている火種などもうない。火種はもう爆発してしまったではないか。これからまだ悪いことが起こると待っている人びともいるようだが、悪いことはすでに起こった。その意味で、財政赤字を俎上に載せ、ことさら騒ぎ立てた政治家たちの行動は無責任としか言いようがない。米国の財政赤字は並のレベルにあり、大騒ぎするような問題ではない。むしろ今は、財政赤字を膨らませてもよい時期だ。

 また、産業セクターに目を移しても、住宅市場も自動車市場もすでにいったん崩壊した。最悪の出来事はすでに起こったのだ。これ以上、景気後退を引き起こすような隠れたリスクが米国経済の内側にあるとは考えられない。

――しかし、欧州の債務危機はどうか。

 確かに、ただひとつリスクがあるとすれば、それはユーロ圏経済の無秩序な混乱だろう。

 過剰債務国のデフォルトなどが引き金となって、ユーロの崩壊など欧州のシステムが大きく揺らぐようなことがあれば、米国経済も当然大打撃を免れない。欧州の指導者たちによって危機がどう制御されるかにもよるが、金融市場がリーマンショックの時と同じか、さらに深刻な“凍結”状態に陥るようなことになれば、米国の金融システムを含めて、これに耐えられるところはない。

――それが杞憂でないとしたら?

 私自身は、そこまで悲観していない。なぜなら、それは解決策のない問題ではなくて、やるかやらないかの「能力」の問題だからだ。つまり、極論すれば、危険な状態にある国々がデフォルトを起こさないように、欧州中央銀行がもっとお金を刷ればよいという問題であるからだ。

 現状は、まるで学校が火事で燃えているのに、消防士がホースを握ったまま突っ立って何もしないでいるようなものだ。崩壊を防ぐためにやることはひとつしかないはずだが、これらの国々を心痛状態に置いたままにしているという信じられないことをやってのけている。しかし、さすがに、きちんとした対応がこれからなされることだろう。

――米国経済に話を戻すが、マイナス成長に陥る可能性は本当にないと言い切れるのか。2011年第1四半期の成長率は年率換算でわずか0.4%で、第2四半期は速報値の1.3%から1%に下方修正された。今後の改訂しだいでは、どちらもマイナスに陥っておかしくないのではないか。

 私は、欧州経済の無秩序な混乱がない限り、米国経済のマイナス成長転落は“考えにくい”といっている。何か断言的な予言をしているわけではない。ただ一部の行き過ぎた悲観論者に与していないだけだ。

 米国経済の基本をおさらいしよう。バブルにいたるまで、経済の70%は消費が占め、それは住宅バブルによって牽引されていた。バブル崩壊後、消費は大きく縮小し、その一方で貯蓄率は5〜5.5%まで高まった。10%まで高まることはないだろうが、もう少し上がるかもしれない。

次のページ>> QE3は、やらないよりもましという程度

 さて、貯蓄率がだいたい安定すれば、後は賃金が増えることを待つしかない。現在、緩慢なペースではあるが民間雇用者数は増えている。7月には前月比で約10万人増えた。今から6ヶ月後、全体としてみれば、労働者はより多くのお金を手にしていることだろう。ガソリンなど燃料費の低下も好材料だ。所得が拡大すれば、ごく当たり前の帰結として、消費は押し上げられる。設備投資も、7〜9%という妥当なレベルで伸びている。政府支出は縮小しているが、落ち込みは1〜2%であり、急速ではない。したがって、ここから成長がマイナスになることは本来は考えられない。

――QE3(量的緩和第3弾)は必要か。

 助けにはなるだろう。QE2はわずかだが経済に好影響を与えた。10年物米国債の利回りを20ベーシスポイント(ベーシスポイントとは1%の 100分の1)ほど下げた効果があった。現在の経済環境では大きなインパクトはないが、ローンの借り換えをした人びとはその時にいくらか節約できたはずだ。ただ、QE3はいくつもある政策のうちのひとつであって、やらないよりはましという程度にすぎない。

 通貨供給量をいくら増やしても、そのほとんどが滞留してしまう可能性が高いことは、日本の前例が示している。もっとも、経済が持ち直し、金利が2.6〜2.8%あたりになった時、さらに20ベーシスポイント程度下げるために量的緩和を行えば、それはある程度の効果をもたらすかもしれない。大きな成長を促すことにはつながらないだろうが、成長率を0.1〜0.2%押し上げ、数10万の雇用を生むならば、やっても損はないかもしれない。
次のページ>> ドル安に反発する米産業界の顔ぶれ

――米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は、今のところ、QE3には具体的に言及せず、その代わりに、少なくとも2013年半ばまで異例の超低金利政策を継続する可能性が高いとしている。これをどう評価するか。

 超低金利政策を継続しても、その効果は限られたものにとどまるだろう。つまるところ、バーナンキFRB議長は市場の混乱を見て何かしなければならないと思ったものの、考えついたのはそれだけだったということだ。

 もし雇用が毎月30万、40万と増え、失業率が6%にまで下がるようなことになったら、バーナンキ議長も超低金利政策に固執しなくなるだろう。だが今は経済がこのままずっと低迷を続けたら、金利を上げたりはしないというメッセージを伝える必要があった。要するに、何ら大きなインパクトのある発言ではなく、FRBがきちんと問題を把握しているということを伝えたという意味では、安心感をもたらしたという程度のものだ。

――ところで、あなたは先ほど、現状のドル安について米国政府はとくに望んでいるわけではないと言ったが、それでも容認はしているということか。

 政府は、相半ばした思いを持っているのではないか。先述したように、貿易赤字の有効な改善策はドル安であり、政府はそれを推進すべきところだろう。ただ、米国にはドル安を歓迎しない企業も実は多い。ウォルマートのように中国に広範な供給網を持つような企業や、中国でビジネスを拡大しようとしている金融機関などは、ドル安を嬉しく思っていない。彼らは政府や議会に多大な影響力を持っている。こうした状況下、ドルの水準について、政府に今現在、明確な戦略があるとは到底思えない。

 私自身の考えを述べれば、貿易赤字がGDPの5〜6%になっているような状況は、そもそも健全ではない。貿易赤字は、すなわち国内貯蓄がマイナスだということだ。

 私が学生のころは、米国のような裕福な国家は、貿易黒字であるというのが普通の考えだった。ところが、今や誰もそんなことが可能だとは信じていないようだ。なぜ黒字であってはならないのか、いい理論があれば聞きたいくらいだ。学生時代に習った基本的な教えは、今でも正しいと私は信じている。


質問1 数年内に米国経済がマイナス成長に陥る可能性について、あなたの意見は? 
55.6%
あり得る
22.2%
あり得ない
22.2%
分からない  

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コメント
 
01. 2011年9月01日 04:20:32: Pj82T22SRI
>不安の種は欧州の混乱に尽きる 米国経済の足踏みが長期化してもマイナス成長転落は考えにくい


新興国バブル崩壊を忘れてるな


http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aRAmXvLR15.M
ルービニ氏:米国は新たなリセッションの瀬戸際−当局の支援策尽きる 

  8月31日(ブルームバーグ):ルービニ・グローバル・エコノミスの共同創設者で会長のヌリエル・ルービニ氏は、「私の計算に基づけば、米国はリセッション(景気後退)に陥りつつある」と述べた上で、米連邦準備制度理事会(FRB)など当局にはもはや緊急の景気支援策を実施する力はないとの見方を示した。

  ルービニ氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「米経済は失速速度に達した」と発言。米国では「残念ながら、政策手段は尽きつつある」としたほか、欧州各国の政府は経営難に陥った銀行を救済する手段をもはや持ち合わせていないと付け加えた。

  さらに、今年は経済に関して発表される数字が「悪化の一途をたどるだろう」と予想。「相場は低迷する」と続けた。

  このほか中国経済について、2013年までに「ハードランディング」すると予想した。

記事に関する記者への問い合わせ先:Vincent Del Giudice in Washington

vdelgiudice@bloomberg.net;

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Christopher Wellisz at cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2011/09/01 03:22 JST


02. 2011年9月01日 13:18:40: Pj82T22SRI
>>02 経済悪化なら追加緩和も、二番底想定せず=アトランタ連銀総裁
2011年 09月 1日 07:31 JST 

トップニュース
日経平均は続伸、割安な銘柄を中心に買い戻し
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ブラジル中銀が予想外の利下げ:識者はこうみる
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 [ラファイエット(米ルイジアナ州) 31日 ロイター] 米アトランタ地区連銀のロックハート総裁は31日、経済状況が悪化した場合、米連邦準備理事会(FRB)は金融政策を一段と緩和する可能性があり、いかなる政策の選択肢も排除すべきではないと述べた。

 また米経済は引き続き失望するほどぜい弱であり、回復へのリスクも高まっているが、米経済が二番底に陥ることはおそらくないとの見方を示した。

 総裁は当地での講演で「一段と悪化したシナリオにおいて、追加の政策緩和が求められる可能性がある」と指摘。「だが、今の段階では、現在の政策スタンスに満足している」と述べた。

 一方で「予見できる将来において」バランスシートを2兆9000億ドル近辺に維持することが現在のFRBの政策であるものの、金融政策はすべての経済問題の解決策にはならないと警告した。

 さらに最近の米経済の弱さは、もはや単に一時的な要因によるものと片付けることはできず、雇用・住宅市場の低迷がその主因との考えを示した。

 ただ、「リスクは増大したものの、リセッション入りは予測していない」と述べた。

 FRBは2008年12月に事実上のゼロ金利政策の導入に踏み切り、総額2兆3000億ドルの資産買い入れも行った。しかし米経済の足取りは依然として重く、今年上半期の成長率は平均1%未満にとどまる一方、失業率は9%近辺で高止まりしている。

 こうした状況についてロックハート総裁は「テクニカル的には回復局面にあるものの、経済の緩みは増大している」との見方を示した。

 FRB内には追加緩和策をめぐり意見の相違が見られるが、同総裁は講演後の質疑応答で「政策のいかなる選択肢も排除しない」との立場を示した。

 標準的な金融政策のツールである政策金利の引き下げ余地がなくなるなか、FRB内では景気押し上げに向けた非標準的な手法の検討も進められている。こうした手法の1つである、金融政策を決定する際に特定の失業率目標を設けるという考えについては、「私はこれに対し幾分慎重だ。一段と検証したい考えの1つだ」と語った。

 さらに、量的緩和措置は、明確なデフレ圧力が存在する、もしくは状況が明らかにリセッションに向かっている場合の対応策として最も効果を発揮するとの見解を示した。

*内容を追加して再送します。


03. 2011年9月01日 13:27:32: Pj82T22SRI
>>03 日本株6日続伸で9000円回復、米景気懸念後退や円高一服−輸出中心 

  9月1日(ブルームバーグ):午前の東京株式相場は6日続伸し、日経平均株価が2週間ぶりに9000円台を回復。米国シカゴ地区の製造業景況指数が予想ほど悪化せず、為替の円高や欧州財政懸念も一服し、過度な景気懸念が後退した。コマツなど輸出関連や素材、金融株中心に買われ、原料コスト改善期待の広がった鉄鋼は東証1部の業種別上昇率首位。

  TOPIXの午前終値は前日比9.66ポイント(1.3%)高の780.26、日経平均株価は124円85銭(1.4%)高の9080円5銭。日経平均が心理的節目の9000円を回復したのは、8月18日以来だ。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、「米国景気指標は多少まだら模様だが、一方的に悪い数字ばかりではない」と指摘。その上で、「来週には雇用対策も出てくる。リセッション(景気後退)を懸念した一時の悲観論に対し、現在は楽観論が波及している」と述べた。

  シカゴ購買部協会が前日発表した8月のシカゴ地区の製造業景況指数は56.5と前月の58.8から低下し、2009年11月以来の低水準だった。ただ、ブルームバーグが行ったエコノミスト調査の予想中央値53.3ほどは落ち込まなかった。

  きのうの米株式相場はシカゴ製造業景況指数が好感されて続伸し、S&P500種株価指数の8日間の上昇率は2009年以来、最大となった。岡三証券投資戦略部の石黒英之日本株情報グループ長によると、「米国株の動きが落ち着いてきた。米国ではマーケットが下落すれば金融当局が動くという安心感が出ている」という。

     米は議会合同会議へ、独は基金変更案を承認

  オバマ米大統領はベイナー下院議長に対し、9月7日に連邦議会両院合同会議を開催するよう要請した。大統領は両院合同会議で演説し、雇用促進に関する提案を行う方針。

  また、ドイツのメルケル政権は8月31日、救済基金である欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の変更案を承認した。「ドイツの承認で周辺国も追随する可能性が高く、欧州金融システム不安は後退している」と、岡三証の石黒氏は評価する。

  米景気や欧州金融問題に対する投資家の不安が和らぐ格好で、東京外国為替市場でもリスク回避の動きが後退している。午前は、円が対ドルで3日ぶりの77円台まであり、きのうの東京株式市場の終値時点76円56銭に比べ円安方向で推移。為替は輸出関連株中心に支援材料となり、欧州懸念の一服は金融株の上げにもつながった。

  日本時間午前10時前に明らかになった中国の8月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.9と、7月の50.7から上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は51.0だった。50は拡大と縮小の分かれ目を表す。「PMIは50を上回っており、中国経済に悲観することはない」と、しんきんアセットの藤原氏はみる。

  東証1部の業種別上昇率上位は鉄鋼、その他金融、保険、機械、食料品、非鉄金属、証券・商品先物取引など。鉄鋼については、大手4社が2012 年3月期に負担する鉄鉱石などの原料コストが7月末時点の想定より2000億円近く軽減しそう、と1日付の日本経済新聞朝刊が報じている。下落はパルプ・紙の1業種のみ。

       コマツやタカタ高い、トヨタ小安い

  個別銘柄では、引き続き業績は拡大期にあるとし、JPモルガン証券が新規に投資判断を「オーバーウエート」としたコマツが売買を伴い急伸。12年3月期業績は会社予想を上回る見通しとし、クレディ・スイス証券が新規に「アウトパフォーム」としたタカタ、過去最高益更新が続くとみられる中で株価に割安感が強いとし、みずほ証券が判断を「アウトパフォーム」へ上げたヤマダ電機も上げ幅を広げた。

  半面、トヨタ自動車は小安い。トヨタ車で死傷事故発生と中国当局が発表したと共同通信が伝える材料があったほか、クレディSでは期待株主資本利益率(ROE)の低下を懸念するとし、投資判断を「中立」へ下げた。構造改革による収益改善が事業環境の悪化に追いつけないとし、野村証券が判断を「中立」へ下げた日清紡ホールディングスは急落。東証1部の値下がり率上位には日本製紙グループ本社、大幸薬品、カカクコムなどが並んだ。

  東証1部の売買高は概算で7億8964万株、売買代金は同5206億円。値上がり銘柄数は1163、値下がりは351。

記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 Toshiro Hasegawa thasegawa6@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net香港 Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net
更新日時: 2011/09/01 11:25 JST


04. 2011年9月01日 13:28:40: Pj82T22SRI
>>04 円が下落、対ドル一時77円台で4日ぶり安値−米景気の悲観論和らぐ 

  9月1日(ブルームバーグ):午前の東京外国為替市場では円が一段安。対ドルでは一時1ドル=77円台に水準を切り下げ、4営業日ぶりの安値を付けた。米経済指標の結果を受けて景気の悲観論が緩和しており、内外の株高を背景にリスク回避に伴う円買い圧力が後退した。

  前日の海外市場で8月22日以来の円高値76円43銭を付けていたドル・円相場は、一時77円24銭まで円が下落。午前11時半現在は76円95銭付近で取引されている。円は対ユーロでも売られ、一時は1ユーロ=110円95銭と、2営業日ぶりの安値を付けている。

  大和証券債券部為替課の亀岡裕次担当部長は、米指標の悪化が収まりつつあるとして、「一時期のマーケットの悲観的な見方が後退している」と指摘。そうした中で、株高が続いており、「リスク選好的な動き」が円売りの背景にあると説明している。

  前日の米株式相場は景気に対する楽観的な見方を背景に続伸。株価の予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX指数)は8月17日以来の水準に低下している。

  この日の東京株式相場は日経平均株価が6営業日続伸。8月18日以来の9000円台を回復して午前の取引を終了した。

            米経済指標

  来週8日には米国のオバマ大統領が上下両院合同会議で雇用対策に関する演説を行う。また、ガイトナー財務長官は1日の午前に経済や雇用問題を議論するため、地区連銀のCEOグループと会合を開くほか、同日午後には大統領とも会談するという。

  給与明細書作成代行会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)エンプロイヤー・サービシズが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、8月の米民間部門の雇用者数は前月比で9万1000人増加した。雇用の伸びは前月の10万9000人増(速報値の11万4000人増から下方修正)から鈍化し、ブルームバーグ・ニュースがまとめた10万人増を下回った。

  また、シカゴ購買部協会が発表した8月のシカゴ地区の製造業景況指数(季節調整済み)は56.5と、前月の58.8から低下。2009年11月以来の低水準となったものの、市場予想の53.3は上回った。7月の製造業受注額も前月比2.4%増加と市場予想の2%増を上回っている。

  上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、きのうは米国で発表された指標内容が比較的良かったため、悪い数字を予想していたところからはセンチメントが若干改善しているようにみえると指摘している。

  ただ、この日の米国時間には供給管理協会(ISM)が8月の製造業景況指数を発表する予定で、山内氏は、同指数が50を割れてくれば、「米金融緩和への期待が高まり、ドル安につながりやすい」ともみている。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 三浦和美 Kazumi Miura kmiura1@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保 義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.netRocky Swift rswift5@bloomberg.net
更新日時: 2011/09/01 11:34 JST


05. 2011年9月01日 20:53:45: Pj82T22SRI
>>05 9月FOMCでは緩和オプションのコストとベネフィットを検討 Aug 31, 2011 No.2011-177 伊藤忠経済研究所 

9月FOMCでは緩和オプションのコストとベネフィットを検討

議事要旨により、8月FOMCにおいて多様な緩和オプションが提示され、かつ時間軸明確化では満足しない積極緩和派も存在することが明らかに。9月FOMCでは、金融緩和の必要性というよりも、種々の金融緩和オプションのコスト&ベネフィットを検討される見込み。
9月FOMCでは追加緩和オプションのコストとベネフィットを検討
金融政策ガイダンス(時間軸)の明確化による追加緩和を行った8月9日FOMCの議事要旨(Minutes)が公表された。議事要旨が明らかとしたのは、@景気見通しの予想を上回る下振れに直面し追加緩和策を遮二無二検討する主流派及びハト派の姿とAFOMC内での深刻な意見対立である。8月時点で既に様々な金融緩和オプションが提示されていたことを踏まえれば、期間を2日間に拡大した9月20〜21日FOMCで議論されるのは、金融緩和の必要性というよりも、そうした金融緩和オプションのコストとベネフィットになると考えられる。つまり、9月FOMCでは、何らかの金融緩和オプションが採用され、追加緩和が行われる可能性が極めて高い。
振り返れば、バーナンキ議長はジャクソンホール講演において極めてシンプルなメッセージ1により追加緩和への意気込みを示していた。今回の議事要旨が示す内容は、そのメッセージに沿っており、議長は極めて的確な示唆を行なったと言えるだろう(無論、議事要旨からの逆算であろうが)。
なお、深刻な意見対立を踏まえれば、8月FOMCで反対票投じたタカ派3名が、9月に賛成に転じるとは考えにくい2。そのため、9月は残り7名が合意できる政策オプションを検討することになる見込みである(現在のFOMCでは、理事の2名欠員により10名が投票権を有する)。
景気認識の大幅な下方修正
議事要旨ではまず、大幅に下方修正されたFOMC参加者の景気認識が詳細に示された。「経済成長ペースは想定より極めて緩慢」であり、「2011年前半の経済の弱さに部分的に影響した一時的要因が解消しても、景気回復の強さには不透明感」が残り、そうした足元の景気回復の弱さに加えて「GDP統計の遡及改訂と最近の金融市場の混乱」も成長率見通しの引き下げに影響した、と赤裸々に語られている。更に「景気後退こそ予想しないものの、米国経済は負のショックに対して極めて脆弱」であるとして、「成長に対しての下振れリスク増大」も明示された。なお、足元の米国経済動向において、FOMC参加者にとって最も予想外だったのは「個人消費の弱さ」の模様である(確かに4〜6月期GDP統計一次推計での個人消費の弱さには驚いた)。
追加金融緩和オプションの検討
こうした景気認識の下方修正を踏まえた上で金融緩和オプションの検討が行われている。まず、8月FOMCで最終的に採用された時間軸明確化については「金融政策の先行きに関するガイダンスの強化は、金利低下を促し、景気拡大を支援する手段と見做される」として、肯定的な見解が共有されている。但し、
1 詳細は8月29日付Economic Monitor「バーナンキ議長はシンプルに徹する」を参照。
2 コチャラコタ総裁は時間軸時間軸については改めて反対はしない旨を表明済だが、追加緩和に対しては反対する可能性が高い。
Economic Monitor 伊藤忠経済研究所
2
最初から、「少なくとも2013年半ばまで」と期間を明示する表現に落ち着いた訳ではない。2〜3人の参加者(a few participants)は「期間明示よりも経済状態に焦点を当てた」時間軸がより望ましいと主張し、具体的にFF金利の水準を失業率もしくはインフレ率の水準に連動させる条件を付す方法の検討も行われた。但し、そうした提案については数名(some members)がFOMCの意図明確化に繋がるとして賛成する一方、他の参加者(others)が「どうやって適切な数値基準を決定するのか」と問題を提示し、最終的に採用が見送られている。
また、他の緩和手段についても提示が行われた。追加的な資産購入(QE3)について長期金利引き下げに繋がるとして利用可能性(could be used to)が提示され、ツイストオペもバランスシート拡大を避けるアプローチとして、またIOER金利引き下げも金融環境の改善に寄与するとして検討の俎上に挙がっている。しかし、いずれのオプションも、賛否についての結論にまでは至っていない。当然ながら、タカ派(some participants)からは、追加緩和が「成長や雇用に顕著なプラスの影響を及ぼさず、インフレリスクを高めるだけ」との否定的な見解が示された。こうした各種手段に関して更なる検討を行うために、9月FOMCを2日間に拡大することが合意されたのである。
FOMC内のパワーバランス
8月FOMCでの最終的な金融緩和の決断に際しては、ほとんどの投票権者(most members)が「経済見通しの悪化度合いは政策対応を必要とする」と論じ、「(米国経済の抱える問題の)全てを解決は出来ずとも、金融政策で重要な貢献をなしうると判断」して、時間軸明確化に踏み切っている。既に明らかなようにタカ派3名はこうした判断に反対票を投じたが(加えて投票権はないがセントルイス連銀のブラード総裁も反対の立場)、その一方で2〜3名の投票権者(a few members)は時間軸明確化を追加緩和のワン・ステップとして受け入れつつも、より決定的な追加緩和(more substantial move)が8月までの情報に基づき必要と表明している。8月FOMCの時点で、時間軸明確化に満足せず、明確に更なる追加緩和を求める投票権者が複数存在したことは、9月に追加緩和が行われる可能性が高いことを示している。
反対派の見解
反対票を投じた3名は講演などで既に反対理由を表明済だが、改めて挙げれば以下のとおりとなる。ダラス連銀フィッシャー総裁は現在の景気低迷は非金融的要素の影響が強く、追加緩和には情報不足が不足しており、金融市場の変動に対しFOMCが過敏すぎるとして、ミネアポリス連銀コチャラコタ総裁はQE2導入時に比べインフレも失業率も改善しているとして、フィラデルフィア連銀プロッサー総裁は時間軸明確化はFOMCが経済動向に依存しないと誤って解釈されるリスクがあり、またステートメントが過度にネガティブであるなどとして、反対票を投じた。
いずれの緩和オプションを採用するのか
8月FOMCおいて、時間軸について更なる検討が行われていたのは驚きである。しかし、検討が明らかとなった時間軸の数値基準へのリンクは、例え表現がガイダンスに留まるとしても、コミットメント的な色彩が強まり、金融政策の柔軟性を大きく損なう。日本銀行がCPIコミットメントにおいて苦しんだ前例も既にあり、FOMCで本採用となる可能性は低いだろう。また、議事要旨にバランスシートの拡大懸念を示唆する表現があることや、QE2がデフレ対策として導入され、足元でインフレ懸念を完全には否定できないことを踏まえればQE3のハードルはやはり高い。結局のところ、当社では従来見解通り、採用可能性が最も高いオプションは引き続きツイストオペと考える。但し、9月20日までは、まだ3週間もあ
Economic Monitor 伊藤忠経済研究所
3
る。講演などで示されるFed関係者の各緩和オプションに対するスタンスについて、丹念にフォローしてくことが重要だろう。


06. 2011年9月02日 10:55:34: Pj82T22SRI
>>06 米政府、2011・12年の経済見通しを大幅下方修正
2011年 09月 2日 06:41 JST
 

 9月1日、米ホワイトハウスは、2011年と12年の成長見通しを従来予想から大幅に下方修正した。ニューヨーク証券取引所で8月撮影(2011年 ロイター/Lucas Jackson) 

IMFと欧州当局が対立、欧州銀行の資本不足額めぐり
日経平均反落で始まる、情報・通信セクター以外はマイナス圏
8月米小売既存店売上高は+4.4% ハリケーンで予想下回る
8月米自動車販売は予想をわずかに上回る、日米で明暗

 [ワシントン 1日 ロイター] 米ホワイトハウスは1日、2012年度予算教書の中間見直しと同時に最新の経済見通し及び代替見通しを発表し、2011年と12年の成長見通しを従来予想から大幅に下方修正した。

 2011年の実質国内総生産(GDP)予想は2.6%増、12年は3.3%増。また、11年の代替GDP予想は1.7%増、2012年は2.6%増とした。2月時点では2012年のGDP成長率を2.7%、13年は3.6%と予想していた。

 主要予想は6月下旬にかけてのデータに基づき、代替予想はGDPの年次改定や見通し修正を含み、8月下旬までの予想に基づく。

 ホワイトハウスは、スタンダード・アンド・プアーズによる米格下げに伴う金融市場の混乱を受け、米経済見通しは悪化したと説明した。

 ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)のルー局長は記者との電話会見で「景気に弾みをつけ、持続的な高成長軌道に戻すことが短期的に必要であることが経済見通しから明確になった」と語った。

 また、2011年の財政赤字見通しは対GDP比で8.8%とし、2月時点の予想である10.9%から修正した。赤字縮小との見通しは、オバマ政権と議会指導部が前月合意した赤字削減策に伴う歳出減が主因となっている。

 ホワイトハウスは、経済見通しの下方修正は財政赤字見通しに大きな影響は及ぼしていないとしたほか、GDPの伸びは2015年までに4%を超える水準に回復すると予想した。

 2011年の失業率予想は平均8.8%、12年は同8.3%と予想。代替失業率は11年が平均9.1%、12年は同9.0%との見通しを示した。

 ホワイトハウスは「景気は最近減速したものの、今後数カ月から数年でが一段と速いペースで拡大すると予想する」とし、「回復が加速する可能性が存在する」とした。

 オバマ米大統領は8日、雇用・景気対策に関する議会演説を行う見通し。

© Thomson Reuters 2011 All rights reserved.


07. 2011年9月02日 12:38:05: Pj82T22SRI
>>07 9月は株式市場にとって最も残酷な月  2011年 9月 1日 17:24 JST 

 【チャペルヒル(米ノースカロライナ州)】9月は株式市場にとって相当厳しい月になりそうだ。

 過去の9月の記録は悲惨としか言いようがなく、この歴史の重みからはそう簡単に抜け出せそうにない。
 

NY証券取引所のトレーダー

 例えば、ダウ工業株30種平均は、1896年の誕生以来、9月の平均パフォーマンスが1.07%の下落となっている。9月を除くすべての月のパフォーマンスは平均0.71%の上昇である。この1.78%というパフォーマンスの差は統計学的に重要な意味を持つ。というのも、あるパターンが本物かどうかを判断するときに統計学者がよく使う信頼水準で95%になるからだ。

 その上、株式市場の9月の悲惨なパフォーマンスには顕著な一貫性が見られる。例えば過去90年間を10年単位で区切り、各10年のパフォーマンスを月別で比較した場合、9月の順位が9位より上になることは1度もなかった。それどころか、9つの期間中、直近の10年を含む5つの期間で最下位となっているのだ。

 9月が最悪の月という話はよく知られており、これを利用して儲けようとする投資家が増えすぎることで、パターンは途切れそうなものである。ところが、一般に知られてからすでにかなりの年月が経っているにもかかわらず、このパターンは崩れる気配を見せていない。

 筆者が知る限り、9月のリターンが平均を大幅に下回っているという事実が最初に研究論文に掲載されたのは20年以上も前のことである。その研究の終了以来、9月と他のすべての月のパフォーマンスの差は、研究以前よりもさらに拡大している。

 この数カ月間、株式市場は厳しい状況にあったので、今年の9月に限ってはこうしたパターンに逆らった結果が出るかもしれない、と期待を抱く向きもいるだろう。ところが、過去のデータはそうした期待をも打ち消している。

 過去の9月の株式市場において、その直近の数カ月も不調だった年の平均パフォーマンスは例年以上に低迷してきたという事実がある。

 今年もこの条件に当てはまっているのだ。

 強気筋にとっておそらく最も都合のいい反論は、株式市場のパフォーマンスが9月に落ち込むことに関して、正当な根拠が見当たらないというものだろう。このパターンの裏付けとなる論理的説明がないと、それがインチキであるという可能性も少なからず残ってしまうのだ。

 9月の悲惨な平均パフォーマンスは説明がつかないと言っているわけではない。しかし、筆者が調べた範囲では明確な理由が見つからなかった。もし理由を知っている読者がいたら、今後の研究テーマにもなるので是非とも教えていただきたい。

 まとめると、9月の悲惨なパフォーマンスは動機のない犯罪のようなものである。強気に出たい人は自己責任でどうぞ。

(執筆者のマーク・ハルバート氏は、バージニア州のハルバート・ファイナンシャル・ダイジェストの創設者。1980年以降、160以上の金融ニューズレターの助言の追跡調査を実施している)


08. 2011年9月03日 05:26:45: Pj82T22SRI
PIMCOグロース氏:ツイストオペ実施の公算大、長期債を選好 (1) 

  9月2日(ブルームバーグ):債券ファンド大手、米パシフィク・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏は、雇用の伸びが停滞する中で、米連邦準備制度理事会(FRB)は長短金利差を縮小させる措置を講じる可能性が高いとし、償還期限がより長めの債券を選好していることを明らかにした。

  グロース氏はブルームバーグラジオのインタビューで、「当社はハード・デュレーション(残存期間)というものを唱えてきた。それはつまり、基本的に5年超を意味する」と説明。「少なくとも米国に関しては、短期債は弱い。より長め、よりハードなデュレーションに向かう必要がある」と語った。

  8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比変わらずとなったことで、FRBのバーナンキ議長が量的緩和(QE)の実施に傾くとの見方が強まっている。グロース氏は、FRBが5、10年債を購入し、償還期間がより短い国債を減らすという「オペレーションツイスト」を実施し、ポートフォリオに保有する債券の平均残存期間を長期化させる可能性が高いと指摘した。

  同氏は「どのような形で措置を講じるのか、またそれがQEと呼べるものかは分からない。FRB内ではタカ派の反対があるのは確かだ」とし、「当社は償還期間5−10年という見方は続ける考えだ。連邦公開市場委員会(FOMC)が9月の会合で政策変更を行う場合も、中心となるのはそこだろう」と続けた。

            成長促進に注力を

  米労働省の発表によれば、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比変わらず。前月は8万5000人増に下方修正された。平均時給および平均労働時間も落ち込んだ。

  グロース氏は各国政府が債務削減よりも成長を生み出すことに力を注ぐべきだとの見解を示し、「今の状況で債務削減を進めるのは自殺行為も同然だ」と指摘した。

  米商務省が8月に発表した2011年第2四半期(4−6月)の実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)改定値は前期比年率1%増だった。第1四半期(1−3月)は0.4%増。

記事に関する記者への問い合わせ先:John Detrixhe in New York at jdetrixhe1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka at dliedtka@bloomberg.net
更新日時: 2011/09/03 01:58 JST


09. 2011年9月03日 05:28:39: Pj82T22SRI
>>09 NY外為(2日):ドル、対フランで続落−米国の追加金融緩和観測で 
  9月2日(ブルームバーグ):ニューヨーク外国為替市場ではドルがスイス・フランに対して3日続落。8月の米非農業部門雇用者数の伸びが止まったため、金融当局は景気浮揚に向けて措置をとるとの観測が高まり、ドル売りが膨らんだ。

  フランは対ユーロでも上昇。株安で安全な逃避先を求める動きとなり、資源国通貨が安い。米連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和第3弾に踏み切るとの憶測を背景に、ドルはフランに対して週間ベースでほぼ1カ月ぶりに下げた。欧州債務危機が一段と深刻化するとの懸念からユーロはほとんどの主要通貨に対して下げた。

  ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディレクター、ジャック・スピッツ氏は雇用統計について「反射的な反応はリスク回避だ」と指摘。「この数字で追加資産購入が選択肢になるとの期待が強まっている」と語った。

  ニューヨーク時間午後1時21分現在、ドルは対スイス・フランで1ドル=78.65サンチーム。一時は前日比3.1%安の77.12サンチームとなった。これはFOMCが政策金利を少なくとも2013年半ばまでゼロ付近で維持すると表明した8月9日以降で最大の下げ。対円では0.2%下げて1ドル=76円76銭。

  ユーロは対フランで1.5%下落し、1ユーロ=1.1170フラン。週間ベースでは4.5%安と、1999年のユーロ導入以降で最大の下げとなった。対円では0.6安の1ユーロ=109円02銭。ドルに対しては0.4%安の1ユーロ=1.4201ドル。

  主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は0.3%高の74.683。

記事に関する記者への問い合わせ先:Catarina Saraiva in New York at asaraiva5@bloomberg.net;Allison Bennett in New York at abennett23@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka at dliedtka@bloomberg.net
更新日時: 2011/09/03 04:08 JST


10. 2011年9月03日 05:32:42: Pj82T22SRI
>>10米雇用統計:識者はこうみる
2011年 09月 3日 00:35 JST 

 9月2日、米労働省が発表した8月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月から変わらずとなった。写真は09年8月サンフランシスコの雇用センターで撮影(2011年 ロイター/Robert Galbraith)
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トップニュース
8月米雇用統計、非農業部門雇用者数は変わらず
TPP参加問題、経済界と農業界の対話必要=鉢呂経産相
金融機能の安定確保など首相から指示=自見金融相
安住財務相、円高を注意深く監視し対応

 [ワシントン/ニューヨーク 2日 ロイター] 米労働省が2日発表した8月の雇用統計によると、

非農業部門雇用者数は前月から変わらずとなった。エコノミスト予想の7万5000人増を大幅に下回り、約1年ぶりの弱い内容となった。

 市場関係者の見方は以下の通り。

●政策対応促すほど弱いといえず

<ITG(ニューヨーク)のシニアエコノミスト、スティーブ・ブリッツ氏>

 経済は停止に向かい徐々に進行している。ただ問題は、今回の統計が政策対応を促すほど真に弱い内容かということだ。

 個人的には、今回の内容はおおむね悪いが、非常に悪いとはいえないと考える。したがって、政策的には宙に浮いた状態にとどまるのではないか。

●それほど意外感ない、FOMCでのハト派材料増える

<フォレックス・ドットコムの首席ストラテジスト、ブライアン・ドーラン氏>

 大方がさえない数字になるだろうとみていたこともあり、大きな驚きとはならなかった。個人的には若干良好な内容を期待していた。

 今回の統計で、連邦公開市場委員会(FOMC)においては、ハト派に有利な材料が増えたことになる。指標が悪ければ悪いほど、追加の量的緩和措置が実施される可能性は高まる。そうなればドルは対円、対スイスフランでの値が引き続き重くなるだろう。

●景気後退というよりエンスト

<ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、マーク・ビトナー氏>

 非常に低い数字を予想していたが、明らかに失望を誘う内容だ。通信大手ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ.N: 株価, 企業情報, レポート)のストが一因であり、この要因がなければここまで悪くはなかっただろう。

 こうしたなか、家計調査の就業者数増加や労働参加率の改善など心強い点もいくつか見られた。

 (非農業部門雇用者数の増加が)10万人を大きく下回る状態が数カ月続いている。

 米連邦準備理事会(FRB)は経済見通しを下方修正したが、今回の統計はその正当性を裏付けている。経済はリセッション(景気後退)に陥るというよりは、エンストしているように見える。


11. 2011年9月03日 05:35:31: Pj82T22SRI
>>11ドル/円、年明けに80円超まで円安も=渡辺元財務官
2011年 09月 2日 20:54 JST
 

 9月2日、渡辺博史元財務官は、ドル/円が年明けにも80円超まで円安が進む可能性があるとの見方を示した。8月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
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[東京 2日 ロイター] 渡辺博史元財務官(国際協力銀行=JBIC=経営責任者)は2日、ロイターのインタビューに応じ、ドル/円は年明けにも80円超まで円安が進む可能性があるとの見方を示した。

 為替介入については、海外と利害一致しなくとも主権国家として実施する権能あると強調した。米量的緩和第2弾(QE2)は実体経済に影響はなかったとして、今後第3弾(QE3)が実施されても効果は少ない、との見方を示した。

 インタビューの詳細は以下のとおり。

  ──欧州金融市場をどうみる。

 「ソブリン問題と周辺国の国債などを保有している金融機関の問題があるが、生産活動など実体経済への影響は軽微で市場は過度に悲観に傾いている。ただ欧州の銀行の資本不足について国際通貨基金(IMF)は2000億ユーロ、欧州当局は約20億ユーロと2けた違う議論をしている。事実についての共通認識をしっかり持たないと市場の不安感は払しょくされない」

  ──フィンランドがギリシャ支援で担保差し入れを要求した。

 「フィンランドはマーストリヒト条約で定められた財政赤字のGDP比3%ルールを一度も破っていない国のため同国の主張はインパクトが大きい。ドイツが南欧諸国に対してキツイ態度を採りはじめることもありうる。フィンランドは世界で最も高い教育水準の国。こういう国がまともなことを言っていると各国からみられると(ギリシャ支援は)難しい。しかしフィンランドも最終的には柔軟姿勢を採るのではないか」

  ──米経済をどうみる。

 「米国は債務上限法案をめぐる動きのように政治が金融に悪影響を与えている。特に共和党の一部に茶会党の動きがあって与野党の妥協を難しくしており、(有事の際)政治の初動が遅れるとの不安を市場に与えている。来年11月にオバマ再選の有無は別にして次期大統領が決まることで経済も落ち着いてくる」

  ──米追加緩和観測がくすぶっているが。

 「米金融緩和第2弾(QE2)はニューヨーク証券取引所の株価にしか効果がなかった。流動性のわなのような状態や、フルオートメーション型工場の普及で金利低下が雇用の増大につながりにくくなった。(景気浮揚・雇用拡大には)財政が必要。日本とイタリア、英国では財政拡大は無理だが他のG7各国には余地がある。『財政は出せない』『金融は出せない』というメッセージを出すと市場は不安定化する」

  ──米銀行セクターをどうみるか。

 「米金融機関について本当のことはわからないが欧州の銀行ほど傷んでいないのではないか。住宅ローン債権をめぐる訴訟に直面しているバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は、(過払い金請求で倒産した)武富士と同じなので訴訟リスクを抱えている。ただ最終的な支払い額はそれほど膨大にはならないのでは」

  ──G7で先進国が訴えるべき課題はなにか。

 「過去3年間世界経済をしょってきた中国、インド、ブラジルなど新興国の経済がスローダウンしている。先進国が『次の3─5年は頑張ります』とのメッセージを出さないと世界経済が漂流する」

 「日本は昨年6月カナダ・トロントで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で、先進国は2013年までに財政赤字を半減させるとの数値目標から(例外扱いの)『お目こぼし』をもらったが、(財政赤字削減について)なんとかやります、という時期ではないか」

  ──過去最高値水準にある円高をどうみるか。

 「欧州は利下げ、米国は量的緩和第3弾(QE3)により通貨の価値が突如下がる可能性がある。一方日銀が雪崩のような金融緩和をやるとはみられておらず円は価値が下方硬直的とみられている。ただ今後は『円は大丈夫か』との見方も出てくる。野田政権や財政再建の動向により75─80円など70円台で推移、年明けには80円越えの可能性がある」

  ──1年間で3度も為替介入を実施。今後も介入は可能か。

 「介入は為替が乱高下した場合のスムージング手段。(介入をめぐり欧米と)利害が一致しなくとも、日本が主権国家として介入を行う権能は持っている。『このタイミングでやってほしくない』と思うことはあっても、だから『けしからん』と大声を上げることは別の問題」

  ──円高対策としての金融政策の必要性。

 「米国のQE2が実体経済に効果がなかったように、日本が同じような量的緩和をやって実体経済に影響は出ず、為替にも多分効かない。日銀は為替調整のため量的緩和を行う必要はない。日本では市場の潮目が変わる際に金利を急激に引き上げるなどの対応が難しいため、日銀による国債の直接引き受けは、決して良いことでない。ただ副作用があっても実施しなければいけないこともある」

 (ロイターニュース 竹本能文、梶本哲史;編集 宮崎亜巳)


12. 2011年9月03日 20:33:49: Pj82T22SRI
>>12 
バーナンキ議長、そしてその他の出来事

GSAM会長 ジム・オニールの視点

2011年8月が終わろうとしていますが、最後の1週間は、その前の3週間と比べるとやや落ち着いた週となりました。この週は、金曜日にベン・バーナンキ米連邦準備制度理事会議長の、ジャクソン・ホールにおけるシンポジウムでの発言に注目が集まりました。しかし、結果的には、人々が期待または恐れていたほどインパクトの大きいものではありませんでした。
それではまず、8月のViewpointsで扱ってきたテーマに戻り、私が注目する3つの地域で起きた経済および政治関連のニュースを採り上げることにします。3つの地域とは、米国、欧州、そして中国です。
<米国経済とバーナンキ議長>
今週は、データ発表の少ない週だったため、数字の面では、さほど注目すべき動きはありませんでした。しかし、来週は多くのデータ発表が控えています。特に重要なのが、8月の米国供給管理協会(ISM)指数ですが、これがフィラデルフィア連銀製造業景気指数の衝撃的な下落によって示された景気の大幅な後退懸念を裏付けるものになるか否かが注目されています。
バーナンキ議長の発言内容は、今週のハイライトではありましたが、特段驚くべき内容はありませんでした。議長は予測通り、8月の市場を混乱させた数々の大きな問題を考慮に入れても景気は一層強くなる、そのような確信を連邦準備制度理事会が依然として持っているという見方を示しました。しかし、発言の最重要ポイントは、もし景気動向が後退に向かうならば、追加措置をとる用意があると明言したことです。これに関連して、議長が来月の連邦公開市場会議(FOMC)の会期を1日から2日に延長したことが注目されました。この日程の延長が、8月にとった措置に加えてより緩和的政策を実施すべきであるという反対派を説得するために、余分に時間が必要であるためなのか、あるいは、再び市場の混乱が起こった時に備えて、すべての政策オプションを検討したいためなのかはよく分かりません。バーナンキ議長の発言でもうひとつ気になるのは、住宅市場の低迷のために苦しんでいる人々の負担を軽減する追加的政策を、政府が講じるべきだという考えを支持するニュアンスがあったことです。8月を通してずっと申し上げてきたように、連邦準備制度理事会がどのような追加措置を行うよりも、雇用の創出と企業の設備投資を促すことを明確に目指した政策を実施することの方が、景気へのプラス効果が大きいと思われるからです。もちろん、金融環境を緩和することでマイナス影響が出ることはないでしょうが、雇用の創出がこれ以上望めない、また企業はこれ以上の設備投資をする気はない、さらに消費者は住宅市場
2
の弱さから苦境に立っている、このような環境下では、金融緩和措置の効果がどの程度続くのかについて、疑問の残るところなのです。
とは言え、連邦準備制度理事会議長は、明確なメッセージを発したと言わざるを得ないでしょう。他地域、特に欧州でのリーダーシップ欠如の現状と比較すると、バーナンキ議長のコメントは新鮮かつ安心感をもって聴くことのできるものでした。
2008年の“暗黒の時期”以降、米国や世界各国の株式市場の回復は、連邦準備理事会の果敢な政策のお陰であり、逆に市場の上昇の阻害になりかねない市場の動揺は、連邦準備理事会の緩和姿勢に変化が生じたこと、あるいは変化の気配が見えたことによって引き起こされたと、多くの人が信じています。同様に、スタンダード・アンド・プアーズ総合500 種株価指数が5月にピークを打ったのはQE2(量的金融緩和2)終息の予測があったからであり、連邦準備理事会がこれ以上策を打たなければ2008年以降の回復は終わると、多くの人が考えています。しかし、確かに連邦準備理事会の動きは、特に米国の国内市場にとって大きな役割を果たしたものの、他国の市場について言えば、他にもさまざまな要因が寄与したと私は考えています。そうは言っても、バーナンキ議長の発言を弱気派が批難するのは的外れです。議長は、必要ならば追加措置を採ると明言したのですから。

<ドイツ型均衡財政が欧州地域に広がりつつあるのか?>

市場を混乱させた1週間が過ぎても、欧州では米国とは違って、8月以降にどのような展開が待っているのかまったく分かりません。各国政府は欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡大提案を批准しなければなりません。そして、欧州通貨同盟(EMU)の機能向上、あるいはその存続のために何をすべきかを、欧州地域の主要国が明確にすることを誰もが期待しています。ドイツでは、欧州地域内の課題を抱える他加盟国に対し「これ以上の」金融支援に対する根強い反対論が依然としてあります。ドイツが望んでいないことは何か(例えば、「ユーロ共通債の発行を急ぐことはない」と考えていることなど)は分かったような気がしますが、ドイツ首脳が、他の同盟加盟国に対して何を本当に望んでいるのかについては、何も示していないと感じています。
当社(ここでは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントを指します。)の運用チームの中では、この点に関して、引き続き活発な議論が続いています。その中で、今週、債券運用チームの同僚が、強い同盟加盟国と弱い加盟国との間での不協和音だけではなく、このところ強い同盟加盟国内での意見の相違が見え始めていると指摘しました。一番最近の例が、フィンランドがギリシャへの第2次支援に参加する条件として、担保差し入れを要求したことに関する論争です。
さらに、欧州中央銀行(ECB)の政策意図に関して引き続き懸念があります。特に、問題を抱えた国々の債券価格を支えるための市場介入を継続する心づもりがあるのかどうかとういう点が気がかりです。ECBが介入を続けるにしても、それを進んで行っているわけではなく、EFSFの追加権限が正式なものになれば、すぐにバトンを渡したいと考えているのではないかという疑念が、引き続き残っています。また、このかなり重要な問題に加えて、ECBの基本的スタンスに関するより大きな話題として、金利政策があります。フランスとドイツの第2四半期のGDP成長率が驚くほど弱いものだったのに加えて、その後に発表された最新の企業景況感や消費者信頼感にもブレーキがかかっており、ECBがタカ派的姿勢を変えたのではないかと考えてしまいます。
3
こうした問題の上層には、欧州連合のリーダーシップのスタンスという重要な問題があります。この意味で、9月は、間違いなく重要な月となります。欧州委員会のレーン経済・通貨問題担当委員が、欧州連合によるガバナンスとマーストリヒト条約の安定成長協定の効力強化について計画を発表することになっています。どのような提案がなされ、これに対して主要国がどのくらい欧州連合に対する協力姿勢を示すかは、興味深いところです。
このように、各地域で引き続き問題が起こるであろうと予測することは簡単ですが、こうした中、今週、私が大きな関心を持ったのが、ドイツの動きです。少し変わった方法で、他国にもその考えが浸透し始めたようです。現在、フランス、イタリア、スペインの各国で、憲法改正によって財政規律の厳格化を図ろうとする動きがあります。こうした動きが原案通りに立法化されるのかはまだ分かりませんが、ここ2日間の報道から判断すると、フランスとイタリアで出されている法案は、ドイツの均衡財政条項に近いもののようであり、スペインのものはそれよりもやや緩め(緊縮型でない)のものとなっているようです。ここに挙げた4ヵ国が欧州通貨同盟域内GDPの大半を担っていることを考えると、現在の金融危機がすぐにも完全に解消するとは言いがたい状況です

強い緊縮型の財政規律を確立することは、単にメリットばかりをもたらすとは言い切れません。各国の議会で、これら緊縮財政案が実際に承認された場合、現在の厳しい経済状況の中で、何が欧州地域での経済成長の拠り所となるのでしょう。もし米国連邦準備委員会がこの地域の中央銀行であったなら、より緩和的な金融政策のスタンスが取られると思われますが、ECBの場合、そうした措置が取られる確信が今ひとつ持てないのです。
多くの疑問が残ったままであり、さまざまな方策が奏功しない可能性も大きいのです。

<中国>
さて、中国です。こちらでも、経済データの発表という点から見ると、さしたる動きのない1週間でしたが、政治面では興味深い動きが多く見られました。皆さんの耳にたこができるほど繰り返してきましたが、年率7〜10%で成長を続けている世界第2の経済大国での出来事は、世界中の国にとって、そして欧州地域の各国や米国にとっても、多くの方が考える以上に重要です。
今週私が注目したことが3つありました。まず、当局が香港での人民元決済自由化をさらに押し進めると発表したことです。このことで、中国が、人民元の段階的な開放を進めようとしているとの見方が強まっています。今週多くの方との情報交換の中で見えてきたのは、中国の政策立案者たちが、2008年の金融危機直後とは対照的に、自国の運命を自らで決めることができるという確信を強めつつあることです。
2つめは、フランスのサルコジ大統領がバロワン新財務大臣を伴って中国を訪問したことです。今回の滞在中、人民元をSDRバスケットに組込む方法を検討する作業部会の設立が発表されました。今後この話題を耳にする機会が増えると思います。この作業部会での結論が、人民元のSDRバスケットへの組み込みを、公式に発表されている次回の見直し時期2015年より早めて実施すべきであるという結論になるかどうかは、現時点では判断できません。それが現実のものになるかどうかについては、間違いなく、現在進められている人民元の開放政策や、米ドルその他の通貨に対する人民元相場の動きと密接な関わりを持つことでしょう。
3つめは、金曜日に中国の金融当局が発表した預金準備対象を拡大して、預け入れ証拠金を追加する措置です。
4
その意図は、中国人民銀行がインフレ抑制策実行のために必要な流動性の流出を阻止するためだと思われますが、この動きは、間違いなく政策強化の一貫であろうと思われます。欧米における現在の厳しい経済環境と、消費者物価指数の上昇がピークを打ちつつある中国の状況に照らし合わせると、この時期にこうした措置が採られることは、やや奇異に思えます。中国ではよくある話ですが、この話には続きがあります。多くの者が、人民銀行はほどなく、預金準備率の引下げを開始するだろうと考えているのです。このような動きに、来週週明けの中国国内市場がどう反応するかは、極めて興味深いところです。 


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