★阿修羅♪ > 経世済民72 > 838.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
返せといわれても資産は何も残っていなかった YCUBE人気ベンチャーはなぜ潰れたのか4
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/838.html
投稿者 sci 日時 2011 年 8 月 24 日 09:56:50: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://president.jp.reuters.com/article/2011/08/24/6EBA385A-C6E1-11E0-92A8-F5E93E99CD51.php
返せといわれても資産は何も残っていなかった
【ワイキューブ】人気ベンチャーはなぜ潰れたのか4
プレジデント 2011年8.1号

漫画『ONE PIECE』のように、利害を超えて情熱を燃やせる世界があってもいいと思っていた。

大内祐子(プレジデント編集部)=構成 佐粧俊之=撮影
キーワード: リクルート 経営者・社長 ベンチャー・独立 人気ベンチャーはなぜ潰れたのか 経営・組織 投資・信託 再建・再興 

返せといわれても資産は何も残っていなかった

安田佳生●「ワイキューブ」代表取締役社長。1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、90年ワイキューブを設立。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけ、社員研修事業、広告企画制作事業なども好調となった2007年には売上高約46億円を計上。オフィスにワインセラーやバーを設置するなど独特の福利厚生でも知られ、就職人気企業ランキングでは有名大手企業にまじり、20位内にランクインしたこともある。『千円札は拾うな。』など、著書も多い。
写真を拡大
安田佳生●「ワイキューブ」代表取締役社長。1965年、大阪府生まれ。高校卒業後渡米し、オレゴン州立大学で生物学を専攻。帰国後リクルート社を経て、90年ワイキューブを設立。新卒採用コンサルティングなどの人材採用関連を主軸に中小企業向けの経営支援事業を手がけ、社員研修事業、広告企画制作事業なども好調となった2007年には売上高約46億円を計上。オフィスにワインセラーやバーを設置するなど独特の福利厚生でも知られ、就職人気企業ランキングでは有名大手企業にまじり、20位内にランクインしたこともある。『千円札は拾うな。』など、著書も多い。

そういうときは、たいがい社長が自宅に資産をもっているとのことだった。だが、私は自宅も賃貸で、自動車ももっていなかった。貯金もいちばん多かったときで、500万円しかなかった。

高いワインを毎日飲んでいたのではと思う人もいるかもしれないが、そういうわけでもなかった。

たぶん、必要ないものをいろいろ買っていたのだろう。ソフトやインフラの売り込みも少なくなかった。いつの間にか、社員が売り込みの営業マンを私に会わせなくなっていた。

一括ではとうてい返せないことがわかり、銀行とは返済計画をリスケジュールすることで話がついた。代わりに金利も、それまでの2%から上がって年4%になった。それが08年秋前のことだ。

そこへきてようやく、人件費を含めて経費を下げようということになった。

それまでは、どれだけ金を使ってもいいから売り上げを伸ばし続けるといっていたのに、社員を集めて、「ケチケチ大作戦」というのもやった。笑い話のようだが、今日から自分たちはケチになるというので、ほんとうにそういう名前のキャンペーンを張ったのだ。

売り上げが減りはしたが、それに見合うように経費も人件費も圧縮して、09年3月期には28億の売り上げとなった。そこから盛り返していくつもりだった。だが、そうはいかなかった。とくに私たちは新卒がターゲットだったので、マーケットのなくなり方も急だった。

10年3月期の売り上げは14億5000万円。07年から09年の2年間で3分の2になり、次の1年でその半分になった。3年間で3分の1だ。そのときの落ち方は、なだらかな下降などではなく、180度下を向いているくらい真っ逆さまの感じだった。

その間、さらに経費を圧縮して、人件費も下げ続けていた。それまではずっと右肩上がりで、社員の給料も年俸ベースで上げてきていた。

「申し訳ありません。できる社長とはいえませんでした」

給料を下げることで、何がいちばん変わったかというと、社員のモチベーションだった。リストラはしないつもりだった。その代わり、一部の社員を休職扱いにしただけでも、全体のモチベーションは落ちた。抜けてほしくない優秀な社員も抜けていった。

東京地裁に民事再生法適用を申請したのが、11年3月30日。倒産の情報は、ツイッターですぐに広がった。帝国データバンクの倒産速報に記事が出たのがきっかけのようだった。フォロワーが一気に1000人も増えていた。会社へ問い合わせの電話もかかってきていた。

「期待してフォローしていただいた方、申し訳ありません。できる社長とはいえませんでした」

31日朝の私のツイートだ。先にお世話になった取引先に挨拶にいくつもりでいたのが、順番が逆になってしまった。

負債額は40億円。それでも銀行との返済計画の見直し交渉より、民事再生が決まったときのほうが、気持ちはずっと楽だった。

それまでの2年、銀行へは金利を含め年2億から2億5000万円を返していた。金利分だけで年1億2000万だ。これでは毎年3億円くらい利益を上げても、永久に返済し続けなければならないのではないかという感覚だった。

民事再生法の適用により、経営権が他に移るということも事実だが、もし可能だとしても私が社長をやり続けるのはどうかと思う。社長としての自分が機能していなかったことを、いまや認めざるをえないからだ。

どんなに売り上げが上がったときでも、私たちの会社の利益は常に1億くらいにしかならなかった。

コンサルティングがメーンであれば、ソフトウエア会社などと同じで、利益率も高く、経費といえばほとんどが人件費の事業だ。給料や時間をどう管理するかによって、利益は大きくもなるし、小さくもなる。いま考えれば、利益を出すという意味での事業の本質を、私はまったく掴んでいなかった。

いつも頭にあったのは、どうすれば社員がやる気を出して働いてくれるか、どうすれば彼らのモチベーションを上げられるかということだった。ただ、だからといって常に彼らとの一体感を感じていたかというと、それも違う。

どこかに、漫画『ONE PIECE』のように、利害を超えて情熱を燃やせる世界があってもいいと思っていた。あの時代のリクルートに自分はずっと憧れていたのだと思う。だが、リクルートにはなれなかった。いや、リクルートの中にさえも、そんな世界など、ほんとうはなかったのかもしれない。

>>「人気ベンチャーはなぜ潰れたのか」の目次はこちらから

読者の評価が高い記事ランキング
1位
サッポロビール仙台工場長「有事の決断力と創造力」
2位
4500人が大行列「お客さまに励まされた」
3位
ホテルマンに学ぶ「Yes,but」コミュニケーション
4位
「空港を囲え!」猛スピードで立った木柵
5位
「郷に入りては」米国流を封印した心意気
6位
5年前に指摘されていた福島原発「津波」への無力
7位
トヨタも驚愕!伊那食品工業「48期連続増収増益」の秘密
8位
原発新設の莫大なコストが莫大な儲けに直結
9位
頑張ってもらったことに今度は私が応えなくては
10位
殺し屋と批判されても日本ツアーを再開したわけ
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2011年8月24日 11:15:40: R13RBTHDI6
事業(だけではないが)を継続して行くことの難しさ。
一端蛇口から放出した水は容易には締められない難しさ。

>社員のモチベーションだった。リストラはしないつもりだった
>銀行とは返済計画をリスケジュールすることで話がついた。代わりに金利も、そ>れまでの2%から上がって年4%になった。それが08年秋前のことだ。
>そこへきてようやく、人件費を含めて経費を下げようということになった。

今まで払えないものが、条件が厳しくなってさらに払える筈もないのは明白なんだが、それすら判らない思考停止の情態になっていて、それに対する忠告があったとしても、はたしてそれを聞く耳を持っていたか否か…。
事業(会社組織)の理想を追い、それが自身と同一化して周りが見えなくなり、それを修正する術を持たないから経営者として失格と…。

おいらも同じような境遇(未だ倒産してはいないが)を体験しただけに痛いほどわかる。
まぁ 要は、出る量より入る量を多くするだけの話なんだが、これが難しいんだよな…


02. 2011年8月24日 12:16:22: Pj82T22SRI
理想を高くもつ(目線を上げる)こと、そして目先ではない
長期的な効率を高めることは重要だ

しかし今日、生き延びなければ、明日はない

足元をしっかり見つめる(1円を拾う)ことは、さらに重要だということを
彼も身を持って示してくれた

http://d.hatena.ne.jp/manabu55/20110819/1313701696
金持ちは千円札を拾わない。
なぜなら、千円札を拾うことで目線が下がり、他のものが見えなくなるから。
価値のある情報、金を生む価値は、日常の中に溶け込んでいるのである。

私たちは、さまざまな偏見を持って生きている。この偏見が価値のある情報を見逃させるのだ。
偏見を捨てれば、私たちは新しい自分を発見することができる。
成果を生み足すために時間を使う

「勤勉は美徳、努力は報われる」はウソ。残業をすれば成果が上がるわけではない
頑張ってもどうにもならないことを理解すれば、どうすればよいか「頭を使う」ようになる
最も価値のある能力は、「新しいものを生み出す能力」である
成長とは、一歩一歩階段を上ってきた階段が、間違っていたと気づいたときに、すぐさま下りる勇気である
いやなお客は会社と社員の利益と時間とやる気を奪う。そんなお客は迷わず捨てる
上顧客でも特別扱いせずに社内のルールは遵守する

利益をもたらすお金の使い方

お金と人材を上手に動かすシナリオを書くことが経営者の仕事
経営で勝つコツは、売り上げをお金で買っているという考え方を持つこと
お金は血と汗の結晶ではない。効果の高さを判断して冷静かつ大胆にお金を使う
投資金額が少ないと外れる確率は高くなり、書く確率の高い投資はリターンが少ない
社員の決済能力を上げるために、社員がプレッシャーに感じる金額を決済させる
ある程度の無駄遣いがあってこそ、最終的に勝てる勝負ができる
お金がなかったら借金をしてでも「人材」、「情報」、「ブランド」に投資する
企業文化は、数や量ではなく、質や美意識に変わっている
ひとが生きる上で必要なのは、お金ではなく、必要なときに必要なお金を作る能力である

大成する人材の見抜き方

おしゃれは、自分自身を変えるという意思の表れ。そのひとの価値観を見極める指標
そのひとの価値観は「捨てられるものの量」できまる
女性が良いと言わない男は、大した男にはならない

トレンドに流されずに本質を見抜く力

やるかやらないかは即決する。それが新しいものであればやる。やっていることを続けるかどうかは、ずっとやってきたことならやめる
規模が大きくなると変化に対応できない。変化に強く、付加価値を創造できる中小企業こそが時代の寵児
本質とトレンドを見極める。トレンドや過去に縛られることなく守るべき本質を見極める
似合う服を選ぶのではなく、おしゃれな服に自分を合わせる
経営者が何もしなくても会社が回る設計図を作ることが経営者の仕事。設計図を作った時点で勝敗は決まっている
人生のリスクとは、周囲のひとの常識に流されて、本当のリスクを自覚しないままに生きること。リスクのない人生はない


03. 2011年8月26日 06:45:55: EwivKFDMDU
経営をこうしたらいい、ああしたらいいという話は数多くがあるが、
大半は理想論に近い。

だから会社やお店というのは例えるならば軍隊の兵士のようなもので、
戦争になれば無傷では済まず、一定数が死傷するというシビアな発想が
必要ではないだろうか?

リーマン証券もあえなく倒産したのだし、経済競争も経済戦争と呼ばれる
ほど過酷な世界であるならば全ての事業者が成功することはできない。


04. 2013年12月12日 00:07:49 : NNMbN8am8E
2007年には売上高約46億円を計上
17年目で、ここまでの会社にしたということは
「期待してフォローしていただいた方、申し訳ありません。できる社長とはいえませんでした」

というのはいささか無理がある。
なんだろう分からない。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 重複コメントは全部削除と投稿禁止設定  ずるいアクセスアップ手法は全削除と投稿禁止設定 削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告」をお願いします。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民72掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民72掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧