http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/830.html
Tweet |
超円高による輸出産業の採算悪化ばかりが言われているが
過去のニクソンショックやプラザ合意などの劇的な為替変動でも
長期的には輸入材の価格が安くなるので、十分コストは吸収できた
一番の問題は、実は、日本の輸出産業の圧倒的な技術力に基づいた高い生産性が
海外市場の変化や国内の労働等の規制、人材供給の劣化、社会保障等負担の増大
そして企業自体の統治構造変化などにより、既に過去の話になっているということだ
目先の円高自体は後付けの一つの理由にすぎないだろう
円高を利用し、日本の雇用の中心を占める内需産業の高度化と社会保障改革による内需拡大を進めるだけでも大分変ってくるだろう
http://diamond.jp/articles/-/13658
【第191回】 2011年8月23日
超円高に耐久財のデフレ
日本の輸出産業の“悲鳴”
“超円高”といわれるが、インフレ率を勘案した実質レートで見れば様相はまったく変わってくる。たとえば日本に住んでいる人が10年ぶりにニューヨークに旅行に行くとしよう。ドル円レートはこの間におよそ36〜38%上昇している。
JFK空港からマンハッタンへのタクシー料金は、10年前は30ドルだったが現在は42ドル(+40%)。市内の地下鉄の1週間パスは10年前の17ドルが今は29ドル(+71%)だ。
米国らしいステーキを食べるため1868年創業の「オールド・ホームステッド」に行く。ポーターハウス・ステーキは、10年前の60ドルが今は86ドル(+43%)に上昇。ミュージカル「シカゴ」を10年ぶりに見に行くとする。前は37.5〜85ドルだったのに、今は69〜136.5ドルだ。186.5ドルというプレミアム席も現れている。
ミュージアムの入館料もこの10年で、自然史博物館は10ドルから19ドル(+90%)、現代美術館は10ドルから20ドル(+100%)、メトロポリタン美術館は10ドルから25ドル(+150%)に上昇した。
次のページ>> 日本人にとっての円高の恩恵は相殺されている
米国のサービス価格や外食価格は大幅に上昇しており、日本人にとっての円高の恩恵は相殺されている。国際決済銀行(BIS)集計の実質実効為替レートを見ると2001年7月に対して今年7月の円レートは9%の円安だ。では、なぜ日本の輸出産業から“悲鳴”が上がるのか。名目レートが円高でも、インフレで海外での販売価格が上昇していれば、輸出代金を円転したときの価値は以前と比べ小さくならないはずである。
問題なのは、日本企業を含む東アジアのメーカーが猛烈な競争を展開するため、米国でも家庭向け工業製品はデフレになっていることだ。10年前に比べると、米国の消費者物価(CPI)総合は+21%、サービスは+23%、非耐久財は+26%と上昇した。だが、電気製品や自動車が含まれる耐久財は▲10%だ。
CPIに占める比率(ウエート)は、サービス6割、非耐久財3割である。9割の品目の価格は上昇しているのに、日本の製造業は、残り1割の価格が下落しているカテゴリーで勝負をしている。
その中でも特にテレビは▲83%だ。韓国ウォンが安いため日本製品が値引きに引きずり込まれているといわれるが、実情はより厳しい。米国の家電量販店では、50インチで約680ドル、60インチで約1500ドルという韓国製より安い日本製テレビの激安値札が見られる。残念ながらブランド力でも負け始めている。為替レートの問題だけでなく、技術力を生かした、収益性の高い商品をいかに開発していくかが課題となる。
(東短リサーチ取締役 加藤 出)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。