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米国が悪性のスタグフレーションに陥り、通貨信認の崩壊と金利上昇が起こる場合、日本も同様の状況になっている可能性は高い
まだ暫く時間はあるが、この状況が続くようなら日本も米国と同じ泥船に乗って沈んでいくことになりそうだ
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/
まだ危機ではない米国経済
2011/08/23 (火) 10:37
超円高が止みません。金はとうとう1900ドル台に突入しました。これらは全て、米国経済の先行き見込みが懸念されるからであるのです。
ならば、資本は米国から逃避をし始めているのか?
それが、それほどでもないのです。確かにドルは低下しており、そのことは、ドルに対する人気が落ちていることを意味するのではあるのですが‥では、米国国債の人気はどうかといえば‥ご承知のように格付け会社のなかには、米国債の格付けを引き下げたところもあるのですが、米国債の流通利回りは、歴史的な水準で推移しているのです。
かつては、10年物国債といえば、6%、5%、4%程度が普通の水準かと思っていたのが、とうとう先週は瞬間的ではあるのですが、2%を切ってしまったのです。で、今週に入っても2.11%と極めて低い水準に留まっているのです。
ということは、米ドルに対する信認は少しずつ低下しているものの、米国国債に対する信認は、むしろ相対的に上がってしまっていると言えるのです。
つまり、幾ら金が1900ドルを突破しようと、米国経済は、まだ真の意味での危機ではないのです。
真の危機は、米国国債が暴落した時に始まる訳なのです。
米国債が暴落することは、長期金利が急上昇を始めることを意味する訳ですが、長期金利が上
がるのには二つの理由があるのです。
一つは、物価の上昇によるものです。つまり、景気回復が見込まれ、物価が上がるのではないかという期待が高まる場合や、景気回復は見込まれない場合でも、何らかの理由によって物価が上がると見込まれる場合には、長期金利が上がることになるでしょう。
もう一つの理由は、米国政府の借金返済能力の低下によるものです。つまり、投資家が米国政府の借金返済能力に疑問を投げかけることによって米国債の人気が落ち出すと、それによって長期金利が急騰することになるでしょう。
そして、そのようにして長期金利が上がる場合には、幾ら高い投資収益が期待できそうでも、資本の海外逃避が起こり、金利の上昇にも拘わらずドルが急落することになるでしょう。
こうしたことが起きるのが、米国にとっての悪夢である訳です。
で、日本政府が円高対策のために行う為替介入というのは、こうしたドルの急落を防止するためのものであるので、本当は米国に対し大変な協力をしていることになるのです。
いずれにしても、景気が回復するとは思えないのに、米国の長期金利が上昇することがあれば、そのとき、米国経済は本当の危機に突入することになるのです。
そして、そうなれば、日本にドルを買い支えるように為替介入をして欲しいと泣きつくことになるでしょう。まだ、そういう状況ではないようです。でも、あと5年もすれば、真剣に悩むような時代になるのではないでしょうか。
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2011/08/22/013572.php
小笠原誠治の経済ニュースに異議あり!
円高阻止の断固たる措置
2011/08/22 (月) 14:43
野田財務大臣が、本日こんなことを言いました。
「一方的に偏った円高の動きがさらに強まっている。あらゆる手段を排除せず必要になれば断固たる措置を取る」
ありとあらゆる手段? 断固たる措置?
一体、どんな手段があるというのでしょう? この発言を聞いて、もし、大方のマーケット関係者
が、「ついにあの手段に訴えるのか」などと身震いするようでしたら、たちどころにマーケットの風は流れを変え‥
しかし、実際には、圧倒的大多数の人は、一体全体介入の他にどんな手段があるというのだ‥なんて思っていると思うのです。しかも、介入にしたって、真夏の打ち水のようなもので、効果はすぐ消え去ってしまいます。
私思うのですが、「あらゆる手段を排除せず‥」などと言うときは、大体手段が尽きたときなのですよね。それに、その道のプロがそんな台詞を吐くのであれば、少しは期待されもするでしょうが、政治家が言ってもね‥
ありとあらゆる手段といっても、何があと考えられるというのでしょう?
「どこかの誰かが、なんかええ感じにしてくれへんかな?」
なかなかないのですよね、いい知恵は。
「こんなのはどう?」
こんなのとは?
「だから、財務大臣がアメリカと個別交渉をして、例えば、せめて今後3カ月間程度は、1ドル=85円程度に戻すことを認めてもらうというのは?」
そんなこと認める訳ないでしょう。
「だから、例えばの話だよ」
まあ、仮に、そんなことをアメリカが認めてくれるのであれば、それなら野田大臣は英雄になるでしょう。総理間違いなし。経済界も、野田総理を歓迎するかもしれません。
「せっかくなら、90円とかの水準で向う1年間程度は黙認してくれるということであれば、なおいいよね?」
だったら、半永久的にドルと円を固定することにしたら?
「野田総理は、歴史に残る総理になるかもしれないよね」
しかし、問題があるのです。深刻な‥
「だって、日本の輸出企業は将来が約束されたみたいなものなのだよ!」
でもね‥
「でもねって?」
例えば、日米間で1ドル=100円で固定しようという話がまとまったとします。
「もう為替変動リスクには晒されないよね」
日本経済とアメリカ経済の歩みが歩調を合わせたものであれば、大きな問題は発生しないかもしれません。しかし、今後も米国の経常赤字が続くようであれば、大きな問題が生じます。
「そうなると益々ドル安円高になるよね。で、そのときにも1ドル=100円だから安心して輸出ができる」
確かに、日本製品はアメリカでバカ売れするでしょう。何故ならば、実力がなくなったドルでなお日本の高い製品を買うことができるからなのです。
「だから、日本の輸出企業は決して採算割れしない」
しかし、日本の輸出企業が手に入れる輸出代金のドルは、大変価値の低下したものになっているのです。
「そんなことはないよ。1ドル=100円のままだよ」
しかし、それは人為的なレートであるにすぎません。そのレートを維持するために恐らく日本政府は巨額のドルを外貨準備として保有させられていることでしょう。本来であれば、1ドル=50円になっていてもおかしくないかもしれません。
つまり、1ドル=50円の実力しかないドルを、1ドル=100円の実力があるものと日本側は認めてあげていることになるのです。要するに、そんな価値の下がったドルを日本はいつまで有難がり続けるか、ということなのです。
もちろん、今現在はドルは基軸通貨であるし、米国は世界ナンバーワンの経済大国ですから、ド
ルを保有することにも意味があるのですが‥今後、次第にそのドルの性格が変わっていくのです。
幾ら米国が、日本製品をこれから先も買い続けてくれるいいお得意さんであっても、そのお得意さんの発行するドルの価値が大きく落ち込んでしまえば、そんなドルで買ってもらう場合には、大量のドルを渡してもらわないと話が合わないということになるのです。
ということで、仮に野田財務大臣が1ドル=85円で、1年間という約束を米国側と結ぶことができれば、英雄になれるかもしれませんが、1ドル=85円で、20年間という約束を結ぶことに成功すれば、歴史的なおバカさんになる可能性が大であるのです。
まあ、本当に円高を食い止めたいと思うのであれば、そもそも何故円高が起きているかをよく考えた方がいいと思うのです。
「何が原因?」
長期的には、勿論貿易の偏り。つまり、構造的に日本が輸出超になっていて、アメリカが輸入超になっているということです。
「だったら、日本からの輸出を減らすの?」
そんなことはできません。そうではなくて、日本のアメリカからの輸入を増やすのです。しかも、一過性のものではなく、恒常的に米国からもっといろんなものを買う、と。政府がキャンペーンを繰り広げるといいかもしれません。
で、そうやって、アメリカの日本向け輸出が増えると、自然に円安の方向に向かうことでしょう。そして、日本がそうした手段を取れば、アメリカはきっと大歓迎するでしょう。そして、日本の輸出企業も今のような超円高に悩むことはなくなるのです。
もっとアメリカの製品を買うのがいいのです。そのために、円高の危機感だけを煽るのではな
く、消費者に夢を与えるようなムードを演出するのもいいかもしれません。
アメリカの製品を買う(もちろん、いい商品だけを)ことが、究極の円高対策であると思うのです。
その位のことを政治家ならいわなきゃ!
日本がアメリカの製品を買えば、アメリカの景気もよくなる訳です。そして、そうするとアメリカは日本の製品をより多く買うことになるわけです。
この政策を実現できる政治家は大変アメリカから歓迎されることでしょう。日本を見る目がまた変わるようになるのです。
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