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産経新聞 8月20日(土)21時2分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110820-00000548-san-bus_all
大阪発祥の有名企業の“帰還”が話題になっている。アジアを中心とした海外展開に力を入れるため、東洋ゴム工業が来年4月までに東京本社(東京都豊島区)の機能を大阪本社(大阪市西区)に集約することを決定したのだ。
東京への本社流出に悩まされ続けてきた関西経済界にとっては吉報ともいえるが、同社の東京離れは、関西を含めた国内市場に見切りをつけたことが背景にある。1ドル=75円台に突入した超円高時代にあって、同社の動きは単なる吉報ではない。
統合の対象となるのは、海外営業本部や東西で重複していた総務・物流部門など、東日本地域の営業担当を除く全部門。東洋ゴム工業は昭和50年に東京支店を東京本社に格上げし、大阪と東京の2本社体制に移行した。タイヤの営業部門の機能も東京に移していたが、東京本社に在籍する約140人のうち、営業部門の多くを含む約100人が大阪に引っ越す。
ただ、この本社集約は、タイヤの国内需要が縮小するにつれて、海外の比重が上昇していることが背景にある。同社は急成長するアジアの需要を取り込むため、5月に発表した中期経営計画で、平成22年に2900万本だったタイヤ供給体制を27年に4500万本に拡大させる目標を策定。マレーシアに建設する新工場で最大千万本の生産体制を確立しようとしている。
同社の役員の大半はこれまでも大阪に勤務しているため、本社機能集約により、海外事業拡大に向けた基盤を整備する。組織集約で経営効率の向上も目指すほか、アジアに近い大阪の利便性も活用する。
東日本大震災や東京電力福島第1原子力発電所事故をきっかけに、企業のリスク分散論が高まった。東京に一極集中する機能を大阪に一部移す企業の動きは少しずつ見られているというが、東京商工リサーチ関西支社は「本社機能を集約するのは極めて珍しい。他に聞かない」と驚く。
関西にしてみれば、他企業の移転も期待したいが、同支社は「関西経済に魅力を感じているわけではない。原発への依存度が高い関西電力管内への移転は心理的ブレーキにもなる」とみる。
一方、りそな総合研究所の荒木秀之主任研究員は「多くの関西企業はこれまで、国内市場を成長の柱と位置づけ、その中心の東京に拠点を移してきた。国内の成長が見込めなくなってきたとなれば、地価の高い東京に機能を集中させる必要はなく、研究開発などの拠点がある関西に移転していく可能性はある」と話している。
グローバル化の大きなうねりの中、関西の存在意義が問われている。
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