http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/783.html
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2007年3月の記事ですが、面白い記事ですので、引用しておきます。
なお、この記事が書かれた後、あのリーマンショックが起きています。
リーマンショックについてはこの引用記事の次の記述がとても示唆に富んでいます。まず、その部分だけの引用:
ドル暴落でも“資産倍増”のマジック
ところがアメリカは、ドル暴落を逆手に強いアメリカを演出する“マジック”を手にしています。
例えば、1ドル120円が60円に半減した場合、120円は2ドルとなり、アメリカ資産の名目評価額は倍増し巨額の資産に一変します。一方対外負債は、アメリカ国債や株式などへの証券投資が多く、その表面投資額は変わらないばかりか実質投資価値は半減することになります。結果、ドル暴落による資産膨張によって、アメリカは国際収支黒字国≠ノ変貌することになります。しかし、実体経済は当然悪化しており、各国の警戒感はいっそう強まることは間違いありません。 また、軍事力を背景に、力で他国を支配するアメリカの姿勢は完全に世界の「信用」を失うことになります。信用を失ったドル(アメリカの政治経済)は、基軸の終焉、孤立へと向かっていくでしょう。 とくに中国、EUが元・ユーロ建てを求めた場合、この流れは一段と加速するものと見られます。
以上、リーマンショックに関しての引用終わり、
の部分の記述がとても参考になります。しかし、このリーマンショックのために、アメリカは世界中の国から信用を無くしてしまいました。
以下、記事全体の引用です。
http://www.kanchu.or.jp/syuchou/syuchou200703_1.htm より引用:
ドル暴落黒字国・日本が危ない!
アメリカ追随の異常政治・経済の実態
専務理事 田中 実
大企業が軒並み業績を回復させるなか、輸出増による日本の外貨準備高が異常な伸びを示しています。財務省07年1月の速報では8953億8300万ドル(115円換算102兆9690億円)で、98年比で4倍強となっています。しかし好調に見える日本経済に、実は深刻な危機が日増しに強く大きくなっています。
アメリカドル暴落とその背景
それはアメリカドルの「価値の暴落」です。アメリカは1971年、ドルと金のリンク中止(いわゆる「ニクソンショック」)を発表しました。発表前、1オンス35ドルだった金価格は、現在628ドル(ニューヨーク商品取引所07年1月平均相場)まで暴落しています。
ドル暴落の主要因の第一は、戦争のための戦費調達です。とりわけ第二次世界大戦を含む数次の大規模戦争の戦費支出が大きく作用し、巨額の財政赤字を作り出しています。第二は、世界の基軸通貨国の権威を維持する力の政策です。そのために、他国を威圧する軍の超近代化装備、軍拡路線を選択したためです。第三は、景気拡大政策です。豊かなアメリカを象徴する消費経済(バブル景気)を煽り、そのための輸入拡大で巨額の貿易赤字を招いたことです。 このドルばら撒き政策を容易にしたのが、ドルと金の交換停止です。ドルはアメリカ通貨であり世界の基軸通貨でもあります。アメリカから見れば、世界は国内同様、アメリカ経済圏ということです。大量のドルばら撒きは、アメリカの軍事産業を太らせ、国内消費も拡大させました。好況は高金利を生み、高金利は預金、投資として世界中のドルをふたたび国内に呼び戻しました。呼び戻すことでさらに景気に弾みをつけています。
日米貿易構造の特徴と問題点
日本は、湾岸戦争やイラク・アフガニスタン戦争で、資金拠出・派兵など、対米軍事協力を強化しました。経済面では、自動車、電機などを主力に、対米輸出を積極的に展開し、その貿易黒字は過去最高となり、世界第二位の外貨保有国となりました。
問題はこの外貨の扱いです。貯め込まれた外貨は、ニューヨーク連邦準備銀行の日本政府の預金口座に移され、かつアメリカの国債や株式の購入などその多くを証券投資に運用されています。運用はアメリカ経済に潤沢な資金を提供し、企業活動や個人の消費経済を拡大し、アメリカ経済の成長に貢献する役割を果たしています。この仕組にこそ、アメリカいいなりの屈辱的自公政治の本質が示されています。
対米輸出は対米奉仕
対米輸出の仕組み、特徴は以下のとおりです。
1.対米輸出代金はドルで受け取り、ドルは日本の金融機関で円に交換されます。
→円は輸出企業の設備投資や配当、人件費など企業経営の必要な資金となります。
2.交換された金融機関のドルは日銀に入ります。
→ドルは国民の資産となり日銀が国民に代わって保有します。
3.日銀はただちにニューヨーク連邦準備銀行に預金します。
→理由は、高利回り運用のためです。
4.預金されたドルは、アメリカ国債や株式などの購入に宛てます。
→ドルは、ふたたびアメリカ国内に還流します。
5.アメリカ市場に還流されたドルは、アメリカの経済活動に投入されます。
→経営資金や個人消費などに提供され、アメリカ経済の拡大、好調がつづきます。
つまり、アメリカへの売却代金ドルは、日銀を経由してふたたびアメリカに里帰りします。
世界恐慌にすすむドル暴落
アメリカの実態はどうでしょう。財政赤字は3186億ドル(05年度、115円換算△36兆6390億円)、対外負債純資産残高が△2兆3017億ドル(同△264兆6950億円)の世界一の赤字国となっています。しかもイラク戦争などの戦費がいまも増えつづけ、ドルの垂れ流しはとどまりません。
もし仮に1ドル120円が60円に暴落すれば、日本や中国の対外資産、外貨準備高は半減し、巨額の国民資産を失い、その結果、両国の経済はもちろん世界恐慌に発展する恐れも多分にあります。
ドル暴落でも“資産倍増”のマジック
ところがアメリカは、ドル暴落を逆手に強いアメリカを演出する“マジック”を手にしています。
例えば、1ドル120円が60円に半減した場合、120円は2ドルとなり、アメリカ資産の名目評価額は倍増し巨額の資産に一変します。一方対外負債は、アメリカ国債や株式などへの証券投資が多く、その表面投資額は変わらないばかりか実質投資価値は半減することになります。結果、ドル暴落による資産膨張によって、アメリカは国際収支黒字国≠ノ変貌することになります。しかし、実体経済は当然悪化しており、各国の警戒感はいっそう強まることは間違いありません。 また、軍事力を背景に、力で他国を支配するアメリカの姿勢は完全に世界の「信用」を失うことになります。信用を失ったドル(アメリカの政治経済)は、基軸の終焉、孤立へと向かっていくでしょう。 とくに中国、EUが元・ユーロ建てを求めた場合、この流れは一段と加速するものと見られます。
借金国アメリカ好調、カネもち日本は不況
ドル破綻を避けたい日本政府は、日銀や保険会社などを指揮し、「円売りドル買い」の為替介入を行い、ドル高を必死で維持してきました。為替介入は、手持ちのドルに加えてさらにドルを買い増し、代わりに円を放出する、つまり国民の税金で実勢より価値の低いドルと円を交換する政策です。ドル暴落による損害は、本来貿易当事者が被るべきものですが、その損害を国民に肩代わりさせ、アメリカの責任も免罪にするという屈辱的奉仕政策をとり続ける、それが日本政府の姿勢です。
対等・平等・互恵の共同体結成は世界の流れ
EUはすでに独自のユーロ経済圏を構成・拡大し、アメリカと対等・平等の関係を結んでいます。アメリカの裏庭といわれた中南米でも、大半の国(ニカラグア、エクアドル、ベネズエラ、ガイアナ、ブラジル、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイ、アルゼンチン)が、アメリカ主導の「米州自由貿易地域」(FTAA)構想を断ち切り、「連帯、協力、補完」の自主的・民主的地域共同体づくりをすすめています。
アジアでも、アセアン10カ国プラス日本、中国、韓国の13カ国で東アジア経済圏構想がすすめられています。
政治・経済の真の自立日本を
軍事力を背景とする力の政策は、民主、共和いずれの党であっても大差なく、早晩アメリカ経済の行き詰まりは避けられません。日本のとるべき道はただ一つ、一刻も早くアメリカ追随の政治・経済にピリオドを打つことです。世界の流れは、どの国の支配も許さない自主的・民主的国づくりと、対等・平等・互恵の共同体結成へとすすんでいます。
日本は、アメリカとの主従の関係を対等、平等に改善し、世界各国との相互、互恵の貿易を発展させること、そして当面以下の施策を実行することが大切です。 1.東アジア経済圏を結成し、共同通貨の発行、域内共同市場の発展をめざす。
2.アメリカ主体の貿易構造をあらため、EUおよび世界各地域共同体との連携をすすめ、同時に後進国、 発展途上国の経済発展のための貿易構造に改める。
3.対米貿易はただちに円建てとし、貿易黒字は国民に還元する。
4.「ドル買い支え」の為替介入を止め、アメリカと対等・平等の関係を築く。
(2007年3月)
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