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財務省も総務省も驚いた 筋が悪すぎる政府のNTT株売却案
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110819/fnc11081914010015-n1.htm
2011.8.19 13:57 産経新聞
民主党が打ち出したNTTの政府保有株式の売却問題がいまだにくすぶっている。東日本大震災の復興財源に窮してひねり出した苦肉の策で、日本たばこ産業(JT)株とともに俎上(そじょう)にあがったが、あまりに“筋ワル”ぶりに、株主の財務省も、完全民営化は歓迎のはずのNTTも、関連法を所管する総務省もそろって仰天した。
日頃、情報通信政策には関心の薄い片山善博総務相までもが「通信政策やNTTの経営形態について慎重な議論が必要。(財源不足という)安易な考えでは済まされない」と民主党案に苦言を呈した。そんな風向きに、現在はJT株式の政府保有率を50%強から3分の1強に引き下げる案が有力視されているが、さりとてNTT株売却案も完全に消えたわけではない。
1985年の電電公社(現NTT)民営化時に政府が株式の3分の1以上を保有したのは、通信の安全保障や公益サービスを維持するために、定款変更に対する政府の拒否権が必要だからだ。その株を手放すとなれば民営化以来最大の政策転換であり、「NTT法の廃止を意味する」(総務省)。財源に困って切り売りするのは愚の骨頂だ。
そもそも日本の通信市場は外資に極めて寛容だ。NTTに3分の1未満の外資規制を課しているほかは一切の規制はない。これは97年の世界貿易機関(WTO)の通信市場開放合意に向け、NTTの外資規制を維持するためにそれ以外の規制を全廃したからだ。
だが、米国が国防上の理由で無線通信事業者への規制を維持したのに比べ、気前が良すぎた。だから総務省はいま、内外を問わず最高額応札者に周波数利用の権利を与える電波オークション(入札)導入の検討で頭を悩ませている。
ある大手通信事業者の首脳は「中国企業に買われるかもしれない」と危機感をあらわにした。日本の通信市場にとって、いま最大の脅威は中国マネーだ。2008年3月末に21.8%だったNTTの外国株主保有比率は、11年3月に25.5%に増えた。そのほとんどは投資ファンドを介しており、「実態はこの比ではない」(外資系証券会社)。
KDDIは、第3位の株主である東京電力がKDDI株式を売却すれば、株主の流動化が進むと危惧する。実際、中国系ファンドやその裏に隠れた企業が虎視眈々(たんたん)とその時を狙っていると市場関係者はみる。
2011年版防衛白書は中国発のサイバーテロの脅威に言及した。いまや世界は“電波の冷戦”時代に突入し、日本は最も無防備だということを、政府は認識すべきだ。NTTの完全民営化も電波オークションも、外為法で阻止できると考えているなら甘い。結果は、外資の草刈り場になりかねない。(経済本部 芳賀由明)
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