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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110713-00000000-toyo-bus_all
中国の人件費高騰やASEAN経済共同体の実現を見越して、日本企業のアジア進出が加速している。そこで今回はアジア諸国における日本企業の現地法人の人事・労務管理について、須貝信一ネクストマーケット・リサーチ代表取締役に聞いた。
■――現在、アジア進出が加速しているようですが、進出企業が増えている国はどこでしょうか?
海外進出企業数に公式統計はなく、国によって大使館が取りまとめている場合は大使館データ、あとは現地の日本企業商工会加入者の発表などが公式なものです。いずれも国別で比較するのは不可能で、不完全です。で、マクロ的には参考となる公式統計に在留邦人数があります。特にアジアの場合は、「在留邦人のほとんどが駐在員とその家族である」ということがわかっていますので外務省の在留邦人数統計で進出トレンドが推計できます。
最新統計の平成22年調査(21年10月現在)の人数ではタイが4万5805人、シンガポールが2万3297人、フィリピンが1万7757人、インドネシアが1万1263人、ベトナムが9468人、マレーシアが9142人、インドが4018人となっています。ベトナムとインドは5年で倍増と、特に急増しています。
他地域を見てみるとアラブ首長国連邦も急増していましたが、ドバイショックの影響か減少に転じています。中国は12万人台で、ここ4年は横ばい傾向と進出傾向の頭打ち感が強く出ています。世界の日系在留邦人数に占めるアジアの割合は現在26.72%で、この比率は年々上昇しています。逆に北米、南米、欧州は低下しています。
同様に進出トレンドを見るには財務省発表の直接投資統計がありますが、在留邦人数のほうが実際の空気感が出ている気がします。企業から見れば大きな投資を控えたとしても「そろそろこの国にもつばをつけておこうか」と「まずは販売拠点で進出」することになりますので、投資金額よりも在留人数が先行しやすくなります。
■――なるほど。在留邦人数から見てもアジア進出が増大している。中でもベトナムとインドが急増しているということですね。
これらの国々で今共通して起きている問題が賃金インフレです。進出企業の方からは「賃金上昇」と、それによる「離職率上昇」「採用難」の話が多くなっています。「中国の最低賃金引き上げの波」がアジア各国にも押し寄せ、現場は大変になっているという感じです。
■――なぜ賃金は上昇しているのでしょうか?
言うまでもなく通常のインフレ、物価高が背景にあります。これはもちろん米国の金融緩和が発端です。特にひどいのがベトナムで6月の消費者物価上昇率が年率20.82%にまで上昇しました。物価が上がれば、「ストライキ」「公務員給与の引き上げ」「最低賃金の引き上げ」が発生しますが、早めに手を打って賃金を上げないと、どんどん人が辞めてしまいます。現地法人幹部は現場で忙しいため、全体の動きを見る余裕がなく、労働者を引き留めることができません。
■――日本企業は、人件費が高騰する中国から逃げ出していますが、中国と同様に他のアジアも賃金インフレが起きているということですね。
貧富の差を表す統計にジニ計数というものがありますが、中国は過去ずっと、このジニ計数が急上昇してきました。しかし、他の東南アジアの国々は皆下がっています。格差是正による社会の安定化のために「起こるべくして起こった賃金引き上げ」ともいえます。
ただ、いざ「世界の工場」が賃金アップをしてみると、製品コストの上昇による世界インフレと、さらに新興国を中心とした賃金インフレに跳ね返るという状況になりかけているのではないでしょうか。これがアジア各国に直接的・間接的に影響を及ぼしています。影響は大きいと思います。
また、海外企業のアジア進出ラッシュによって実際に高度人材で労働需給が逼迫してきていることも問題です。特に「管理職」「専門技術職」では顕著に不足感が出てきています。こうした問題の行く末は、「法定最低賃金の改定」「公務員給与の大幅引き上げ」となって現れます。中国、インド、インドネシア、ベトナムなどでは、条件や自治体によって異なりますが、いずれも引き上げ率は2ケタとなっています。
■――では、賃金インフレどうすればよいのでしょうか?
企業単位では、どうにもならないと言ったら厳しいですが、それが実情だと思います。ただ、対応を早くすることで余計なダメージを負わずに済みます。まず、物価上昇分に関して「上げる必要のある分」は上げなければいけません。放っておけば、どんどん辞めていきます。
中小企業庁の統計調査では、海外進出企業の「現地スタッフのモチベーションアップ施策」で最も効果が高いのは「賃金アップ」という結果が出ています。残念な気もしますが、考えれば当たり前かもしれません。「将来の夢より、来月の月給をくれ」ということです。短期志向なんですね。逆によく言われがちな「キャリアパスの明確化」などは効果が低いという結果が出ています。
まずは、普段からインフレ見通しを気にする。そして収支計画の労働コストをパッと見直して、機敏に対応することが重要かと思います。賃金インフレが起きているということは、従業員はますます強気になっているともいえます。この「勘違い」は離職率の上昇を引き起こします。
■――社員が離職しないようにする、言い換えればモチベーションアップにはどうすればよいでしょうか?
アジアの国々、共通でみられることとして、まず、従業員はお互いの給与を知っているということです。給与明細の見せ合いをするんですね。もし、何かおかしいと感じると「なぜ同僚のあの人より給料が安いのでしょうか」と平気で聞いてきます。これには、評価方法をロジカルに説明できるようにしておく必要があります。
「現地スタッフとのコミュニケーションの重要性」はまずほとんどの進出企業が認識しています。実際の海外現地法人はそもそも問題だらけで忙しく、具体的施策の代わりに「心構え」と精神論に逃げがちです。しかし、日本人社員が現地社員と十分コミュニケーションをとらないと見えてきません。
管理職や専門技術職以外も離職率が上がっているようですが、これは「上昇志向」からきているのでわかりやすいものの、若者の場合は想像がつかないような転職理由を持っていたりします。
例えば「初めて故郷を離れて異郷の工場に就職したけれども、農村と異なる都市生活そのものに困難を感じている」というような場合もあります。これは、コミュニケーションしないとわかりません。
また、単純に「根性がない」だけかもしれません。発展途上国といっても20歳くらいで就職してくる若者は、現代っ子ですからハングリー精神を皆が持っていると思ったら間違いです。中には、「社食のメニューが嫌いで転職」なんていうのもあります。日本では到底考えられませんが、アジアではあるんです。これも改善するために、メニューの意見を収集して反映させる工夫が必要です。
■――社食で、転職されては困りますね?
具体的なコミュニケーション方法としては「毎月の定期的な個人面談」などは重要です。中間管理職と新入社員との対話は大切です。「労使代表間でのミーティング」もしくは、社内労組がない場合は「社員代表を決めたうえで話し合う」ことも重要です。
また「表彰制度」はアジア全般に受け入れられやすいモチベーション管理方法かと思います。日本人から見ると、概して「現地社員は能力の割にはプライドが高い」と見えてしまいます。そのプライドをうまく利用して、単純作業でも競争して優秀者を称える仕組みづくりは必要です。
日本の「職能給」とは異なり、アジアの国々でも欧米的な「職務給制度」を取り入れているのが普通です。職務によって給与が決まり、パフォーマンスが目に見える営業職では成果に応じた給与となることが多いようです。
制度はできるだけグローバル標準、企業文化は日本の良い所や自社の良い所を取り入れることが重要ではないでしょうか。誤解がないように心掛けることが必要かもしれません。
すがい・しんいち
1973年生まれ。法政大学英文科卒業。外資系IT企業、インド関連コンサルティング会社にて取締役として事業の立ち上げ等を経て、現在はネクストマーケット・リサーチ代表取締役。中小企業診断士。
ネクストマーケット・リサーチ
インド・バングラデシュなど南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、進出支援コンサルティング、インターネット関連事業などを行っている。
http://nm-research.com
(聞き手:東洋経済HRオンライン編集長:田宮寛之 須貝氏)
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コメント
完全なグローバル化した世界とは、距離や国境をものともせず、利益追求とリスクテークによつて、生産、貿易、金融取引が制約なしに行われる世界ということですが、日本のように独自の既得権益組織が存在しており、既得権益同士の争いというものがない状況、グローバル化に進む世界の中で、世界の先進国が今や株価で言うと押し目ともいえる状況、日本だけがなかなかその押し目にも入らないというのが、今日の株価にも現れているのかもしれません。
FRBの発言で株価は大幅上昇したのですが、東京株式市場は、その好感をそのまま受け入れていないのか、それとも消極的な日銀、財務省の介入で再び77円を切る円高になったのか、財務大臣が、菅降ろしの発言をしたにもかかわらず、その後引いてしまったなさけない次期総理候補の政治家としての不甲斐なさが原因なのか、それとも野党となった自民党が、ほとんどの国民が菅民主党政権に期待もしていなく、がっかりしているにもかかわらずその期待にこたえず、その上、堕落している菅政権の中枢の閣僚と連立を検討していること自体、もはや日本の政治の終末が近いのかもしれません。
だれも昔の自民党政治やその政治を引き継いだような菅民主党政権に政治を任せたいとは思っていなく、思っているのは一部の既得権益労働者だけというのが真実かもしれません。
公約投げ捨て"大連立"
http://www.youtube.com/watch?v=eLF4ylnVhxU
国民誰もがころっとダマされた年金7万円は40年後からですよ詐欺(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=PrgykMHYELc
民主党も詐欺政党といわれても仕方がない政党ですが、最も悪いのが、民主党内にいる不満分子ともいわれる議員です。これまた、日本型正社員労働者ともいわれる性格を象徴しており、不満は言うが、会社をやめないという不満ぶつぶつ君というサラリーマン議員が多すぎるということかもしれません。
自民党も同じですが、これが日本型民主主義政治の末なのかもしれません。
アメリカの良心 Ron Paul共和党議員 2010/11 演説 日本語字幕 (公開)
http://www.youtube.com/watch?v=85YwDN_BAXk&feature=related
学校の先生が絶対に教えてくれないアメリカ独立戦争の本当の理由
http://www.youtube.com/watch?v=PuZmYPXQHyo&feature=related
7.27 ジムロジャース 米デフォルト茶番劇無視→米長期的問題→アジア時代
http://www.youtube.com/watch?v=FRZsviZpJQY
今後グローバル化の中で世界経済はどうなるのでしょうか。日本の場合、終戦後労働の移動がはじまりました、工業化を進めた地域に人が移動し、今は、その移動がすでに終わり地域に根ついた労働者が主体に企業が動き出してから景気の流れも変わり始めました。東西ドイツも同様、壁が壊れ東ドイツの労働者の流入がとまり、移動率が下落しはじめてから大きな変化が現れ、そして今回は、中国です。
米国議会にしてもそれぞれの企業の利権をめぐる争いが議会の争いとなっており、民主主義といいながら政治は企業利権主体に動いているようです。
石油などの利権ギルドと観光業企業の争いなどは環境問題も手伝って激しいものです。
といいながら、石油の価格が環境保護でこれまた上昇していること自体、お互いの譲り合いがあるのかもしれません。
米国元大統領レーガン大統領が、就任早々関係があまりよくなかった当時のFRB議長とはじめて対談した時に、レーガン元大統領は、FRB議長ボルガー氏に対して、議会は、FRB不必要という意見があるがどう思うとまず先に言葉を発したようですが、今やこのような脅しを役人や大手企業に言う日本の政治家などはいなく、上記動画のような米国の議員のような言葉を発する議員もいないというのが、日米の差ということかもしれません。
2011.8.07-1 石原慎太郎Vs 藤原正彦
http://www.youtube.com/watch?v=KQxC8jKHtlo
2011.8.07-2
http://www.youtube.com/watch?v=V9LjIFK4hUs&feature=mfu_in_order&list=UL
財務省や日銀という組織に歯向かうことができない政治家を選んだことがやはり一番日本衰退の大きな原因なのかもしれません。
演説 三島由紀夫
http://www.youtube.com/watch?v=tzz1-ppIjOg
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