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株式日記と経済展望
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執行猶予期間終了。2008年の信用バブル破裂後に実施された超景気
浮揚策が稼いでくれた3年間の猶予期間は終了したのだ。Telegraph
2011年8月9日 火曜日
◆ダウ終値634ドル安、米格下げなどで市場は「パニックモード」 8月8日 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110809-00000038-reu-bus_all
[ニューヨーク 8日 ロイター] 8日の米国株式市場は急落。リセッション(景気後退)への懸念が高まる中、米国債の格下げを受けて投資家心理が一段と悪化した。
不安の高まりから売りが拡大し、S&P500指数は2008年12月以来の大幅な下落率を記録、全銘柄が下落して取引を終えた。
ノーザン・トラストのアクティブ・エクイティーズ部門責任者マシュー・ペロン氏は「これまでよりもはるかに混乱した売りが見られる」と述べた。また、米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>の急上昇から判断すると、市場は「パニックモード」入りしているとの見方を示した。
債務増大や景気減速の問題に米政府は対処できていないとの見方が売りにつながり、オバマ大統領によるこの日の演説中に株式市場が下げ足を速めたことは、こうした見方を裏付ける格好となった。(後略)
◆ドイツのユーロ圏に対する我慢も限界となり、僕等は緩衝材なしに不況と激突するわけか 8月7日 Telegraph 今日の覚書、集めてみました
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/8433823f5694e9282ffbb311d360547d?fm=rss
執行猶予期間終了。2008年の信用バブル破裂後に実施された超景気浮揚策が稼いでくれた3年間の猶予期間は終了したのだ。
今回僕等は緩衝材なしで二番底の危機を目前にしている。
OECDに属する国の殆どで既に金利はゼロ金利。
財政赤字もセーフティ・リミットぎりぎりだ。
不況突入にさしあたり、財布の紐を緩めるどころか、来年の米国は2%、欧州は1-2%締めるようだ。
中国の信用は既にGDPの2倍まで膨張。
この手を繰り返すわけにはいくまい。
米英は貨幣増刷可能だが、金持ちの資産価格が上昇しても、貧乏人の生活費も上昇するから景気は良くならない。
こりゃ悲惨なトレードオフだ。
リーマンAIGショック後の、危機に際して形振り構わないという決断は、1931年のように、ショック療法を試せばほぼ確実に恐慌だったことを考えれば、当時においては合理的な賭けだった。
その政策が失敗したと言ってしまうのはまだ早いし、首脳が過酷な選択肢を前にしているのに失敗という表現は的確ではない。
とはいえ、先週のドラマは莫大な債務はなくなっていないという真実を思い知らせてくれた。
主権国家に転化されたに過ぎず、ほぼ同じだけの被害をもたらす兆候を示している。
S&Pは、その象徴するところが非常に辛辣であるにも拘わらず、このより大きなドラマの中で米国債の格付けをAA+に引き下げた。
S&Pは、この腐敗が始まった6年前に行動すべきだったのだ。
今頃そうするのは愚かである。
米国財務省が、強制的な国債の投げ売りを回避するために、格付け引き下げを無視しリスクウエートを据え置いたのは正解だ。
特記しなければならない
日本、韓国、フランス、更にロシアでさえ迅速に米国を応援すべく団結した。
中国の偉そうな態度に関して言えば、厚かましい上に自己欺瞞だ。
米国は「借金中毒を治癒」する必要があるのは皆同意するが、中国だって間もなくそうなるわけで。
中国は外貨準備の4分の1、2,000億ドルをリサイクルし、人民元を安く抑え、重商主義的輸出戦略を継続するために米国債を買っているのだ。
中国がこんな風に世界貿易を歪めていなければ、米国はこれほどのドツボにはまらなかっただろう。
米国とは異なり、欧州には景気対策というカードが残っている。
だがEMU政治が邪魔になってこのカードを切れないのだ。
ドイツは相変わらず通貨同盟のロジックを理解していない。
つまり、(ゲルマン系)黒字諸国は平静が回復するまで(ラテン系)赤字諸国の緊縮財政を緩和するために需要を増強する義務があるというロジックだ。
ドイツ政府はその義務を果たす代わりに、EU機構を通じてデフレを布告するなどという1930年代の金本位制時代のやりかたを押し進めており、調整負担は債務国に降りかかっている。
あと数日も経たない内に、ECBは少なくともイタリアとスペインの債券危機が制御不能になるのを阻止するのはやぶさかではなかった、とわかるかもしれない。
「ECBは金融正統主義の影に隠れるのを止めて、ユーロがなくなればECBも消えてなくなるということを思い出すべきだ」とINGのPeter Vanden Houte氏は言った。
イタリア北部同盟のウンベルト・ボッシ書記長は、重要な取引は合意されたとしている。
ECBは財政緊縮推進の約束と引き換えにイタリア国債を買い入れる。
ユーロ加盟は「歴史的過ち」だった、と書記長は付け加えた。
投資家は、ECBがギリシャ、アイルランド、ポルトガルの国債の5分の1近くを買い入れたにも拘わらず、これらの国における危機封じ込めに成功しなかったことを知っている。
だから介入を行うなら市場が納得するほど大規模なものでなければならないわけで、ECBはその法的な責務と条約によって与えられる権限から一層逸脱することになる。
しかし僕等は、ECBのドイツ人2人とオランダ人1人がそのような飛躍的前進の是認を拒絶したことを知っている。
大規模な債券買い入れを「不胎化」するのは不可能だろう。
そのような行為はドイツ政府が忌み嫌うFRB式QEに相当するのだ。
ECBは、欧州の主要国を無視して、聖なるマーストリヒト条約を破って、そのような一か八かの政策を押し進めながら、それでもドイツが大人しくEMUに留まることを期待出来るだろうか。
ドイツ政府の辛抱も限界に近付いている。
デア・シュピーゲル誌は、イタリアは大き過ぎて支援出来ない、エスカレートする要望はドイツそのものを「圧倒する」かもしれない、とする匿名の当局者の警告を採り上げた。
スケープゴート探しが始まったのだ。
ドイツの欧州議会議員や当局者は、今回の危機の引き金を引いたのはブリュッセルだと欧州委員会を責め始めたが、委員会は4,400億ユーロのEFSFでは信頼を回復させるに足らず、感染が中核国に広がるに伴いEMUはシステミックな危機にあると認めただけである。
ドイツで最も熱烈な欧州統合推進派ですら、解決策を見つけようとするのは止めたようである。
その代わりに、彼等はEMU崩壊のアリバイを固めつつある。
今は世界にとって物騒な時期である。
数ヶ月前から続く景気低迷不安は誤認であったと証明される可能性はまだある。
だが、僕等は必要以上に豊かさを未来から奪い続けるために人工的な景気刺激に依存するモデルの限界にこれまで以上に迫っている、とするBISはきっと正しいのだ。
奪えるものはかつてなく少なくなっている。
(私のコメント)
米国株式は634ドル安の暴落になりましたが、米国債の格下げは、米国債そのものよりも米国債を担保に借りていた投資ファンドに大打撃を与える。投資ファンドは預かった投資資金をまずは米国債などの安定投資先に投資をして金利を稼ぐ。それだけではなくて米国債を担保に金を借りて株などの投資にまわしてリスクの高い投資をする。しかし米国債が格下げになれば担保価値が下がり追加担保を入れなければならない。その為に株が売られたのだ。
投資ファンドは何倍ものレバレッジをかけた運用をしているから、資金源がおかしくなれば撤退はすばやく無ければなりません。リーマンショックにも拘らず米国株式が堅調だったのは政府の緩和政策のためであり、FRBは投資ファンドに資金を回して株価を維持させてきたのだろう。そうしなければ年金などが破綻してしまう。
金融緩和政策はリーマンショックをしのぐ為には仕方のない政策でしたが、政府の借金も爆発的に増えてしまった。そうなれば日本と同じようなジレンマ地獄に陥って、景気刺激と財政再建の堂々巡りが始まる。公共投資で景気刺激をもっとやれと言う勢力と財政再建しないとパンクすると言う勢力の結論はなかなか出ませんが、信用通貨の縮小は時間をかけてやらないと経済はショック死する。
通貨には本来の通貨と信用通貨に分けられますが、信用通貨は本来の通貨よりも何倍も流通している。しかしバブルが崩壊して焦げ付きが多発するようになると、銀行は信用通貨の回収にかかるようになる。
信用通貨が回収されてしまうと流通する通貨が減少してデフレになるから、政府が国債を発行してその穴埋めをしなければならない。
アメリカもヨーロッパもバブルが崩壊して焦げ付きが増大して金融機関が危機的な状況になっている。日本のバブル崩壊の時はアメリカは銀行を潰せと言ってきたのに、自分のところがバブル崩壊するとAIGや住宅公社をはじめとして資本注入して国営化して銀行を救っている。FRBは銀行が持つ紙切れになった不良債券を買って銀行を救済してきた。
金融機関は儲かっている時は高給をもらっているのに、経営が破綻すると国が救済してくれるのだからいい商売だ。政府も救済資金は国民に付けを回すだけだからそうなりますが、政府の無駄な支出を減らすのはなかなか難しい。オバマ政権も議会からそれを突きつけられて77兆円の歳出カットを約束させられた。無駄な支出を減らすには公務員の給与カットやリストラが欠かせませんが軍縮も必要だ。
政府や中央銀行が負債の肩代わりをしただけであり、だから政府自身が無駄をなくして借金の返済に努めなければなりませんが、公務員は税金としてつけを国民払わそうとする。ちょうど東京電力救済のスキームに似ていますが、つけはみんな国民に回ってくる。しかし国民も税金を払えるような状況にない。誰かが借金の穴を埋めなければなりませんが、金持ちに負担してもらうしかないだろう。
オバマ政権でも高所得者の税金を増額しようとしましたが議会に阻止された。増税しようとすればどこの国でも政府批判が高まり政権交代が起きたりする。欧米や日本は国債を発行して当面は切り抜けられますが新興国は国家的なデフォルトで国債そのものが紙切れになってしまう。イタリヤやスペインまでもが債券危機で火がつき始めていますが、ECBが買い支えきれるのだろうか?
ECBがPIIGS諸国の国債を買い取っても、ECBはどうやってそのつけを回すのだろうか? PIIGS諸国につけを請求してもデフォルト起こすだけであり、経済力のあるドイツにつけが回るだろう。そんな事すればドイツはEMUから抜けるだろう。このような事情ではユーロも空中分解寸前でありスイスフランに買いが集まっている。
アメリカも事情は同じであり、誰が借金の穴を埋めるのだろうか? アメリカは多額の国債を中国や日本に買わせている。例えるならアメリカがPIIGS諸国なら日本や中国がドイツと言うことになるのだろうか? 日本はプラザ合意以来ドル安で借金を踏み倒され続けていますが、日本政府も多額の借金を抱えてこれ以上の米国債を買う余力はない。
本来なら新興国が米国債をジャンジャン買ってくれれば金は回りますが、新興国の経済がパンクすれば新興国そのものが火の車になってしまう。新興国も先進国からの投資で好調なのであり、米国債の格付けが下がれば資金の逆流が始まり、ドルが高くなり米国債も買われる様になる。しかし円に対してだけは安くなっている。
ドルもユーロも信用がなくなり、金などが買われていますが、経済規模以上に国債を発行して紙幣をばら撒けばインフレになる。日銀はインフレになると警戒していますがデフレになっている。それだけ日本の経済的な経済規模が拡大しているのですが、政府日銀がその事に気がついていない。円高が加速しているのも経済規模に比べて通貨流通が少ないからだ。
経済規模といっても相対的なものであり、絶対的な規模から言えばユーロやドル経済圏は圧倒的に大きいが、問題はその質だ。スイスは小国ではあっても企業の国際化が進んでいて、ヨーロッパ諸国への進出が進んでいる。空洞化が進んでいるともいえますが、中小企業のスキマ産業が多くて技術の高度化を進めてダメージは少ないようだ。
日本国内で大量生産して海外に輸出するには円経済圏を造らなければなりませんが、輸出も輸入も円で決済できる仕組みが必要だ。ドル経済圏は縮小してドルはローカル通貨になり通貨も多極化していくだろう。今まではドルで決済されていた仕組みから国際決済通貨を作る必要に迫られるだろう。今まではアメリカが妨害していたから出来ませんでしたが、アメリカがデフォルトして信用を失えばドルは決済には使えなくなる。
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