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ドルに「ノー」と言い出した中国の秘めた決意 /diamond.jp
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/676.html
投稿者 稲垣勘尚 日時 2011 年 8 月 08 日 10:23:19: Je/tdYZdw47GA
 

http://diamond.jp/articles/-/13496?page=4

中国の米国債離れの可能性を、米連邦政府関係者らは「あり得ない話」と決めつける。しかし、それは傲慢というものだろう。内需シフトへの中国指導部の並々ならぬ決意は、米国債離れの合図であると・・

ホワイトハウスへの信頼を失わせる決め手となったのは、サブプライム危機の余波も消えぬなかで生じた債務上限と財政赤字をめぐる論争である。中国政府の上層部は、米国において金融の安定性が政争の材料とされることに仰天した。

米国が危険水域へと突き進んでいくなかで、中国は無関係な傍観者ではいられない。1990年代後半のアジア金融危機の後、中国は国外の激動から自国のシステムを隔離するため、約3兆2000億ドル相当の外貨準備を蓄積した。そのうち実に3分の2(約2兆ドル)は、米国債及び米政府系機関(つまりファニーメイ、フレディマック)が発行する証券類を中心とするドル資産である。その結果、中国は2008年末の時点で、米国の金融資産の保有高で日本を抜いて世界首位となった。

世界の準備通貨のうち、かつては比較的リスクが低いとされていたドル資産に、中国がこれだけ巨額の資金をつぎ込んだのは、投資としての安心感というだけの理由ではない。為替政策という点で、それ以外の選択肢がほとんどなかったのである。人民元とドルの密接なリンクを維持するために、中国は自国の外貨準備のうち不釣り合いなほど多くをドル資産に再投資せざるを得なかったのである。
だが、それももはや過去の話だ。中国は現行の成長戦略(つまり、輸出とドル建て資産による巨額の外貨準備に大きく依存する戦略)をこのまま続けることはもはや不合理であると理解している。

中国指導部がこの結論に至った背景には、3つの重要な展開がある。
第一に、2008〜09年の危機とその後の大幅な景気後退が警鐘を鳴らすことになった。中国の輸出産業は依然として高い競争力を維持しているとはいえ、危機を受けて、中国製品に対する外需がどうなるかという点では、当然のように疑問が生じた。今後数年間、最終市場需要の成長率は中国の輸出ブームが続いた過去30年間に比べて減速する可能性が高い。これまで中国の経済成長にとって最も強力な原動力だった輸出による追い風も、今日ではかなり陰りを見せている。
第二に、「保険料」、つまり主としてドル建て資産を主力とする中国の莫大な外貨準備のコストが、政治的リスクにより倍増している。米国政府の債務返済そのものに問題が生じている今、ドル建ての無リスク資産という概念そのものが揺らいでいる。

近年、中国の温家宝首相・胡錦濤国家主席は、米国の財政政策と安全資産としての米国債に関する懸念を繰り返し表明してきた。おおかたの米国民同様、中国首脳も、米国は最終的には露骨な債務不履行という銃弾を避けるだろうと信じていた(実際に今回は避けられた)。だが、重要なのはそこではない。どのような「対策」がとられようとも、今やその実質について大きな疑問符がつけられているのだ。特に、有意義な財政再建を先送りするために巧みなトリックに頼るような対策ならなおさらである。
こうした状況は、いずれも、米国政府に対する「完全な信頼と信用」を米政権がどれだけ重視しているのか、その部分の信頼性に永続的な打撃を与えている。こうなると、ドル資産に対する中国の巨額の投資が賢明だったのかどうか、深刻な疑問が湧いてくる。

最後に、中国指導部は、自国のマクロ経済的な不均衡がどれほどのリスクをはらんでいるのか、そしてそのような不均衡を恒久化するうえで輸出主導の成長とドル資産による外貨準備の蓄積という組み合わせがどのような役割を果たしているのか、注意を強めている。さらに中国は、低成長に悩む先進諸国が、中国が人民元の対ドルレートを厳しく管理していることについて政治的な圧力を強めていることを理解している。人民元の不可逆的かつ急激な切り上げを求める声に中国が屈することはないだろう。とはいえ、中国はこうした地政学的な緊張に対応する必要を認めている。だが中国は、国内需要への刺激を提供し、それによってドル資産への依拠を徐々に弱めていくことによって、その対応を実現していくだろう。

こうした事情を念頭に置きつつ、中国は非常に透明性の高い対応を採用した。
中国が抱える持続不可能な不均衡に正面から対処するため、中国の経済構造を消費志向にシフトする、というものだ。サービス部門での雇用創出、大規模な都市化、社会的なセーフティネットの拡大に注力することは、勤労所得と消費者の購買力という点で強い追い風になるだろう。結果的に、中国経済に占める消費のシェアは、2015年までに、少なくともGDP比で5パーセンテージポイントは上昇する可能性がある。
消費者主導のバランス修正は、上述したような緊張の多くに対処するものだ。これによって、外需に過度に依存する経済成長から離れ、内需にテコ入れすることになる。さらに、輸出増大を支えている通貨の過小評価を緩和し、中国に為替改革のペースを加速させる相当の余裕を与えることになる。

だが、GDPに占める消費のシェアを上げることで、中国は累積黒字のかなりの部分を吸収することになる。これによって、中国の経常収支は2015年前に均衡、あるいは小幅の赤字となる可能性がある。外貨の蓄積のペースは急速に低下し、中国の際限のないドル資産への需要も減少することになる。
すると、海外投資家のなかでは米国債の最大の買い手である中国が、近いうちに「もうけっこう」と言うことになる。

またしても内容に乏しい財政論議が行われたことは、今後数年にわたって米国経済が期待を下回る成長を続けることと相まって、巨額の財政赤字を重ねる時期が長引くことを意味する。そこで、何よりも大きな疑問が生じる−−中国が米国債を買ってくれないのであれば、貯蓄に乏しい米国経済は、ドルの急激な下落や長期実質金利の大幅な上昇を招くことなしに、必要な資金を調達することができるのだろうか。
連邦政府関係者からは、傲慢な答えが返ってくる−−中国としても、そんな「一巻の終わり」の引き金を敢えて引こうとはしないだろう。そもそも、米国債以外の何に中国は自国の資産を投資しようというのか。ドル資産による巨額のポートフォリオに損失が生じるようなリスクを彼らが取るだろうか。

こうした問いに対する中国の答えは明快である。中国はもはや、財政・経済の安定性を、米国政府の空約束や色あせた経済運営手腕に委ねるなどというリスクを負うつもりはない。中国はついに「ノー」と言っているのだ。その本音を察するべきである。
(モルガン・スタンレー アジア会長/スティーブン・ローチ )抜粋。

******
★新華社、米国債格下げで厳しく米を批判 /www.afpbb.com http://www.afpbb.com/article/economy/2818617/7608024
【8月6日 AFP】中国の国営メディアは6日、米大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債の格付けを史上初めて引き下げたことを受けて、米国は「借金依存症を治す必要がある」と米国を厳しく批判した。

国営新華社(Xinhua)通信は英語の論説記事で、世界で最も多く米国債を保有する中国は、米国に対し構造的な債務問題に取り組み、米ドル建ての中国の資産を保全するよう要求する「あらゆる権利」を持っていると主張した。

この記事で新華社は、米政府は「自国の問題を取り繕うために借金をすることができた古きよき時代は終わったという、つらい現実を受け入れなければならない」「米国が借金依存症を治すには、収入の範囲内で生活するという常識的な原則に立ち返らなければならない」とも述べた。

世界で2番目に多く米国債を保有する日本の政府高官は、「米国債に対する信頼は変わらない」と中国よりも控えめな反応を示し、オーストラリアと韓国は格下げへの過剰反応に警戒感を示した。(c)AFP/Sebastien Blanc

 

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コメント
 
01. 2011年8月08日 11:57:22: 0J7slYFgPk
中国は管理相場の国だ。毎日、毎日、元を売って膨大なドルを買っている。本音は買いたくないだろうが、アメリカが最大の輸出国だ。ドル紙幣は中国大陸を目指して押し寄せてくる。そんな貯り続ける膨大なドルを運用するにはアメリカ国債以外にないのが実情だ。金だってある。ドイツ国債やフランス国債もある。しかし、そんなものはたかがしれている。中国が本気で買ったら大変なことになる。それどころか中国自身の首を絞めることになるだろう。少し考えればわかることだ。中国がドル離れするには、そのための長い時間が必要なのだ。

02. 2011年8月08日 12:28:06: MdpIk6UmdQ
・・・それにくらべて、財務省のスピーカーにしか過ぎない野田陽炎財務大臣・・・我が国は更に米国債を支えると抜かしおった・・・

・・・目先復興予算の財源すら、ああでもないこうでもないと、議論ばかりで、早く増税したいことだけはしっかり言う・・・

為替介入4兆5千億円など、またくれてやったようなものだろう・・・3年前に日銀がドル短期市場に12兆円貸し込んだが、1ドルもまだ戻っていない・・・国内では予算裏付けが無と言いながら、特別会計での隠し金は国内には利用せずに、アメリカとなるとホイホイ出して来る・・・

・・・バカ閣僚どもよ、官僚の言いなりになるくらいなら、田舎に引っ込んで畑でも耕しておれ!!・・・風采からしてよく似合うぜ。


03. 2011年8月08日 17:31:59: T2Ph49LyEw
>2 バカ閣僚どもよ、官僚の言いなりになるくらいなら、田舎に引っ込んで畑でも耕しておれ!!
彼らはTPPで日本の農業をつぶそうとしていますから、社会から消えるのが筋でしょう。

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