http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/666.html
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米国も、欧州も、緊縮財政と量的緩和拡大を続ければ、為替安と購買力の低下を通して、
日本のように内需が縮み、外需依存経済へとシフトしていくことになる。
しかし緊縮と通貨安競争が進めば、需要が世界全体で縮み、最終製品の下落と資源価格の上昇で、輸出産業の採算は悪化し、賃金水準は低下、倒産と失業も増加していく
当然、保護主義の圧力も高まり、外需依存競争は続かない。そのような政策は近隣窮乏化による、全体貧困化へ向かうことになる。
もし福祉国家としての世界政府が存在していれば、全体最適になる政策が可能で
富裕層への資産課税、高所得層への累進課税、そして再分配と公共投資の増加によって、全ての問題に統一的に対処できる
ただし、その場合、アフリカなど重度の貧困国やモラルハザード国家の国民が一方的に受益者になるのに対して、
あまりに日本やドイツなど先進国の国民の負担が大きくなりすぎる(実質的に7〜8割の資産や所得課税)という問題が発生する。
それに、そんな世界政府(または政策協調)ができる可能性は利己的な大衆の性質から考えれば0だ。
日本だけでの局所最適を考えるのであれば、当面、金融は緩和的、財政も拡張的なまま、
課税水準は他の先進国と同じか少し低いレベルに保ち、
関税や各種規制を緩和(特に解雇ルールの明確化)して国内産業(特に医療、介護、教育、ソフト、ITなどサービスセクター)の活性化を進め
歳入庁とBasicIncomeなど簡素で効率的な再分配(社会保障)システムへと早急に改革を行うのが良いだろうが
多分、それも利己的な国内集団の間の利害対立(特に個別産業の既得権者や、インフレを恐れる年金高齢者の抵抗)によって簡単には進まない。
その場合、結局、個々の家計や企業が局所最適戦略を取ることになる
当面は、国内消費(投資)は抑制し、資産がある人は成長性の高い海外の分野を中心に分散投資することが有効になりそうだ
つまり経済の高い成長は期待できないということ
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2011/08/06/013450.php
米国に残された選択肢
2011/08/06 (土) 14:59
アメリカのニュースは、経済一色の様相を呈しています。こんなに株価が落ちて大丈夫なのか、と。まあ、でも少し戻しているみたいです。
で、金曜日に発表になった7月の雇用統計はと言えば、失業率が9.2%から9.1%に低下したのだ、と。ほぼ予想の範囲の数値と言っていいでしょう。いつもだったら、まだ9%台から脱することができないのかと失望を誘ったかもしれませんが、前日株価が大きく低下した後だけに、どこかに明るさを求めようとしている姿が感じられないでもありません。
それから、やっぱり米国債の格付けが引き下げられてしまいました。1社ですが‥
いずれにしても、米国経済について、なかなか明るい展望は開けません。それもその筈。何故ならば第一に、財政出動の選択肢は完全に閉ざされた格好になっているからです。つまり、残された手段は金融政策のみということになるのですが‥その金融政策も、政策金利はほぼゼロの水準にある訳ですから、もうこれ以上引き下げることはできないのです。
「引き下げることができないのは名目金利でしょ?」
どういう意味なのでしょう。
「名目金利がほぼゼロだといっても、物価が今後上がる一方で、名目金利がほぼゼロのままであれば、実質金利はまだまだ下がる余地がある‥」
そういう貴方は、リフレ派の残党? そんなことを主張する人がまだいるのでしょうか。
「とにかく、インフレを起こせば、実質金利を下げることができる訳だから、景気を刺激することは十分に可能なのだ。ところで、私は、クルーグマン教授を信奉しているけど」
では、今まで日本が散々言われてきたそんな手段をアメリカが採用することがあるのでしょうか?
我々は、リフレ派から散々言われてきたのです。もう10年以上も前から。
金利がゼロだから、それ以上下げることができないと言う議論は、名目金利の議論であって、物価が上がる一方で名目金利が上がらなければ、実質金利はまだまだ下がる余地があり、そうなれば投資を刺激することができるのだ、と。そんな手段をアメリカが今後目指すことになるのでしょうか?
答えは、ノー。そんなことは絶対にない!
何故ならば、もしインフレを引き起こせば、連銀の歴史に汚名を残すことになるからです。
それに、幾らインフレを引き起こそうとしても、或いは、予想インフレ率を引き上げることになって
も、それによって実質金利を引き下げるなんて殆んど無理な相談であるからです。
それに、6月末まで実施していたQE2を止めたのも、一つにはインフレ気味になって、むしろ、そのことによって消費者の購買力が失われたので、インフレは消費にとってプラスには働かないという判断があったからなのです。ですから、アメリカがクルーグマン教授の教えに沿って今後行動するとはとても考えることはできないのです。
では、金融政策には期待することはできないのか?
しかし、残された手段は金融政策しかないのです(本当はそうでもないのですが)。つまり、連銀
は、今後さらに金融を緩和すると予想されるのです。
「でも、効果は期待できないのでしょ?」
直接の効果はほとんど期待できないでしょう。しかし‥
「しかし?」
副次的な効果が期待できるのです。市場に今まで以上にじゃぶじゃぶとお金を注ぎ込む。そうなれば、今まで以上にドルキャリートレードが起こり、ドル安に拍車をかけることでしょう。で、そうやってドル安を促進することによって米国の輸出が促進され、景気回復が期待できるのです。
何故って、日本も、円安を利用して輸出を増大させたではありませんか。それを米国が知らないはずがありません。
いずれにしても、米国は今後も、益々輸出促進に力を入れるに違いありません。そのために、金
融緩和を継続し、そして、なだらかなドル安が続くように誘導し続けることでしょう。
小笠原誠治
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