http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/652.html
Tweet |
以下のようなものをまとめてみたのですが、私は統計数字を扱う訓練をしていません。どなたかご教示、ご指摘していただけないですか。
日経ヴェリタスが「企業に眠る200兆円」という特集を組んでいた。
これが文字通り企業の金庫でタンス預金になっているのだったらまずい。日本経済から200兆円の購買力が失われることになり、200兆円の商品が売れ残り、生産が停止し、雇用が失われ、労働者が200兆円貧しくなる。
その200兆円がすべて日本国債の購入に当てられ、政府がその金で何かの事業をして国民に支払い、もしくは直接国民にばら撒けば国民の収入は維持される。
一方で、
「銀行預金、融資に回らず、10年末の差額、最大の150兆円」日本経済新聞 2011.1.11
だそうだけれど、この150兆円が銀行の金庫でタンス預金になっているのだったらまずい。
以下同文。
ある国が10億ドルの商品を輸入すると、相手国では10億ドルの商品が生産され、国民の収入が10億ドル増え、雇用が生まれるが、輸入した国では10億ドルの商品が売れ残りもしくは生産されず、失業が発生する。
ものを輸入をすると、同時に失業も輸入することになる。
輸出をするとその逆のことが起こり、近隣窮乏化政策であるといわれる。
10億ドルの海外投資をすると直接自国民の収入が減り、雇用が失われ、投資先で10億ドルの収入と雇用が生まれる。
自国から購買力が失われ、雇用が失われる三点セットが、1、貯蓄、2、輸入代金の支払い、3、海外投資であるといわれる。
さて、
1、の貯蓄だけれど、前出の200兆円とか150兆円を見てもこの中には重なっているものもあるだろうしこれだけからはいったいいくらの購買力が退蔵されているかわからない。とりあえず貯蓄退蔵額Aとしておく。
2、については日本は出超で黒字が6兆円らしい。(これをB)
3、はウィキペディアの「対外資産負債残高」に266兆円という数字が出ていた。(これをC)ところでこの中にはアメリカ国債は含まれているのだろうか。(あちこち数字を見ると小さいもので40兆円、大きいものでは600兆円などというものもある。)わからないからとりあえずわかる数字だけでいくと、C−B+A=260兆円+Aの購買力が国内から失われ、260兆円+Aの雇用が失われ、労働者が260兆円+A貧しくなったことになる。この260兆円+Aの購買力を補充してやれば完全雇用が実現する。
260兆円とはどのくらいの額なのか。
1億2千万人で割ると一人当たり216万円。
ホームレスさんやホームレス君に一億円の住宅を建てると260万棟。
これだけあれば貧困対策として何とかなる、遊んで暮らせるほど豊かではないが、生活の必要は満たせるのではないだろうか。
で、
C−B+A=260兆円+A分のお金を印刷し、それを財源にして貧困対策を、たとえばベーシックインカムを導入する、というのはどうだろうか。この260兆円+Aを使い切ったとき完全雇用が達成される。
これはつまり、能力に応じて働き、必要に応じて受け取る社会が実現してしまうということなのですが。
ところで本当はアメリカ国債はいくら買っているのだろう。430兆円というのが一番ヒットするけれど。
何のトリックもなしに430兆円をアメリカに渡したりしたら、日本国内から430兆円の購買力が失われ、430兆円の商品が売れ残り、430兆円の雇用が失われ、430兆円労働者が貧しくなる。
河野太郎のブログを見ると、ようするに円高を防ぐための資金がプールしてあって、円高に振れそうなときに円売りドル買いをする。するとドルが手元にたまってしまうが国内ではドルは使えないのでアメリカ国債を買う、ということらしい。
それなら資金をプールした時点でお金が退蔵されてしまったわけだ。
でそれは円安にするためなわけだが、円安で恩恵を受けるのはたとえばトヨタのような輸出企業だ。彼らは安い労働力を求めて海外に出てゆき、日本の労働者が貧しくなればまた日本に戻ってくる。日本の労働者が貧しくなることが利益であるような企業にわざわざ便宜を図ってやっていることになる。何か間違っていないか。
7月29日追記
きのう天木直人のブログを見たら「外貨準備」として110兆円積み上げてある、そうだけれど、これはもう買ってしまったアメリカ国債を含めての額なのか、それともまだ円として溜め込まれているのだろうか。後者なのだとしたらAは110兆円以上で、日本に発生している貧困は370兆円以上だということになる。
重要かもしれない蛇足。
国内から260兆円プラスアルファの購買力が失われているとして、ではその購買力が国内で支出されていたとしたらその購買力で買われるべき商品は、そのときそこにあったわけだ。ではそれは今どうなったか。
竹中大臣(当時)が国会で、セーの法則というものがあるのだから市場を信頼するべきだという意味のことを答弁したそうですが、セーの法則とは
「財の生産は、それに参加した生産要素(土地、労働、資本)の提供者に、生産された財の価値に等しい所得をもたらし、その所得はすべて生産物に対する需要となるので、財を供給することはそれに対する需要を生み出すことになる。」
ある樵が山林地主に一万円をはらって木を切り出し、二万円で材木屋に売った。それを家具職人が三万円で買い、テーブルを作って四万円で売りに出した。各人の収入はそれぞれ一万円で、四人の収入の総計は四万円である。左側には四万円の収入があり、右側には四万円の商品がある。収入の総額と商品の総額は常に等しい。この二つは違うことができない。
260兆円プラスアルファの購買力が国内の生産活動で得られた収入であるなら、その収入に対応する商品が存在していたはずだ。そして今その収入が商品の購買に支出されないでいるとしたら、その商品は買われずにまだ国内に残っているはずだ。もしそれがないのだとしたら、セーの法則は成立しない、自由主義市場経済のシステムは成立しない、ということになる。
260兆円+Aだけ貧しくなった労働者を養うべき財は、腐ったり廃棄されたり投売りされたかもしれないが、基本的にまだ日本国内に残っているのだ。貧困を解決すべき財はこれから作り出すのではない。すでに日本国内にあるのだ。それを表に出すには、藁の先で後ろからつついてやればよい。木の葉のお金にキツネのマークのスタンプを押して貧民に配ればよいのだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。