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http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2011/08/04/013430.php
為替介入が行われました。市場では円相場が急伸し、一時1ドル=76円30銭と、東日本大震災後に付けた戦後最高値に迫る勢いを見せていた、のだとか。
で、早速、野田財務相が記者会見をした訳です。「最近の為替市場は一方的に偏った円高の動きが続いていた。投機的、無秩序な動きに対しては断固たる措置を取らなければならない」
まあ、こんなニュースが流されると、産業界のなかにはほっとする人もいるかとは思うのですが‥
「ですが?」
まあ、殆どの国民が、この介入は日本自身のために行っているでしょう。
「当然でしょ?」
本当に、そうなのでしょうか。勿論、産業界のなかから円高をどうにかしてくれという声が出ていたのは事実ですし、政治家の多くも、日本のために円高をどうにかすべきだ、と考えていたでしょうが‥
「でしょうが?」
日本以外にも、急激な円高ドル安をどうにかして欲しいと考えている国があるのです。分かりませんか? それはずばりアメリカなのです。
「そんなバナナ!」
どうして?
「だって、ドルが安くなれば、米国の輸出にとってはプラスだし‥」
それはそのとおり。アメリカ自身、ドル安を望んでいるのはそのとおり!
「だったら何故?」
緩やかなドル安は大歓迎。しかし、急激なドル安が起こると、身の縮む思いがするのです。ドルが急に安くなるということは、ドルに対する信認が急に低下するということです。つまり、資本が米国から海外へ逃避することを意味します。もちろん、アメリカ国内に資本が有り余っているのであれば、少しくらい資本が流出してもどうということもないのでしょうが‥
「資本なら、幾らでもドルを印刷したらあるじゃないの?」
でも、それは見せかけの資本でしかないのです。それに、そんなことをしていたら、インフレが起き、ドルの価値は益々低下してしまうでしょう。
「じゃあ、ドルを買い支えればいい」
しかし、アメリカは日本とは逆の債務国であるのです。つまり、毎年毎年経常収支の赤字が続き、国として負債が多い状態になっているのです。つまり、外貨準備が殆んどない。だから、ドルを買い支えようとしても、十分な資金がない。だから、もし、日本が為替介入をしなければ、ドルはひょっとしたら急落する危険性を抱えているのです。
しかし、そんなことを知らない日本の政治家たちが、アメリカにお伺いを立てているのです。急激な円高は困るので、介入しても見逃してもらえませんか? なんて‥
で、先方は、介入は困るのだけど‥日本も大変みたいだし‥ 何て言って恩を売られているのです。
恐らく介入をやって関係者は鼻高々なのでしょう。だから、記者会見をやったりするのです。
しかし、またしても、日本がアメリカを支援しているとも言えるのです。日本は、アメリカのとっての友だちどころか、恩人と言っていいでしょう。
円高で日本の産業界は大変でしょうが、アメリカも薄氷を踏む思いでしょう。相手の立場でモノを考えることも必要なのです。(小笠原誠治)
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