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「孫正義」とは一体何者 彼の大ブロシキを世間はどう見るか
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2011/8/4 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
朝日新聞・若宮啓文の奇妙なインタビュー 記事を読まされて心ある読者の重大な疑問
--「震災が起き儲けるだけでいいのかと反省」というが次の大儲けに乗り出したのではないかという声も多い
先月30日、朝日新聞の朝刊に奇妙なインタビュー記事が掲載された。若宮啓文主筆がソフトバンクの孫正義社長(53)に脱原発の“真意”を聞くという体裁だが、どうもストンと胸に落ちない。ガムシャラに金儲けをしてきた人が、ほぼ1ページを使った記事の中で書生のような青くさいことを言う。それがどうにもうさんくさく、怪しげに思えるのだ。
記事によると孫氏は、大震災で人生や事業について考え込み、脱原発と再生エネルギーの推進に取り組む決意をしたという。
〈本業は増収増益で過去最高の利益と売り上げを達成し、とても順調にいっている。でも、かたや目の前で嘆き苦しむ人たちが大勢いる中で、我々だけ利益を出し続けていて、人間としていいのかと。非常に疑問がわいたわけですね〉
金儲けだけではダメだと反省し、カネにならないことも手がけるハラを固めた。
〈(再生エネルギーによる発電には)大変な設備投資や運営費が必要で、利益が出る保証はまだないし、仮に利益が出ても、すべて再生可能エネルギーに投資します〉
〈再生可能エネルギーでもうけるつもりはさらさらないのです〉
まるで憑(つ)き物でも取れたようである。
確かに3・11の大地震で我が身の人生について考えた人は多いだろう。だが、企業家として巨万の富を築いた孫氏に、依然として経営者を続けながら「利益度外視」を訴えられても、ストレートに受け止められない。どうしても違和感が残るのだ。
◆カネの亡者が神のごとき人間に変われるのか
同志社大教授の浜矩子氏(国際経済学)が言う。
「聖書に、金持ちの家に生まれた人が、イエス・キリストに弟子志願する話があります。イエスはその人に、すべての財産をなげうって、身一つで来るように告げる。するとその人は、悲しい顔をして立ち去ってしまう。孫さんは、まるでこの金持ちです。行動するのは、自分に痛みが及ばない範囲まで。かけがえのないものを犠牲にしてまで没頭する気はなさそうです。生き方が根本から変わったとも思えません。企業を大きく成長させたベンチャー人間たちは、大なり小なりいかがわしい。彼らの底流を形成しているのは、『あなたさえよければ』ではなく、『自分さえよければ』の精神。どれだけ主張がまっとうであったとしても、下心があると思えてしまうのです」
孫氏は、被災地の支援に100億円を寄付すると申し出た。庶民にとってはベラボーな金額である。だが、米フォーブス誌の長者番付によると、孫氏の総資産は6300億円だ。100億円の“犠牲”は、大きな痛みが伴うほどではないだろう。
政治評論家の森田実氏が言う。
「きのうまでカネ、カネだったカネの亡者が、突然、神のごとき人間になるなんて、あり得ません。本当に反省しているのなら、黙って私財を全額寄付し、スッテンテンになればいいんですよ。ここぞとばかりに正義を振りかざし、国民的リーダーのように振る舞うのは、思い上がりも甚だしい。国民をなめるなと言いたいですね」
30年前のソフトバンク創業当時、孫氏は「豆腐のように売上高を1兆、2兆と数える会社にする」と目標を掲げていたという。最初からカネ勘定しかなかったのだ。
世間は、孫氏の大風呂敷に付き合うほど、お人よしではない。
◆他人のふんどしで相撲を取るメガソーラー構想
脱原発や再生エネルギーの推進は、日本にとって避けて通れないテーマである。原発頼みの構造は見直さなければならないし、CO2
を排出する化石燃料をガンガン燃やすわけにもいかない。財界は、「脱原発による電気代アップは企業の海外移転を加速させる」と強調し、「日本の産業と雇用を守るには原発の再稼働が必要だ」と脅すのだ。だから、「孫さんを批判すれば、経団連を中心とした原発擁護派を利することになる。その結果、脱原発に水を差されるのは好ましくありません」(評論家・佐高信氏)という意見も出る。
確かに、既得権益を守るのにキュウキュウとしている古狸たちの方が、よほどタチが悪い。東電社長など、規制と地域独占にあぐらをかき、7200万円もの年収を手にしながら、原発の安全対策を怠った。金儲けの腕前も、孫氏の方が数段上手だ。
ただ、それだけに、今さら「カネじゃないんだ」と“正論”を吐かれても、ホラにしか聞こえない。原発問題は方便で、次の金儲けの材料にしようという魂胆が透けて見えるようである。
孫氏のメガソーラー建設構想は、休耕田や耕作放棄地を活用し、20メガワット級の発電所を全国10カ所に建設する。土地は自治体から拝借し、ソーラーパネルの設置には政府の補助金を充て、つくった電気は電力会社に買い取ってもらう。他人のふんどしで相撲を取るとはこのことだが、実現には、自然エネルギーで発電した電気の全量買い取りを電力会社に義務づける「再生可能エネルギー特措法」の成立が欠かせない。菅首相に急接近し、「あと10年続けて」と励ますのは、当たり前である。
◆政商を持ち上げる朝日新聞の不見識
経済ジャーナリストの有森隆氏が言う。
「孫さんの変節は、これが2度目になります。もともとはベンチャーの旗手として規制緩和を訴えてきたチャレンジャー。それが携帯電話業界への参入により、体制側に乗り換えた。そして今回は究極の体制側である政治に近づいている。ただ、ソフトバンクの電力参入に対してマーケットは冷ややかです。それは株価を見ても明らか。菅首相との会談や自治体首長との連携といったニュースが出ても株価は反応せず、8月に入って3000円を割り込んでしまいました」
震災時、ソフトバンクの携帯電話は被災地で使い物にならなかった。「つながらない」はソフトバンクの代名詞。そんな本業の問題はほったらかしで、新しいビジネスにのめり込む姿は、投資家からも敬遠されているのである。
世間が鼻白む経営者。永田町周辺では、「菅内閣で大臣に」なんて声も聞こえる。天下の朝日は、そんなうさんくさい相手に大きなスペースを与えた。それも、「厳しい質問をしてはいますが、結局は孫さんの主張を受け入れている」(有森隆氏=前出)という編集方針。大々的にPRしてやったも同然だ。
「孫氏は、国民の支持を失った菅首相の応援団を買って出た。さらに儲けようとしている証拠です。歴史を振り返れば、落ち目になった権力者に食らいつき、大儲けした商売人は多々いた。彼も同じ。政権と結びついて利益を上げる政商です。それを紙面で持ち上げる朝日新聞は、いったい何を考えているのか。ソフトバンクの広告がどれだけ入っているのか知りませんが、不見識にもほどがある」(森田実氏=前出)
確たる証拠がなくても民主党の小沢元代表をダーティーな政治家と決めつけるくせに、金儲けだけをやってきた経営者の宗旨変えは疑わない。その不可思議なバランス感覚に、読者は戸惑うばかりである。
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