http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/601.html
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従来、リスク回避局面で売られていた新興国の国債金利が一部の優良国では低下している。手厚い外貨準備のおかげだが、その資金は相対的に好調な日本の株式にも流れ込み、超円高にもかかわらず、一万円に近い水準を維持している。
生産だけでなく金融においても欧米だけを考えればいい時代は終わりつつあるが
これが政治や軍事にまで波及すれば、本当の覇権移動(分散?)が起こるが
そこまで行くのは、まだ暫くかかるか。
http://diamond.jp/articles/-/13425 【第157回】 2011年8月3日藤戸則弘
存在感を増すアジアマネー特に中国政府系資金に注目を
昨秋来の「QE2相場」で、主役となったのは外国人だった。東証の投資主体別売買動向を見ると、外国人は昨年9月から今年6月まで5兆 5438億円という大幅な買い越しであった。日経平均株価が8000円台から1万円の大台に上昇したのも、外国人の買いが原動力となったわけである。
その外国人投資家を地域別に見ていくと、大きな変化があることがわかる。昨年1年間の地域別売買動向を見ると、買い越し額は@北米1兆6228億 円、A欧州1兆0514億円、Bアジア3942億円である。これまで同様、欧米勢が中心であった。しかし、今年1〜6月の地域別売買動向では、米国1兆 7912億円、欧州1兆1013億円の買い越しに対して、アジアは9700億円の買い越しと、アジアは欧州と遜色のない存在感を示した。
このアジアマネー台頭の背景には、積み上がった膨大な外貨準備高がある。中国の人民元が典型だ。人民元は基本的には党・政府、中国人民銀行の意向 が反映された管理通貨である。人民元高が進行した場合には、その動きを抑制するために、ドル買い人民元売りを実施する。折からの世界的なドル安に対して は、恒常的にドル買い人民元売りが実施され、外貨準備高が膨張を続ける構造になっている。
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従来、中国は外貨準備のほとんどをドル・米国債で保有していた。ところが、世界の基軸通貨としてのドルの価値は急速に減価している。2000年以降 のICEドル実効レートを見ると、01年7月の高値121.0をピークに足元では74前後で推移している。約4割近いドルの減価であり、中国がドル依存を 脱却しようと考えるのも無理はない。
すでに中国は、外貨準備を複数の通貨バスケットにより管理することを表明しているが、この分散投資の概念が、資産の種別にも適用され、債券や株式、コモディティにも資金が流れている。日本株にも、こうした流れが波及したと考えるのが妥当であろう。
日本の有力企業の大株主に、「SSBT・OD05・オムニバスアカウントトリーティー」という名前が多く目につくが、中国のSWF(政府系投資 ファンド)といわれている。TOPIXコア30をはじめとする流動性の高い企業を投資対象としているようだが、アジア関連としての性格を有している銘柄も 目立っている。「OD05」が大株主の銘柄は、概して株価も堅調な展開をたどるケースが多い。中国をはじめとするアジアマネーの動向に注目すべきである。
(三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア投資ストラテジスト 藤戸則弘)
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