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株式日記と経済展望
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財務省は「省益」のための増税を実現するべく、マスコミに財政破綻論を
煽らせ、政府の需要創出(公共投資など)を妨害しているとしか思えない。
2011年8月2日 火曜日
日本のみが、CPI成長率がゼロ、もしくはマイナスの領域をさまよっているのだ。
◆「復興増税」か「インフレ」か 今の日本にふさわしいのはどちらなのか 5月16日 三橋貴明
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110510/219901/?P=3
日銀が国債を引き受け、マネタリーベースを拡大すると、社会全体のお金の量が増え、CPI(消費者物価指数)は上昇に向かうだろう。すなわち、ようやく日本経済の「真の問題」であった、デフレからの脱却の道が見えてくるわけだ。
図1-2の通り、日本の消費者物価指数は2009年以降、ほとんどの月で対前年同月比マイナス、もしくはゼロ近辺をさまよっている。これは完全に「政府の政策の失敗」である。
何しろ、2008年9月のリーマンショック以降、日本のみならず、主要国の多くがデフレ(CPIがマイナス成長)に陥ったのだ。中国に至っては、一時は日本をも上回るほどにデフレが深刻化していた。
とはいえ、日本以外の主要国は、政府がデフレ対策を実施した結果、1年もかからずにCPIをプラスに戻している。唯一、日本のみが、CPI成長率がゼロ、もしくはマイナスの領域をさまよっているのだ。これが政策の失敗でなくして、何だというのだろうか。
日本は「通貨の信任」が強すぎる
日本のデフレ深刻化の原因は、国内の需要不足及び「社会全体のマネーの量」の不足である。
財務省は「省益」のための増税を実現するべく、マスコミに財政破綻論を煽らせ、政府の需要創出(公共投資など)を妨害しているとしか思えない。そして、日銀は日銀で「通貨の信任」などという曖昧な理由で、マネタリーベース拡大(国債買取など)を否定し続ける。
アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)はリーマンショック以降、、政府保証債(GSE債)や長期国債の買い取りにより、マネタリーベースを3倍近くにまで拡大している。それに対し、日本銀行はマネタリーベースをほとんど増やしていない。
世界に流通するドルの量が増え、日本円はほとんど増えないのである。ドルなどの主要通貨に対し、日本円の価値が上昇して(=円高になって)いくのは当たり前である。現在の日本は「通貨の信任」が強すぎるのである。
今日の日本経済は、デフレと円高(と言うか、デフレゆえの円高)に苦しんでいるが、政府が「やるべきこと」をやらない以上、当然の結果だ。
デフレ脱却には、政府の財政出動と日銀の金融緩和を「パッケージ」で行わなければならない。政府が公共投資などで不足する需要を補い、日銀がマネーを金融市場に供給することで、金利の上昇を抑える。日銀のマネタリーベース拡大に、政府の需要創出が加わり、初めて民間の借り入れ意欲や支出意欲が高まり、日本はようやくデフレからの脱却を果たせる。
「増税」ではなく「増収」が達成される
上記はデフレ脱却のための、まさに「普通の政策」なのだが、なぜか日本では「増税」やら「ムダの削減」やら、デフレを深刻化させる「インフレ対策」ばかりが声高に叫ばれる。日本のインフレ率が健全な範囲を越えて上昇したのであれば、筆者は「増税」や「ムダの削減」に全く反対しない。と言うか、むしろ率先して、
「政府は公共投資を削減しろ! 増税で財政健全化だ!」
と主張するつもりである。何しろ、政府の支出削減や増税などの総需要抑制政策こそが、まさに代表的なインフレ対策であるためだ。
繰り返すが、筆者はイデオロギー的に増税やムダの削減に反対しているわけではない。単に、環境に応じて適切なソリューションは異なるという、当たり前の話をしているに過ぎない。
今回、東日本大震災が発生し、政府は早急に復興のための支出(公共投資など)を拡大しなければならない。まさしく、現在の政府が「普通の政策」すなわち国債発行と日銀のマネタリーベース拡大、さらには復興事業のために支出を拡大すれば、日本はついにデフレを脱却できる可能性があるのだ。何しろ、それこそがオーソドックスなデフレ対策であるためである。
日本がデフレ脱却を果たせば、名目GDPの成長率が高まり、政府の税収も増える。「増税」ではなく「増収」が達成されるわけである。結果、被災地の復興のための財源も、中期的に拡大していくことになる。
さらに、復興増税論者が好んで使うフレーズである、
「東日本大震災復興の負担を国民で分かち合う」
についても、そのまま実現できるのだ。デフレ脱却のための「普通の政策」に反対する理由が、さっぱり分からない。
(私のコメント)
昨日の株式日記では、通貨が利払いも償還期限もない国債であることを書きましたが、ならば通貨供給を増やせば国債発行より有利なのは、頭のいい人ならわかるはずだ。しかし日本では東大経済学部を出て大蔵省に入りハーバードに留学した人には分からないようだ。政府発行紙幣は日銀がなかなか金融の量的緩和をしないから出てくる話ですが、政府発行紙幣も日銀紙幣も同じことだ。
ならば世界各国は紙幣を乱発すればどうなるだろうか? ジンバブエのようになってしまう。ジンバブエはこれといった経済もないのに紙幣だけ乱発した。だから天文学的なインフレになってしまった。対照的なのは日本であり、経済が強すぎるのに財務省や日銀官僚の頭が弱いからデフレにしてしまっている。日銀は通貨の信任を得るとして資金供給を絞っていますが、だからデフレになる。
日銀が市場を通じて国債の買いオペをすれば金利は下がる。しかし銀行に留まったまま信用通貨が拡大しなければ効果が上がらない。だから民間の資金需要がない時は政府が財政で積極的な投資をする必要がありますが、政府の財政は年々縮小されている。90年代から景気対策による財政出動が行なわれても、爆発的な景気浮揚は起こらなかった。
新幹線や高速道路の建設の公共事業はほとんど終わっている。作っても赤字路線ばかりだからだ。これからの投資はエネルギー政策であり、電力を自由化して新規参入を促すべきであり、現在の高い電気料金より安い電気があれば需要が殺到するだろう。円高なのだから天然ガスなどの燃料価格が安くなるはずなのに安くならず韓国の倍の電気料金はおかしい。原子力発電所の稼働率も下がる一方だからだ。
政府は交通インフラ整備には大盤振る舞いの公共事業を行ないましたが、エネルギーインフラの整備は電力会社の地域独占で電気コストはあまり下がらなかった。物と違って電気は輸入が出来ないから韓国や中国の電気を輸入するわけにも行かない。いわば電力会社が特殊法人化して政治家や官僚の子息がコネではいる会社となり、政界への影響力が増している。
東日本大震災では、交通インフラのみならず電気や水道やガスなどが寸断されて、復旧が遅れていますが、基本的な復興計画がなかなか決まらず、財源論議ばかりがされている。神戸大震災などでは基本的には旧来の街に復旧しましたが、東北の被災した町もそのまま復旧させて産業の復活を最優先すべきだ。それではまた津波に飲み込まれるという話もありますが、産業がなくなっては町そのものがなくなる。
瓦礫の除去が終われば、仮設店舗や仮設工場を復活させて産業を復活させることが第一であり、金のかかる高台への移転は無理だろう。しかし三陸の被災した町は基本計画が出来ておらず、復興構想会議で出たような計画は絵に描いた餅だ。旧来の町を復活させて、津波対策は高台への避難路整備や、避難ビルなどの建設で対応すべきだろう。
財務省にとっては増税して税収を上げることしか念頭にはないのでしょうが、デフレ経済の下では増税しても税収は上がらない。日銀にとっても通貨の信任を守ることだけしか感心がなく、インフレや円安などを極端に恐れてデフレと円高に持って行ってしまっている。金融の緩和は日銀にとっては政府に対する敗北であり金融の引き締めは勝利なのだ。
バブル崩壊以降は、信用が縮小して銀行はリスクに敏感になり、リスクを伴う融資が出来なくなった。政府が信用保証する融資なども行なわれましたが、そうでもしないとなかなか銀行はリスクのある融資が出来ない。以前なら土地を担保に取れば債権の回収は出来ましたが、担保自体が値下がりすれば損失は銀行が負う事になる。
日本の銀行には信用で貸すだけのノウハウがなく、土地担保融資しか出来ない。欧米のバブル崩壊も住宅価格の暴落が原因ですが、日本の失敗を研究して大胆な金融緩和で住宅価格の下落を防ごうとしている。しかし市場規模が大きいから金融緩和で持ち直すような事が成功するはずがない。しかし欧米の金融機関も住宅価格がバブル期並みに持ち直さないと不良債権は処理できない。
アメリカ政府とFRBの金融緩和は株価の維持には成功しているし、住宅価格の下落も3割程度に止めている。それに対して日本の住宅価格は20年近くたってもまだ下落を続けていますが、これでは銀行も不良債権の処理が進まない。日本政府や日銀は株価も住宅価格も関心は薄く、財務省は税収しか関心がなく日銀はゼロ金利を上げることしか関心がない。
財務省や日銀は税収や金利にしか興味はなく、増税のたびに日本の景気は冷え込み、その度に金利はゼロに張り付いてしまう。国債の残高が増えているから金利の上昇は脅威であり、インフレで金利が上がれば利払い費用が爆発的に増える。政府や日銀はそれが怖いから円高や増税を打ち出して景気が良くならない様にしているとしか思えない。
アメリカも金融緩和で国債残高が増えたから金利の上昇は防がなければならない。政府も歳出の削減で積極財政は難しいだろう。むやみやたらとドル安にすれば投資資金はアメリカから逃げていくようになり、米国債も買い手がなくなり金利が上昇してしまう。90年代に日本政府が直面したように景気対策をしたくても金利や財政の壁に突き当たるようになる。
アメリカ政府といえども大盤振る舞いが出来なくなり、増税と歳出削減が課題になっている。しかしそうすれば経済は長期的な不況をもたらして日本のようになってしまうことを恐れている。アメリカの不良債権は政府とFRBの負債となって移動しただけであり、金融機関は救われても政府とFRBはその付けを増税と歳出削減で減らしていかなければならなくなった。
それに対して日本は金融緩和と円安政策をとれば輸出主導の景気対策をとることが出来る。2007年頃は1ドル=120円で輸出産業は大儲けしてミニバブルが訪れた。しかしリーマンショックで再び円高に戻さざるを得なくなり、日本が円安政策をとれば世界の経済は打撃を負ってしまう。円安になれば世界に出回っていた資金が日本に返って来てしまうから世界的なバブルが崩壊したとも言えるだろう。
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