http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/591.html
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予想以上に米景気後退は大きいと見られており、リスク回避から
スイスフランと円にマネーが集まっている
無策の政府・日銀、規制要因や、復興投資、比較的堅調な国内企業動向のおかげなど
複合的な要因のせいで、当分、円高基調が続きそうだ
その場合、長期的には、やはり景気には下押し圧力として働くから
なかなか雇用が急増というわけにもいかない
しかし団塊引退の2012年問題もあるから、そう悲観するほど急減することもなさそうだ
酷く悪くもないが、良くもない、不確実で、冴えない状況だ
http://zai.diamond.jp/articles/-/116261
藤井英敏 株式市場サバイバル!
【第140回】 2011年8月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤井英敏 [カブ知恵代表取締役]
米経済の大きな危機は去ったが、日経平均は大きく上昇しない
米政府と議会が債務上限引き上げで、ようやく合意しました。
オバマ米大統領は、日本時間8月1日9時40分、ホワイトハウスと民主、共和両党指導部が連邦政府の法定債務上限を引き上げ、デフォルトを回避する代わりに、今後10年で約2兆5000億ドルの財政赤字を削減することで合意したと発表。オバマ大統領は今回の合意でデフォルト回避が可能になり、米国は今後8−12ヵ月間危機を回避できると述べました。
合意案では、裁量的支出を今後10年間で9170億ドル削減した上で、さらに最低1兆5000億ドルを削減するための特別委員会を設立。同委員会が十分な削減策をみつけられなければ、1兆2000億ドルの自動的な支出削減を求めるということです。
合意はしたが格下げリスクは残ったまま
これはこれで、世界の株式市場にとってポジティブです。しかし、デフォルトは回避される見通しになったものの、米国債格下げのリスクは依然として残っています。
暫定合意の赤字削減幅がやや少ないとみられるからです。ですが、一応、デフォルトが回避されたのですから、おそらく、格下げ方向の見直しを継続するということで、落ち着く可能性が高いとみています。
また、仮に、大手3社(ムーディーズ、S&P、フィッチ)のうち1社が格下げしたとしても、市場への影響は限定的だと考えています。2社、もしくは、3社全部が格下げしたら、さすがにそれなりに影響は出るでしょうが。
とにかく、米国は今後8−12ヵ月間危機を回避しました。よって、市場が再びこの問題を懸念するのは8−12ヵ月後ということになるのでしょう。それまでは、米国債の危機は過去のものとなったと考えます。
ドル円はしばらく高止まりする可能性が高い
ところで、11年4−6月期の米実質GDP速報値は前期比年率換算で1.3%増にとどまりました。市場予想の1.7%を下回り、かつ、2%台後半とされる潜在成長率も大きく下回る低水準でした。
また、1−3月期は同0.4%増と、従来数値よりも1.5ポイントの大幅な下方修正となりました。今年に入ってからの米経済の減速が鮮明になっています。確かに、8四半期連続のプラス成長ですが、今年前半は08年のリーマン・ショックの金融危機以降で低成長が最も目立つ局面となっています。
こうなると、せっかく、債務上限引き上げの合意となっても、ドルの上値は重いでしょう。1ドル=80円台は近くて遠い水準になったかもしれません。今後、米国の景気回復ペースが改善することへの期待が盛り上がるまでは、円は対ドルで高止まりする可能性が高そうです。
ただし、合意前と違い、ドルが急落するリスクは大幅に低下しました。このため、当面の日本株は、円高に対する感度はやや鈍い状況(円高になったから日経平均が即下がるわけではない状況)になっていくとみています。
■スマートグリッド関連などが物色テーマに
一方、国内では、政府のエネルギー・環境会議は29日、当面のエネルギー需給安定策と「革新的エネルギー・環境戦略」の論点整理を決めました。
目標達成に向けた具体的な対策としては、省エネ商品の導入促進、産業の省エネ投資の促進、住宅や工場・ビルの省エネ投資促進など、家庭も含む需要家による投資促進(蓄電池、電気自動車、太陽光発電など)、スマートメーターの導入促進、それを活用した需要家に対するピークカットを促す料金メニューの普及、などを挙げています。
とりわけ、スマートグリッドの構築に向けては、一般家庭へのスマートメーターの導入を急ぎ、5年以内に電力の総需要の8割を同メーターで把握できるようにすると伝わっています。
こうなると、物色テーマとしては、スマートグリッド関連中心に、蓄電池、電気自動車、太陽光発電関連などが有望でしょう。
なお、これらへの物色意欲が増すためには、太陽光や風力などでつくる電気について、電力会社がすべて購入することを義務づける再生エネルギー特別措置法案が今国会で成立することが必要だと思います。
同法案は国会審議が7月27日本格化しました。今後の国会審議の行方に期待を込めて見守りたいと思います。
■政策的支援のない日本株は上値は重たい状態が続く
なお、7月は、ギリシャ危機、米国債務上限引き上げ問題を背景に、1ドル=76円台の円高に突入。その間、財務大臣は為替相場を注視するだけで、なんのアクションも起こしませんでした。また、日銀も単なるマーケット・ウオッチャーでした。
このように日本では政策的な支援が全く期待できないため、外部環境が多少改善しても、日経平均の上値は相当重いとみておく必要があります。
この閉塞感打破には、解散・総選挙が一番ですが、今、やったら、民主党の議席は三分の一になるでしょうし、被災地のことも考えれば、それは期待できません。
となると、首相が交代するまでは、株式市場が政策期待を背景に、盛り上がることはないですね。この点は、非常に残念です。
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