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3千$だから、まだまだ大したことはないが、購買力で言えば、日本の高度成長期並みにはなっている。今後、中所得の壁を超えて成長していけるのか注目だ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/16804?page=3
急増するインドネシアの中産階級
「BRICs」転じて「BRIICs」なるか?
2011.07.29(Fri) (英エコノミスト誌 2011年7月25日号)
東南アジア最大の経済大国インドネシアでは、消費ブームがお馴染みの問題を覆い隠している。
ローラーブレード警官隊、ジャカルタの交通整理に出動
インドネシアでは昨年、2輪車がおよそ800万台も売れている〔AFPBB News〕
ジャカルタの中心地から車でゆっくりと郊外へ向かうと、通り沿いに設置された看板は現在、2つの商品だけを宣伝している。スマートフォンとスクーターだ。
時折、銀行の広告も交じっているが、それはどちらかの商品を購入するための低利融資の宣伝だ。なんと運の良い顧客だろう。そして今のところ、顧客のためになることはインドネシアのためにもなっている。
東南アジア最大の経済国であるインドネシアは消費ブームの真っ只中にあり、消費が経済成長の原動力となっている。
2億3800万人の人口を抱えるインドネシアは長年、世界最大の経済大国の1つになる潜在性を秘めていた。ただし、それも同国が経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)を正すことができれば、の話だ。果たして、それは可能なのだろうか?
昨年インドネシアは6%の成長を遂げ、主要20カ国・地域(G20)の中でも屈指の高い伸びを見せた。格付け会社が先進国の信用力をせっせと下方修正しているにもかかわらず、インドネシアの信用力は反対に引き上げられてきた。現在の格付けは、あと1段階で投資適格級に達する水準だ。
インドネシア人は近いうちに自国が新たな世界経済秩序のリーダーとして、ブラジル、ロシア、インド、中国から成る非公式クラブ「BRICs」の仲間入りを果たせると考えている。彼らは「BRIICs」の一員になりたいのだ。
コモディティーを基盤とした経済から脱皮するチャンス
だが、それは楽観的な見方だ。ブラジルとは似ているが中国やインドとは異なり、インドネシアの成功は、洗練されてもいなければハイテクでもないコモディティー(商品)ブームによるところが大きいからだ。
石炭とガスは中国とインドに輸出され、パーム油は世界に輸出されている。お金はインドネシアに押し寄せているが、成長を妨げている長期的な問題の解消にはほとんど費やされていない。
インドネシアはコモディティーを基盤とした経済から脱皮する1世代に1度あるかないかのチャンスに遭遇している。同国がそのチャンスをつかむかどうかは不透明だ。
今のところ、国内総生産(GDP)成長率の半分近くを消費が占めている。日本の証券会社、野村の試算では、インドネシアはものすごい勢いで中産階級(定義は可処分所得が年間3000ドルを超える人)を生み出している。
2004年に160万人だったインドネシアの中産階級は今や約5000万人に上っている。
野村の推計によれば、その数はインドよりも多く、東南アジア地域のすべての国を上回っている(図参照)。
2014年までに中産階級は1億5000万人に迫り、インドネシアが世界で最も魅力的な市場の1つになる可能性もある。最近になって豊かになったインドネシア人は確かに消費している。
爆発的に伸びる消費
彼らが熱望する主な商品の1つ、2輪スクーターを見てみよう。昨年インドネシアで売られたスクーターはおよそ800万台と、他の東南アジア諸国の販売台数を圧倒した(例えば、タイは170万台)。インドの販売台数は1130万台と、インドネシアをわずかに上回ったに過ぎない(中国は1600万台だった)。
所得が増えると、人はより高級なブランドを手に入れたくなる。長年、ホンダとヤマハが市場をほぼ独占してきた。だが1980年代にインドネシアからの撤退を余儀なくされたイタリアのピアッジオが、比較的高価な「ヴェスパ」をジャカルタに再投入した。自動車の販売台数も急速に伸びており、昨年はおよそ75万台に達した。
あるいは、スマートフォンを見てみるといい。インドネシア人は技術を1世代飛び越して、携帯電話やパソコンではなく、主にスマートフォンを使ってデータをダウンロードしたりソーシャルメディアを利用したりしている。
販売の伸びには目を見張るものがある。インドネシアは「ブラックベリー」の製造元であるRIM(リサーチ・イン・モーション)にとって最大市場の1つだ。また、インドネシアはフェイスブック利用者が世界で2番目、そしてツイッター利用者は3番目に多いと豪語している。
企業は消費社会の必需品の需要についていくのに苦労している。ユニリーバは何十年にもわたって、インドネシアに歯磨き剤を供給してきた。現在、最も急成長を遂げている同社製品はアイスクリームで、その次はスキンケア製品だ。
インドネシア国際商工会の元会長で、コンサルタントのジェイムス・キャッスル氏は、大企業は従来、より理解しやすい市場を優先してインドネシアを無視することができたが、今では「進出していなければ、理由がなければならない」と指摘する。これは大きな変化だ。
だがキャッスル氏は、あまりに多くの企業が進出しない理由を見つけており、インドネシアには決して工場を建設しないと警告する。インドネシアは地域の競争相手であるベトナムなどとは異なり、製造業が国内のほぼすべての産業に後れを取っている。魅力的な新商品の輸入比率が高いことは一目瞭然だ。
それはインドネシアが依然、多くの面でビジネスを行うのが難しい国だからだ。他の東南アジア諸国と比べると、なおのことだ。
まだお粗末なインフラと不透明な規制がネック
インフラがお粗末なため、生産コストが大幅に高くなる。近隣諸国は軒並み新しい港の建設や古い港の拡張工事を進めているが、インドネシアは効率性と生産性において大きく立ち遅れている。
世界銀行の2010年物流効率指数では、インドネシアは世界75位にとどまり、タイやマレーシアに大きく水をあけられ、フィリピンよりも下位に甘んじている。このことは、インドネシアに向かうかもしれない外国投資の多くが、他国に行ってしまっていることを意味している。
そのうえ、汚職の問題、そしてキャッスル氏がビジネスにとって最大の障害だと言う「不透明でデタラメな規則」の問題も残っている。インドネシアの不透明な政治体制では、しばしば新しい規制が突然作られ、既存の規制と矛盾することがある。
少なくとも、変化の兆しは見える。議会で審理が進んでいる土地買収に関する法案が可決されれば、インフラ計画を断行しやすくなるだろう。
政府はさらに、一部の原材料の輸出を禁止して鉱山会社に精錬所の建設を促し、より付加価値の高い製品の輸出に取り組ませたいと考えている。だが、そのためには、事態が悪化する前にやらなければならないことがまだある。
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