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政策の失敗の代償は欧州に払わせろ IMFがギリシャ救済から手を引く可能性
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/484.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 21 日 20:31:42: 6WQSToHgoAVCQ
 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/15831
政策の失敗の代償は欧州に払わせろ IMFがギリシャ救済から手を引く可能性
2011.07.21(Thu) (2011年7月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

こうしてサーカスは先へ進んでいく。ほかに適当な表現がないためにそう呼ぶなら、ユーロ圏の責任者たちは21日にブリュッセルに集まり、もう1000回目かと思えるようなギリシャ危機への対応を繰り返す。

 前回よりかなり大規模なギリシャ向けの第2次金融支援を策定することになっているサミット(首脳会議)の準備期間は、悲しいことに、無秩序で複雑な欧州の政策過程の典型だった。欧州中央銀行(ECB)はギリシャのソブリン債務の減額と何がデフォルト(債務不履行)に相当するかしないかを巡り、ユーロ圏の財務相たちと声高だが混乱した口論を続けた。
IMFに大規模サイバー攻撃か、米紙報道

米ワシントンにある国際通貨基金(IMF)本部〔AFPBB News〕

 諦めと絶望感が入り混じった気持ちでその状況を眺めているのが、2010年5月のギリシャ救済当初に戦場に落下傘降下してきた国際通貨基金(IMF)だ。

 今でもIMFのことを悪質な全能性を備えた組織だと考えている人は、IMFが置かれた現状を見てみるべきだ。

 そして、ワシントンの一部関係者が始めているように、危機対応への関与から得られる恩恵よりIMFの評判に対するリスクの方が大きくなり始めた状況から、どうしたらIMFが抜け出せるか考え始めた方がいいだろう。
IMFがギリシャ危機に関与したことは得策だったが・・・

 IMFがギリシャに関与したのは得策だった。実際に関与したことは、IMF専務理事の職を離れたドミニク・ストロスカーン氏の外交手腕を反映している。IMFの参画は、ECBのジャン・クロード・トリシェ総裁をはじめ、問題を自分たちで解決したがっていた攻撃的なヨーロッパ人の抵抗を乗り越えることを意味した。

 IMFは危機対応に専門知識と信頼性と低利融資を持ち込んだ。分別がある人――この局面においては、恐らく大半のエコノミストすら含む分類――は、最初から、ギリシャが債務再編なしで財政を再建できる可能性は低かったと主張するだろう。

 だが、債務再編の有無にかかわらず、ギリシャはやはりプライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字を黒字化させる必要があり、IMFの支援を受けていた方が黒字化が容易になる可能性が高いことははっきりしていた。

 しかし、強情なまでの欧州のプライドや関係国の経済規模のせいで、2010年5月に発表された総額1100億ユーロの救済パッケージでは、ユーロ圏諸国の貢献が800億ユーロに上ったのに対し、IMFの負担は全体の3分の1に満たない300億ユーロにとどまった。

 これは新しい試みだった。というのも、IMFは過去にも救済プログラムに共同で融資したことがあり、2008〜09年の東欧諸国向け融資では欧州連合(EU)の資金がIMFの融資を上回ったが、IMFは事実上、上位のパートナーとして活動し、そうでなければ、ほかの貸し手との間でほぼ完璧な目的の一致を見ていた。

 IMFが信頼性の門番を務め、借り手であるギリシャとのコンディショナリティー(IMFが融資と引き換えに課す政策遂行の条件)の交渉・実行で指導的な役割を担っていれば、このような下位の役割自体はあまり大きな問題にならなかったかもしれない。

 だが実際には、IMFが本当にすべきだったのは、機能不全に陥った共同融資者のユーロ圏にコンディショナリティーを課すことだった。

 すべての状況を考慮すると、ギリシャ政府は大幅な財政引き締めと構造改革という非常に難しい組み合わせの実行にそれなりにきっちり挑んだ。
ユーロ圏内の不協和音にしびれを切らすIMF

 真の障害は、ユーロ圏の政策立案にまつわる混沌とした雑音だ。ギリシャ国債のスプレッド(ドイツ国債の利回りに対する金利上乗せ幅)を急拡大させ、今ではイタリアとスペインをパニックのウイルスに感染させたのは、ギリシャの政治的意思のなさや債務再編の見通しそれ自体と同じくらい、ユーロ圏内の不協和音だった。

 IMFは今、もはや欧州の論争やためらいへの苛立ちを隠そうともせず、ワシントンでは次第にIMFがギリシャから手を引く可能性が議論されるようになっている。

 IMFは先日、ギリシャに対する次回融資分の実行を承認した時、無秩序なギリシャのデフォルトの悪影響が欧州大陸全域、あるいは世界にさえ及ぶ可能性だけが、これほど不透明な状況に対して融資の継続を認める理由だということを明確にしている。

 主な問題は、ギリシャが何かをやり損ねたことではなく、中期的なユーロ圏の融資が保証されるかどうかだった。デフォルトが起きようが起きまいが、民間の融資が戻ってくるのはかなり遅いと見られるからだ。

 既に合意された融資プログラムの下で支払いを止めることは、破壊的な選択肢だ。だが、第2次金融支援の下で責務を増大させることに関しては、IMFは支援の根底を成す欧州の政策立案機構の大混乱を見て、「もう結構」と言った方が賢明かもしれない。

 もしコミットメントの拡大が、フランスで最近提案された自発的な債務のロールオーバー(国債への再投資)案などの支援策を承認することを意味するのであれば、IMFは単刀直入に関与の拡大を拒むべきだ。何しろロールオーバーは、債券保有者に参加を促す甘い餌を与えることで、長期的な債務問題を悪化させることになる。

 IMFが現行の支援策への追加融資を拒むことが市場の混乱を招くのであれば、それはそれで仕方ないだろう。IMFは本来、流動性問題を収束させるためにそこに存在しているのであって、支払い不能に陥った政府に融資することで損失を膨らませることが目的ではない。

 ユーロ圏が愚かな救済戦略を取りたいのであれば、ユーロ圏にその支払いをさせればいい。
IMFは危機時の貸し手であり、怠慢な先進国の慈悲深い叔父ではない
G20閉幕、経済指標監視で不均衡是正へ

IMF専務理事に就いたクリスティーヌ・ラガルド氏〔AFPBB News〕

 IMFがユーロ圏による多額の長期融資にこだわる姿勢は、重要かつ気がかりな意味で、一種の自己防衛になるかもしれない。

 この先いずれ、ユーロ圏の救済費用を引き受ける国々、特にドイツが自国の損失の一部を処理するか、何か別の方法でギリシャへの財政移転を実行せざるを得なくなることは確実だからだ。

 IMFはそんなことはしない。IMFは危機時の貸し手であって、怠慢な先進国にとっての慈悲深い叔父ではない。また、IMFは融資を回収できるよう、ユーロ圏が十分な資金を出すことをはっきりさせておかなければならない。

 IMFは仲間に選ぶ相手について真剣に考える必要がある。ストロスカーン氏はいみじくも計算されたリスクを取り、ギリシャの資本市場の銃撃戦の真っ只中にIMFを送り込んだ。IMFの撤収計画を担うのが、後任のクリスティーヌ・ラガルド専務理事である可能性は十分にある。
By Alan Beattie

 

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コメント
 
01. 2011年7月23日 07:28:48: WlY6bfUhU2
姑息な罠までし掛けて、ラガルトを押しこんだ意味を考えると手を引く事はあり得ないが、ギリシャを追いつめる事だけはEU,IMF共通だろうネ。

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