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http://str.president.co.jp/fileadmin/img/str/book/BK001966/SpendShift_c01.pdf
PDF版「スペンドシフト」第一章:「どん底」というフロンティア
http://str.president.co.jp/str/book/detail/BK001966/
未曾有の経済危機を境に劇的に変化した消費行動の背後にある価値観に光を当てる。
人びとは買わなくなったのではない。自分を飾るより自分を強く賢くするためにお金を使うようになったのだ。希少な「購買力」を「投票権」のように行使して、社会に希望をもたらし、人の絆を強めるようなモノやサービスを支援することも覚えた。
「宣伝に踊らされてお金を落とす」移り気で受身のかつての消費者ではなく、「自分の意思で目的をもって対価を払う」能動的で思慮深い新しい消費者の姿が、著者らが2年をかけて全米をくまなく歩いて調査した数々の事例から浮かび上がる。
こうした「行動する消費者」を味方につけた企業は、不況下でも大きく成長している。
⇒これがスペンド・シフトだ!!
・自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
・ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
・モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
・有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
・消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。
[著] ジョン・ガーズマ John Gerzema
ヤング&ルビカムのチーフ・インサイト・オフィサーにして、世界的に活躍する消費者行動の研究家。ブランド・アセット・コンサルティング社長として、消費者の価値観やニーズの変化をデータで分析し、企業の適応を支援している。
主な著書に、アマゾンのビジネス書部門、およびビジネスウィークでベストセラーにランクインしたBrand Bubble (未訳)がある。毎年各分野の第一人者が集まるTEDカンファレンスの講演者としても人気が高い。
[著] マイケル・ダントニオ Michael D'Antonio
フリーランス・ライター。プルトニウム汚染の脅威を追及した『アトミック・ハーベスト』(小学館)、感染症の恐怖を描いた『蚊・ウイルスの運び屋』(共著、ヴィレッジブックス)をはじめ、10冊以上の本を出版。Newsdayの記者時代に、ピュリツアー賞を受賞している。
[訳] 有賀裕子 Yuko Aruga
東京大学法学部卒業。ロンドン・ビジネススクール経営学修士(MBA)。通信会社勤務を経て翻訳に携わる。 訳書に『持続可能な未来へ』『ポールソン回顧録』(日本経済新聞出版社)、『ブルー・オーシャン戦略』(ランダムハウス講談社)、『マネジメント I〜IV』(日経BP社)、『トレードオフ』(プレジデント社) ほか多数。
[序] フィリップ・コトラー
http://president.jp.reuters.com/article/2011/07/19/42AF4F52-ABA7-11E0-9571-B4223F99CD51.php
「上昇志向」の人もラグジュアリーに興味なし
『スペンド・シフト 希望をもたらす消費』【第4回】
「上昇志向派」の数が増えれば、単純にラグジュアリーファッションを買う人が増えるのであろうか?
電通ヤング&ルビカム クリエイションフォース・シニアディレクター 戸川正憲
キーワード: スペンド・シフト 東日本大震災 経済・金融 マーケティング ブランディング
ラグジュアリーファッションの4Csセグメント別所有率©電通ヤング&ルビカム Brand Asset Valuator
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ラグジュアリーファッションの4Csセグメント別所有率©電通ヤング&ルビカム Brand Asset Valuator
これまで2回にわたり、1997年以降の日本人の価値観の変化について、当社で行っているブランド調査、Brand Asset Valuator(BAV)のデータを通して見てきた。そして、10年余りで、日本人の「あきらめ派」と「苦闘派」が倍増し、「上昇志向派」は3分の1に激減してしまっているということがわかった。言うまでもなく、このような価値観のシフトは消費に大きな影響を及ぼす。わかりやすいのがいわゆる高級ブランド、ラグジュアリーファッションである。
この表は、主要各国での、ラグジュアリーファッションの所有率を、7つのセグメントごとに見たものである。当然のことながら、誇示する、見せびらかす、ことが行動の動機となっている「上昇志向派」における所有率が高くなっていることがわかる。従ってこの「上昇志向派」が減少すれば、当然ラグジュアリーファッションのマーケットが縮小することになる。
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日本における「上昇志向派」の割合の推移©電通ヤング&ルビカム Brand Asset Valuator
前回見たように、日本における「上昇志向派」はこの10年ちょっとで大きく減少し2010年は1997年の3分の1にまでなってしまった。それに従って、日本全体(7セグメントトータル)におけるラグジュアリーファッションの所有率も大きく減少してきたことがよくわかる。
「上昇志向派」が増えれば、ラグジュアリー市場も戻るのか?
ラグジュアリーファッション購入意向©電通ヤング&ルビカム Brand Asset Valuator
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ラグジュアリーファッション購入意向©電通ヤング&ルビカム Brand Asset Valuator
それでは、これからたとえば日本の経済が復興するなどして、4Csでいうところの「上昇志向派」の数が増えれば、単純にラグジュアリーファッションを買う人が増えるのであろうか?事態はどうもそれほど単純ではなさそうだ。
1997年の調査において「上昇志向派」の人達におけるラグジュアリーファッション(外資11ブランド)の購入意向は18.5%であった、しかし、2010年の調査ではそれが9%に半減している。「上昇志向派」そのもののボリュームが3分の1になると同時に、「上昇志向派」の人達であっても、ラグジュアリーファッションを買いたいという気持ちを持っている人が半分になってしまった訳で、掛け算の乗数、被乗数両方が大きく目減りしているのが現状である。これは、ラグジュアリーファッションだけでの現象ではなさそうだ。上昇志向派の一つのステータスシンボルとも言える輸入車(17ブランド)についても同様に見てみると、これもやはり「上昇志向派」においても購入意向が減少していることがわかる。
輸入車購入意向©電通ヤング&ルビカム Brand Asset Valuator
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輸入車購入意向©電通ヤング&ルビカム Brand Asset Valuator
つまり、誇示、見せびらかしを行動原理とする「上昇志向派」にとってもどうやらラグジュアリーファッション、あるいは輸入車は、そのためのアイテムとしての意味合いが薄れてきているように思えるのである。
次回以降は、価値観の変化の与える影響を他のカテゴリーにおいて見て行くと同時にマーケティングのあり方を考えて行きたい。
>>特別連載『スペンド・シフト〜希望をもたらす消費』の目次はこちらから
『スペンド・シフト〜希望をもたらす消費』(プレジデント社)
フィリップ・コトラー=序文 ジョン・ガーズマ、マイケル・ダントニオ=著 有賀裕子=訳
「何を持つか」より「どう生きるか」――買う力は、変える力である。危機を乗り越えて覚醒した消費者は、絆、信頼、未来のためにお金を使っている。
>>『スペンド・シフト〜希望をもたらす消費』の詳細はこちらから
※この書籍は7月21日発売です
【書籍目次】
フィリップ・コトラーによる序文
序 章 「より多く」から「よりよく」へ ミズーリ州 カンザスシティ
第1章 「どん底」というフロンティア ミシガン州 デトロイト
第2章 「モノを集める」から「知識を集める」へ テキサス州 ダラス
第3章 支出を伴わないステータス・シンボル マサチューセッツ州 ボストン
第4章 ソーシャルメディアという「方法」 フロリダ州 タンパ
第5章 「町内会的」資本主義 ニューヨーク州 ブルックリン
第6章 失われた信頼を取り戻す ネバダ州 ラスベガス
第7章 「顔の見える企業」だけが信頼される ミシガン州 ディアボーン
第8章 生活を豊かにするイノベーション カリフォルニア州 サンフランシスコ
終 章 危機を乗り越えて生まれ変わる カリフォルニア州 ロサンゼルス
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