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私は埼玉県南部、東武東上線の沿線に住んでいる。二十年ほど前に引っ越してきたのだが、その頃からこの地域は人口が増え始めた。子どもが通っていた公立小学校は当時でも全校生徒が1000人近くおり、しかもまだ増え続けていたので、娘が高学年になった頃にはついに学校を増設することになり、その区割りで揉めたなどということもあった。
なぜ、そんなことになったかのかというと……。東武東上線というのは意外にアクセスがいい。志木あたりまでだと池袋まで20分で出られるし、有楽町線が乗り入れているため銀座方面へも出られる。しかも、数年前には副都心線が開通し、新宿、原宿、渋谷方面へも一本で出られる。
にもかかわらず、東急や小田急沿線に比べるとイメージが悪くブランド力がない分だけ地価も安い。しかも、駅から至近の場所に土地がまだまだあるので、マンション建設をしやすいのである。私は毎日1時間半ほどウォーキングをしているのだが、この地域のマンション建設や戸建て分譲のブームはおさまっておらず、東日本大震災後もあちこちで工事が行なわれている。
そして出来上がった物件は販売されるわけだが、いつも思うのは「売れているのだろうか?」ということだ。私も住宅は購入したクチだが、まだ借家でこれから住宅をどうしようかと考える立場だったら、絶対に首都圏の物件には手を出さないだろう。住宅と言えば、通の人にとっては一生の買い物であり、それなりのローンを背負わなければならない。
バブル以前は不動産を買えば値上がりするのが常識だったが、そういう時代は過去の話で、今は購入してもよほどのことがないかぎり値上がりすることはない。まして、これからは少子化の一途をたどるから、住宅は供給過剰になる。だから、住宅の購入というのは実はリスクが高い。私の知り合いのファイナンシャルプランナーは、「青山の一等地とか、よほどいい物件でない限り、住宅は買っても損」と言っていたものだった(だから、私が会社を辞める時、住宅ローンについて相談すると「家を買うなんてバカだねえ」と言われてしまった)。
しかし、それも3・11の前の話であって、もはや青山の一等地の不動産を所有していたとしても、その価値を維持できるかどうかはわからない。なぜなら、そこに放射能がやって来たら、ジ・エンドであるからだ。だから、私はこれから住宅を買おうかと悩んでいる若い人に対しては、こう言いたい。「家を買うのはおやめなさい。その分、お金を貯めて、いつでも放射能の影響のない地域(それがどこだかわからないが)へ逃げられるようにしておきない」
ついでに言えば、「もし家族や子どものパスポートを取っていないのなら、それもすぐにお取りなさい」住宅産業というのは、実は景気を支える重要な柱である。若い夫婦が家を買えば、それに付随して、いろいろな家具なども購入していかなければならない。そういう中でお金が動いて経済が活性化していくわけだが、もはや景気がどうのこうのと言っている場合ではない。
住宅産業の方々にとっては死活問題になってしまうが、結局、放射能災害というのはそれほどのもの、とてつものないものであって、これまでの社会の仕組みをすべてぶち壊してしまうのである。では、私を含めてすでに住宅ローンを背負っている人はどうすればいいのか。これは難しい。
私もいますぐ答えは見つからないが、食の問題だけでなく、住宅の問題においてもこれから大混乱が起き、経済が相当なダメージを受けることは避けられないと思う。問題は、そこまで政治や行政がそこまで見据えて手を打っていけるかどうかだが、今のところその兆候はまったく見られない。
http://fusenmei.cocolog-nifty.com/top/2011/07/post-0980.html
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