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■デフレ病の中での円高は日本をますます弱らせる。
金融資産だけで500兆円、GDP1年分以上も国富失った。
企業はシェアを奪われる一方だ。結局国内に見切りをつけ海外にコア技術を持ち出し、現地に提供する。
まさに、日本は円高で貧しくなるばかりだ
外為市場介入というその場しのぎは何の意味もない。正攻法、すなわち政府は「増税」を「取り下げ、日銀は量的緩和を
〇流出する国富
未曽有の大震災と原発事故から4カ月もたったというのに、菅直人政権は場当たり政策に終始して恥じず、復興・再生を妨げている。そんな日本の通貨、円は売られておかしくないのに、逆に買われ、円高が加速している。今の円高が日本のためになるとは妄言である。日本国と日本人をますます貧しくさせる。
論より証拠、データを見てみよう。円は2007年夏から上昇基調に転じ、この3月11日の東日本大震災を機に円高にはずみがついた。先週には1ドル=80円を切るようになり1年前に比べ約10%上昇した。日銀統計によると、この間の輸入物価は10・5%上昇し、輸出価格は2・2%下落した。輸入コストの上昇は石油や穀物など原材料の高騰のせいだと、割り切ってはいけない。輸入業者は「円高差益」の多くを懐にし、実際の小売価格は据え置きにするケースが多いのだ。
もっと深刻なのは、輸出部門である。輸入原材料コスト上昇と円高の分だけ輸出価格を引き上げておかしくないのだが、逆に値下げしている。つまり、自動車や電機メーカーは輸出シェアを確保しようとし、下請け部品メーカーなどにさらなるコスト削減を求める。弱小企業が身を削り、その分の富が海外に流れるわけである。
財務省統計によれば、日本の対外資産総額は2010年末で564兆円に上るが、07年末に比べて47兆円も減った。ところがドルに換算すると、逆に29%、1兆5600億ドルも増えている。07年末の円相場水準で10年末の総資産を再計算すると789兆円になるのだから、何と225兆円も違う。もちろん、リーマン・ショックに伴う海外金融資産の目減りも考慮しなければならないが、世界最大の対外債権大国日本は円高のために途方もない額の国富を喪失している。
ちなみにこの間に外貨準備高は20兆円も減っている。税率5%の消費税収で約2年分に相当する。この国庫毀損(きそん)は痛いはずなのに、財務省は沈黙したままだ。
円高という貧乏神はまだまだ容赦しない。株価と発行株式数を掛け合わせたのが時価総額で、株式で成り立つ資本主義国家の実力を示す指標である。日本に限らず世界的に「リーマン」などにより株価が急落すれば、時価総額はもちろん落ち込むが、日本の場合は円高に連動して株価が下落する「法則」がある。最大の理由は、日本株の売買の過半を占める外国人投資家が円高すなわち日本株売りという株式自動売買プログラムを組んでいるからである。
ニューヨークに本拠を置く投資ファンドや機関投資家はドル建て換算で日本株の保有比率を固定している。円高になればその分、保有日本株のドル換算時価総額が増える。そこで同比率を維持するよう、コンピューターの自動売買プログラムが作動して、日本株売りが始まる。それにつられて日本国内の投資家も円高が進めば売るので、株下落にバイアスがかかる。こうして東証の時価総額は4年間で半分近い283兆円も減った。
〇買われゆく日本企業
株価が下がれば、個人投資家ばかりでなくわれわれの老後を担う年金ファンドも資産を減らす。企業は投資家にそっぽを向かれ、株式発行による資金調達が困難になる。時価総額が縮小すれば、反対に膨らませている外国企業が日本企業を買収しやすくなり、中国企業による「乗っ取り」も増えるだろう。
どうすれば円高を食い止め、せめて1ドル=100円程度まで巻き戻せるのだろうか。答えははっきりしている。政府は「なんでも増税」政策を白紙撤回する一方、日銀が米国のドル増刷に合わせて思い切った日銀資金の発行、つまり「量的緩和」政策に転じることだ。
日本は1998年以来、慢性デフレに苦しんでいる。デフレとは物価が下がり続ける状態のことなのだが、言い換えると通貨としての円の価値が上がる。逆に物価が上昇している米欧、中国など世界の主要国の通貨の価値は下がっている。円をこれらの国々の通貨と交換しようとすれば、円の価値が高くなるのは当然である。
不況下での増税は消費者や企業から購買力を奪い、需要を減らすのでデフレを助長する。政府が増税に前のめりになればなるほど円高が進む。
〇政策の転換が必要
日銀の罪も重い。米国がこの2年半の間にドル資金発行を3倍にしたというのに、日銀は小出しの金融緩和策しかとってこなかった。ドルは洪水、円は渇水だから、ドルに対して円の値打ちが上がるのは、小学生だって分かる。
政府と日銀が政策転換するだけで、日本窮乏化は避けられるのだ。
■円高は政府・日銀のオウンゴール
円高の主因は債権国日本の増税と、量的緩和に背を向ける日銀政策にある。つまり政府・日銀が円高を呼び込んでいる。自滅、オウンゴールである(以下略)
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