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株式日記と経済展望
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藻NSXによる代替燃料BDFの開発は、毎日出荷が可能なほど非常に
活発に増殖し、1ha当たり年間630klのBDFが生産可能だという。
2011年7月17日 日曜日
循環式培養池は雑菌混入を防ぐためビニールで覆われ、
昼は太陽光、夜は新開発のLEDで光合成を促す
◆農水省が着目「藻で作る油」は脱原発の救世主か 昼は太陽光、夜はLEDで培養可能! 日本の農家が石油王≠ノなる? 7月17日 現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/12552
「私たちは、この新しく見つけた藻にNew Strain X(以下、NSX)と名付けました。そしてこれを震災復興の一助にしようと考えています。現在、首都圏で年間約40万?の航空機燃料が必要とされています。この燃料をNSXから生産するとなると約300haの培養場が必要です。これを復興地に作れば雇用を創出できます。そして、NSXの油は火力発電所の燃料としても利用できるのです」
農学博士(食品・生物資源プロセス工学)で、筑波大学名誉教授、国際農業工学会名誉会長などの肩書を持つ前川氏を代表に、千葉大学、群馬大学、北九州市立大学などの研究者からなるチームが組まれ、?'09?年12月にスタートした研究は「NSX」という一つの答えに辿り着いた。これこそ脱原発を可能にする次世代バイオエネルギーだと前川氏は主張する。発見までの経緯を前川氏が説明する。
「国内で採取した約6000種の藻類を1年以上かけてスクリーニングし、油脂の含有率が70〜80%と非常に高い藻類を他の種と選り分けて培養しました。NSXはクロロフィル(葉緑素)を持ち、CO2と光で光合成をします。体長は30ミクロンほどで、器に入れても肉眼では緑色の水にしか見えません。好都合だったのは細胞の柔らかさで、油が溜まると細胞膜が破れて滲み出てきます」
NSXは淡水に棲むので、日本国内の川や湖沼にいるというが、前川氏は「採取場所を発表すると業界関係者が殺到して迷惑がかかるので」と、NSXの存在が企業秘密≠ナあることをやんわり示唆した。
藻類の細胞は堅く、油を抽出するには、乾燥して破砕する工程が必要だ。前川氏らが採用しているのは、流体(水)の中でNSXを破砕して油だけを集め、加工場で濾過した後、メチルアルコールと反応させてBDF(Bio Diesel Fuel)化、つまり軽油の代替燃料にする加工方法だという。前川氏は、こう続けた。
「BDFに、さらに水素を加え高温で触媒で反応させると酸素が水になって抜け、炭化水素、つまり石油と同じものになります。これが航空機燃料になります。火力発電所で利用するのであれば、BDFを精製する必要はなく、NSXの油脂分をある程度濃縮すれば、直接、発電所の燃料として使えるでしょう。精製する必要がない分、さらに低価格です」
20〜30℃程度の水温と光など一定の条件を満たせば、毎日出荷が可能なほど非常に活発に増殖するというNSX。前川氏の試算では、1ha当たり年間630klのBDFが生産可能だという。
「培養池は昼間は太陽光、夜間はこのために開発したLEDで光を供給し、24時間培養します。水はポンプで循環させ、油の分離も簡単なので、1ha当たりの作業人数は4人ほどで十分です。300haで1200人ほど働けます。分離した油を各農家からタンクローリーで回収し、加工するサイクルが実現すれば、各農家が油田≠持つことになるわけです」
6月20日、社団法人農林水産先端技術産業振興センターと農林水産省が主催の「アグリ技術シーズセミナー」が開催され、東日本大震災の被災地復興に役立つ先端技術として前川氏の研究成果が発表された。農水省関係者がこう明かす。
「この日、発表した研究者は、農林水産先端技術産業振興センターの岩元睦夫理事長が直接声を掛けたと聞きます。岩元理事長は農水省の技術畑でトップを務めた人物で、今でも本省に影響力がある」
前川氏の計画は、原子力政策の方向転換を、比較的容易に可能にする内容に見える。国の本音を問うと、農水省環境バイオマス政策課は、こう答えた。
「バイオマスは植物由来の資源であり、将来的なエネルギー源として活用を推進することを決めています。藻類は将来的に非常に期待されている分野です。ただし、実用化には長い時間が必要でしょう。調査費などの支援として、今年度は約18億円弱の予算が組まれています」
実現までの道程について前川氏は強気で、'13年にはパイロットプラントを建設し、安定供給の実験に乗り出すという。脱原発の可能性を秘めた次世代エネルギーの研究。くれぐれも大臣交代≠ネどという理由で妨げてほしくないのだが。
(私のコメント)
昨日も藻による油の代替燃料の生成については少し触れましたが、現代ビジネスの記事でも詳しく紹介されています。脱原発の動きが加速していますが、水からオオマサガスを作る事が出来るように、藻から油を生成することによって航空機燃料や火力発電の燃料を作る事が出来る。これは国内でできることだから、エネルギーの自給自足が可能になるということだ。
藻の種類としては、日本国内の川や湖沼にいる藻から選別していったと言うことですが、20〜30℃程度の水温と光など一定の条件があれば増殖が可能だそうです。さらにLEDなどの照明で24時間操業すれば増殖を倍に加速することが出来る。季節的にもビニールハウスの中で水温を保てばいいわけだから、一年中でも日本全国で培養する事が出来る。
藻を培養するには豊富な淡水と日光が必要であり、日本は水と日光には恵まれている。水田や畑を少し改造すれば「油田」が出来るわけですが、石油価格が高騰すれば農産物としての油の生成も採算に乗ってくるだろう。だからソーラー発電や風力発電ばかりが再生可能エネルギーではなく、オオマサガスやBDFも立派な再生可能エネルギーだ。
原子力発電をこれほど推進してきたのは、核武装への環境づくりもあるしオイルショックでの対抗策でもあったのですが、代替エネルギー開発の進歩で必ずしも原子力に頼る必要がなくなってきた。原子力関連予算として毎年4300億円も予算が使われていますが、このうちの数分の一を代替エネルギー開発にまわして欲しいものだ。
このような代替エネルギーが開発されると、石油業界や原子力関連業界では非常に困ることになるから、代替エネルギー開発は冷や飯を食らってきた。経済産業省でも各電力会社と原子力村の権力は絶大であり、原子力発電を発電事業の中心にすえることが決められていた。火力発電はCO2排出で悪者になり、石油ガスはいずれは枯渇すると言う見方が確定的だった。
しかしその油やガスが、藻や水から大量に作れると言うことが可能になると誰が考えたろうか? 石炭液化とかガス化は戦前から作られてきましたが、コスト的に採算に合わずに見送られてきた。それ以外の代替燃料も石油や石炭が安く供給されたことで実験室レベルに留められて来た。しかし石油が1バレル100ドル近くになると注目されてきましたが、政府は原子力に傾きすぎていたようだ。
原子力発電の危険性は、スリーマイルの事故やチェルノブイリの事故にも拘らず、原発安全神話がまかり通ってしまって、54基にプラスして14基さらに新設されることになっていた。政治家や官僚がいかに利権に毒されてしまっているかが分かりますが、事故が起きていなければ、代替エネルギー開発も潰されていただろう。
実際上、経済産業省もオオマサガスに対して水素や酸素と同じ爆発危険物として規制しようとしている。藻から油を作る研究は農水省の管轄ですが、何とか数億円の開発費が確保できたようだ。もし開発が軌道に乗れば米を作るよりも油を作ったほうが儲かる時代も来るかもしれない。ソーラー発電や風力発電は不安定な電源ですが、火力発電はコストも安く消費地の近くに作る事が出来る。
◆石油は採掘する時代から生産する時代へと変る。藻類から作られる石油はジェット燃料となり、日本から石油が世界に輸出されるようになる。 2010年4月22日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/f9d52904c89abac55615365d1275f82b
(私のコメント)
いま研究が進められているのは、藻の品種改良でありバイオ技術を使えば生産性が飛躍的に上がる事もあるでしょう。「株式日記」では地方の活性化として橋や道路を作ることよりも農業の振興を図るべきだと主張してきましたが、相変わらず道路やダムなどの公共事業ばかりに目が向けられています。
太陽光発電所やバイオ燃料プラントなどエネルギー分野への集中的な投資が行なわれれば地方の活性化に繋がるだろう。電気や石油などの価格が安ければ工場の生産性も上がるし国内でエネルギーが自給できればオイルショックなどの影響も避けられるようになるでしょう。
クローズアップ現代でも言っていましたが、日本における問題はこのような新しい技術に投資をするベンチャーがないことであり、銀行などの金融機関の行員は科学技術に弱い。藻から石油を作る話をしても銀行員は???だろう。しかし品種の改良と生産技術の進歩で商業化の目処がつき始めている。
ジェット機や船や大型トラックなどは軽油がなければ走りませんが、軽油を農産物として生産が出来るようになればエネルギー事情がかなり変わってきます。中東の石油に頼る時代が終わる時が来るかもしれません。今まで藻は邪魔者で厄介者でしたが石油の生産に欠かせない主役になりつつあります。
(本日の私のコメント)
このように私は、3・11の前からバイオ燃料や太陽光発電などの技術開発が進んでいることを書いてきましたが、3・11は原子力発電から再生可能エネルギーへの転換点となるだろう。日本が藻から燃料油の生産に成功すれば、日本は産油国として世界に油を輸出するような国になるかもしれません。そうなれば石油や天然ガスの枯渇の心配がなくなり、石油は安くなければ買われなくなるだろう。
これはオイルマフィアのロックフェラーや、天然ガスの産出国のロシアにとっては都合の悪い話だ。中国はレアメタルの輸出規制をかけましたが、太平洋の海底にはレアメタルが沢山転がっている事が分かり中国はレアメタルの輸出を再開してきました。だから石油や天然ガスにしても高騰すれば代替エネルギーの開発が促進されるから日本にとっては福の神になる。オイルショックが日本の高度成長の起爆剤になったように、脱原発が日本の起爆剤になるのではないだろうか。
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