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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu243.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ウォンは、今年に入って対ドルで6.3%上昇している。これは世界で5番目
に高い上昇率であり、ブームを巻き起こしているブラジルレアルと同率だ。
2011年7月13日 水曜日
◆ブラジルが通貨先物などへの課税引き上げ検討、レアル高抑制目指す=政府筋 7月13日 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110713-00000643-reu-bus_all
[ブラジリア/サンパウロ 12日 ロイター] ブラジルはレアル高の抑制に向け、通貨先物や他のデリバティブに対する課税引き上げを検討している。政府経済チームの上級メンバーが12日ロイターに明らかにした。
実施は決定されていないという。
この関係筋によると、デリバティブへの規制強化は外国人投資家をターゲットとしている。
レアルは、外国人投資家による投機などで年初から対ドルで6%近く上昇している。
◆高騰する韓国ウォン、政府が方向転換 7月13日 Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/14917
ブラジルレアルに続いて韓国ウォンが数年来の高値をつけている。なぜか? それは韓国政府が通貨政策を180度転換したからだ。これまではウォン安を目指し、サムスンや現代といった輸出主体の大手コングロマリット(複合企業)の業績回復を後押ししてきたが、その目的が達成されたというわけだ。
◆輸出促進からインフレ抑制へ軸足移す
韓国政府は現在、ウォン相場が安定的に上昇するのを容認している。先週には対ドルで3年ぶりの高値をつけた。政策当局者からは、輸出業者をあまりにも長い間、低金利で甘やかしてしまったと懸念する声が出ている。
当局は今、インフレの抑制と、元気のない国内消費のてこ入れに政策の軸足を移しつつある。
ボラティリティー(変動性)が高いことで知られるウォンは、今年に入って対ドルで6.3%上昇している。これは世界で5番目に高い上昇率であり、ブームを巻き起こしているブラジルレアルと同率だ。
2009年3月以降で見るなら、ウォンの上昇率は46%に跳ね上がる。今月11日の終値は、前営業日より0.1%安い1ドル=1058ウォンとなっている。
韓国外換銀行のトレーダー、コ・キューヨン氏は「政府は、最優先で取り組む課題を輸出の促進からインフレの抑制に切り替えたようだ。ウォンは恐らく上昇を続けるだろうが、当面は1050ウォンが強い抵抗線になるだろう」と語る。
ソウルで働く他のトレーダーたちも、外為市場での政府の介入は大幅に減ったと口をそろえる。ただ、ウォンが1ドル=1050〜1000ウォンのレベルまで上昇すれば、中央銀行が相場を冷やしに戻ってくると見込んでいる。
◆1ドル=1000ウォンを超すウォン高は財閥に悪影響
韓国政府は、輸出のライバルである日本で怒りを買う為替介入について、これは単に相場の過度な変動をならすだけの措置であり、ウォンの価値を一定の水準にとどめるためのものではないと述べている。
「政府はこのトレンドをある程度容認するだろう。しかし1000ウォンを超えるウォン高になれば、韓国の大企業の競争力に悪影響が出かねない」。大信経済研究所の研究員、キム・ユンギ氏はこう指摘する。「品質とブランド力の向上により、韓国のトップクラスの企業は以前ほど為替の影響を受けなくなっている。だが、この影響を完全に免れることは困難だ」
チェボル(財閥)と呼ばれる韓国の大手コングロマリットは、国外での工場建設によっても為替の影響をいくらか小さくできている。
昨年導入された軽微な資本流入規制にもひるむことなく、外国人投資家は韓国の株式・債券に資金を投じ続けている。外国人による債券保有残高は、今年3月の75兆3180億ウォン(約5兆6488億円)から6月の81兆810億ウォンに増大している。
韓国総合株価指数(KOSPI)の投資は、4月の400兆1610億ウォンから6月の380兆9100億ウォンへと減少したが、それでも株式投資の水準はまだ昨年のほとんどの期間を上回っている。
◆経済の力強さから投資資金が流入
投資資金が集まってくる理由は、韓国政府が発表する経済指標の強さにある。まず、政府は今年の経済成長率を4.5%と見込んでいる。外貨準備は世界で7番目に多く、6月には3040億ドルに達している。
経常黒字も4月の13億ドルから5月の22億ドルに跳ね上がった。自動車輸出の増加が主に効いているという。
インフレ率は韓国政府の目標値である4%をずっと上回る状態が続いており、昨年7月から利上げが行われている。景気後退期には政策金利が2%という低水準に16カ月間据え置かれたが、現在では3.25%に引き上げられている。
それでもエコノミストたちは、経済を失速も加速もさせない中立的な範囲に金利を移行させるには、韓国銀行(中央銀行)が政策金利を4%前後かそれ以上の水準に引き上げる必要があると強調している。(後略)
(私のコメント)
ユーロもドルも安くなり、為替の投機資金が新興国に向かっています。今までなら円が一手に引き受けて来たのですが、高くなりすぎて手が出せない水準に来ています。そこでブラジルのレアルや韓国のウォンなどが買われている。日本も金がだぶついているので新興国の通貨を買う動きがあるのでしょう。トルコのリラや南アフリカのランドも買われているようです。
アメリカがあれほどドルをばら撒いていけば、新興国にインフレをもたらすでしょう。ブラジルや韓国など物価の上昇を抑えるには金利の引き上げや、為替相場の上昇でブレーキをかけなければインフレが収まらない。日本の円が買われていてもインフレにならないのは円が高すぎて海外の安いものが入ってきてデフレになっているためだ。
だから金利の引き上げよりも通貨の切り上げのほうがインフレ退治には有効なようだ。しかし新興国も通貨が高くなれば輸出が停滞するから調整が難しい。肝心のアメリカがドルをばら撒いても海外にインフレをもたらすだけで、国内にインフレを起こして債務を軽くすることが出来るのだろうか? 確かに株価は高くなって来ていますが、住宅にまでインフレは来ていない。
迷惑なのは新興国であり、インフレが高進して物価が高くなり金利を引き上げなければならなくなる。新興国はインフラの整備などやらなければならないことは沢山あり、資金調達などで通貨が高くなる傾向はプラスに働く。ブラジルの国債など高金利で日本でもブームになりましたが、問題は経済力が伴うかが問題です。
韓国などもリーマンショックをウォン安で切り抜けましたが、海外からの投資が集まってきてウォン高と金利が高くなって来ています。サムスンやLGなどのブランド価値が高くなり、現代自動車などの輸出も好調で、ある程度のウォン高でも問題は無いのでしょう。韓国のインフレ率は4%を上回っており金利も3,25%まで引き上げられてきた。2009年から見ればウォンの上昇率は46%であり上下動が激しい。
韓国はインフレターゲット政策で3%の目標で、それより高くなれば金利を上げたりウォンを高くすればインフレにブレーキがかけられる。日銀は通貨をばら撒けばインフレになると、バカの一つ覚えのように言っていますが、インフレになれば金利や通貨高でブレーキがかけられる。韓国やブラジルもインフレを抑える為に通貨高を容認しているのでしょうが、このようにすればインフレターゲット政策も可能だ。
政府日銀はインフレ防止のために、アメリカのようなドルのばら撒きはやりませんが、そのためにデフレにしてしまった。デフレになるとつける薬はなく、通貨のバラまきをするしかありませんが、日銀は意地になってもやらないのだろう。日銀はインフレターゲットなど出来ないといっていますが、韓国を見ればウォン高でインフレを押さえ込めるだろう。
◆韓国では3%のインフレターゲット政策でウォン安で韓国の輸出は快調で、日本はデフレターゲット政策で円高が定着して、日銀は韓国を見習え! 2010年3月22日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/dd16dc44112bc155e23b1df47172fe88
ちなみに、韓国はインフレターゲット採用国で、ターゲットはコアCPI(日本で言うコアコアCPI)3%±0.5%です。そしてインフレターゲットを採用してからは、インフレ率は安定しています。*4
このような金融政策が、マネーストックの安定した増加に寄与しているのでしょう。その結果、安定したウォン安にも繋がっていると思います。
ここまでの議論をまとめると、韓国はインフレターゲットを軸とした金融政策により、マネーストックを安定して増大させることでインフレ率をマイルドインフレで安定させ、通貨は割安な水準で落ち着き、韓国企業はウォン安の恩恵で国際競争力を伸ばしました。
一方、日本は裁量的な金融政策の結果、マネーストックは増大せず、デフレも長期化して、通貨は割高な水準で固定してしまい、日本企業は円高で国際競争力を落としていると言えるでしょう。
日韓の企業を比較するときは、個別の企業の経営方針や行動だけを見るのではなく、その背後にある通貨レート、さらには通貨レートに大きな影響を与える金融政策も考えないといけないでしょう。でないと、日本企業を不当に批判しすぎることになりかねません。
(私のコメント)
私が日本のエリートと、韓国や中国のエリートを比較すると、トップクラスは中国や韓国のほうが上のようだ、中央銀行の総裁にしてもインフレターゲット政策を理解できるのに、日本の白川日銀総裁や幹部は前例のないことが出来ない。トップセールスでも中国や韓国の首脳は成果を上げていますが、日本の総理大臣はバカばかりだ。これではオリンピックも誘致できないのは当たり前だ。
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