01. 2011年7月13日 08:54:47: Pj82T22SRI
これだな ミセス・ワタナベ、今度はユーロ買い 「欧州いずれ沈静」 2011/7/12 14:42 欧州債務問題はギリシャへの警戒感が再び強まったうえ、財政不安がイタリアなどにも飛び火。外国為替市場でユーロは主要通貨に対して大幅に値を下げ、12日の東京市場では対円で3月18日以来、約4カ月ぶりの安値を付けた。ところが外国為替証拠金(FX)取引では、ユーロ買い・円売りの比率が急速に高まっている。「ミセス・ワタナベ」の通称で知られる日本の個人投資家は、ユーロ急落に買い向かっている。
東京金融取引所の「くりっく365」の売買動向をみると、「ユーロ・円」取引におけるユーロ買い・円売りの未決済残高(建玉)の比率が11日時点で81.3%と前営業日8日の69.9%から大幅に上昇し、1月10日(83.7%)以来、半年ぶりの高水準となった。前週には50%を下回る「ユーロの売り越し」の状況が続いていたが、急速に値下がりするユーロをみて、値ごろ感から大幅な「買い越し」に転じている。 FX会社が自ら提示した価格で売買する店頭FXでも状況は同じだ。FXプライムでは11日のユーロ買い・円売りの比率が91.5%と、前営業日の83.3%から急上昇した。市場では「節目とみられた113円を抜けてユーロ安・円高が進めば、ユーロを買っていた個人から損失確定の売りが出るのではないか」との見方もあったが、「逆にユーロの下落をみて買い意欲を強めている」(FXプライムの柳沢浩チーフアナリスト)という。 ギリシャの債務不安がイタリアなどに波及しているが、個人の間では「いずれは沈静化し、ユーロは反発に向かう」との期待が根強い。相場の流れに逆行し、安い水準で買って反発した時点で売るという「逆張り」の投資手法は健在だ。 欧州から国内に目を移すと、原子力発電所の再稼働の時期を巡って不透明感が強まるなど、日本の政治・経済の先行きにも難問が山積している。「国内の動向をみれば、日本の個人投資家が円を売って外貨にシフトする動きはしばらく続く」と岡三オンライン証券の武部力也投資戦略部長は指摘する。 FXでは低金利の円を売って相対的に金利の高い通貨を買えば、金利差に相当するスワップポイントを受け取ることができる。欧州中央銀行(ECB)は今月7日に政策金利を0.25%引き上げたばかり。金利差益を着実に稼ぎたいとの思惑も個人のユーロ買い・円売りにつながっている。〔日経QUICKニュース 渡辺晃〕 FX規制強化と「8月円高説」の真偽 経済金融部 牛山知也 市場関係者の間で「8月の円高説」が話題を集めている。個人が外貨取引に利用する外国為替証拠金(FX)取引に対する金融庁の規制強化が8月1日から実施されるためだ。
FX取引を利用する個人投資家は、市場では円高のブレーキ役と受け止められている。これまで円高が進んだ場面では、個人投資家が相場の流れに逆らって下落した通貨を買う「逆張り」の円売り・外貨買いを繰り返してきたからだ。外為市場で個人投資家の存在感がこれだけ高まったのは、少ない元手でも証拠金倍率(レバレッジ)を使って多額の外貨取引を手掛けてきたため。その証拠金倍率について、金融庁は8月1日に最大倍率を現行50倍から25倍に引き下げる取引規制を導入する。 業界団体の金融先物取引業協会によると、最大倍率が50倍に設定された昨年は、規制前の7月には約163兆円あった店頭FX取引での売買高が、翌8月には約110兆円まで急減し、規制前後で売買が3割以上減った。レバレッジが200倍を超えるような顧客が多かった業者のなかでは「8割以上の取引減となった業者もあった」(大手FX業者)。今年も一段の規制強化を前に、「一時的な取引減は避けられないだろう」(FXプライムの上田真理人専務)という見方が出ている。 FX取引が細れば、逆張りの円売り・外貨買いの力は弱まり、円高は止められなくなるというのが外為市場での一般的な読み筋。だが「8月の円高」は本当に実現するのだろうか。 注目すべきポイントの1つはFX取引の裾野の拡大だ。低金利が続くなかで、手数料が低いうえに24時間取引できるFX取引は外貨預金などに比べて利便性が高い。FXプライムが米雇用統計の発表にあわせて8日夜に東京都心のカフェで開いた夜間セミナーには、多くの個人投資家が詰めかけた。スマートフォンを使って取引ツールを配布したり、相場情報を充実させたりとFX各社は顧客開拓に力を入れている。個人投資家の裾野拡大によって「逆張り取引が円の上値を抑える構図は変わらない」(大手邦銀) 金融庁の規制そのものにも、円高進行を抑える効果がある。多くの個人投資家にとって急な値動きへの耐久力が強まるためだ。東日本大震災直後の3月17日早朝には、円高・外貨安による損失拡大を防ぐために自動的に持ち高を手じまう動きが相次ぎ、円は一時、最高値の1ドル=76円25銭まで上昇する場面があった。しかし、規制でレバレッジが下がって必要証拠金が増える分、証拠金を上回る損失は出づらくなる。個人投資家の「ロスカット取引」が円高を後押しする効果は減りそうだ。 昨年に続くレバレッジ規制だけに、個人投資家の姿勢はほとんど変わらないとの見方もある。ドイツ証券の大西知生外国為替営業部長は「規制による相場への影響は一時的で、取引の減少も10〜20%にとどまるのではないか」と指摘する。レバレッジの上限ぎりぎりで投資する個人は多くないうえ、「レバレッジ規制に抵触する投機的な売買を繰り返す個人は、ごく短期間で取引を手じまい、持ち高を長期化させない傾向が強い」(外為どっとコム総合研究所の植野大作社長)。 規制が強化される8月1日は月曜日にあたり、前週末の7月29日時点で個人の円売り・外貨買いが膨らんでいれば、預け入れ証拠金に応じて自動的に持ち高を決済する動きが出る可能性がある。しかし、震災後の円高で個人が被った「苦い経験」は記憶に新しく、円安に振れればすぐに外貨買いを縮小する個人も多い。「外貨を買いっぱなしという個人は少なくなっている」(セントラル短資FXの阿草龍二常務)。事情を知らない一部の海外投機筋が「8月1日近辺に個人が巨額の外貨売り・円買いに動く」と連想して円買いを進めても、その通りに個人が円を買うとは限らない。 |