http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/388.html
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野田大臣があれだけ明確に否定した手前、今さら介入は難しそうだ
そうなると、とりあえず日銀の緩和拡大くらいしかできないだろうが
白川総裁のことだから、懸念だけして、何もしないということもある
当面、輸出系企業の、さらなるリストラや倒産を想定すべきだな
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=aiYW5HOIXaVo
日銀総裁:海外シフトで成長力低下に「強い懸念」−原発全停止で(1)
7月12日(ブルームバーグ):日本銀行の白川方明総裁は12日午後、定例記者会見で、原子力発電所の稼働がすべて停止した場合、生産の海外シフトにより日本経済の成長力が低下することに「強い懸念を持っている」と述べた。一方、欧州の債務危機に関連し、国内の長期金利について、仮に市場が今後も安定していると漠然と予想しているとすれば、そうした漠然とした見通しが「いつまでも続く保証はない」との見方を示した。
日銀は同日開いた金融政策決定会合で、足元の景気について「持ち直している」として情勢判断を上方修正した。経済・物価情勢の展望(展望リポート)の中間評価では、2011年度の実質成長率見通しを若干下方修正する一方で、12年度の成長率については据え置いた。
白川総裁は「震災直後に懸念した足元の下振れリスクはほぼ解消しつつある」としながらも、一方で「内外のさまざまなリスクについては十分意識している」と指摘。特に、「中長期的な電力の不足等による生産の海外シフトのリスクは、日本の潜在成長力の低下を引き起こす」として強い懸念を示した。
白川総裁は「電力の供給について、定期点検後の原発の運転再開をめぐる問題などから、不確実性が幾分高まっている」と指摘。電力問題は3つの点で「日本経済にマイナスの影響を与える可能性がある」と述べた。
コスト上昇で設備投資や消費を抑制
第1に、「万が一、原発が全て稼働を停止した場合、電力供給の減少を当面、他の手段で完全に補うことは難しい」と指摘。その場合、「夏場や冬場を中心に電力不足が恒常化し、さまざまな対応の努力をしても、これが経済活動を制約する可能性が高い」と述べた。
第2に、「原子力発電を火力発電である程度代替していく場合でも、安全対策を強化して原子力発電を継続する場合でも、これまでよりはコストがかかる」と指摘。再生可能エネルギーについても「割高と言われているコストを短期間で大幅に引き下げることは難しい」と述べた。
その上で「いずれにしても、電力コストには従来より上昇圧力がかかり、その分、マクロ的には企業収益や家計の実質購買力が損なわれ、設備投資や個人消費が抑制される可能性がある」と語った。
3つ目の影響として「より長期的な観点から、電力の安定供給に対する懸念やコストの上昇が日本経済の中長期的な成長力の低下要因になるリスクも認識しておく必要がある」と述べた。日銀は12日の会合後に公表した声明文に「やや長い目でみた電力の供給制約については不確実性が幾分増している」との一文を加えた。
ソブリン問題の教訓
ギリシャのソブリン(財政赤字)問題がポルトガルやスペインに拡大し、これら欧州周縁国の長期金利が上昇していることについては「周縁国の政府部門と銀行部門、そして実体経済が相乗的に悪化するリスクが払しょくされていない」と指摘。欧州のソブリン(財政赤字)問題が日本経済に与える影響について「1つのリスク要因として意識している」と語った。
欧州のソブリン問題の日本にとっての教訓について問われ、白川総裁は3点を指摘した。第1に「ギリシャの場合、2009年秋ごろまでは国債金利はそれほど上昇していなかったが、財政の持続可能性がしっかり確保されていないと、何らかのきっかけで市場参加者の信認が非連続に低下する可能性があること」を挙げた。
第2の教訓として「ひとたび財政の持続可能性に対する信認が低下し、金融市場が動揺すると、実体経済も下押しされ、財政、金融システム、実体経済の間で負の相乗作用が生じる」と指摘。第3の教訓としては「こうした状況に陥ると、最終的に必要となる財政の緊縮は急激で激しいものとなってしまう」ことを挙げた。
長期金利安定の第2の解釈
白川総裁はその上で「日本の長期国債金利が低位で安定していることをどのように解釈するかということが論点になる」と指摘。この点について「2つの解釈が可能だろう」と述べた。1つは「日本の財政バランスは大変厳しい状況があるが、いずれ必ず、財政バランスの改善に向けた取り組みが行われるはずであると市場で受け止められていること」だと指摘。
2つ目は「金利はこれまで安定していたのだから、これからも安定しているだろうと市場が漠然と予想しているという解釈だ」と指摘。その上で「仮に前者であると、わが国として、市場からの信認を裏切らないことが大切だし、後者であれば、そうした漠然とした見通しがいつまでも続く保証はない」と語った。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 Masahiro Hidaka mhidaka@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:東京 大久保義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.net香港 Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net
更新日時: 2011/07/12 17:47 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22158220110712
景気持ち直しでも内外にリスク、欧州問題による市場混乱を警戒=日銀総裁
[東京 12日 ロイター] 白川方明日銀総裁は12日、金融政策決定会合後の会見で、東日本大震災によるサプライチェーン(供給網)寸断の修復や、夏場の電力需給の緩和見通しなどを背景に、直近の景気は持ち直しているとの認識を示した。
このため、足元の景気下振れリスクについては「ほぼ解消している」としたが、内外にさまざまなリスクがあることを意識する必要があるとも指摘。海外経済の動向や原発再稼働問題による中長期的な電力不足などを挙げた上で、欧州周辺国の財政危機問題が金融市場に波及した場合、日本経済の下振れリスクになると警戒感を示した。
白川総裁は、足元の景気認識について「震災による供給面の制約が和らぐ中で、持ち直している」とし、「先月に続いて判断を進めた」と語った。背景として、震災で寸断された供給網が「当初見通しを上回るペースで修復している」ことや、今夏の電力需給について「当初、懸念されたほどには制約にはなっていない」ことなどを指摘。7月1日に発表した6月調査日銀短観でも、業況判断指数(DI)が足元こそ落ち込んだものの、先行きについて多くの企業が改善を見込んでいることや、設備投資計画が上方修正されている点などをあげた。先行きについても、「2011年度後半以降、緩やかな回復経路に復していく」という4月の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で示した「見通しを維持した」とし、生産が7─9月に震災前の水準を回復するとの見通しも「変わらない」と語った。
こうした足元の生産の急速な回復などを反映し、景気のリスクバランスについて「震災直後に懸念した足元の下振れリスクは、ほぼ解消している」と指摘。一方で、先行きについては「内外にさまざまなリスクがあることを意識している」と予断を許さない状況であるとの見方も示した。
具体的なリスク要因としては、企業や家計のバランスシート調整が継続する米国やギリシャなど周辺国のソブリンリスク問題が深刻化している欧州、金融引き締めにもかかわらず、インフレ懸念が根強い新興国など海外経済を指摘。米国経済については「成長テンポを再び回復させる」との見通しを示したが、「大きなバブルの崩壊後は、平均成長率は低下しがちだ」と語った。欧州経済は、周辺国について政府と民間の双方が過剰な債務を抱える中で、「財政再建計画の達成が困難になっている」と懸念。こうした問題で欧州の金融市場が混乱した場合は、日本経済の下振れリスクになると警戒感をにじませた。中国を始めとした新興国経済については、足元で経済成長ペースが減速していることは「息の長い成長を考えると望ましい」としたが、インフレ圧力が継続している中で「ソフトランディングできるか、不確実性が高まっている」と述べた。
さらに、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)福島第1原子力発電所事故を受けた原発の安全性に対する疑問から、定期点検中の原発の再稼動が困難になっており、「やや長い目で見て電力供給制約の不確実性が増している」こともリスク要因にあげた。具体的には、1)全原発が稼働停止した場合の電力不足の恒常化による経済活動制約、2)火力代替など電力コスト増による設備投資や個人消費の抑制、3)生産の海外シフトなどによる潜在成長力の低下──などに懸念を示した。
(ロイターニュース 伊藤純夫 竹本能文;編集 宮崎亜巳)
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日銀、足元の景気判断を前進:識者はこうみる
2011年 07月 12日 14:31 JST
7月12日、日銀は金融政策決定会合で、足元の景気判断について「震災による供給面の制約が和らぐ中で、持ち直している」と、前回会合に続き2カ月連続で判断を前進させた。写真は日銀本店。5月撮影(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)
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[東京 12日 ロイター] 日銀は11─12日に開いた金融政策決定会合で、足元の景気判断について「震災による供給面の制約が和らぐ中で、持ち直している」と、前回会合に続き2カ月連続で判断を前進させた。
政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標は0─0.1%程度に据え置くことを全員一致で決定。金融資産買い入れ基金による緩和策についても現行計画に変更はなかった。
日銀決定会合に関する市場関係者の見方は以下の通り。
●10月展望リポートの注目度高まる
<三菱UFJモルガン・スタンレー証券 シニア債券ストラテジスト 長谷川治美氏>
今回の日銀金融政策決定会合で、金融政策が現状維持となったことは予想通りだ。景気の現状判断が持ち直しを強調し、2カ月連続で上方修正された。生産と短観が先行き持ち直しを示していたのでサプライズはない。
中間評価に関しては、2011年度の成長率見通しは下方修正したが、2012年度の成長率の見通しは据え置いている。震災の影響があり、テクニカルに2011年度の見通しは下方修正されたが、年後半から来年度にかけては持ち直しになるという日銀のシナリオは維持されている。CPI見通しに関しては据え置いた。日銀としては震災後の落ち込みから持ち直していく方向で物価もプラスで推移するとみている。ただ、来月の基準改定で大幅下振れになるので、そこで仕切り直しになる。
足元では欧州債務問題懸念、米国経済の減速懸念など新たな下方リスクも出ているので、10月の展望リポートの注目度が高まるのではないか。
●需給ギャップは縮小方向へ
<バークレイズ・キャピタル証券 チーフエコノミスト 森田京平氏>
日銀展望リポート中間評価では、2012年度については、実質GDP見通しを従来のプラス2.9%に据え置いていることからも、追加緩和はメーンシナリオにはならない。物価の先行指標である需給ギャップは、2013年ごろに向けて縮小していくことが予想される。
日銀は、現時点での金融政策の枠組みを当面は据え置くとみている。ただし、成長基盤強化支援など政策金融的な部分について、額を今後増やす可能性はある。
●金融資産買入基金の更なる増額に期待
<マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏>
金融政策の現状維持は予想通りで、株式市場への影響は乏しい。金融資産買い入れ基金による緩和策も変更なしだったが、今後は更なる増額を期待したい。日経平均は直近で1万円を回復したものの、まだ道半ばであり、金融面からの援護射撃が必要だ。市場との対話を重要視し、指数連動型上場投資信託受益権(ETF)買い入れなど積極的な対応を望む。
●米国以上に緩和スタンス打ち出すべき
<住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏>
日銀は景気認識を引き上げたが、やや楽観的ではないか。方向は回復に向かっているとはいえ、水準が問題だ。日本はバブル崩壊後のデフレにまだ決着がついておらず、デフレ脱却に向けてもっと危機感を持つべきだ。景気認識の引き上げで、市場は金融政策について、今後は引き締めの方向に向かうとのメッセージと受けとめる可能性がある。
為替市場では、日本にクオリティがあるのか答えがないまま円が全面高になっており、対応が必要だ。米国は量的緩和第2弾(QE2)終了後もバランスシートを維持して緩和スタンスを続けているが、日本はもっと緩和的であっていい。欧州ソブリン問題も混乱を広げており、この認識も含めて白川総裁の会見での発言に注目している。
本来は追加緩和が必要な局面だが、数少ないカードは簡単には切れない。欧州ソブリン問題が大きくなった場合に備えて、温存しているのだろう。その意味では、4月の西村副総裁の資産買い入れ基金増額提案は貴重だった。西村副総裁の賛成票が1票入っただけで、コストをかけずに市場は追加緩和期待を強めた。その後の会合では、この提案がなされなくなったのは残念だ。
●一段の緩和姿勢示すべき、外部環境は逆風
<第一生命経済研究所 首席エコノミスト 嶌峰義清氏>
景気認識を上方修正はしたが、出発点が低いので当たり前。こうしたことをもとに政策を考えるのは古い。日本経済がフルスロットルを踏み込める状態になったときに、ダッシュできる環境を整える政策を日銀は今から打ち出すべき。今は海外市場が不安定だし、為替もドル80円、ユーロにいたっては111円台。立ち直っても逆風が吹いている。今回の会合で、そうした環境を整えるための政策を検討をしている、ぐらい言っても良かった。
金利ではこれ以上何もできないので、基本的には量を拡大するしかない。今の円高は外部要因だが、だからといって日銀が何もしないのでは中央銀行としての存在意義はない。単独介入が効果がないのはみんな分かっている。思い切って緩和して円を増やす、という姿勢を見せればけん制球になる。
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