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ギリシャ問題は終わったのか? NO フィッチも格下げへ
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/333.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 06 日 01:41:54: 6WQSToHgoAVCQ
 

ギリシャ問題は終わったのか?
2011/07/05 (火) 18:14

今日の東京MXTV「大証FXフォーカス」でもお話したのですが、先週はギリシャ懸念の後退から大幅にリスク選好の動きになりました。NYダウは5日連騰で、約5.4%も上昇、米国債は売られ、10年債利回りは一時3.2%台をつけました。

6月下旬にギリシャのパパンドレウ新内閣が議会の信任投票で信任され、その後ギリシャ議会でトロイカ(EU、IMF、ECB)からの融資の前提条件となる緊縮財政法案及び関連法案が成立、それを受けた2日のユーロ圏財務相会合で、第1次ギリシャ救済に基づく5回目の融資のユーロ圏負担分の実行を承認、という流れで、ギリシャの当面の資金繰りに目処がついたことが背景です。

しかし、今後中長期的にギリシャがデフォルトを回避する為の、第2次救済プログラムの大きな要因となる民間部門の役割に関して大きな問題があります。
現在フランス、ドイツなどギリシャ向け債権を多く保有している欧州の金融機関で検討されているフランスの提案した『自主的な』ギリシャ債のロール・オーバーには、格付け機関から否定的な見方が示されています。

スタンダード&プアーズ(S&P)は4日「ギリシャ国債保有者を同国債のロールオーバー(借り換え)に応じさせるフランス案が実施された場合、ギリシャの債務を格付け定義上の「選択的デフォルト(債務不履行)」とみなす可能性がある」と発表しています。
また、フィッチ・レーティングスもすでに「ギリシャの債務交換あるいはロール・オーバーが行われた場合、恐らくデフォルト(債務不履行)とみなし、ソブリン債の格付けを即刻「C」に引き下げる」との方針を明らかにしています。

これに関して今日英FT紙が「ECBがギリシャ国債について、格付け会社4社(スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とムーディーズ・インベスターズ・サービス、フィッチ・レーティングス、加DBRS)がデフォルトと判断しない限り、融資の担保として受け入れを続ける」と報じましたが、市場がどこまでを織り込んでいるのかは疑問が残ります。

もしギリシャ国債が「デフォルト」と格付けされ、ECBが担保として受け入れられなくなる事態となれば、単なる調整ではなく、昨年夏前からのユーロドルのトレンドが転換することになると考えられます。

「大証FXフォーカス」http://stockvoice.channel.yahoo.co.jp/index.php?itemid=3084
 

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コメント
 
01. 2011年7月06日 21:16:24: Pj82T22SRI
http://jp.wsj.com/var/plain_site/storage/images/media/images/110706_ecb_chart.jpg/5633284-1-jpn-JP/110706_ecb_chart.jpg_image_Col3wide.jpg

ECB、3カ月ぶりに利上げか
AHEAD OF THE TAPE

2011年 7月 6日 15:13 JST 

 これは痛いかもしれない。 
 インフレを抑制するため、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は7日、3カ月ぶりに利上げを行うとみられている。政策金利は1.25%から1.5%に引き上げられる見通しだ。

 しかし欧州の経済情勢は4月の利上げ時とは全く変わってしまった。当時、ユーロ圏は域内総生産(GDP)が年率3.4%という高い伸びを示した1〜3月を終えたばかりだった。

 だが、今は景気が冷え込んでいる。ING銀行によると、4〜6月の成長率は1.5%だったとみられている。同銀のエコノミストのカルステン・ブルゼスキ氏は下半期の成長率は1%程度と予想している。

 5日発表された6月のユーロ圏購買担当者景況指数(PMI)は20カ月ぶりの低水準だった。一方、5月の小売売上高は前年同月比1.9%減少した。これは18カ月ぶりの大幅な減少だった。このなかで特に懸念されるのは、欧州経済のけん引役のドイツで4.4%も減ったことだ。

チャート

 これはギリシャを除く欧州のアキレス腱を露呈している。輸出主導の成長が消費に結びついておらず、欧州は不安定さを増しているグローバル経済への依存度を高めている。消費の低迷は、特にギリシャやポルトガルという欧州のぜい弱な周辺国に影響が大きい。両国の輸出品は工場向けより消費者向けが多いからだ。

 疲れがみえているとはいえドイツは着実に輸出を続けている。しかしBNPパリバの予想によると、6日と7日に発表予定の同国の5月の製造業受注指数や鉱工業生産は4月よりも低下すると予想されている。

 トリシェ総裁は消費者物価指数(CPI)が、ECBがターゲットとする2%を大幅に上回っていることから、年内に一段の利上げを実施する可能性が高い。

 だが欧州は、ギリシャ問題から抜け出せずにおり、7日のトリシェ総裁の記者会見でも主要なテーマになると予想されている。ECBはインフレとの戦いにおいてあまり戦闘的になることはできない。

 景気が鈍化するなか、ドイツやオランダでは、ギリシャなどへの救済に対する国民の反発も強まっている。

記者: Brian Blackstone


02. 2011年7月06日 21:17:02: Pj82T22SRI

http://jp.wsj.com/World/Europe/node_266468
>>02 ユーロ危機解消のカギ握るドイツ、欧州との連帯が急務
2011年 7月 6日 18:35 JST  
 これまでのユーロ危機は、ドイツにとって、痛みのないものだ。多くの人がそれに気づいている。相当数の周辺国が経済悪化に悩まされる一方で、欧州最大の経済大国であるドイツは力強い成長を謳歌、輸出を伸ばし、税率を下げ、生活水準を向上させている。

イメージ Associated Press

ドイツのメルケル首相はギリシャ第2次融資で民間関与を主張している

 ドイツ人の言い分はこうだ。過去10年にわたる痛みを伴う改革などにより、欧州の病人だった国が域内で最も競争力のある経済に生まれ変わったのだと。しかし、通貨安と過去最低水準にまで低下した借り入れコスト、欧州近隣諸国のドイツ製品に対する購入意欲(実質的にドイツから借りた金で購入されることも多い)も、同国経済を支える重要な要素となってきた。

 こうしたことから、ユーロ圏の救済プログラムが、現時点でドイツに非常に高い価値をもたらしていることについて、異論を唱えるのは難しい。ドイツに必要なのは、極めて少額のキャッシュの拠出だ。救済の大半は債務保証の形で行われ、通常、金利マージンは高く設定される。すべての痛みは、単一通貨圏にとどまるために多大な犠牲を払おうとする周辺国によって受け止められてきた。欧州当局が国債や銀行債務のデフォルト(債務不履行)を許さないとの姿勢を明確にしたことを受け、アイルランド、ギリシャ、ポルトガルは、異常なほど厳しい緊縮措置を導入してきた。

 しかし、小国がすべての痛みに耐える一方で、ドイツは、ユーロ危機の恩恵をあとどのくらい享受していられるのか。確かに今、アイルランド、ギリシャ、ポルトガルは、窮地に陥っているようだ。これらの国はすべて多額の財政赤字を垂れ流し、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の救済がなければ大規模な政府の閉鎖を招き、もっと深刻な景気後退に陥ることになる。EU加盟で得られる政治・金融上の信用の重みを考えると、どの国も、許可されないデフォルトを招く可能性のあるEU脱退のリスクに自国をさらしたくはない。それならば、救済策の一部として合意した改革プログラムを順守するほかに選ぶ道はない。

 また、周辺国は自らが招いた経済問題を処理すべき、とのドイツの主張も理解できる。ギリシャは、借り入れを偽っていたし、昨年の救済の後でさえ、課せられた目標を達成できなかった。アイルランドの問題も、ひどく不適切な銀行規制が無責任な不動産融資の急増をもたらしたことが大きい。ポルトガルは、競争力の大幅低下と財政の膨張に対処しなかった。

 しかし、たとえそうだとしても、周辺国に責任のすべてがあるわけではない。ドイツとフランスは、好況期に基準以上の赤字を抱えることで、財政規律を確実にするはずだった「安定・成長協定」の失敗に“貢献”した。ドイツは、欧州中央銀行(ECB)の守備範囲がその主要責務であるインフレ監視から逸脱することを恐れ、ECBに銀行監督責任を持たせる動き――これがあれば、後の過剰融資は防げたかもしれない――を阻止した。また、ユーロ圏の中核国は、銀行にユーロ圏の国債に対する資本の積み増しを求めないという致命的な決定を下した――このことで、周辺国の債務保有に対する銀行のインセンティブは増し、利回り格差は縮小、過剰な融資に拍車がかかった。

 それだけではない。ここ3カ月のドイツの行動は危機を劇的に増幅させた。第2次ギリシャ支援策に民間関与が必要とのメルケル首相の独善的主張は、市場を理解していないという意味で、途方もなく重大な判断ミスだ。ムーディーズは5日、ポルトガル国債の格付けを4段階引き下げ、理由として、第2次救済が必要になった場合に債券保有者がヘアカット(元本削減)を求められるリスクが高まることを挙げた。一方、スペインとイタリアの銀行は今、プレッシャーにさらされており、両国の財政プログラムには新たな懸念が浮上した。ドイツは、ギリシャに対する要支援額が300億ユーロ増えたことを受けて、自国拠出分について納税者に負担をかけまいとして、逆に、さらに広範なユーロ圏救済のためのより多額なコストに納税者をさらしてしまった可能性がある。

 ユーロが生き残る運命にあるとすれば、ドイツは、ユーロ圏のパートナーとの結束を示さなければならない。先週のギリシャ議会の採決は、ユーロ圏に問題解決の時間的猶予を与えた。しかし今、その時間は、デフォルトを起こさないでギリシャ債務のエクスポージャーを銀行にロールオーバーさせるという不完全でおそらく不可能な試みの画策に使われている。この機会は、ユーロ圏の金融および制度のぜい弱性に対する包括的な解決策の立案に使った方が賢明だろう。

 最優先されるべきは、周辺国債務の金利を現在の救済計画で設定される懲罰的水準から引き下げるために、「ユーロ圏の債券」を創設することだ。ギリシャ、アイルランド、ポルトガルが支払う金利を、6%近くから欧州金融安定基金(EFSF)の借り入れ金利の約3%にまで引き下げることは、こうした国々の財政問題を解決するとは必ずしも言えないものの、取り組みのスタートとしては良いだろう。しかし、その代わりに、モラルハザードを防ぐための強力な債務上限や財政監視の強化など、新たな組織上のメカニズムが不可欠となる。周辺国の銀行の資金調達を容易にする仕組みも新たに整備されるべきだ。そうすることで、金融システムの保全という本来の使命とは異なる役割を余儀なくされているECBへの負担を減らすことができる。EUにおける改革は、いわゆる「民主主義の赤字」と呼ばれる制度上の不備の問題を避けて通れない。

 一般論としては、こういったことは現時点で政治的に不可能だ。しかし、それは主に、ドイツの指導者がポピュリスト的なスタンドプレーを優先させ、経済論理の受け入れを拒否しているためである。とはいえ、ドイツがさらに長く現実逃避を続けることはできない。ギリシャやアイルランドも、ユーロ圏を維持するために自分達だけが犠牲を強いられるとあっては、有権者の我慢もそろそろ限界だ。ドイツは、EUが名ばかりの連合体であるかどうかの判断を下す必要がある。そうしなければ、ドイツにとっては見過ごせない目先の経済への影響がどうであれ、脱退を選ぶ国が現れないともかぎらない。

記者: SIMON NIXON


03. 2011年7月06日 21:46:19: Pj82T22SRI
ギリシャの苦悶 我々は一体どうなってしまったのか?
2011.07.06(Wed)  The Economist

一部のギリシャ人は、麻痺状態に陥り、腐敗した自分の国に腹を立てている。一方で、ただ良き時代を取り戻したいと思っているだけの人もいる。

彼らは警告を受けていた。ギリシャの300人の国会議員が、明らかなマイナス面が多々ある国際的に支持された金融支援計画――例えば、既に税金を払っている不運な企業と市民に痛みを押し付け、それで税金を納めていない企業と市民に補助金を出すことになる――を議論し、最後に承認した時、彼らの耳には、世界に対して「ノー」と言うことで起こり得る結果に関する恐ろしい宣告が鳴り響いていた。
ギリシャ議会、緊縮策可決 デモ隊と警官隊が衝突

緊縮財政案が可決された6月29日、議会の外ではデモ隊が警察と衝突していた〔AFPBB News〕

 18人のギリシャ人エコノミストのグループ(ほとんどは母国のキャンパスを台無しにする縁故主義や無秩序状態から逃れた、ギリシャ学界の国外離散者)は、ギリシャが経済的自給自足を選択した場合に起こり得る結果をリストアップしていた。

 つまり、ギリシャが債務の返済を停止し、外国の助けを借りて財政と行政の健全化に向けて進むという考えを拒否した場合だ。

 そうなれば、公的部門の賃金は急減し、銀行は崩壊し、国は何年も世界の債券市場から締め出されることになる。また、ユーロから離脱すれば、ハイパーインフレを招く恐れがある――。エコノミストらはこう指摘していた。
終末の警告

 歯に衣着せぬ発言で知られるセオドロス・パンガロス副首相は、もっと赤裸々な言い方をした。ギリシャが救済してくれようとする人々と決別し、新たなドラクマを発行すれば、国内の銀行はパニック状態の預金者に取り囲まれ、軍隊が秩序を維持しなければならなくなる。「商店は空っぽになり、窓から飛び降りる人も出てくるだろう」。パンガロス氏はスペインの日刊紙エル・ムンドに対してこう語った。

 (パンガロス氏は昨年、政界のエリートだけでなくギリシャの一般市民も、この国に雨あられのごとく降り注がれた融資や補助金を浪費した、「我々は一緒になって全部平らげた」と述べ、一部のギリシャ人を怒らせ、その他のギリシャ人を感心させた)

 こうした忠告は恐ろしいように聞こえるが、ギリシャは6月末、変化を受け入れる用意のある人たちと、変化を極度に恐れるあまり、自分たちの利益に少しでも損害を与える危険を冒すくらいなら家全体を倒壊させるかもしれない人たちとの間で、いまだ微妙なバランスを保っているように見えた。

 ギリシャの大手紙イ・カシメリニのアレクシス・パパヘラス編集長は、改革を断固阻止しようとする様々な極左勢力と極端な伝統主義者の勢力を指す「coalition of the unwilling(無志連合)」なる用語を生み出した。

 パパヘラス氏が指摘したように、中産階級のギリシャ人が苦労して手に入れた富が水泡に帰すのを目のあたりにしているため、むっとしながらすべての変化に疑念を抱く市民の数は増えていくかもしれない。

 一方で、ギリシャには、近代主義者の支持基盤も存在している。すなわち、正常に機能しない司法制度や腐敗した公務員、汚職に対する刑事責任の免責など、相互に関連している問題に嫌気がさしている人々だ。

 テレビ司会者で人気ウェブサイト「www.protagon.gr」の創設者でもあるスタシス・セオドラキス氏は、麻薬取締法の自由化から警察の浄化に至るまで、主流政党が絶対に受け入れないような様々な改革に対して、国民は強い関心を抱いていると話す。

 コネに恵まれた人が処罰を受けないことに激怒している人たちにとっては、先日ギリシャのプロサッカーの八百長事件が明らかにされたことは満足感を覚えるものだった。警察はこの事件に関して9万ページの資料を集め、選手から胴元に至るまで85人を捜査していると話しており、逮捕者の中には2つのクラブの会長も含まれていた。

 「サッカーで起こっていることと、より幅広いギリシャ社会との間には、直接的なつながりがある」と、文化スポーツ相のパヴロス・ゲルラノス氏は述べた。
麻痺しきった社会

 せめて、より幅広いギリシャの苦悩を癒やすことが、サッカー界を正すのと同じくらい容易であればいいのだが。

 議員たちが言い争い、警察が議会の外のデモ参加者と戦っている時、電力公社の労働者による2週間に及ぶストのために、ギリシャ全土で輪番停電が実施された。特権を持つ強力な電力公社労組は、多くの人々が分別ある変化に対する障害と見なすリストの中で上位を占めている。

 また、学校や病院も、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)との間で合意されたいわゆる中期救済計画に関する議論と時期を合わせて行われたストによって影響を受けた。

 航空便は航空管制官のストのために混乱し、観光客は、共産党系労働組合PAME(全ギリシャ戦闘的労働者戦線)によるピケ隊のせいでギリシャの島々に行くフェリーに乗ることができなかった。
「娘はやらん」父親が娘の婚約者の右手を切り落とす

ギリシャの島々の雰囲気は今も変わらないが・・・〔AFPBB News〕

 ギリシャの旅行業者にとっては、恐らくこれはほんの少し信用を落とすだけで済むだろう。業者によると、トルコやキプロスのような観光地ほどではないにせよ、ギリシャを訪れる観光客の数は今年わずかに上昇している。

 税務職員の関心を集めた派手な新築別荘の狼狽売りが増加しているにもかかわらず、人気のあるエーゲ海諸島の雰囲気は相変わらず明るい。

 それでもやはり、アテネ中心街の博物館や古代遺跡を訪ねる旅行者が吸い込んでも仕方がないと思う催涙ガスの量にも限度がある。

 不満を持つ人の多くは――組合員であれ、議会近くで野営する様々なイデオロギーを持つ自然発生的な抗議者であれ――、自分たちは政界全体、あるいは少なくとも与党の全ギリシャ社会主義運動(PASOK)と中道右派の野党、新民主主義党に対してデモを行っていると話している。
利益供与のマシンと化している主要政党

 議会の外にかかるある垂れ幕は、政治家は国を売るために「どれほどの銀貨」を受け取ったのかと問いかけていた。

 こうした抗議がギリシャの政治秩序に対する成熟した拒絶を示しているとしたら、それは勇気づけられる流れだ。社会学者のニコス・モーゼリス氏が指摘するように、ギリシャの2大政党は、地中海の民主主義の基準からしても驚くほどの規模で利益供与や助成金を分配するためのマシンと化していた。

短期的な惨事を食い止めるために考え出された経済計画以外に、何かできることはないのだろうか?

 ヨルゴス・パパンドレウ首相は、議員の数を減らし、選挙制度を変えることで、旧来の利権政治に終止符を打つ憲法改正という考え方を提案している。

 こうした改正が国民投票で承認されれば、それは、パパンドレウ首相がギリシャ議員の頭上を通り越して首尾よく市民に訴えたことを意味するだろう。

 首相にとっては、それが政治的な主導権を取り戻す最後で最善の望みかもしれない。
単に養ってくれないために怒っているだけだったら・・・

 だが、多くのギリシャ市民が政治家に失望しているのは、古い利益誘導システムを拒絶したからではなく、ギリシャに資金がなくなり、自分たちを養えなくなったからだという可能性もある。

 誰もが飼い葉桶の餌を食べたというパンガロス副首相の見方が正しければ、まだ一部の人たちは施しを切望しているかもしれない。その場合、ギリシャの運命に責任を負っている人たちは――国内であれ国外であれ――、今度は飢餓の政治に対処しなければならなくなるだろう。
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04. 2011年7月07日 01:46:28: Pj82T22SRI
正念場を迎えたユーロ圏
債務再編は必要条件にすぎない
2011.07.07(Thu)  Financial Times
 
ユーロ防衛に89兆円、緊急支援基金を新設へ EU

ユーロ圏は正念場を迎えている〔AFPBB News〕

あらゆる債務危機において、最大の問題は、ソルベンシー(支払い能力)回復への確かな道が見つかるかどうかだ。

 現在のギリシャは、その可能性が極めて低いように見える。ギリシャほどではないにしても、アイルランドとポルトガルも同様である。

 ここで、さらに3つの問題が浮上する。第1に、必要とされる債務再編の規模はどれくらいか? 第2に、誰が費用を負担すべきか? 第3に、債務再編だけで十分か? もし最後の質問の答えがノーなら、通貨同盟が現在の形で存続するかどうかを問わねばならなくなる。
求められる債務再編の規模

 第1の質問に関して、シティグループによる分析は悲観的な答えを出している。分析によると、国内総生産(GDP)比の債務総額は、2014年までにギリシャで180%、アイルランドで145%、ポルトガルで135%まで上昇している。いずれの国もその間に債務比率が減少に転じることはないという。

 スペインの債務は2014年時点でGDP比約90%と、かなりましに見えるが、やはり減少に転じることはない。

 この予測にはいくつかの前提条件がある。まず、2011年から2014年にかけての累計の財政引き締め規模は、ギリシャはトータルでGDPの10.8%、ポルトガルは8.3%、アイルランドは7.3%、スペインは5.7%に達することが想定されている。

 また2014年には、ギリシャやポルトガル、アイルランドが新たに資金を調達する際の金利負担が5%弱から5.6%に上昇するものとする(国際通貨基金=IMF=と欧州金融安定基金の加重平均レートに基づく)。市場に依存するスペインの金利負担はもっと大きい。

 最後の前提条件として、民営化と救済策が実施されるものとする。また、シティグループの分析では、1%の財政引き締めが経済成長率を0.5%低下させると仮定している。

 これらの国の債務総額がGDP比80%ならば、民間の市場から返済可能な金利で借り入れができると仮定しよう。さらに、欧州諸国の政府がIMFに損失を被らせないようにするものと仮定する。

 そのために残りの債務で減免する必要のある額は、ギリシャでGDPの65%、アイルランドで50%、ポルトガルでは45%となる。「ヘアカット」の総額は4230億ユーロに上り、その内訳はギリシャが2240億ユーロ、アイルランドが1070億ユーロ、ポルトガルが920億ユーロとなる。

 この数字に文句がある人もいるだろう。確かに、悲観的すぎるかもしれない。しかし、大規模な債務再編を実行しなければ、これらの国が耐えられる条件で市場から資金を調達できる可能性は極めて低い。

 市場もそれを物語っている。ドイツ国債10年物に対するスプレッド(利回り格差)は、ギリシャ国債が1340ベーシスポイント(bp、1bpは0.01%)、アイルランド国債が875bp、ポルトガル国債が818bpだ。だからこそ、これらの国は公的支援を受けているわけだ。

 心配なのは、スペイン国債のスプレッドも異常に高くなっていることで、現在のスプレッドは240bpだ。イタリアも190bpに達している。つまり、ユーロ圏のソブリン債は恐ろしいほどの難題に直面しているということだ。さらに、銀行が政府からの支援に依存し、政府が資金調達を銀行に依存する関係がこの状況を悪化させている。
民間債権者も政府も多大な負担

 次は第2の疑問、誰が費用を負担すべきかだ。もしすべてのヘアカットを民間の債権者が負担するとしたら、その損失は2014年時点で、保有するギリシャ債権の97%、アイルランド債権の63%、ポルトガル債権の60%に達する。その前に公的な債権者が損失のかなりの部分を負担していなければならない。

 各国政府は再編された債権の保有者の一部、特に銀行を救済することになるため、ユーロ圏はさながら「送金同盟」の様相を呈する。さらに注意しなければならないのは、当該国が財政的に多大な努力をしたとしても、こうなるということだ。

 そして、こうした対応を取ったとしても、 GDP成長率の停滞が続く可能性が高いため、なお中期的に債務の力学を好転させるには不十分だろう。


 こうした背景から考えると、銀行が提案しているロールオーバー(再投資)案は、それが形式的にデフォルト(債務不履行)と見なされるかどうかとは関係なく、意味をなさない。

 はるかに的を射ているのは、現在の市場価格に近い水準での債務の買い戻しだろう。国際的な大手銀行で構成される国際金融協会(IIF)は、7月1日に発表したギリシャに関する声明の中でこの方法を挙げた。

 この方法では損失が明確になる。それならそれでいい。現実を認めるべきなのだ。本紙(英フィナンシャル・タイムズ)が今週論じたように、部分的な保証のある選択肢を提示するというやり方には十分な論拠がある。1989年、中南米諸国が債務危機に陥った際に実施されたブレイディ構想のもとでも、同様の保証が行われた。

 問題は、特にギリシャの場合、こうした自発的な債務の縮小で十分かどうか、だ。
債務再編だけでは不十分

 その答えはノーだ。政府も、融資の額面に対する損失を受け入れるか、コロンビア大学のジェフリー・サックス氏が提案しているように、低金利を確約するかして、一定の役割を引き受ける必要がある。債務返済額の現在価値を減らす方法は、この2つ以外にもある。

 債務救済のリスクは非常に大きい。しかし、これを拒否してうまくいく可能性は皆無に等しい。確かに、政府が引き受ける債務の比率を高めて民間債権者を救済する可能性はある。しかし最終的に、公的な債権者から借りている債務のコストは、金利の引き下げか残高の減額によって縮小せざるを得ない。

 もはや問題はこうした調整を行う必要があるかどうかではなく、いつ行うかだ。同様の危機の歴史を振り返ると、遅いより早い方がいいことが分かる。債務が持続可能な軌道に乗って初めて、信頼感を取り戻すことができる。

 愚かな債権者や無能な規制当局、いいかげんな政策立案者たちが過去の過ちを隠すのを許すことは、対応をいつまでも先延ばしにする下手な口実だ。

実際のところ、債務支払額の現在価値を減らす必要があるかどうかについてはもはや疑問ではない。本当の問題はほかにある。1つは、協調的な債務再編をどのように成し遂げるか。もう1つは、競争力を取り戻し、成長軌道に乗せることだ。

 いわゆる内的減価に成功したラトビアを引き合いに出す向きもある。しかし、ラトビアの現在のGDPは危機前のピークから23%も落ち込んでいる。これはまさに恐慌だ。

 しかも、コスト削減がうまくいくほど、債務負担が大きくなる。つまり、債務再編は出口に至るための必要条件にすぎない。いずれにせよ、それだけで十分というわけにはいかない。一部の国はただ衰退していくかもしれない。
ユーロ解体を避けるためには現実を直視せよ

 別の道として、政治家が短期的なコストを覚悟して自国をユーロ圏から離脱させる可能性もある。そうなると決め付けるには時期尚早だが、既にこれを予想する人もいる。だが、この結末を避けるチャンスがあるとすれば、現実的になる必要がある。

 どこかの時点で、債務コストの現在価値を大幅に減らさなければならない。今すぐ実行する必要はないが、人々に希望を与えられるうちに実行すべきだ。そうしなければ、うまくいかない可能性があるというだけでは済まない。失敗はほぼ確実になる。
By Martin Wolf
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05. 2011年7月07日 03:17:09: Pj82T22SRI
アルゼンチン式の債務処理はギリシャには不向き?

2011年 7月 6日 21:10 JST
 

 【ブエノスアイレス(アルゼンチン)】ギリシャが巨額の債務とユーロ高と格闘を続けるなか、同国の一部の政治家や経済学者は「アルゼンチン式の解決法」の議論を始めた。
イメージ ARIS MESSINIS/AFP/Getty Images

 アルゼンチン式の解決法とは、アルゼンチンが10年前、ギリシャと同様の危機に陥った際に政府が実施した抜本的措置のことだ。アルゼンチンは当時、債務問題を抱えていた上に、対米ドルで固定されていた自国通貨ペソが上昇、経済成長と輸出は大きな打撃を受けていた。この結果、アルゼンチンは2001年に公的対外債務にデフォルト(債務不履行)を宣言、その後、ペソの切り下げを断行した。直後こそ、アルゼンチン経済は急激に悪化したものの、その後10年間にわたって好調を維持している.

 しかし、アルゼンチン危機とその後の経済回復期に政策に携わったアルゼンチンの複数の元政府高官は、ギリシャの緊縮財政は長続きしそうにないとしても、アルゼンチンがとった解決策もまた、ギリシャにとっては正解ではないかもしれないと言う。ギリシャは欧州連合(EU)への統合が進んでおり、ユーロを採用している。このため、ギリシャ政府はアルゼンチンのように、デフォルトしたりユーロから離脱したりすることはなかなかできないだろう、というのが複数の元政府高官の見解だ。アルゼンチンはギリシャのように他の国と統合されていなかったからこそこのような措置をとれたのだという。

 ギリシャ議会は先週、債権者による新たな融資の実施の条件として5年間の緊縮財政計画を実施するための法案をかろうじて可決した。しかし、アルゼンチンの複数の元政府高官は、ギリシャの債務の支払いが帳消しにされても、ギリシャには2001年当時アルゼンチンが抱えていた額のおよそ3倍の財政赤字があることを指摘している。

 それに加え、ギリシャには、アルゼンチンの農業部門―ペソ安を有効活用できたうえ、過去10年で大豆の国際価格は3倍近くまで上昇した―のような経済成長の主役がいない。

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チャート

アルゼンチン経済はデフォルト後に一時落ち込んだものの、その後は急回復

 2002年末から2004年までアルゼンチンの中央銀行総裁を務めたアルフォンソ・プラット・ガイ氏は「通貨が過大評価され、財政政策には規律がなく、国は安定していると見せかけて巨額の借金をしたという点で、(アルゼンチンとギリシャの間には)共通点がある」と言う。「しかし、アルゼンチンで機能した解決方法に目を向けた時点で、共通点はなくなる。アルゼンチンの解決方法は必ずしもギリシャに効くというわけではないかもしれない」

 プラット・ガイ氏はさらに、「アルゼンチンが(ドル・ペッグ制を)放棄したように、ギリシャが通貨同盟から去ることができるかはそれほど明らかではないし、それがギリシャやEUにとって、とるべき道かどうかもはっきりしない」と述べた。

 政策の実施をきっかけに、アルゼンチン経済は混乱に陥り、企業も消費者も活気を失った。国内では、デフォルトが人的被害を引き起こす可能性があるとの声も上がった。

 プラット・ガイ氏の後任としてアルゼンチン中央銀行の総裁を2010年まで務めたマルティン・レドラド氏は「国民に負担を強いることになるため、デフォルトはなんとしてでも避けるべきだと思う」と述べ、具体的な負担として貧困率の急上昇や失業、「無政府状態という印象」を挙げた。

 しかし、レドラド氏はギリシャ議会が先週可決したような、緊縮財政と資産の売却のみに頼った対策はうまくいかないことは初めからわかっていると指摘した。アルゼンチンが財政破綻する前も同様の政策を取ったという。同氏は「ギリシャが現時点で背負っている金利負担の水準は持続可能ではない上、私が見るところ、利払いの負担を基本的に相殺するような財政的な調整は行われていない」と述べた。

 レドラド氏は、ギリシャの債権者である銀行は債務の金利水準を現在の7〜8%から最大で3%にまで引き下げることを認めて、政府に余裕を与える必要があると述べた。その代わり、欧州当局はこれら銀行がギリシャの債券を償還まで保有する条件で、時価評価を求めず、額面での保有を認めるべきだ、と同氏は指摘した。同氏は、アルゼンチンは当時、国債を保有していた地方銀行に同様の措置を行ない、うまくいったと述べた。

 デフォルト直前まで債務交渉でアルゼンチンの代表を務めたダニエル・マークス氏は、2001年のアルゼンチンの状態と比べて、ギリシャの問題の深刻さに衝撃を受けたという。同氏は「ギリシャが債務の返済をやめたとしても、翌日には財政赤字が問題になるだろう」と述べた。

 ギリシャの基礎的財政収支は赤字で、政府がこの1年、懸命の歳出削減努力を続けたにもかかわらず、赤字額は国内総生産(GDP)の5%に上っている。

 しかし、ギリシャには、アルゼンチンにはなかった強みがある。ギリシャは、アルゼンチンが当時、国際社会から受けた支援とは比べ物にならない規模の金融支援を欧州中央銀行(ECB)から受けている。EUは、ギリシャが財政破綻すれば、ポルトガルやアイルランドのような財政基盤が弱い国に飛び火して、通貨同盟が危機にさらされるのではないかと懸念している。プラット・ガイ氏によると、アルゼンチンのケースはこれとは対照的で、「アルゼンチン以外は1ペソ=1ドルに固定しておくことに関心がなかった」

 アルゼンチンの元経済相で、ブエノスアイレス州の生産大臣も務めたマルティン・ルストー氏はギリシャとアルゼンチンについて、「診断も同じで、たどっている道もほぼ同じだと思う」と述べた。しかし、ギリシャの債務の規模や、破綻した場合の影響を考えると、「(ギリシャにとって)デフォルトの方が大きな問題で、ユーロ脱退は欧州文明の頂点にいることをあきらめる程度のものだ」と指摘した。

 アルゼンチンは長年の悪性インフレを終わらせる目的で、1991年にいわゆる兌換制を導入、ペソとドルを1対1に固定した。通貨の固定後しばらくの間は、経済は急成長したが、1990年代の終わりまでには、固定通貨は行き詰まり、経済は困窮した。ブラジルの通貨切り下げ、ドル高、農産品価格の低迷を受けて、アルゼンチンの問題はさらに深刻さを増した。

 しかし、アルゼンチンの元政府高官によると、「世界の胃袋」と呼ばれる中国やその他の海外市場から大豆や小麦の需要が増えたこともあって、アルゼンチン経済は急速に回復した。アルゼンチンはさらに、2005年に債権者への返済を額面1ドルに対し30セントとする債務再編を行ない、資金が自由に流れるようになった。

 アルゼンチンの国民1人当たりのGDPは2002年の6254ドルから10993ドルにまで増加した。アルゼンチンの研究センターによると、1日当たり4ドル未満で暮らす貧困層の割合は2002年の42.3%から2009年の16.4%に低下した。

 デフォルト前の2年間、アルゼンチンは 国際通貨基金(IMF)の求めた数多くの緊縮財政政策の実施を試みた。ギリシャ議会が先週可決した財政措置と同様のものだ。しかし、これらの緊縮財政は経済をさらに悪化させただけで、投資家の信頼を取り戻すことはできなかった。ついに2001年12月には、街頭で暴動が発生、大統領は辞任に追い込まれ、デフォルトが宣言された。

 アルゼンチン経済は2002年に10%以上縮小した。何千人もの失業者が段ボール箱をあさりながら通りをうろつく事態が生じた。国民は食料を買うことができないため、裏庭で野菜を育てた。

 アルゼンチンの格付けは今でも世界最低水準にある。しかし、農産品輸出が好調な上、政府が新規資金を調達できる政策をとっているため、アルゼンチン政府はこれまで市場から資金を調達しなければならない事態には陥っていない。2008年の国際金融危機ではアルゼンチンも影響を受けており、クリスティーナ・キルチネル大統領は300億ドルの資産を持つ民間の年金基金を国有化した。

記者: MATT MOFFETT


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