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世界の外貨準備でドル離れの動きが鮮明になる一方、豪ドルやカナダドルなど資源国通貨が急激に存在感を増している──。国際通貨基金(IMF)が30日に発表したデータから、そうした構図が浮き彫りになった。
米経済の体力低下やユーロ圏の債務問題でドルやユーロへの信認が揺らぎ、金や銀など現物資産が買われる中、外貨準備でも資源に裏付けされた通貨が選好されている。
受け皿になりきれないユーロ
IMFが四半期ごとに公表しているデータによると、今年第1・四半期(1─3月)末の世界の外貨準備高は9兆7000億ドル。通貨構成比が判明しているドルの比率は60.7%で、前四半期の61.5%から0.8ポイント低下し、1995年12月以来の低水準となった。一方、豪ドルやカナダドルなど資源国通貨を含む「その他通貨」の項目は4.4%から4.7%に増加。ここ1年半でほぼ倍増した。
この期間中、ドルは米国の量的緩和第2弾(QE2)による過剰流動性を背景に下落地合いが一段と強まった。主要6通貨に対するドルの動きを示すドル指数は1月から下落に転じ、3月下旬には心理的節目の75.00に接近した。その裏で金や銀、原油など商品相場は上昇。ブラジルレアルやカナダドルなど資源国通貨も買われた。とりわけ豪ドルは、1982年の変動相場制移行後の最高値を更新した。
「ドルの価値が全体的に落ちる一方、その代替として商品が上昇し、商品に裏付けられていると思われている豪ドルやレアルも買われた」と、みずほコーポレート銀行マーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏は分析する。「こうした通貨グループの価値とシェアが高まっていく構図は、新たなトレンドの幕開けなのだろう」とみている。
ユーロがドルの受け皿になりきれないことも、資源国通貨の存在感を高めている。外貨準備に占めるユーロの比率は26.5%で、前四半期の26.3%からほぼ横ばい。ドルの比率が低下した割に、ユーロの比率は上昇していない。外貨準備分散の一環として、ユーロが下落する局面ではアジアの中央銀行が積極的に買ってくるが、ギリシャの債務問題などを抱えており、「やはりリスクを考えて、急激には(ユーロの比率を)増やせない」(バンクオブアメリカ・メリルリンチのFXストラテジスト、藤井知子氏)との指摘があった。
三大通貨(G3)の中で例外は、経常黒字という裏付けがある日本の円。第1・四半期末の比率は3.8%と5・四半期連続で上昇し、6年ぶりの高水準となった。それでも「消去法で選ばれているにすぎない。円に対して特段信用があるわけではないので、欧州の債務問題や米経済の問題が後退した暁には、円を準備通貨として持たなくていいという話になるだろう」(藤井氏)という。
先進国と資源国・新興国の経済格差が一段と縮まることから、この先もドル離れは進み、資源国などG3以外の通貨の存在感が増す可能性は高い。しかし市場関係者の多くは、ドルが基軸通貨の地位から転落するとまでは考えていない。「英ポンドが基軸通貨の座を降りたのは、ドルが登場したから」と、外為どっとコム総合研究所の植野大作社長は話す。有力な後継者が見当たらない今、「ドルはいくら問題を抱えていても、消極的に基軸通貨の役割を果たすしかない」と同氏は指摘している。
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