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「永遠に借り換えできるから大幅な増税は不要」のウソ
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/277.html
投稿者 sci 日時 2011 年 6 月 28 日 20:12:35: 6WQSToHgoAVCQ
 

需給ギャップがなくなり、インフレになってきたら、増税するか歳出削減しなければならないのは当たり前だが、今はまだ早い
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110624/221110/?ST=print
日経ビジネス オンライントップ>企業・経営>復興の経済学
「永遠に借り換えできるから大幅な増税は不要」のウソ

2011年6月28日 火曜日
國枝 繁樹


ポイント

・国債を永遠に借り換えるポンジー・ゲームで増税を逃れようとするのが「ポンジー財政政策」

・ポンジー財政政策の考え方は我が国の財政政策に影響を与えてきた

・経済学ではポンジー財政政策は現実的ではないとされる

・財政赤字ギャンブルは将来世代に対する「財政的児童虐待」

 2008年末、リーマンショックの影響の去らないニューヨークで、NASDAQの会長まで務めた投資会社社長バーナード・マドフが逮捕された。嫌疑は、巨額の証券詐欺。日本の大手金融機関を含めた世界中の有名機関投資家から投資資金を集めたマドフの投資会社だったが、実際には投資はなされず、新規の顧客からの投資資金を過去の顧客に投資成果として支払う自転車操業を続けていた。日本でいうネズミ講だが、英語ではポンジー・ゲーム(またはポンジー・スキーム)という。20世紀初め、チャールズ・ポンジーがボストンで同種の詐欺を大々的に行ったことから、そうした詐欺にポンジー・ゲームの名が付けられたのである。マドフ本人は翌年に150年の懲役判決を受け、現在服役中である。

 マドフが行ったのは総額約650億ドル(諸説ある)のポンジー・ゲームで史上最大規模の詐欺と言われた。しかし、これをはるかに上回る数百兆円規模のポンジー・ゲームが1999年に提唱され、2000年代半ばまで実施が想定されていたことはあまり認識されていない。我が国の財政政策のことである。
ポンジー・ゲームによる財政再建の提唱

 国債の満期が来れば、通常であれば増税等で確保した財源で国債の元利償還が行われる。しかし財源が確保できなければ、元利償還の資金もまた国債を発行して借金で調達することが考えられる。この借り換えを永遠に繰り返すことができれば、増税を避けることができるかも知れない。このネズミ講的な財政スキームも、ポンジー・ゲームの一種である。

 しかし、元利償還を行うには、元本だけでなく、利子も支払わねばならないから、実際には、国債の残高は金利のスピードで無限大まで増加してしまう。これに対し、経済成長率が金利より低ければ財政破綻するが、経済成長率が金利より高ければ、その国の経済は金利より高い率で成長するので、国債のGDP比率は収束し、問題がないとするのが、我が国ではよく言及されるドーマーの定理である。

 このドーマーの定理を持ち出して、ポンジー・ゲームにより我が国の抱える膨大な公債に係る負担を回避しようとする財政政策(本稿では「ポンジー財政政策」と呼ぶことにする)が提唱された。小渕内閣の下に設置された「経済戦略会議」の1999年の最終答申である。小渕内閣では、景気対策として財源の確保なしで巨額の所得減税・公共事業が実施されたが、その結果、巨額の公債残高を抱え、小渕総理が「世界一の借金王」と自嘲する厳しい財政状況に陥った。このため、同会議の最終答申では、財政再建の道筋を示すことが求められたが、その回答の一部として。ポンジー・ゲームによる財政再建が提唱されたのである。

 具体的には、同最終答申は、(1)プライマリーバランス(公債費を除く歳出と租税等の歳入の差。基礎的財政収支とも呼ばれる)の赤字を極力速やかにゼロに回復させること、(2)名目成長率が名目金利を上回る状況を実現することの2点により財政の持続可能性が回復できると強調しており、ポンジー財政政策の考え方を明確な形で提示している。

 2001年の小泉内閣において、ポンジー財政政策の主唱者である竹中平蔵氏が経済財政担当大臣となったことから、以後、2000年代半ばまで、我が国の財政再建戦略にポンジー財政政策の考え方が色濃く反映されるようになる。例えば、2002年1月の「改革と展望」では、2010年初頭までの国・地方合計のプライマリーバランスの黒字化が望ましいとされたが、同文書では、黒字化と同じ頃には政府の債務残高の対GDP比の動向も改善すると見込まれるとしており、経済戦略会議答申以来のポンジー財政政策の考え方が背景にあることがわかる(ポンジー財政政策の考え方を否定する場合、プライマリーバランスの単なる黒字化では債務残高の対GDP比は発散を続ける)。

 しかし、2005年後半になると、経済財政担当は与謝野馨大臣に変更となり、プライマリーバランスの単なる黒字化を財政再建目標とすることに対する疑問が政府部内でも示されるようになった。2005年末には、経済財政諮問会議において、成長率と金利の関係についての論争が行われ、長期金利が成長率より高いとの前提に基づく「改革と展望」の改訂案に竹中総務大臣が反発するのに対し、理論的には長期金利の方が名目成長率よりも高くなるのが正常な姿である等の批判が吉川洋東京大学教授等の他の参加者から行われた。いわゆる「成長率金利論争」である。

 その後の議論においては、債務残高のGDP比率を低下させるための相当幅のプライマリー黒字の確保の必要性が認識されるようになり、「骨太の方針2006」では、プライマリーバランスの黒字化を達成した後も、国、地方を通じ収支改善努力を継続し、一定の黒字幅を確保し、債務残高GDP比の発散を止め、安定的に引き下げることを確保することが明記された。その後、ポンジー財政政策の考え方は次第に政府の財政再建戦略への影響力を失っていくが、財政政策を巡る関心はリーマンショックへの対応のための財政出動に移っていく。

 民主党政権下では、大震災前ではあるが、2010年6月の「財政運営戦略」において、2020年度までの国・地方(および国単独)のプライマリーバランスの黒字化という収支(フロー)目標に加え、残高(ストック)目標として、2021年度以降において、国・地方の公債等残高の対GDP比を安定的に低下させるとの目標が示されたが、そのための具体策については明らかでない。大震災後においてもポンジー財政政策を引き続き主張している論者もおり、今後の財政再建戦略を考える上で、ポンジー財政政策の当否は引き続き重要な論点となるものと思われる。
ポンジー財政政策の問題点

 ポンジー財政政策の主唱者らはドーマーの定理を強調するが、日本のマクロ経済学の教科書にはドーマーの定理の説明があるものの、最近の欧米の標準的なマクロ経済学の教科書においては、ドーマーの定理の説明はあまり見当たらない。そもそもドーマーの定理を導いた論文の発表は戦時中の1944年というはるか過去であり、内容もいわば自明のものである。

 その後、経済学者はポンジー・ゲームがどのような経済で実現可能かの理論的分析と実際に実現可能な経済が存在するのかに関する実証研究を積み重ねており、現在ではポンジー・ゲームの実現可能性の問題として論じられている。ポンジー・ゲームの実現可能性の議論は、経済学の重要な概念である「動学的効率性」と密接に結びついている。ポンジー・ゲームが可能な経済は、「動学的に非効率的」とされ、実現不可能な経済は、「動学的に効率的」とされる。

 ポンジー・ゲームが不可能な、動学的に効率的な経済では、政府の財政政策においては、公債の現在残高が「現在および将来のプライマリー黒字の現在価値」と等しくなければならない。わかりやすく言えば、現在、借りている借金(=公債)は、現在および将来世代がきちんと全額負担しなければならないことを意味する。他方、動学的に非効率的な場合には、プライマリーバランスの均衡まで実現できれば、その時点での公債残高についてはポンジー・ゲームで処理することが可能で、現在および将来世代は負担が要らないことになる。

 2011年度末の公債残高(見込み)は668兆円だが、ポンジー財政政策ではその負担は不要というのだから、消費税増税の必要幅も大きく違ってくる。例えば、本年のOECD対日審査報告書では、(暗黙裡にポンジー財政政策を否定しており)我が国の公債残高のGDP比率を安定化させるためには、プライマリーバランス均衡のための消費税率の5〜9%の引き上げに加え、さらに6%の消費税率の引き上げが求められるとしている。これに対し、ずっと小幅な増税で足りるとする論者もいるが、その主張の背景に現時点での公債残高の負担をポンジー・ゲームで逃れられるとの隠れた前提があることが少なくない。

 ポンジー・ゲームが実現可能ならば、OECD対日審査報告書の提言と比較して、公債残高のGDP比率安定化のための6%の消費税率の増税が不要になるため、小幅の増税ですむのも当然である。だが、問題は、「ポンジー・ゲームにより現存する巨額の公債に係る負担を考える必要がない」という、非常に都合のいい話が実際に実現可能かという点である。

 実は、先進国経済が動学的に効率的かどうかについては、1989年にエーベル・ペンシルバニア大教授らによる有名な論文で分析がなされ、我が国も含めた先進国経済が動学的に効率的であることが既に確認されている(ただし、後述するように、実際には不確実性が存在する場合には、議論はもう少し複雑になる)。

 このため、大学院レベルのマクロ経済学の標準的教科書(D.ローマー、『上級マクロ経済学(原著第3版)』、日本評論社)においても、「政府がポンジ・ゲームを享受する可能性は、たいていの場合、理論的な関心にとどまる。経済が動学的に非効率的でないという現実的な場合には、ポンジ・ゲームは実現不能であり、政府は伝統的な現在価値の予算制約を満たさなければならない」(同書637ページ。なお、ポンジー・ゲームはポンジ・ゲームと表記されることもある)とされている。

 2005年末の経済財政諮問会議での「理論的には長期金利の方が名目成長率よりも高くなるのが正常な姿」との指摘も、こうしたマクロ経済学における標準的な理解に拠ったものであった。結局、現在世代および将来世代はポンジー・ゲームで現存する公債残高の負担から逃れることはできないのである。このため、筆者の知る限り、ポンジー財政政策を政府の公式な財政戦略としている先進国は存在しない。

 それにもかかわらず、我が国では、経済戦略会議答申においてポンジー財政政策が明示的に提唱された。しかも、同答申では、本来、動学的に効率的な経済下で望ましい公的年金の民営化の提案も含められており、同じ答申の中で論理的に矛盾した政策が提案されていた。筆者の留学時代の友人の米国人経済学者は、我が国においてポンジー財政政策が公式に提唱されていることを聞き、冗談だと思い、爆笑した。一緒にいた筆者も、日本人経済学者として本当に情けなく、恥ずかしい思いをしたことをよく覚えている。

 筆者はポンジー財政政策の問題点を批判してきたが、我が国で問題点が理解されるには時間がかかった。成長率金利論争という形で、ポンジー財政政策の実現可能性に広く疑問が持たれるようになったのは、2005年後半のことであった。

 その背景の一つには、当初、プライマリーバランスの「黒字化」というあいまいな表現が財政再建目標とされたことがある(プライマリーバランスがほんのわずかでも黒字となることを「黒字化」とすれば、プライマリーバランスの均衡を再建目標とすることと事実上、変わらなくなる)。だが、2000年代半ばにプライマリーバランス黒字化達成後の財政再建戦略の議論が始まると、プライマリーバランスの単なる黒字化で財政再建可能とするポンジー財政政策への疑問が呈され始めたのである。

 財政再建の最終目標がプライマリーバランスの単なる黒字化(均衡)か、それとも相当な幅のプライマリー黒字なのかは、財政再建に必要な増税のタイミングの判断に重大な影響を与えたと考えられる。最終目標が相当な幅のプライマリー黒字であれば、必要とされる消費税の増税幅は大きくなるため、何段階かに分けて時間をかけて消費税の増税を行う必要が出てくる。

 具体的には、2000年代半ばの戦後最長の景気回復期に一回目の消費税増税が開始されているべきであったであろう。だが、ポンジー財政政策の立場ではプライマリーバランスの均衡さえ達成できれば問題ないので、そうした緊迫感は存在せず、消費税増税は先送りされる。

 現実においても、小泉政権において消費税増税は次の内閣の課題として先送りされ、次の安倍政権では消費税増税の議論は事実上封印されてしまった。福田政権以降の内閣ではポンジー財政政策の呪縛から脱したものの、ねじれ国会やリーマンショックにより既に消費税増税は時機を逸するものとなっていた。もしポンジー財政政策による議論の迷走がなければ、2000年代半ばに一回目の消費税増税が完了し、我が国財政はもう少し余裕をもってリーマンショック、さらには東日本大震災という未曽有の危機に立ち向かうことができたであろう。
財政赤字ギャンブルと東日本大震災の教訓

 これまでの議論においては、不確実性の存在は無視してきた。しかし、現実には様々な不確実性が存在し、ときに経済や社会に深刻な打撃を与えるような惨事(天災や大不況)が発生する。こうした不確実性を考慮すると、これまでの議論はさらに複雑になる。デフォルトの危険性がない限り、国債金利はリスクフリーの金利であるが、税収を左右する経済成長率の方は大きく振れうる。特に惨事が発生すれば経済成長率は大きく低下する。不確実性の存在する経済においては、そうしたリスクも含めて、財政政策の評価を行う必要がある。

 不確実性の存在する状況下で、ポンジー財政政策を実施することは、マンキュー・ハーバード大学教授らによって「財政赤字ギャンブル」と呼ばれた。経済成長率に関する不確実性がある場合、経済成長率が平均的に国債金利を上回って、政府が永遠に借り換えを繰り返すポンジー財政政策が成功する確率が正となりうる。だが、そうならなければ、ポンジー財政政策は失敗し、公債残高のGDP比率は増大を続け、いずれ財政破綻、あるいは財政破綻を回避するための将来世代に対する非常に大幅な増税を余儀なくされる。

 一定の仮定の下で、我が国財政が破綻する確率を推計した研究としては、小黒一正一橋大学准教授、櫻川昌哉慶応大学教授・細野薫学習院大学教授等による研究があり、今回の大震災後には小黒一橋大学准教授が2020年の財政破綻確率を24.9%と推計している。

 さらに、仮に財政破綻確率が小さい場合でも破綻時の社会厚生の低下が大幅であれば、ポンジー財政政策は望ましくない政策となる。確率が小さいからといって、財政破綻あるいはその回避のためのコストを無視するのは、巨大津波の可能性を「想定外」として対策を怠った福島第1原子力発電所と同様の誤りである。マンキュー・ハーバード大学教授らは、財政破綻の可能性とコストを無視してポンジー財政政策を実施することを、火災の可能性が低いからといって自宅に火災保険をかけないのと同様だと批判した。

 その場合、ポンジー財政政策の是非を判断する際に、成長率金利論争のように、リスクフリーの国債金利とリスクを伴う経済成長率の期待値を単純に比較することは適当でなくなる。仮に上げ潮派の論者が最近主張しているように、国債金利および(大地震の可能性等を考慮しない)経済成長率の期待値が同じだとしても、リスクの存在を考慮すれば、社会厚生上、財政赤字ギャンブルは望ましくないと判断されるからである。
財政赤字ギャンブルはリスクを通じた「財政的児童虐待」

 特に問題となるのは、財政赤字ギャンブルが将来世代への負担先送りの手段として用いられることである。現在の世代が増税を先送りし、国債の借り換えを繰り返すとしよう。運がよければ高い経済成長率が実現され、将来世代は国債の負担を免れる。しかし、経済成長率が金利を下回れば、国債のGDP比率は増大を続け、将来世代は財政破綻を回避するために大幅な増税を受け入れざるをえなくなる。

 財政赤字ギャンブルにより増税を先送りすれば、現在世代は確実に負担を免れることができるが、将来世代は、「高成長率ならば負担はないが、低成長率であればずっと重い負担を課される」というリスクの形で、一方的に負担を負わされる。財政赤字等を通じた将来世代への負担の押付けはコトリコフ・ボストン大学教授により「財政的児童虐待」と呼ばれているが、財政赤字ギャンブルはリスクという形で財政的児童虐待を行っているのである。

 ポンジー財政政策に対するマンキュー教授らの火災保険なしの家屋との批判を、「地震」保険に置き換えてみると、地震国である我が国におけるポンジー財政政策の問題点が明らかになる。東日本大震災の発生により我が国の経済成長率は低下する一方、復興財源確保のため、一時的には大量の国債の追加発行が不可避であり、公債残高のGDP比率もさらに増加することが予想されている。

 また東日本大震災の前には、海外発のリーマンショックが我が国経済を襲い、財政赤字額が税収総額を上回るという悲惨な財政状況を招いた。今後の財政再建戦略を考える上では、こうした巨大なネガティブ・ショックの可能性を当然考慮する必要がある。今回の大震災は、そうした可能性を無視していわば地震保険なしでポンジー財政政策を行う財政赤字ギャンブルが望ましくないことを改めて明らかにした。

 残念ながら、それにもかかわらず、未だにポンジー財政政策を主張する論者もいる。例えば、竹中平蔵氏は、大震災後の新著で「消費税を10%以上に上げない」財政計画を主張しているが、プライマリーバランスの黒字化で国債残高のGDP比は減少するとしており(同書82ページ)、その試算は依然ポンジー財政政策に基づくものと考えられる。

 リーマンショック、そして東日本大震災を経た今、我が国の今後の財政再建戦略においては、ポンジー財政政策の本質が「財政赤字ギャンブルによるリスクを通じた財政的児童虐待」であることを改めて認識し、ポンジー財政政策と決別していくことが強く求められている。
このコラムについて
復興の経済学

地震、津波、原発事故…。東日本大震災が日本経済に及ぼした影響ははかり知れません。この未曾有の災害の影響を、私たち日本人はどのように克服していけばいいのでしょうか。これまでの経験も前例も役に立たないこの事態に対処するには、あらゆる知見を総動員し、ベストの選択をし続けなければならないでしょう。このコラムでは、経済学の分野で活躍する学者や専門家たちに、日本復活に向けての提言を聞いていきます。

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著者プロフィール

國枝 繁樹(くにえだ・しげき)

一橋大学国際・公共政策大学院及び経済学研究科准教授。ハーバード大学経済学博士。専門は財政学、マクロ経済学等。共著に『生活保護の経済分析』(日経・経済図書文化賞受賞)。共訳書に『コーポレート ファイナンス(第8版)』(上)、(下)ほか。
 

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コメント
 
01. 2011年6月28日 20:35:16: Pj82T22SRI
>ポンジ・ゲームは実現不能であり、政府は伝統的な現在価値の予算制約を満たさなければならない

これはデフォルトをしない場合の話だな


>インフレになってきたら、増税するか歳出削減しなければならない

歴史を見ると、デフォルトしてから歳出削減するのが一番、国民負担が小さくて済む
貸した人(企業)は気の毒だが、自己責任ということだ


02. 2011年6月29日 08:35:28: 3Sz5bSNGFo
途中で読むのをやめた。
要点を抜粋して、コンパクトにしないと読まれませんよ・・
抜粋コンパクト化ができないのなら・・ご勘弁。
貼り付け丸投げ・・ご勘弁。

03. 2011年6月29日 23:14:48: Pj82T22SRI
 
http://www.jcer.or.jp/j-fcontents/report.aspx?id=NEWJYHUFIQP9IXOW3MCNQ1EY3DL5ETEJ

大震災後の日本経済の中期見通し
「債権取り崩し国」への急速な移行 −経常赤字が物価、金利上昇に直結

岩田一政・日本経済研究センター理事長

6月14日に公表した第37回改訂中期経済予測では、原子力発電所がすべて停止する事態に追い込まれた場合、日本経済にはどのような影響が生ずるかを分析の俎上にのせた(詳しくは、11年7月号会報・特集『「双子の赤字」招く原発停止−経済損失は年7兆円強に』参照)。3月17日に公表した政策提言で、いち早く「福島原発事故による電力不足は、短期のみならず中長期の問題である」と指摘した通りに事態は進行している。
原子力発電の停止によって、日本経済の中長期的な供給力に、大きなショックが加わることに疑いの余地はない。日本の潜在GDPは、2020年度まで 平均して年1.2%低下するというのが得られた結論の一つだ。11年度から15年度まで潜在GDPの伸びはほぼゼロに止まることになる。
もちろん、中長期的な潜在供給力が低下すれば、家計の恒常所得や企業の期待成長率も下方シフトするので、個人消費や設備投資も低下するはずだ。しかし、今回の分析では、輸出供給が減少することに着目して予測を行った。
原油高騰のリスク
今夏の電力不足に向けて、自家発電も含め、現実に火力発電への代替が進んでいる。当然のことながら、火力発電への代替は、LNGFや原油への需要を 高めることになる。不幸なことに、中国でも石炭価格の高騰から石炭火力発電所の電力供給が減少している。電力価格が規制されているために、石炭価格が高騰 すると電力供給を増やす程、電力会社の赤字が拡大するからだ。さらに、水不足も電力不足に拍車をかけている。
原油価格は、5月にアメリカの先物市場で2回にわたり証拠金引き上げが行われたこともあって、一服状態にある。しかし、日本や中国の実需増加によって、原油価格はさらに高騰するリスクがある。
原油を含め輸入価格が上昇しているので、財・サービス収支は赤字になりやすい。前回(2月)の中期予測でも、貿易・サービス収支は14年度から赤字 になると予測した。今回の予測では、輸出供給が減少することもあって、財・サービス収支は、11年度から赤字となり、その赤字幅は年を追い大きくなる。 17年度には、財・サービス収支の赤字は、所得収支の黒字を上回るようになり、ついに経常収支も赤字になる。
国際収支の歴史的な推移を記述する「国際収支発展段階説」(クローサー(1957年))によれば、一国経済は、国内の貯蓄不足や輸出供給が十分でな いことを反映して、財・サービス収支も所得収支も赤字の「未成熟の債務国」として出発する。やがて、財・サービス収支が黒字になると、「成熟した債務国」 へ移行する。財・サービス収支の黒字が所得収支の赤字を上回るようになると、経常収支が黒字になり、「債務返済国」を経て、ストック面でも対外純資産を保 有する「未成熟の債権国」の段階に達する。
今回の中期予測では、11年度から日本経済は、これまでの「未成熟の債権国」から財・サービス収支が赤字となる「成熟した債権国」へ移行する。さら に、それのみでなく、余り時間をおかず、わずか6年後の17年度に経常収支が赤字となる「債権取崩国」に急速に移行することになる。
私は、経済企画庁に勤務していた時代に、84年の経済白書を執筆し、日本が60年代後半以降「未成熟の債権国」に移行したと初めて論じた。当時、日 米間で貿易摩擦が高まっており、金融サービス面でも日米円・ドル委員会が開催されていた。米側は、日本の経常収支黒字は、政策や市場の閉鎖性によって意図 的に作り出されたものであり、市場開放や輸出自主規制のみならず円高誘導と内需振興によって是正すべきだと主張していた。
私は、国内の資本蓄積が進むにつれて、貯蓄過小経済から貯蓄過剰経済に移行することは、自然な成り行きであると主張する上で、「国際収支発展段階 論」は有力な支援材料になると考えていた。財・サービスの貿易のみならず国際的な資本移動が自由になり、為替レートも変動制度を採用しているのであれば、 経常収支は、各国の国民貯蓄率、人口増加率、技術進歩といった成長率を決定する基本的要因によって決まってくるはずだ。また、債務国から債権国への移行 は、資産保有の観点からみても、国内の資本蓄積による資本限界性の低下や海外の投資機会が国内より高まることなどから説明がしやすい。他方で、債権国が再 び債務国に変化することを理論的に首尾一貫した説明をすることは、それ程容易ではない。
その後も、イエール大学の浜田宏一教授と開放経済の下での成長理論を用いて、いつ頃まで対米経常収支の黒字が続くのか予測したことがある。また、重複世代モデルを用いて、日本の経常収支が赤字になる時期は、20年代半ばという予測結果を90年代初めに発表したこともある。
双子の赤字に直面する日本
今回、経常収支が17年度に赤字になるという日本経済研究センター予測を公表したことは、少なからぬ因果を感ずるとともに、これまで経済理論を導きの糸として、経済分析・調査にたずさわってきた一人として深い感慨を覚えている。
仮に日本が、「債権取崩国」になっても、純対外資産の蓄積があるので、ただちに、アメリカのようにストックからみた「債務国」になるわけではない。 しかし、日本の財政収支の赤字幅は先進国のなかでも最も大きいグループに属し、政府債務・名目GDP比率は、世界で最も高い。日本は、財政赤字と経常収支 赤字という「双子の赤字」問題に直面することになる。
経常収支赤字国では、事後的には国内の貯蓄−投資バランスが、貯蓄過小〔投資超過〕となる。この結果、デフレが自動的に解消するのではないかとする 見方がある。しかし、問題は、事前の貯蓄−投資バランスと、その結果、決定される均衡所得水準にあることを忘れてはならない。中長期の供給力が低下し、交 易条件が悪化する経済では、物価上昇が仮にあるにしても、それは均衡所得水準の低い「低位均衡」における、望ましくない物価上昇を意味していよう。
また、国内貯蓄の過小傾向が強まるといっても、民間部門で強まるのか、それとも政府部門で拡大するのかによって、政策的な意味合いは異なったものとなる。さらにいえば、民間部門の中でも家計部門の過小貯蓄傾向が強まるのか、企業部門なのかという問題がある。
家計部門と企業部門の間では、部門間の貯蓄代替がある程度働いているようである。仮に、民間部門と政府部門の間でも貯蓄代替は働くとすれば、民間で 貯蓄が過小になるにつれて、政府部門で貯蓄が増加し、財政赤字は縮小傾向を示すはずだ。しかし、民間部門と政府部門の間で貯蓄代替がどの程度有効に働く か、不確実性が高い。
期待成長率低下は、実質長期金利を押し下げるように働くであろうが、財政赤字の持続によるリスクプレミアムと国内貯蓄−投資バランスの面からは、実 質長期金利は上昇しやすい経済になるであろう。過大な政府債務残高を考慮すると、財政部門は、金利上昇によって不安定化領域に突入するリスクが高まること になろう。
(日本経済研究センター 理事長)
【参考】 ・第37回改訂中期経済予測(2011−2020年度)(6月14日) 「全原発停止なら年7兆円の経済損失も―火力代替で17年度にも経常赤字に」 ・日経センター政策提言 「日本経済の再設計 震災を越えて」シリーズ
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04. 2011年6月29日 23:16:43: Pj82T22SRI

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110627/221140/?ST=print日経ビジネス オンライントップ>企業・経営>横田尚哉のFAで考える日本再生

「芥川龍之介」と「ランチェスターの法則」と腹八分大作戦


2011年6月29日 水曜日横田 尚哉

増税なき復興のシナリオ

 前回のコラムに「腹八分大作戦」のことを書いた。限られたリソースを仲間内で奪いあっている場合じゃない、ということを述べさせていただいた。自由競争社会が今の日本を押し上げたことは事実であるが、今は余りにも自分かってな社員と企業が多すぎる。
  自分さえ良ければ、隣の人がどうなっても構わないという考え方は、長期的な展望を見ることの出来ない視点の低さと、人としてのモラルの低さを公言している ように見えて仕方がない。そういう人は、芥川龍之介が『蜘蛛の糸』を通して子供たちに伝えたかったことを理解できなかったのだろう。
  日本再生に、児童文学書は必要ないかもしれないが、せめて『ランチェスターの法則』は理解しておいて欲しい。私たちは今、個々の戦術で戦う第一法則ではな く、組織の戦略で戦う第二法則を使わなければならないのだ。個々が同じ目的を共有して自立しながらも有機的に連携された活動が必要なのである。
 そこで、まず企業や公共事業における腹八分大作戦について論じてみる。ファンクショナル・アプローチを活かせば難しい話ではないのだ。そして最後に、経済循環のFASTダイアグラムから見た、お金の循環のさせ方について述べている。
企業における腹八分大作戦
 企業活動において、利益追求は重要なタスクである。利益は、どのように生み出しているかを確認しておきたい。式で表せば、(利益)=(販売単価―原価)×販売量となる。図で表せば、もっと分かりやすくなるだろうか。
  利益拡大には、3つの方向がある。《販売単価を高める》方向、《原価を下げる》方向、そして、《販売量を伸ばす》方向である。どの方向に進めるかは、ビジ ネス・モデル、ビジネス環境に応じて、戦略的に選択していかなければならない。たとえば、《販売単価を上げ》たり、《販売数を伸ばし》たりすることが困難 な厳しい環境下にある場合では、自ずと《原価を下げる》方向が重要になってくる。
  実は、この3つの方向の上位ファンクションは全て同じなのである。これがファンクショナル・アプローチの特徴だ。「何のために《販売単価を高める》のか」 「何のために《販売数を伸ばす》のか」「何のために《原価を下げる》のか。」すべて、《利益を増やす》ためという答えにたどり着く。
 つまり、企業経営者が《利益を増やす》ことを考えるのなら、その手段の達成のための戦略が必要となる。達成に対して目標を与え、評価を与えることになる。それが社員のモチベーションとなっていくのである。

 ところが、残念な企業が多いのだ。《販売単価を高め》たり、《販売数を伸ばし》たりすると、業績として評価に直接反映されるのに対して、《原価を下げ》たとしても間接的にしか評価されないのだ。これでは、積極的に原価を下げようとしなくなる。
  そこで、ある企業の例を紹介したい。その企業では、ファンクショナル・アプローチを使って、いろいろと改善提案を行なっている。改善するのは社員自らであ る。業務部門も管理部門も行っている。関連企業にも波及させているのだ。わずか3年間で数万件の改善提案があるという。ファンクショナル・アプローチを正 しく使うと、専門家でなくても面白いほどに改善されていくのだ。
  そして、改善提案毎に改善額が算出され、管理担当に提出され、累積されていく。この仕組なら、販売単価をあげても、原価を低減しても、改善効果として足さ れていくのだ。改善提案を金額に換算すると数百億円に上るという。そして、組織単位、人単位で集計され、組織評価、人事考課に活かされているのである。そ の結果、社員はこぞって改善活動に取り組んでいるのだ。
 原価を下げることは、我慢をすることではなく工夫することなのだ。だから、経営者は社員に対して、我慢させないで工夫させなければならない。その仕組が必要なのだ。それが企業における腹八分大作戦だ。
公共事業における腹八分大作戦
 公共事業では、1997年をピークに10年間で5〜6割にまで建設投資予算が削減されてきた。いくつかの事業は、倍の時間を掛けることになった。またいくつかの事業は、規模を半分にすることになった。予算に合わせて整備率を落とさざるを得ないということだ。
  私は、そういう公共事業に対しても、腹八分大作戦を提案してき。つまりこうだ。ファンクショナル・アプローチ(公共事業では設計VEという)による改善プ ロジェクトを行なう。経験と知識のあるメンバー7、8人が集められる。日数は4、5日間だが、その間他の業務は行わない。FASTダイアグラムを含めた決 められた手順にしたがって行なう。
 そして、事業費の削減を行なうのである。規模、内容にもよるが10〜30%の削減が出来る。例えば、『情熱大陸』で取り上げられた事例(2010年3月に放映)で言えば、30億円の事業を20億円に改善できることが分かった。つまり、33%の削減だ。手段そのものを変えているので、提供すべきファンクションは維持されている。
  この作業を他の事業にも実施していく。そうすることで、次のような式が成り立つのである。2件×30億円=3件×20億円だ。2件分の財源で、3件分の事 業を行えるようになる。つまり、リソースの再配分が可能になるのだ。しかも、提供すべきファンクションは、増えるのである。2件×100%<3件 ×100%だ。

  2010年度の建設投資総額は、約40兆円である。10年間同じ水準とすると、約400兆円だ。ファンクショナル・アプローチを活用して、10%分、約 40兆円があれば、東日本大震災の復興費用にリソースを再配分できるのではないだろうか。国も、地方自治体も、企業も、知恵を絞って、腹八分大作戦を実施 していくべきである。「増税なき復興」は、不可能ではないのだ。
経済循環における腹八分大作戦
  個人や企業の活動で欠かすことができないものは、「経済循環」である。身体が活動するときに、血液循環が必要なのと同じである。東日本大震災の時に、「過 度な自粛は控えるべきだ」と指摘された理由は、経済循環が滞ることになるからなのである。常に循環している経済があるから、人も企業も健康でいられるので ある。
 もちろん、個人も企業も自らの健康状態を保つために、それぞれが自立している。経済循環の意識がなくても、全く問題はない。自社に関わるマーケットを見ていれば、企業も成長し、顧客も満足していく。身体の各部位も同様である。
  しかし、特定の部分の不具合が全体系に悪影響を与える事態が起こったときは違う。身体の何処か一部が損傷した場合を考えてみたい。修復するためには、様々 な部分でストックしていた修復材料が血液に乗せられ、患部に集められていく。全ての栄養素を出しきってしまうと、その部分が生き延びられなくなるので、あ くまでストックの一部だ。
  経済も同じである。各地域、各企業、各業界は、収入と支出の中で消費活動と投資活動が行われ、その結果、資源をストックしたりフローしたりしている。それ らが経済循環となって、各地域、各企業、各業界を巡っているのである。その一部に問題が生じた場合は、この経済循環に関連する全地域、全企業、全業界が、 協力しなければならない。

 さて、2011年3月に発生した東日本大震災は、どうだろう。この経済循環のシステムが活かされているだろうか。折角、フローされた資源が、途中で別の地域、別の企業、別の業界のストックになっていないだろうか。それでは、肝心の患部に届かない。
  性善説に立場にたって理想論、精神論で話をすれば、簡単である。しかし、性悪説の立場にたってみれば、このシステムは機能しない。高度経済成長下ならとも かく、私たちは経済低迷の苦悩からまだ回復していない状況にあるから尚更だ。精神論では賛成できても、現実的に応じることが出来ないのが実態である。だか ら、仕組みが必要となる。
 そこで、ファンクショナル・アプローチで考えてみたい。
経済循環をファンクションで分析する
  ファンクショナル・アプローチでは、すべての行為をファンクションで表現する。ファンクションとは、役割、効果、効用、働きといったものであり、名詞と他 動詞の2語で表現していく。専門用語を単純化、抽象化していくことで、先入観、固定観念に囚われずに本質を見ていくことができる、アメリカで発案されたも のである。
  では、経済循環というものを考えてみる。これは、《お金を循環させる》と言い換える。とりたてて、意味が変わっているわけではないが、他動詞が名詞から独 立することで、単なる名称から、達成の判断ができる手段になる。つまり、「経済循環」という行為は、お金が本当に“循環”しているかどうかが判断基準にな る。ただ流れるだけではないということだ。
  個人であれ、企業であれ、収入と支出がある。会計上の区分で考えるのではなく、手段と捉えていけば、その役割がつかみやすい。「その手段は何のためか」 「その手段は何の役に立っているか」と問いかけていくのである。それを整理したものがFAST(Function Analysis System Technique)ダイアグラムである。このダイアグラムの右端に並んでいるものは、私たちが直接関わっている現実的な手段である。お金の出入りは、概 ねこのどれかに該当する。

 このFASTダイアグラムを見て気づくところがある。手放す側に積極志向となるものと消極志向となるものに分かれるということだ。それは、蓄える側にも同じことが言える。経済循環の仕組みを考えるときに、重要なポイントがここにあるのだ。
  東日本大震災の復興、再興を考える場合、積極的にお金が集まる仕掛けが必要なのである。提供者の好意に依存した贈与や寄付は、素晴らしいことだが、計画論 としてそれに依存することはできない。法律や行政上の強制権を使った税金や割当も、公平性、透明性、正当性を示すために相当の労力が強いられる。

  したがって、長期的に効果があるものは、投資活動や売買活動である。この活動によって、お金を循環させることにほかならないということだ。たとえば、福島 県の未来を考えるのであれば、福島県に投資するべき価値を見いだす戦略が、まず必要なのである。福島県の強みを活かした戦略が見つかれば、企業は積極的に 投資を始める。
 私は今、福島県の未来の価値を創造するために、新しくプロジェクトを開始したところである。たくさんの情報と見識ある専門家を集めたプロジェクトである。もちろん、手法はファンクショナル・アプローチである。いずれ、このコラムでも紹介していきたい。
日本再生に必要な投資
  最後に、日本再生に必要な費用について、整理しておきたい。阪神淡路大震災では、10年間の復興費は16兆円かかったとされている(兵庫県)。東日本大震 災では、36.7兆円という予測がされている(内閣府経済社会総合研究所)。しかし、そういった直接的な費用だけではなく、間接的な費用も考えていくべき だ。なぜなら、復興するまでの間の機会損失は、企業や個人の資産を消耗していることになるからだ。だからまず、再生費用として次のようなものを挙げてみ た。
●社会資本復興費(道路、河川、港湾、鉄道、水道、ガス、宅地、役場など)
●民間資本復興費(職場、施設、労働力など)
●個人資産復興費(土地、家屋、車両、家財など)
●産業復興費(農業、林業、水産業など)
●障害除去費(瓦礫、放射能汚染除去・洗浄、原発廃炉など)
●社会損失費(地域経済、国内経済、国際経済など)
●健康回復費(医療、精神面、心のケアなど)
●信頼回復費(広報宣伝、地域振興など)
  これらの復興費用の総額は、一体いくらになるのだろうか。気になったので試算してみたが、私の概算によると10年間で100兆円をかるく超えてしまった。 100兆円とは、日本の国民総生産(GDP)の2%相当分(530兆円×2%=10.6兆円)を10年間、確保し続けた数値である。
  例えば、東北6県の2001年から2010年までのGDPは、統計局のデータによると約420兆円である。これからの10年間、同じようなGDPは期待で きない。そして対GDP国民負担率も、震災前の35%(財務省)というわけにはいかないだろう。そうすれば、約150兆円あった国民負担も大幅に減ること になる。
 復興が出来たとしても、それでは未来は創れない。30年後の子供たちもが、楽しくなれる未来が必要だ。新しい未来に向けての投資もしていかなければ、再生は出来ない。そのためには、戦略立案、公共投資、産業投資、民間投資、そして個人投資が不可欠である。
 これらを合わせた費用は甚大だ。その負担は、国や地方自治体、企業、地域、そして個人となる。突き詰めれば、GDPから何らかの手段を用いて捻出することになる。巷では手段の議論が活発なようであるが、私たちに遠回りしている余裕はないことは確かである。
 かかる費用はいくらでも大きく計算できる。だから、私は主張したい。まずファンクションを正しく捉えて欲しい。「それは誰のため?」「それは何のため?」と問いかけて欲しいのだ。「その行動はベターな方法なのか?」「もっと他に方法はないか?」
 必要な費用は、足していくものではない。引いていくものなのだ。
 次の図は、私たちの進むべき方向を示した図である。問題解決を説明するときに、私が講演などでよく使っている図である。最小のリソースで最大の効果を得る手段を考えるためには、これまでの手段に囚われずに、本当に目指したいところを捉えるべきなのである。
 今こそ、30年後の未来のために、知恵を集めるべき時であると切実に思う。

横田尚哉のFAで考える日本再生
  2011年3月11日の東日本大震災は、日本と日本人にとって大きなダメージを受けた。とりわけ、被災された地域の住民や企業は、深刻である。地域や経済 はこれからどうなるのか、生活やビジネスはどれだけ影響をうけるのか、予測もつかないだろう。今、とてつもない不安に苛まれているのではないだろうか。 私たちは、これまで幾度となく自然災害を経験し、なんとか乗り越えてきている。その度に技術力、結束力を発揮し、経験と知識を活かしてきた。今回の大震災も、きっと乗り越えることが出来るに違いない。私たちは、今なおそのための努力を日夜しているのだ。  しかし、そんな程度でいいのだろうか。乗り越えることで、私たちの不安は解消されるのだろうか。乗り越えた後の地域は、日本は、それでいいのだろうか。何 かが足りなくはないか、どこかを変えなければならないのではないか。 筆者は20年以上にわたり、社会づくりのためのコンサルタントをしてきた。公共事業や民間事業、政府や企業や個人に対して、ファンクショナル・アプローチ をつかって障害を乗り越えるお手伝いをしてきた。先入観や固定観念にとらわれない未来を創造してきた。 いまこそ、そのスキルを日本のために使いたい。国・地方自治体、企業、個人にいたるまで、日本再生に向けて、戮力協心のときが来た。この連載を通して、様々な角度から、論じてみたい。
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横田 尚哉(よこた・ひさや)
株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長。顧客サービスを最大化させる経営改善コンサルタント。世界最大企業・GE(ゼネラル・エレクトリック)の価値工学に基づく改善手法を取り入れ10年間で総額1兆円の公共事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。「30年後の子供たちのために、輝く未来を遺したい」という信念のもと、そのノウハウを潔く公開するスタイルは各種メディアの注目の的。人間ドキュメンタリー番組「情熱大陸」(毎日放送)にも出演し大きな反響を巻き起こす。全 国から取材や講演依頼が殺到し、コンサルティングサービスは約6ヶ月待ち。「形にとらわれるな、本質をとらえろ」という一貫したメッセージから生み出され るダイナミックな問題解決の手法は、企業の経営改善にも功を奏することから「事業改善」「チームデザイン」「組織改善」の手法としても注目が高まってい る。著書に『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》』(ディスカヴァー刊)がある。


05. 2011年6月30日 17:27:14: 2gmOFcqges
あの、現在の経済学では、「どの程度まで財政赤字が増えると、まずいのか」に答えられていないのですが。

>一定の仮定の下で、我が国財政が破綻する確率を推計した研究としては、小黒一正一橋大学准教授、櫻川昌哉慶応大学教授・細野薫学習院大学教授等による研究があり、今回の大震災後には小黒一橋大学准教授が2020年の財政破綻確率を24.9%と推計している。

 桜川のいう、財政破綻とは、デフォルト(債務不履行)ではなく、「2006年度のSAGDP比残高を上回る場合」と定義している。

以下同氏HPから引用

>破綻確率の計算方法は以下のとおりです。まず政府の目標値に沿って、今後の平均的な実質成長率と基礎的財政収支を設定します。次に成長率と整合的な金利を算定した上で、将来のGDPと債務残高(GDP比)をシュミレーションし、最後に100年後の債務残高の分布を描き、それが、骨太の方針が初めて公表された2006年度の債務残高(GDP比)上回る割合を「破綻確率」として算出しています。

 つまり、日本のような内国債の場合、原理的にデフォルト(債務不履行)はおき得ない。

 起きるのは

国債信認低下→国債価格下落(金利上昇)=日本円価値下落=インフレ

 要するに、インフレになること。 それ以上でも、以下でもない。

インフレで、円価値が下落すると、名目の国債費は、目減り。単にそれだけ。


06. 2011年7月01日 11:59:44: 1Na1hLhxgw
多額の国債残高、つまり国家の大借金をまともに増税で返したという歴史上の実例はない。

これが事実である。

日本の場合、戦時国債はハイパーインフレでチャラになった。他国のケースも大同小異。増税で財政が均衡し好転した例もない。インフレまたは徳政令で解決が図られる。


07. 2011年7月01日 19:27:58: wuiFKNWm5k
はよう円安で目減りさしてーなw
逆に円高デフレですが?

日本の長期金利が世界最低ですが?

もうこれ基軸通貨でもいいんじゃね?


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