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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/13033?page=7
■「同世代のよしみ」という感情?
団塊世代で政治家になったのは、ほかになれるものがなかったからだ。落ちこぼれだ。そもそも、全共闘世代の学生時代、激しく時の権力と戦っていた時にも、木の陰に隠れているような連中だった。自分には火の粉が全くかからないようなところにいたくせに、終わってみれば自分たちは全共闘の闘士だったと平気で言うんだ。
そういう者が常に激しい競争にもまれ人間力が問われる企業社会でリーダーになれるわけがないでしょう。にもかかわらず権力欲だけは人一倍強い。
また厄介なことにお勉強はできた。そういう人がなれるのは政治家しかなかったんだ。はまり役だった。
同じ団塊世代だからといって、彼らと一緒にされるのは迷惑で・・このように団塊世代には非常に大きな幅がある。ほかの世代よりその幅はずっと大きいと思う。だから団塊世代を十把一絡にするのは間違いだと思います。団塊政治家と企業経営者を一緒にするつもりは初めから全くない。
ただ、日本を破滅に向かわせている団塊政治家を一刻も早く駆逐するために、優れた団塊世代の企業経営者には、「同じ世代のよしみ」という感情だけは絶対に抱いてもらいたくない。
■もちろん日本銀行総裁も団塊世代
さて、日本を破滅に向かわせているのは、団塊政治家だけではない。団塊世代の中央銀行総裁の責任も極めて重い。
リーマンショック後、米国をはじめ世界が金融緩和策を実施している中で独り「動かぬ巌」を決め込み、日本経済を円高とデフレの深い淵に追い込んでいるからだ。
さらには、東日本大震災が発生しても、国債の買い取りを拒否し続け、東北地方の復興を遅らせることに一役どころか大役を買って出ている。
■日銀を賞賛してやまない与謝野大臣の狙い
『浜田イェール大学教授』が現政権で経済政策を担う大臣たちを「ヤブ医者」と呼び、とりわけ与謝野馨・経済財政大臣を手厳しく糾弾している。
与謝野大臣について非常に心配なのは、彼ほど日本銀行をべた褒めする大臣というのは他にいないくらい、日銀を擁護しすぎる点です。
「与謝野さんが2009年5月にフジテレビの『新報道2001』でノーベル経済学賞を獲ったポール・クルーグマンとの対談したときに、『日本銀行は本当にできるだけのことをやってくれている』と手放しで感謝しているんです。日本経済にとって一番与えてはいけない薬、というか薬を一切使わないという点を手放しで褒めあげているわけです・・その人の心理を推し量ると、まったく経済学を理解していないか、あるいは何らかの思惑があって日本銀行を喜ばせるために言っているか、どちらかしかないんじゃないか・・その点につき、元日銀の理事が与謝野大臣に極めて近い人だったということも影響しているのではないかと言う。いずれにしても、リーマンショックや大震災からの復興期においては中央銀行にしかるべき協力を取り付けなければならない経済財政大臣が、日銀にぼろぼろに甘い「ぼろ甘」の対応しかできないのでは、国家百年の計を考えた経済政策は打ちようがない。挙句の果てが消費税増税だ。
■米国のためのバーナンキ議長、自分と日銀のための白川総裁
そして、政府からほぼ完全な自由を与えられた日銀の白川方明総裁は、日本のようなデフレ経済に沈むのを何としても食い止めようと必死になっている米国のベン・バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長とは正反対の動きを見せる。
浜田教授は言う。日銀の組織防衛しか頭にない白川総裁の実態を暴き出している・・「バーナンキは恐慌の専門家の世界的権威と呼んでもいい人ですけど、リーマンショック後、彼が議長を務めるFRBでは大幅にバランスシートを膨らませた。いってみれば、貨幣の供給量を増やしたわけで・・それから非常に尊敬されたファイナンスの学者・マーヴィン・キングが総裁を務めるイングランド銀行も、アメリカ以上に増やしたんです。アジアでは、韓国も金融を大幅に緩和しました。自国通貨も従って下落しました。そういう国々ではこの政策が非常に上手くいっていて、少なくともその政策を続けている間は物価の下落を反転させて、不況からもある程度回復させることができた。
■今の円高は明らかに日銀の責任
ところが日本だけはそうせずに、日本は今までの金融秩序が安定しているんだからいいんだ」と主張続けたわけで・・まるで白川さんの頭の中は、眼前の花壇である金融業界さえ安定していれば、一般国民がどんなに失業してもかまわないと思っているかのように見えます。
「教えていたときには、人の苦しみもわかるような学生と思っていたが、失業、倒産の苦しみより日本銀行の組織防衛のほうが重要になってしまったのでしょうか?」
白川総裁は東大時代の浜田教授の教え子でもある。その教え子の変質ぶりに浜田教授は唖然とさせられているようだ。
日銀が今までやってきたことは、十分な貨幣を出さずに長い間、国民を金欠病にしておくということでした。ようやくやったことは、政府の蚊の鳴くほどの額の介入に対し、やはり蚊の鳴くほどの量の貨幣創造をしたということです。アメリカではこれをtoo little too late と言うようです。少なすぎるし遅すぎるんだと」三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士さんなどもいうように、現在の円高も日本銀行の責任がかなり多い。日銀の金融緩和が不十分なのです。
■昨年、日本は24兆円程度の緩和をすべきだった
「昨年11月にFRBが『48兆円の金融緩和をやる』と言いました。まだあまりやっていないからアメリカの景気もよくなっていないんですが、日本でもその半分の24兆円程度の緩和をやれればいいんですがね」
「私はアメリカの信用創造の半分まではやってほしいというふうに言ったんですが、それでも効かないかも知れない。だったらそれ以上使っても一向にかまわない」
「それに、為替介入で円高対策をやるといろんな国からの反発を招く。だから金融政策でやってくれたほうがいい、と思います。しかし自分の国物価のことは自分の国の金融政策で対応するのが変動制下の基本的なルールです」
日銀の白川総裁は以前から量的緩和に反対してきた。それはリーマンショック、東日本大震災という大変化が起きても、米国や英国、その他の国々が次々と量的緩和に乗り出しても、最も必要な日本ではそれが起きない。
その頑なさは見上げたものである。ますます持論に酔いしれているようにさえ見える。円高、デフレ、そして挙句の果ての消費税増税によるさらなるデフレの深刻化と企業倒産の増加など、全く関知していないかのようだ。
■日本オンリーでカビの生えた日銀理論に固執
「日本の新聞が日銀批判を語らない理由」では、日本経済のことよりも組織の防衛を優先するようになった白川総裁が所属してきた日銀という組織の異常さをえぐり出している。浜田教授は次のように言う。
日銀総裁には審議委員等をはじめ取り巻きがたくさんいます。白川さんの演説の草稿を書いている人たちはおそらく今も非常に古い、日本だけにある『日銀理論』に凝り固まっている・・官僚っていうのは一人では動きません。組織で動きますので、なかなか臨機応変には変わらないんですよ・・だけど、今のような状況になってくると、海外を強く意識するようになるんです。海外がみんな金融緩和をするので、俺たちもちょっとだけやっておこう、という発想になる。
■日銀を決して批判しない大手メディア
要するに、海外でやっているのに日本だけやらないと、ものすごく批判を食らう可能性があるなと考えちゃう。だから海外の政策をまねるという発想はちょっとはあるんですが、『今までの判断が正しかった』という発想を直すまでにはなかなか・・
「民主党政権になってから、記者クラブ制度というのは一部では開放されつつありますが、日銀なんかは以前のまま、クローズドな記者クラブなんです。つまりメディアの人間なら誰でも入れるっていうわけじゃなくて、大手の新聞・テレビの記者だけなんです。「ジャーナリストだから」と行っても取材できない仕組みになっているんですね。こんな記者クラブ制度を持っている国なんてほとんどないんですよ。
■日銀クラブは記者クラブではなく学校だった
以前は、日銀クラブの会見に総裁が出るときには、全員で「起立、礼」をして迎えていたんです・・本当です(笑)。それはかなりおかしな光景です。もう取材対象者と取材者ではなく、学校の先生と生徒の関係です。記者たちが「教えてください」っていう態度ですから」「そんな関係ですから、日銀クラブの記者たちが日本銀行に対する批判をすることはない。とにかく、教えてもらわないと記事を書けないという、先生と生徒の関係以上の従属関係にあるわけです。
与謝野馨・経済財政担当大臣をはじめ今の政府からの手厚い保護を受け、本来は荒くれ者の集団であるはずの記者たちからは先生と崇められ、自らは分厚い官僚機構に守られ、そして真面目で勉強が大好きだった団塊世代の総裁は、少しでも自己否定につながるような量的緩和は何があっても切り出さない。これでは日本が沈没に向かうのは火を見るよりも明らかだ。
いま、日本という国がちょうど世代的に政治でも経済界でも官僚機構でも、団塊の人たちにリーダーを委ねなければならないとするなら、それは、学生時代に木の陰に隠れていた人でも、学生運動はそっちのけで勉強に励んでいた人でもないのだろう。
■今の日本に必要なのは大胆な成長戦略のみ
自己破壊も厭わない激しかった全共闘のリーダーを見てきた同世代のそんな人たちは、恐らく自己の矮小さを思い知り、矮小な考えと行動にだけ生きる道を見つけてきたに違いないからである。少なくとも次の選挙では、私たちはこのことを肝に銘じて投票所に行かなければならない。
今の日本に必要なのは、そんな矮小な人たちの頭には決して思いも浮かばないような大胆な政策ではないだろうか。
例えば、40兆円でも50兆円でも復興債を発行して日銀に買い取らせ、東日本だけでなく日本全体の経済復興を図る一方で、当然の帰結として円安誘導する。東北自動車道は片側4車線に拡幅して速度は無制限にする。もちろんフリーウエー化が前提だ。気仙沼には世界最大の超近代的な漁港を作る。
増税などはもってのほか。逆に所得税減税を断行して経済成長を促す。住宅は今の平均面積の2倍以上を目標とし、一般の生活道路なども2倍以上に拡幅する。
■すでに国内の生活産業まで日本に見切りをつけ始めた
その結果、人々の生活が向上して活動が活発になり、CO2の増加が心配だというCO2の取引税で欧米企業に利益を誘導したい人のためには、徹底した世界最先端のエコ住宅規制を導入する。原発はやめ、地域に大量の温泉を併給できる地熱発電所を作り、世界中の観光客が素晴らしい温泉とそれに付随する日本ならではの癒しサービスを求めて集まるような産業を興す。地熱発電の技術は日本が世界一なのだからそれを生かさない手はない。
大胆なプランを実現するための、ちまちました計算は矮小なプラン作りが得意な人たちに任せておけばいい。こうした経済刺激策の乗数効果が最も有効に働くようなバラ色の数字を作ってほしい。今の日本には明日、さらに豊かになるという夢のある建国の方針こそ必要である。
それなしに日本の沈没は絶対に避けられない。国際化した輸出産業はもう日本に残る意義を失ってしまっている。それだけではない。国内向けのサービス産業でも才覚のある企業なら、衰退の一途にある国内に見切りをつけ、海外を目指す。実はそんな流れがもう始まっているのだ。(抜粋)
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