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財源論(小幡績)
http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/250.html
投稿者 otoppi 日時 2011 年 6 月 23 日 10:11:13: cUHXG0u8x2am6
 

財源論
アゴラ 小幡績ブログ
http://agora-web.jp/archives/1347597.html#more

しかし、菅首相はともかくすべての経済学者やいわゆるエコノミストは頭が悪いのではなかろうか。

復興費用について、財源論を行っている。国債では先送りで、財政破綻懸念が生じる。だから消費税。いや、今、そんなことをしたら景気が悪くなる。だから、もちろん国債。さらにそれを日銀に引き受けさせて、インフレになれば、一石二鳥。

いや、良識的なポピュリストは、税は厳しいから、今後の増税スキームを議論しつつ、国債発行。そして、国債の暴落懸念から、財政規律をはっきりさせるために、復興債という形にして、ほかの国債とは別に償還を短期にするなどと議論。これはきわめてまっとうだが、そんなにまっとうな議論をこの危機にするなら、普段からしてほしい。

なぜ、復興のときだけ、財源論をするのか。

いや今からでも間に合うか。財源論、いや財政論をするか。
一番おかしいのは、これまでの国債および国債市場である。

国債市場は、買い手のひずみであるが、まもなく買い手は力尽きるから、このひずみは解消され、リスクに見合った価格となるであろう。

問題は、制度である。

財務省は、財政規律を保つのに全力を上げているはずだが、明らかな制度上の矛盾がある。

それはいわゆる建設国債と特例国債(赤字国債)の区別である。かつては、この区別は厳密だったが、政治的な圧力により、国債発行額が急増するステージごとに、この区別の堀はひとつずつ埋められていった。

いまや、補正予算や景気刺激策と打ち出される財政出動においても、裏に公共事業など、投資と呼べる資産への支出のある場合の建設国債と特例国債との区別は形式的になってしまった。国会で特例国債は毎年決議しなければならない、という点が最後に残された違いである(これは重要ではあるが)。

しかし、一般には知られていない(知っていなければならない)逸脱は、国債の償還ルールにおける建設国債と特例国債の違いである。

改めて述べると、建設国債の場合は、10年国債であっても償還は60年償還ルールとなっている。つまり、建設国債により調達された資金は、道路など経済や社会において公共的な資産になるものへの支出となるから、単にカネをばら撒くのではなく、資産が残る。だから、償却、つまり返済も長期にゆっくりでいいのではないか、ということで、10年満期で発行しても、借り換えが認められており、償還は60年とされている。60年とは、多くの公共事業により作られたものの寿命の平均にあわせたものだ。

一方、当然、特例国債(赤字国債)は、毎年の経費を借金で手当てしたものだから、その年に消費してしまうものである。だから、当初は借り換えは当然認められていなかった。しかし、昭和60年以降は、借り換えが行われるようになり、償還も建設国債と同じ60年ルールが適用されている。借り換えもおかしいが、それを60年という建設国債と同じにするとは妥協としては度が過ぎている。

この矛盾は、昔私が大学を出るころはクラスメイトのほぼ全員が知っていたが、今の有識者たちは、知らないふりをしているようだ。

知らなかろうが、ふりだろうが、どちらでもいいのだが、少なくとも、復興財源について、厳密な償還財源を求めるのはおかしい。1000年に一度の危機で、東日本を復旧ではなく、抜本的に復興させるための支出であるから、以前私が提案(東日本復興開発銀行)したように、100年償還でいいはずだ。

むしろ、しっかり財源を確保すべきは、特例国債のほうであり、復興債に借り換えを認めないなら、特例国債の借り換えを禁止するほうが先だ。

つまり、今国会で成立しないと国が破綻すると騒いでいる特例公債法案は国会で否決すべきなのだ。復興財源の確保における財政規律の議論よりも遥かに優先させるべきだ。

本気で財政再建を考えるのであれば。

だから、やっぱり東京の人々は、復興をネタに自分に都合のよい議論をしているだけなのだ。この機に乗じて。

菅、橋下と経済学者は同じようなものなのだ。  

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コメント
 
01. 2011年6月23日 10:28:55: Pj82T22SRI
>特例公債法案は国会で否決すべき

倫理的には、その通りだが、赤字国債歳借り換え分の、財政支出が不可能になるから、
行政機能が喪失することになり、その皺寄せは、第一に行政サービスに頼る弱者に向かうことになる。
そして株や国債など金融市場の混乱を通じて、世界経済にも、かなりのダメージを与えることになる。

まあ、それでも米国の上限問題に比べれば世界への影響は小さい

最悪なのは、日米欧のソブリン破綻と中国のバブル崩壊が連動したときだな。
確率は非常に低いが、それに日本の東南海巨大地震+原発事故が加わったら、
日本は、かっての世界恐慌どころではないダメージを受けそうだ。


02. 2011年6月23日 10:39:29: Pj82T22SRI

特例公債法不成立で7月以降、予算執行停滞 10月以降には支出停止も
 
 平成23年度予算関連法案のうち赤字国債発行を認める「特例公債法案」の年度内成立が絶望的となる中、財務省は対応の検討を急いでいる。当面は、税収や年間で最大20兆円発行できる政府短期証券でしのぐ考えだが、7月以降に資金繰りが困難になり、10月以降には予算支出が停止する恐れがあり、国民生活に重大な影響が及ぶのは必至だ。

 「予算案と一体で年度内成立を目指す」。野田佳彦財務相は23日の衆院予算委であくまで成立をあきらめない姿勢を示したが、情勢は厳しい。

 社民党が22日に法案に反対する方針を決定。自民党、公明党がすでに反対を決めており、野党が多数を握る参院での否決は事実上確定したが、社民党の反対で、衆院の3分の2以上の賛成による再可決の道も閉ざされた。

 使途を制限しない赤字国債の発行は、財政規律をゆがめるため、財政法で禁じられており、特例法を毎年度成立させる必要がある。

 成立しないと、来年度は38兆2千億円の赤字国債発行に加え、独立行政法人や特別会計の「埋蔵金」2兆5千億円の繰り入れもできなくなり、一般会計総額92兆4千億円のうち44%の40兆7千億円の穴があく。

財務省は例年、税収が国庫に入るまでのつなぎのため、年度初めなどに政府短期証券を数兆円程度発行しており、来年度も4月に入ってすぐに予算の執行が滞ることはない。ただ、6月には、地方交付税の配分や年金支給で支出が膨らみ、7月以降に予算執行が滞る恐れがある。

 来年度予算案の歳入は、税収や建設国債発行など赤字国債以外の財源の裏付けがあるのは、51兆7千億円にとどまる。22年度は10月末に予算執行額が51兆9千億円に達しており、来年度も同時期に使い切ってしまう可能性がある。

 しかも51兆7千億円のうち21兆5千億円は、過去に発行した国債の利払いや償還に消えるため、医療費の国庫負担や生活保護といった社会保障に必要な予算に支障が出かねない。

 つなぎ役の短期証券は、「あくまで資金をつなぐための手段」(財務省幹部)で特例法案が成立しないと、10月以降は返済の裏付けがないため、発行できなくなり、予算執行が完全に行き詰まる恐れがある。


03. 2011年6月23日 14:57:05: PPAJr6WqwQ
税金も国債も国民経済から資金を吸い上げるということでは同じ。
国債は自発的な資金の提供であるのに対し、税金は強制的な資金の提供であるという違いだけだ。

国債は、日銀券と同じで一種の信用貨幣である。
国債と言う貨幣は、政府支出を裏付けに発行されるものである。

一方日銀券は銀行の信用創造で発行されるので、民間経済活動を裏付けとして発行されている。

赤字国債であろうと建設国債であろうと、政府がそれで集めた資金を確実に支出するのであれば経済にとってはプラスマイナスゼロである。
これだけではインフレにもデフレにもならない。

つまり国債か税金かという集め方によって経済が良くなったりするのではなくあくまで支出の内容である。

国債の発行に歯止めをかけているのは国民のモラルハザードを招くような支出をさせないためである。
官僚の天下り組織の支出などはモラルハザードの最たるものであり、こんなものは国債が財源であろうと税金が財源であろうと認められない。

復興のための支出は、補償金であろうと事業資金であろうと確実に支出されるのであり、モラルハザードを生じないように使われるならいくらでもよい。

貨幣発行権のある国にとって財源には何の意味もない。
使い方にこそ意味がある。


04. 2011年6月24日 05:11:08: sOM5kQDn1w
財政赤字がほんとにきつかったら、新円発行してデノミにするだろう。

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