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技術革新やコスト削減も万能ではない
国内雇用にとっては300万台維持や雇用拡大は有難い話だが
トヨタもGMのように見栄をはり、無理して国内生産にこだわると、
ライバルに付け込まれ、命を縮めることになるだろう
創業一族社長が会社を傾けることになるか
http://jp.wsj.com/Business-Companies/Autos/node_252803/?nid=NLM20110622
コスト20%削減すれば80円の円高でも競争可能=トヨタ新美副社長
2011年 6月 22日 11:09 JST
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【豊田市】トヨタ自動車の新美篤志副社長は21日、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、円の対ドル相場が過去最高値近辺にある中で、生産技術の簡素化と支出削減で、利益を確保できるコンパクトカー輸出を行いたいと述べた。
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Justin Sullivan/Getty Images
新美副社長はコストを20%程度削減できれば、(対ドル相場が)80円でも完全に競争できるとし、この水準で日本で生産した新型車を2013年までに競争可能なものにしなければならないと語った。また、同社は13年には、燃費が向上した、低排ガスの次世代車をどこで生産するかも決めなければならないという。
トヨタはこれまで、1ドル=90円以上の円高ではコンパクトカーの輸出で利益を上げられないとしていた。同副社長の目標は日本国内の17工場の新しい基準となる。
トヨタは、世界販売台数の半分近くを日本で生産しているため円高が打撃となる。ライバルのホンダと日産自動車では、国内生産比率は25%程度にとどまっている。
この円高を背景に、少なくとも年間300万台は日本で生産するという豊田章男社長の約束が果たして賢明なのかという議論が起きている。財務や販売を担当する取締役たちは国内の生産基盤をそのまま維持する余裕があるのか、と疑問を呈している。
同社は過去10年間、劇的なコスト削減をし、価格の低い部品を使用することによって、国内の雇用を維持してきた。しかし、これが質の低下を招き、リコール(回収・無償修理)の増加につながったとする批判もある。09、10年の大量リコールを受けて同社は再び品質を最優先課題とすることになった。
一方、日本自動車工業会の会長を務める志賀俊之・日産自動車最高執行責任者(COO)は20日、ドル相場が80円近辺にある限り、自動車輸出で利益は得られないと述べた。
世界生産を担当するトヨタの新美副社長は、日本の工場の閉鎖計画はないと言明。一部の過剰生産能力は需要が上向いた場合に備えて保持し、組み立てや部品設計などで新技術を導入してコストを削減すると述べた。この点でカギとなるのは新美氏が「ネット・シェイプ」と呼ぶ、主要パーツ製造に必要な手順の削減だ。例えば、トヨタとその部品メーカーは車体に用いるパイプについて、精密中ぐり盤を使わないでもすむように生産設計を簡素化した。
同副社長はまた、ガソリンエンジンと電気モーターをより良く統合することによって、次世代ハイブリッド車「プリウス」のパワートレインのコストを半分にする計画であることを明らかにした。
それでもトヨタは国内生産に限界があることを認めている。新美氏は円高の悪影響を回避する方法として、中国での合弁会社からの部品輸入を増やすことを計画していると述べた。現在の合弁会社製部品の使用は「最小限」にとどまっているという。
トヨタは3月11日の大震災で受けた打撃から急速に回復してきた。豊田社長は先週、7月には世界中の工場が通常の稼働率に戻るとの見通しを示した。新美氏によると、転倒防止センサーの供給が依然逼迫(ひっぱく)していることからスポーツ用多目的車(SUV)の「RAV4」と「レクサスRX」の生産はまだ制約があるという。震災による生産台数の影響は90万台程度であるという。
米ミシシッピ州ブルースプリングズの新工場については、10月には操業を開始するとの見通しを示した。同工場では当初プリウスを生産する計画だったが、最終的にコンパクトカーの「カローラ」が生産されることになった。新美氏は、新型のプリウスも米国で生産することを検討していると述べたが、場所や時期などの詳細は示さなかった。
記者: Chester Dawson and Yoshio Takahashi
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