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http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_252584
共和党が主張する財政支出の「雇用破壊」効果
=ブラインダー元FRB副議長
2011年 6月 21日 22:00 JST
「(経済学者が政治哲学者の)思想は、それが正しい場合も誤っている場合も、通常考えられている以上に強力である。実際、その他に世界を支配するものはほとんどない」―英国の経済学者ジョン・メイナード・ケインズが残した名言だ。私は今、ある一つの非常に誤った思想が引き起こしかねない被害について懸念している。それはケインズの教えとは全く異なる、「財政支出が雇用を破壊する」という考え方だ。
イメージ Chad Crowe blinder blinder
いや、これは誤字ではない。ベイナー下院議長を含む共和党議員は定期的に「雇用を奪う財政支出」に不満を露わにしている。ちょっと考えてみてほしい。連邦政府による財政支出が増加すると、雇用は実際には減少する、と言うのだ。この筋の通らない言い分に従えば、連邦政府が財政支出を大幅に削減すれば、雇用は急増するはずである。そして、今やそう主張する人間もいる。
そのような考えに基づいて政策を行なえば、今でさえ不安定で雇用創出も決して十分ではない米国経済を危険にさらすことになるだろう。だから、こう質問しようではないか―「一体どうしたら、財政支出増で『雇用を奪う』ことができるのか?」
連邦予算の中のどの項目であれ―アフガニスタン政策、エタノール助成金、社会保障給付金、役に立たない橋の建設―について、反対する人間の言い分を理解するのは容易なことだが、重要なことではない。しかし、役に立たない橋の建設を言い出す議員も承知の通り、役に立たなくとも橋を建設すれば、雇用は創出される。雇用が破壊されることはない。確かに、このような議論は橋を建設する上で正当な議論ではない。愚かな財政支出は却下されて当然だ。しかし、財政支出が雇用を奪うからといって却下するのではない。
一般的に保守派は抽象的な意味において、政府が「大きすぎる」と考えており、それが、財政支出に断固として反対する傾向につながっている。それはそれでいいだろう。しかし、疑問が残る。政府が直接雇用を行なったり、民間企業から資材を購入したりした結果、どうやって政府は雇用を破壊することができるのか?例えば、政府がコンピューターを購入すれば雇用が奪われ、民間企業がコンピューターを購入すれば雇用が創出されるとは、一体どういうことなのか。
一つの答えとして、財政支出のためには税金を支払わねばならず、税金の支払いによって財政支出が創出する以上の雇用が破壊される、というものが考えられる。この答えは論理的には可能だが、そうするには、税金を使う方法と歳入を増やす方法について、あまりにも的なずれな選択をしなければならない。しかし、ここで問題にしているのは、税収を財源とした支出ではない。ここでの議論のテーマは、増税しないで支出を増やすという赤字財政支出である。
例えば、2009年に成立した景気刺激策に金を払った人はいない。しかし、この刺激策によって創出された雇用は実質的にゼロだと言われている。本当だろうか。この経済再生法の下で6000億ドル超が支出された結果(これに加え、2000億ドル超の減税を実施)、雇用創出がゼロだとすれば、なんというトリックだろう。一体どうすれば、これだけの財政支出と減税を行なって、雇用の増加に失敗できるというのか。実際には、議会予算局の推計によると、同景気刺激策は2010年にネットで少なくとも130万の新規雇用、おそらく330万もの新規雇用を創出したという。
第2の「雇用破壊」メカニズムは金利上昇を通じて機能する。政府が支出をまかなうために資金の借り入れを行なうと、金利が上昇し、一部の企業は投資を控える。こうして、財政支出の増加によって雇用が創出される一方で、民間投資が減少し、雇用が破壊される。
確かに、この「クラウディングアウト効果」の議論が妥当な場合もある。しかし、今日の状況においては当てはまらない。なぜなら、連邦準備理事会(FRB)がここ数年、超低金利政策を維持し、今後も継続するとみられるからだ。金利が上昇しなければ、クラウディングアウトは起こらない。
要するに、保守派は、どの財政支出計画を見ても、無駄で、非効率的で、「大きな政府」につながると受け取る可能性があるし、その他の理由で反対するかもしれない。しかし、増税で支出をまかなわなかったり、金利が上昇しないのであれば、どうしたら財政支出で雇用を奪うことが可能なのか、腑に落ちない。
最後に、今日流布している議論について検証しよう。大規模な赤字が大きな不安(例えば、赤字削減のために最後に何が起きるのか不安を感じる)を生み出し、事業投資を落ち込ませている、と言われている。こうした考え方は、プリンストン大学の同僚であるポール・クルーグマン教授が「信認という妖精(幻想)」とやゆする議論、すなわち、「財政支出を大幅に削減すれば、政策に対する信認が増し、雇用も投資も促進される」とする議論と同列だ。
純粋に論理の問題としては、その通りだろう。しかし、証拠はあるのか。そう、はっきりした証拠があるが、それは全く反対を示している。このところの設備やソフトウエアへの投資は落ち込むどころか、急増している。特に、実質国内総生産(GDP)は過去4四半期でわずか2.3%増加しただけだが、企業による設備やソフトウエアへの支出は14.7%も増加した。おそらく、不安は広がっている。しかし、いずれにしても投資は急増した。
このように証拠を集めて理詰めで説明しても、財政刺激策は雇用を創出しないと依然として言い張る人もいる。そういう人々に言わせると、雇用増のためには財政支出の削減が必要なのだそうだ。そして、思想とは影響を及ぼすものである。一つの恐ろしい影響として考えられるのは、米国経済が足を引きずっているときに、それを支える2つの松葉杖のうちの一つ―財政政策だ―が、時期尚早の歳出削減について騒いでいる間に、足元から蹴飛ばされてしまうことだ。現在、雇用情勢が緊急事態にあることを考えた場合、そんなことが起きたら悲劇だ。
しかし、米国は巨額かつ長期的な財政赤字の問題を抱えていて、それに取り組まなければならないし、取り組むのが早ければ早いほどいい、ということは否定しようがない。その結果、米国はジレンマで身動きが取れなくなっているようだ。米国は雇用創出のために支出を増やす(または減税する)と同時に、財政赤字というモンスターを手なずけるために支出を削減する(または増税する)必要があるというのだから。そんな不可能なことが私たちにできるだろうか。
実はできるのだ。例えば、最大限の雇用の創出を目的とした中規模の財政出動を行うとしよう。私が個人的に気に入っている案は、雇用を拡大した企業を対象に税額控除を実施することだが、他にも選択肢はある。それから、その刺激策と、将来の赤字を削減するための真剣な計画を組み合わせ、一つの景気刺激策として成立させるのだ。そうすれば、ある意味、財政支出と赤字削減を両立できる。
このような経済政策は夢物語ではない。私は、エコノミストの超党派グループに権限を与え、政治の介入を排除すれば、これに近い案が策定できると考えている。しかし、予算の決定はこのようになされるものでも、なされるべきでもない。一つの政党が「財政支出は雇用を奪っている」との思想に固執するかぎり、私たちはこの混乱からどのように自らを解放するのか、なかなか見えてこない。ケインズが言う通り、思想とは、正しくても誤っていても、影響が大きいのだ。
(アラン・ブラインダー氏はFRBの元副議長。現在はプリンストン大学の教授として経済学と公共政策を担当している)
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Finance/node_252414
QE2終了で何が起こる?─「何も起こらない」と米投資家は結論
MarketBeat−WSJ.comが分析する市場の今
2011年 6月 21日 13:25 JST
米連邦準備理事会(FRB)の量的緩和第2弾(QE2)が6月末に終了することで何が起こるかを投資家が思案したのは、わずか数カ月前のことだった。
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バーナンキFRB議長
Getty Images
バーナンキFRB議長
FRBはQE2の下で毎月、何十億ドルもの印刷されたばかりの紙幣を金融市場に注ぎ込んでいるが、これが終了すれば、国債価格は下落し、利回りは上昇するのか。信用スプレッドは拡大し、株価は下がり、商品価格は急落するのか。
QE2の終了を前に、投資家の一部はすでに「何も起こらない」と結論を出したようだ。
バークレイズ・キャピタルが機関投資家を対象に四半期ごとに行うグローバル・マクロ・サーベイによると、米国の金融政策は「大したものではない」と考えられている。最新調査は6月上旬に行われ、862社が回答を寄せた。
株式投資家に関しては79%が、QE2の終了自体は何の影響も及ぼさないとし、FRBがいつバランスシートを縮小させ始めるか、あるいは政策金利を引き上げ始めるかが問題だ、とした。
外国為替市場では38%が、QE2の終了はすでに市場に織り込み済みで、何の影響もないとした。債券投資家では回答企業の70%以上が、市場への資金の注入が止められても影響は限られたものだと示唆したという。
また、投資家は米国の財務政策に関して「何も心配することはない」と考えているようだ。債務上限問題がどうなろうと特に影響はないと、債券投資家の65%が答えた。
FRBにとっては、QE2の終了による不快なサプライズがなければ、それは喜ばしいことだろう。一方、投資家がQE2を何を起こすこともない施策として位置づける場合、市場は大半の人々を傷つける方向に動くという格言を覚えておいたほうがいい。
記者: Tom Lauricella
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aVLFyX8_zsUE
財務長官:超党派の債務上限引き上げ交渉で「大きな進展」(1)
6月21日(ブルームバーグ):ガイトナー米財務長官は21日、歳出と財政赤字に関してワシントンで行われている超党派の交渉で「大きな進展」がみられると述べた。ワシントンで開催されたイベントで語った。
ガイトナー長官は、議会が債務上限を引き上げる行動を取らない限り、8月2日に期日を迎えるというのが「定められた現実だ」と述べた。
同長官は、赤字削減や債務の上限引き上げ計画について、「大きな進展を遂げている」と述べ、「もう少しのところだ」と続けた。
ガイトナー長官は債務上限引き上げに自信を見せ、米国政府がデフォルト(債務不履行)に陥るといった別のシナリオは考えられないと述べ、「強いドルは常に米国の利益にかなう」とあらためて表明した。
記事についての記者への問い合わせ先:Cheyenne Hopkins in Washington at chopkins19@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Kevin Costelloe at kcostelloe@bloomberg.net
更新日時: 2011/06/21 23:31 JST
ギリシャの銀行デフォルト回避可、国債ロールオーバーでも−フィッチ
ロンドン外為:ユーロ、ドルに対する上げ縮小−独景況感指数が悪化
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ドイツの銀行、ギリシャ救済参加で債券保有者へのインセンティブ要求
英首相は欧州委員長にギリシャ支援に参加せずと伝える−米紙WSJ
サントリー:ハイブリッド証券217億円発行へ−M&Aに活用も視野
ドイツ:6月のZEW景況感、マイナス9に悪化−2年半ぶり低水準
【M&A潮流】ブラックベリーの加RIMにマイクロソフトが食指も
金融庁:時価主義の国際会計基準14年度の強制適用先送り方針−震災で
デリバティブ取引規制担う米CFTC委員長、金融崩壊で「考え進化」
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=amEGcx9oiiIQ
5月米中古住宅販売:3.8%減の年率481万戸、6カ月ぶり最低(2)
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6月21日(ブルームバーグ):5月の米中古住宅販売は、過去6カ月間で最低だった。
全米不動産業者協会(NAR)が発表した5月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年換算以下同じ)は、前月比3.8%減の481万戸となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値は480万戸だった。前月は500万戸(速報値505万戸)に修正された。
地域別では、全米4地域のうち3地域で減少。最も減ったのは中西部で6.4%減。
中古住宅価格(中央値)は前年比で4.6%低下して16万6500ドル。ローンが焦げ付いた住宅の比率は31%だった。
5月の中古住宅在庫は372万戸に減少。販売に対する在庫比率は9.3カ月。4月は9カ月だった。ローンが焦げ付いた物件は180万戸。焦げ付き物件が住宅価格を押し下げている。
スタンダードチャータード銀行の米国担当エコノミスト、デービッド・シーメンス氏(ニューヨーク在勤)は、「落ち込みが弱まる気配はまったくない」と述べ、「焦げ付き物件の販売が住宅価格を一段と押し下げるだろう」と指摘した。
現金取引が拡大
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は21日の記者会見で、販売のうち約30%が現金による取引だと述べた。NARは2008年8月から現金取引の比率を調査しているが、それ以前は年間平均で10%程度。現金取引の大部分は投資目的という。
記事に関する記者への問い合わせ先:Timothy R. Homan in Washington at thoman1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Christopher Wellisz at cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2011/06/22 01:41 JST
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