http://www.asyura2.com/11/hasan72/msg/217.html
Tweet |
http://jp.wsj.com/Economy/node_251377
独メルケル首相、ギリシャ救済に向けて態度軟化
2011年 6月 18日 10:30 JST
【ベルリン】独メルケル首相は17日、ギリシャ債務に絡む民間セクターの同国債保有者の救済関与問題で、ドイツ側の態度を軟化させた。これにより瀬戸際にあるギリシャの新たな支援方法をめぐる欧州各国間のこう着打開の可能性が出てきた。
記者会見 サルコジ仏大統領(左)とメルケル独首相(17日の記者会見で)
Reuters
メルケル首相は仏サルコジ大統領との共同記者会見で、いわゆる「ウィーン・イニシアチブ」―民間金融機関によるギリシャ国債の自発的な残高維持協定―が支援策の基本になる可能性があるとの見解を示した。
メルケル首相は「目標は民間セクターを自発的に関与させることだ。ウィーン・イニシアチブはよい礎であり、これを基盤としながら前進できると思う」と述べた。
ドイツ政府はこれまで、民間セクターのギリシャ国債保有者の自発的な関与では効果がないとして、国債の償還期限の繰り延べなどの方法でこれら保有者に支援の負担を強く求めるべきだと主張していた。
一方、欧州中央銀行(ECB)やそれに賛同するフランスは、自発的な残高維持を超える措置はギリシャ国債の債務不履行(デフォルト)を引き起こし、ユーロ圏の混乱につながるとして反対してきた。
こうした対立が6週間にわたるこう着状態を生み出していたが、メルケル首相とサルコジ大統領は「一刻も早く」問題を解決する決意を表明した。その上でメルケル首相は、新たなギリシャ救済に民間セクターを関与させるには、いかなる形にせよECBの合意が必要であると強調した。
「ウィーン・イニシアチブ」は元来、2009年の世界金融危機の際、東欧各国への融資継続を確認した欧州銀行間の紳士協定だ。
ECBとフランスは、ギリシャ国債を保有する民間機関が、償還期限の来た保有国債を新発債に再投資することを確約する、「ウィーン・イニシアチブ」的な自発的協定が望ましいとしている。だがこれまでドイツは、ギリシャ国債の長期保有を望む投資家はいないとして、そのような紳士協定の有効性について否定的な見解を示してきた。
今回の合意は事実上、メルケル首相がショイブレ財務相に、民間セクターの自発性を維持しながら、「ウィーン・イニシアチブ」型アプローチを成功させる方策を考え出すよう委託したことを意味するが、ドイツ政府高官は難しい宿題となると話した。
サルコジ大統領は、「今回の合意の精神は、ウィーンで合意した時とほぼ同じものと考える」と述べた。
欧州の財務相は19-20日に、民間セクター関与の基本方針を含めた新救済策の主要点での合意を目指し、ルクセンブルグで会合を開く。
ただ、欧州の政府関係筋は同日、20日までの合意は難しいと警告、歩み寄りは見られるものの、ドイツと他国との意見の相違がまだあることを理由に挙げた。
ドイツ側は、たとえ民間セクターの関与が「自発的」でなくてはならないとしても、それは「かなりの規模で、数字で示すことができ、検証可能なもの」とすべきと主張している。しかし、複数のエコノミストは、それら条件をすべて達成するのは、不可能ではなくても困難とみている。
欧州委員会は16日、合意は7月以降になる可能性があるとの見方を示した。民間セクターによる相当の関与を確保できなければ、メルケル首相は自国の連立与党内から批判にさらされることになる。
また、救済策は、ギリシャ政府が昨年の厳しい緊縮財政に加え、更なる予算削減に合意することを条件としているが、国内で緊縮財政に反対する街頭デモが拡大し、議員離脱で与党の過半数議席の維持が危うくなる中、パパンドレウ首相にとって一段の緊縮策に国民の同意を得ることが難しくなっている。
ギリシャは、昨年5月に合意された1110億ユーロ(約12兆5000億円)に加え、新たな救済を必要としている。これは当初の救済策が2012年からはギリシャが債券市場で資金調達能力を一部回復できるとの前提に基づいたものだったが、今ではギリシャ国債の信用が地に落ち、それが不可能と思われるためだ。
ドイツと他のユーロ諸国政府は今春、ギリシャ国債が債務不履行となりそれが財政難に陥っている周辺国に波及することを防ぐため、ギリシャに追加融資が必要であることを認識した。しかし、ドイツを含む北欧各国の議員や有権者の間で、救済策に対する反発が高まっている。
ギリシャでは、2012年から2014年の間に約640億ユーロの国債が償還期限を迎えるが、ドイツでは特に、民間投資家への返済に税金が使われることに反発が強まっている。そのため、メルケル首相とショイブレ財務相は2カ月近くにわたって、公的資金による救済額の減額につながるギリシャ国債償還期限の繰り延べを主張していた。
特にショイブレ財務相は6月6日付けの書簡でECBや他国の財務相に対し、「純粋なウィーン・イニシアチブ以上の、民間セクターからの数字で示せるかなりの負担」を求め、強硬姿勢を示していた。
記者: Marcus Walker and Alkman Granitsas
ムーディーズ:イタリア国債格下げ方向で見直し−債務削減困難の恐れ
6月18日(ブルームバーグ):米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは17日、イタリアの信用格付けを引き下げ方向で見直すことを明らかにした。経済成長における課題や債務削減に伴うリスク、借り入れコスト上昇の恐れを理由に挙げている。
ムーディーズは、現在上から3番目の「Aa2」格付けを付与しているイタリアの自国通貨建ておよび外貨通貨建て国債を、格下げ方向で見直すと発表した。短期債の格付けは「Prime−1(プライムワン)」で据え置いた。
ムーディーズは、イタリアについて、借り入れコスト上昇とベルルスコーニ政権への支持低下で、公的債務をより妥当な水準に引き下げるのが困難となる恐れがあると指摘した。同国が今週実施した5年債入札は平均落札利回りが3.9%と、2年半ぶりの高水準だった3月と同じ水準となった。
ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのシニア・グローバル・エコノミスト、ジェイ・ブライソン氏はインタビューで、「欧州には現在、危機が各国に波及しかねないという問題がある」と指摘。イタリアの「債務に関する力学もやや不安定に見える。イタリアはまた、成長に関する問題も抱えている」と述べた。
イタリアの債務は昨年末時点で、約1兆8000億ユーロ(約206兆円)で、国内総生産(GDP)に対する比率はおよそ119%。国際通貨基金(IMF)は17日、同国の今年の成長率は1%で、昨年の1.3%から低下するとの予測を示した。
ムーディーズは格付け見直しにおいては、イタリアの成長見通しと、同国が中期的な景気回復を妨げる恐れのある構造的な障害を取り除けるかどうかを主に検討すると説明している。
記事に関する記者への問い合わせ先:Timothy R. Homan in Washington at thoman1@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:Christopher Wellisz at cwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2011/06/18 10:37 JST
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。