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本来の契約で受け取れるはずの金額が受け取れるはずの満期に受け取れないのだから
買い手の意思に反していれば勿論、自発的にであろうが、
償還期限延長を受け入れさせた場合、デフォルト(返済猶予)とみなす
というのはECBや格付会社に限らず、普通の考えだろう
それをデフォルトとみなさないのは、都合が悪い売り手側の人間だけだな
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/20110614_01.png
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第106回 デフォルトするか否かではなく、いつするのか?(1/3)
2011/06/14 (火) 10:18
ギリシャのデフォルトが秒読み段階に入った。
この状況に至ると、予想はしていたことだが「何をもってデフォルトとみなすのか」が焦点になってくる。すなわち、ギリシャ債の買い手が自ら望まない借り換えを強いられたとき、果たしてそれをデフォルト(債務不履行)とみなすのか、否か、である。
言葉通り取ると、ギリシャ債の買い手がギリシャ政府に償還(借金返済)や利払いを要請した際に、ギリシャ側が「不可能」と宣言した場合、デフォルトとなる。ところが、今回のギリシャ問題における「デフォルト」の定義は、やや異なる。厳密に書くと、「異なる」と主張する人々が少なくないのである。
ドイツのショイブレ財務相は、ギリシャ債を保有する民間の投資家が、償還期限を「自発的」に七年間延長することを求め、
「それは、デフォルトに当たらない」
と主張しているのである。
要するに、ギリシャ債のデフォルトという話になると、ユーロ圏内のみならず、世界中の金融機関にシステマティックリスクが発生しかねないため、
「投資家が自発的に債務の借入期間延長に応じたので、ギリシャ政府がデフォルトしたわけではない」
という「主張」を、落としどころにしようとしているわけだ。
【図106−1 PIGS諸国及び日独の長期金利の推移(単位:%)】20110614_01.png
出典:ユーロスタット
※2011年6月の数値は6月10日時点
しかし、ショイブレ財務相の主張には無理がありすぎる。
図106−1の通り、ギリシャの長期金利は6月10日時点で16%を突破している。(一時は17%を超えていた)二年物国債に至っては、何と金利26%である。
これほどまでに高リスクと評価されている債権について、
「償還期限を七年間延長してくれ」
といわれ、おいそれと頷く投資家は少ないであろうし、ましてや「自発的に」などと求められても無理である。さすがに、ショイブレ財務相も「非自発的」に投資家に償還期限の延長を受け入れさせた場合は、デフォルトに該当してしまうと理解しているようだ。だからこそ「自発的に」という言葉を繰り返しているのだろうが、ショイブレ財務相のソリューション(解決策)は、肝心要のECB(欧州中央銀行)にまで「NO!」を突きつけられてしまった。
ECBの政策委員会メンバー、ウェリンク氏(オランダ中央銀行総裁)は、ギリシャの財政問題解決に際し、民間投資家の償還期限延長は「完全に自発的である必要がある」と発言している。同時に、ウェリンク氏は償還期限延長が「非自発的な貢献によって実現した場合、デフォルト状態に繋がるとわれわれは指摘する」と語った。
すなわち、EUやドイツなどが民間投資家に「非自発的」に償還期限延長を受け入れさせた場合、「デフォルトである」とECBは判断するということである。
(2/3に続く)
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