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ドル高、債権高、株安
古典的な、世界景気後退パターンだが、そうは続かないだろう
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=aCsHNK9UW.5g
米国債(10日):上昇、景気減速で株安−10年債利回り2.97% (1)
6月10日(ブルームバーグ):米国債相場は上昇。景気減速の兆候から株価が下げたことが材料となった。2年債は週間ベースで9週連続高と、2008年2月以来の長期上昇局面となった。
ニューヨーク連銀は、6000億ドルの国債購入プログラムに基づく最後の購入スケジュールを発表。6月末にかけて500億ドル相当買い入れるとしている。
ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債券トレーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏は、「景気の先行きに対する懸念が広がっている」とし、「結果として、金融当局は非常に長期にわたり政策を据え置くため、今は米国債への投資が最善だ」と続けた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時間午後4時13分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.97%。同年債(表面利率3.125%、2021年5月償還)価格は7/32上げて101 9/32。
2年債利回りは2bp下げて0.40%。週間では3bp低下した。
明らかな景気減速
ウンダーリッヒ・セキュリティーズの米国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏は、「景気が明らかに減速していることから、長期債は恩恵を受けつつある」と指摘。「株式は敬遠の動きが広がっており、大きく下げている」と加えた。
株式市場ではS&P500種株価指数が1.4%安。またニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物7月限も大幅安となった。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁はこの日の講演で、「緩やかな景気回復が持続するだろう」と予想。その上で、「最近の期待外れな経済指標は、先行きに対する下振れリスクが高まったことを示唆している」と加えた。
同総裁は商品価格の高騰や日本の大震災、米国の「厳しい天候」による影響は一過性のものであるため、景気は現在の低迷から回復するだろうと指摘。商品価格の高騰など景気への「下押しリスク」は増えたものの、「期待外れの」経済成長は改善に向かうと予想していると述べた。
景気悪化を織り込み
金利先物動向によると、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標が2012年3月までに引き上げられる確率は21%と、1週間前の24%から低下した。
ブルームバーグ・ニュースが実施したエコノミスト調査によれば、来週発表される5月の米小売売上高は0.4%減と見込まれている。前月は0.5%増だった。また5月の消費者物価指数は0.1%上昇と予想されている。前月は0.4%上昇だった。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダの米国債トレーダー、ダン・マルホランド氏は、「市場では多くの悪いニュースが織り込まれている」と指摘。「想定が低いため上向きのサプライズの余地が生じている」と述べた。
記事に関する記者への問い合わせ先:Susanne Walker in New York at swalker33@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Dave Liedtka at dliedtka@bloomberg.net
更新日時: 2011/06/11 06:24 JST
米国株(10日):ダウ平均は02年以降で最長の連続安、景気不安(1)
6月10日(ブルームバーグ):米株式相場は下落。ダウ工業株30種平均は週間ベースで約8年ぶり最長の連続安となった。世界的な景気減速懸念が株価を押し下げた。
建機メーカー大手のキャタピラーや航空機メーカー大手ボーイングはいずれも下落。このほかにも景気の変動に敏感な銘柄が売られた。石油のエクソンモービルも安い。原油相場が大幅安をつけたのが嫌気された。S&P500種株価指数の銀行株価指数は0.3%安。一時の2.2%安からは下げ幅が縮小した。CNBCが報道したところによると、大手銀を対象にした資本規制案では規制事項の緩和が検討されている。
S&P500種株価指数は前日比1.4%安の1270.98。週間ベースでは2008年以来で最長の6週連続安。ダウ工業株30種平均は172.45ドル(1.4%)下落の11951.91ドル。週間ベースで6週連続安は2002年10月以来で最長。
マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・ショール氏は、「買い手が足りない」と述べ、「経済統計の内容が景気の弱さを示唆する間は、景気の変動に敏感な銘柄は弱いだろう。さらに大手銀行を対象とした規制問題も控えている。収益性は著しく落ちるだろう」と続けた。
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今週、景気回復について「いら立たしいほど緩慢」と表現し、過去最大規模の金融刺激策を維持する必要があるとの認識を明らかにした。ただ、量的緩和第3弾を計画しているかどうかは示唆しなかった。
中国貿易収支が主因
この日は中国の貿易収支統計に反応し、世界的に株価が下げた。中国の5月の貿易黒字は、市場予想を下回る131億ドルとなった。輸入が急増したことで、同国の需要が世界経済の成長を支える可能性が示唆される一方、金利上昇圧力も高まった。
また英国で4月の製造業生産が減少し、予想以上に悪化したことも売り材料となった。ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式に伴う祝日で休日が増えたほか、東日本大震災による部品供給の不足が響いた。
UBSウェルス・マネジメント・アメリカスの最高投資責任者(CIO)、マイク・ライアン氏は、「市場参加者は一段と不安にかられている」と述べ、「一部の投資家は、経済統計の内容から景気がリセッション(景気後退)に逆戻りしていると受け止めている。景気の弱さが示されるたびに、市場関係者は普段よりも厳しい反応を示すだろう」と述べた。
モルガン・スタンレー・シクリカル指数
経済成長との関連が強い銘柄で構成するモルガン・スタンレー・シクリカル指数は1.8%下げた。構成する30銘柄のうち27銘柄が下落した。キャタピラーは2.5%安、ボーイングは2%下落した。
S&P500種のうちエネルギー株価指数は1.9%安と、産業別10指数の中で最大の値下がりだった。ニューヨーク原油先物相場は4週間ぶりの大幅安だった。エクソンは1.7%安。シェブロンは1.5%下落した。
記事に関する記者への問い合わせ先:Rita Nazareth in New York at rnazareth@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Michael Regan at mregan12@bloomberg.net
更新日時: 2011/06/11 06:54 JST
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