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ＥＣＢ総裁、当局によるユーロ導入国財政への干渉強化求める

2011年 6月 2日 20:50 JST
　
　【アーヘン（ドイツ）】欧州中央銀行（ＥＣＢ）のトリシェ総裁は2日、ユーロ圏加盟国の財政への干渉の強化を求めるとともに、ユーロ圏財務省を創設するよう提案した。

トリシェＥＣＢ総裁 AP Photo/Michael Sohn

講演するトリシェＥＣＢ総裁（26日、ベルリン）

　カール大帝賞受賞イベントに出席するため当地を訪れたトリシェ総裁は、ユーロ導入国のいくつかが債務危機に直面するなか、単一通貨圏としてのユーロ圏の状況改善を目的に、抜本的な改革案を発表した。

　総裁は、救済を受けた国が財政調整プログラムを実行できない場合、「第２のステージ」が必要になる可能性がある、と述べた。こうした措置は、「当該国が経済政策を立案する段階で、より強力な発言権をユーロ圏当局に与えるものになる見通し」という。

　総裁によると、ユーロ圏当局は「当該国の一部の経済政策決定を拒否する権利」を与えられる公算が大きい。特に「競争力を立て直すため、大型の財政支出を拒否する可能性がある」という。

　「この明日の連合において、財務省の設立を心に描くのはあまりに大胆であろうか」と総裁は述べた。

　こうした省庁は必ずしも巨額の予算を持つわけではない。むしろ、監視や拒否権発動に関与する可能性が高く、またユーロ圏を代表する国際的な金融当局としての役割を果たす可能性がある。

記者: TOM FAIRLESS

　　６月２日(ブルームバーグ):
ギリシャの債務不履行リスク、格下げで50％に高まる−ムーディーズ(1

ギリシャがデフォルト（債務不履行）に陥る可能性は、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの最新の格付けに基づくと50％に高まった。欧州当局者は昨年に続くギリシャ救済策の第２弾の取りまとめを急いでいる。

　　ムーディーズは１日遅くに発表したリポートで、ギリシャの自国通貨建ておよび外貨建て国債格付けを「Ｃａａ１」に設定し、従来の「Ｂ１」から引き下げた。欧州当局者は償還期限を迎えるギリシャの既発債の保有者に新発債の購入を通じて借り換えに応じるよう求めることを検討している。

　　ユーロ誕生から12年経った現在、欧州首脳はユーロ圏で初めて国家がデフォルトする事態を回避しようと取り組んでいる。昨年の1100億ユーロ（約13兆円）に上る救済策ではギリシャからの投資引き揚げを阻止できなかった。同国は10年債利回りが16％を超え、来年には300億ユーロの資金調達ニーズが見込まれている。

　　ムーディーズは発表文で、「こうしたリスクはデフォルトの可能性が少なくとも５割あることを示唆している」と指摘。「５年間の投資期間で、Ｃａａ１格付けの国や金融機関、金融以外の企業の５割は、債務返済義務を常に果たし、残り約５割はデフォルトしている」と説明した。

　ムーディーズのソブリン・リスク責任者を以前務めていたグラニット・スプリングス・アセット・マネジメントのマネジングディレクター、ビンセント・トラグリア氏は、Ｃａａ１への格下げで、こうした低格付け債の保有が認められていない「特定の投資家に問題が生じる」とみる。ギリシャ債を保有する欧州主要行に対する投資家の見方にも影響があるかもしれないと述べた。

　　　　　　　　　　　　　　　利回り上昇

　　10年物ギリシャ国債利回りは１日、11ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）上昇して16.15％となった。

　　一方、ギリシャ政府はムーディーズの格下げについて声明を発表し、2011年の財政目標達成への同国の取り組みや国有資産売却計画の迅速化を「見落としている」とコメント。すでに「重要な財政目標」を達成しており、中期財政計画を数日中に議会に提出すると指摘した。

　　ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興市場戦略グローバル責任者、ウィン・シン氏は今回の格下げの影響を控えめにみている。「人々は格付けをさほど気にしていないと思う」と述べた。

　　同氏は欧州連合（ＥＵ）と国際通貨基金（ＩＭＦ）がギリシャについて、「デフォルトとユーロ離脱のどちらか１つを回避するため全力を尽くす」と指摘。最終的には債務再編が実施されると予想しているが、それは欧州の銀行がいかなる損失にも耐えられるようになる時だと考えている。

記事に関する記者への問い合わせ先：John Fraher in London at jfraher@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先：James Hertling at jhertling@bloomberg.net;Craig Stirling at cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2011/06/02 10:53 JST 　

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