http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/843.html
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不動産価格の低落と銀行不良債権、高失業と家計弱体化など、米国の日本化が進んでいるなら
QE2終了後の年末に、ドル高デフレになり、さらなる緩和が必要になる可能性は否定できない
来年も、ポールソンらが笑うことになるのかどうか
http://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_240520
【ブログ】米国世帯の約半数は資金面でぜい弱 Real Time Economics 2011年 5月 24日 12:04 JST
米研究者の米国の世帯(家計)に対する調査で、世帯の多くは資金的にぜい弱であることが明らかになった。向こう30日間で2000ドル(約16万4000円)を工面できるかという質問に対し、ほぼ半数の米国人は確実に工面できない、または恐らく工面できないと回答した。
全米経済研究所(NBER)発行の論文の中で、ジョージ・ワシントン経営大学院のアンナマリア・ルサルディ氏、プリンストン大学のダニエル・J・シュナイダー氏、それにハーバード経営大学院のピーター・タファーノ氏は英調査機関TNSが2009年に世界金融危機の影響について調べた際に収集したデータを用いて、米国やその他の国々に広がる家計のぜい弱性について調査した。
多くの米国人は予想外の出費に対処できない状態
調査では、「向こう1カ月間で2000ドルの予想外の出費が発生するとしたら、その必要資金をどのように工面しますか」という簡単な質問がされた。米国では回答者の24.9%が「確実に工面できる」、25.1%が「おそらく工面できる」、22.2%が「おそらく工面できない」、27.9%が「確実に工面できない」と答えた。
論文の執筆者3人によると、2000ドルは「予想外の車の修理費用、高額医療費の自己負担、訴訟費用、あるいは家の修理費用の大きさを反映した」額だという。具体的には、車の変速機の交換費用が2000ドルかかるし、緊急時のためには約1500ドルの貯蓄が必要だと低所得世帯が考えているとする調査結果がある、と執筆者は指摘している。
家計がぜい弱なのは低所得の世帯に限らない。執筆者は「(低所得、低資産、資産喪失、低学歴、女性、子どもがいるなど)ぜい弱さを示す社会経済的な特徴がある世帯の家計はぜい弱になりやすく、実際そのような傾向が強い」と述べている。しかし「驚くべき点は、一見『中流』とみられている人々のうち結構な割合が自らの家計をぜい弱だと判断していることだ。つまり、財務状態が自らの期待よりも大幅に悪化しているか、不安や悲観の度合いが非常に高いことが彼らのぜい弱意識に反映されている。行動様式や公共政策の観点からすると、どちらも重要だ」と指摘した。
執筆者3人は予想外の出費をまかなう資金をどのように工面するかにも注目した。大部分の回答者は貯金に手を付ける、家族や友人に援助を依頼する、ローンやクレジットカードを利用する、給与を担保にするペイデーローンを利用する、それに所有物を売るといった手段のうち、複数を用いると答えた。
執筆者は「所有物を質入れする、家を売却する、もしくはペイデーローンを使うと答えた人を足してみると、工面方法について回答した人の25.7%(全体の18.6%)が過激だとも取られかねないような手段に頼って緊急時の出費に対応することが判明した」と指摘した。
そして「緊急の出費に確実に対応できないと回答した人が27.9%に達したことを加味すると、全体の46.5%の家計が財務上極めて限界に近い状態にあることが示唆されている」と述べた。
一方、執筆者3人は国別の比較も行った。現地での金額を決めるにあたっては、海外の調査協力者と相談し、比較可能な水準になるように設定した。それによると、緊急時に対応できる能力が最も低い国は米国、英国、それにドイツで、いずれの国でも緊急時の支出に確実に対応できないか、あるいはおそらく対応できないと答えた人の比率が50%またはそれ以上になった。フランスとポルトガルが中程度で、ポルトガルの比率は46%、フランスは37%だった。対応能力が最も高かったのはカナダ(28%)、オランダ(27.9%)、それにイタリア(20%)だった。
記者: Phil Izzo
【オピニオン】経済学者マンデル氏、ユーロ/ドルの固定相場制への移行を提言
2011年 5月 24日 14:21 JST
保守的なエコノミストらは、もう何カ月も前から、米連邦準備理事会(FRB)の量的金融緩和策第二弾(QE2)に対して警鐘を鳴らし続けている。QE2によってドルの価値が下がり、それが石油や商品価格の値上がり──より広い範囲の、より悲惨なインフレの前兆──を引き起こしていると指摘する。
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Getty Images
ロバート・マンデル氏
ところが、多くのエコノミストが金融政策の第一人者と見なし、サプライサイド・エコノミクス(供給重視型の経済学)の草分け的存在である、ノーベル経済学賞受賞者のロバート・マンデル氏は、ドルの下落は重要な問題ではないと語る。それよりも、QE2の終了に伴い、今年後半にドルが不可避の上昇を始め、米国が再びリセッション(景気後退)に陥ることをマンデル氏は懸念している。強く懸念すべきは、インフレではなくデフレだという。同氏によれば、リセッションを回避する簡単な方法がある ─ 米財務省がドルとユーロの為替レートを固定すればいい。
マンデル氏のこの驚くべき見解は3月22日、マンハッタン・インスティテュート、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)、ロナルド・レーガン大統領基金主催のニューヨークでの会議で発表された。同氏の経済予測は非常に重視される。同世代の大多数のエコノミストと違い、同氏の予測は正しいことが多いためだ。国際経済に対する同氏の分析は、この分野に大改革を起こし、「ユーロの父」の異名と、中国の経済政策立案者への主要アドバイザーとしての地位を同氏にもたらした。
しかし、金が1オンス=1500ドル前後、原油が1バレル=100ドル台で推移する現在、サプライサイド・エコノミストらは困惑している。マンデル氏は一体どうしてデフレを予測しているのか。なぜドル安は問題ではないと言えるのか。
マンデル氏の見解を解くカギは、為替レートによって輸入品価格や商品価格が上昇あるいは下落すると、インフレないしはデフレが経済に波及する、という点にある。例えば、ドルがユーロに対して大幅に下落すると、商品価格は上昇する。これによって米国にインフレ圧力が生じる。反対に、ドルが対ユーロで急伸すると、商品価格が下落し、デフレ圧力が生じる。
マンデル氏は、2001−2007年のドルの対ユーロでの長期的で着実な下落について、米国の金融当局がそれとなく促したものだと主張する。ドル安に反応して、投資家らがインフレヘッジ商品、特に不動産へと資金を移したことから、サブプライム(信用力の低い個人を対象とした融資)・バブルが発生した。2007年半ばまでには、不動産バブルが崩壊。それに応じてFRBが早急に短期金利を引き下げ、ドルを一段と圧迫した。サブプライム危機は深刻だったが、金融が緩和され、経済は2008年第2四半期には安定したようにみえた。
2008年夏にFRBが実施した措置を、マンデル氏は、「過去最悪の過ちの一つ」と呼ぶ。金融機関に短期的損失の処理を余儀なくさせた時価会計法により悪化したサブプライム危機の最中に、FRBはフェデラル・ファンド(FF)金利の引き下げを休止した。すると、ドルはわずか数週間のうちに、対ユーロで30%も急騰。ドル不足が経済の基盤を破壊し、深刻な経済収縮と致命的な金融危機を引き起こした。
2009年3月、FRBは覚醒し、量的金融緩和策第一弾(QE1)を実施。ドルが対ユーロで下落を始めると、すぐに回復の兆しが現れた。しかし、2009年11月にQE1が終了すると、ドルは再び対ユーロで急騰し、米国経済をリセッションの方向へと引き戻した。2010年夏にFRBがQE2を実施すると、ドルの価値は下がり、景気回復に向けた二度目の道筋が付いた。
ところが、マンデル氏は、QE2を間違った問題解決策と捉えている。それよりむしろ、単純に米国と欧州が為替レート政策で協力し、ユーロの上限と下限(例えば1ユーロ=1.30〜1.40ドルというように)を設定すればいい、と指摘。そのうち、価格レンジは任意のレートに収れんしていくという。さらなる量的金融緩和策は考慮されるべきではない、と同氏はみる。
為替レートが固定されれば、物価は突然のデフレやインフレの惨劇から解放され、米国と欧州の生産水準に沿った、投資ホライズンや計画のタイムラインの拡張が可能となる。米国の景気回復に猛チャージをかけるために、マンデル氏は、ブッシュ減税の恒久的延長と、法人所得税率の現在の35%から15%への引き下げも推奨している。
何にもまして、為替レートの激しい変動について、FRBではなく米財務省が責任を持つべき、との見解をマンデル氏は示す。為替レートの問題が解決しない場合、QE2後にドルは再び高騰し、再度のリセッションと米国債務危機の悪化をもたらす、と同氏は予測する。これが量的金融緩和策第三弾(QE3)の実施につながる可能性は高く、機能不全サイクルが続くという。
FRBを好きなだけ批判すればいいが、景気回復のカギは、ドルの対ユーロ相場を相対的に健全な水準で安定させることにある、とマンデル氏は語る。同氏の素晴らしい業績を考えれば、尋ねずにはいられない。ワシントンでは誰か耳を傾けているだろうか。
(執筆者のショーン・ラシュトン氏はブログサイト「The Supply Side」の編集者)
記者: Sean Rushton
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