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( http://media.yucasee.jp/posts/index/7652/3)
日本の災害市場でも例がないほどの地震・東日本大震災は容赦なく様々なものを奪っていった。それはマーケットでも完膚なきまでに多くの投資家を再起不能にした。その一方で、震災の恩恵を受けたオプショントレーダーのAC後屋さんは、2日間で1億円600万円の利益を得た。「勝った投資家には義務がある」と日ごろから考えるAC後屋さが寄付、さらには市場のあるべき姿を語った。
■3・11のブラックスワン
震災でたまたま儲かったことは事実です。でも、勝者だからこそ表に出て語らなければならない責務があるように思ったからです」
専業オプショントレーダーのAC後屋(えしごや)さんは話す。震災からわずか2日間で結果的にあげた利益は1億600万円だった。
オプション取引とは、特定の金融商品を決められた期日に決められた価格で売り渡す「権利」を売買するもの。いくつか取っていたポジションの中で、大当たりのものがあり、こうした結果となった。しかし、そこには勝者にしかわからない苦悩というものが存在するのだ。
多くの投資家に追証が降りかかった。わずか2日で1億円超の利益が出たということは、その影にそれだけ多くの敗者がいるということなのだ。それが市場というものだから。
もちろん、それ以前に「これだけ多くの方々が亡くなられたのですから…」と精いっぱい言葉を紡いでいくAC後屋さん。今、言わなければならないと考えていることを語ってくれた。
■世の中は他人の犠牲で成り立っている
まずオプション取引とは、日経225などの金融商品を決められた期日に決められた価格で売り渡す「権利」を売買するもの。買う権利を「コール」、売る権利を「プット」といい、それぞれに売り手と買い手がいる。
日本株式、FXと比べると個人投資家の間ではそれほど馴染みがあるものではない。しかし、AC後屋さんは「相場が楽しくても、相場の先を読むことができる天才ともなると少数です。オプションはそれとは違って理詰めですし、勉強すればするほどおもしろいです。もちろん慣れが必要ですが、天才じゃなくても結果が出るので努力し甲斐があるのです」だという。
商品先物取引から相場の世界に入り、将来性などを総合的に考えてオプションを主戦場にするようになった。そして順調に利益を積み重ね、優に億を超す資産を持つにいたった。今回の相場については次のように話す。
「『外のプット』(日経平均が大暴落しても損失にならないような保険的なポジシン)を買っていたので、たまたまこういう結果になっただけです」
地震発生の週明け3月14日の相場は大暴落となった。1億円以上の利益は、偶然が生んだ産物であり、この震災にはさすがに心が傷んだ。
「人間って生きているだけで、誰かの迷惑にもなっているし、今の生活を実現するためには、色々な人の犠牲で成り立っているわけじゃないですか。だから、今回の利益の中から2000万円を寄付することにしました」
自分ができる最大限の貢献をする。それは何としても伝えたかったことだという。そして、もう一つどうしても伝えたいことがあるという。
■証券会社みずから市場を「否定」
この大震災で、オプションは最も被害が大きかったマーケットでもある。追証が発生した投資家も多く、中には資金を回収できずにオプションから撤退する証券会社も出たほどだ。投資家、証券会社が深いダメージを負っていたのだ。
「ロスカット口座を導入した会社もありましたが、流動性が少ない市場ではそもそも通用しないんです。また、売りを禁止した証券会社もありますが、それではトレードになりません」
こうなれば、本来はプロである証券会社が市場というインフラを正しく理解しているのかどうか疑問さえ出てくる。異常な相場では、不幸は突然やってくるのだ。そして、多くの個人投資家が犠牲となり、その煽りを証券会社も受けた。もう少し、どうにかならなかったのだろうか?
「せめて、顧客のその時の預かり資産に応じたサイズのポジションを建てられるようなシステムにするとかしないと、通常の市場でない時には、これからも多くの投資家が犠牲になってしまいます」
ただ、われわれ投資家も学ぶ必要はある。証券会社や市場環境ばかりのせいにしていては、一生勝てる投資家にはなれないだろう。
AC後屋さんは「3月11日の時点で、東京でも大きな揺れを感じたはずですし、TVで津波の映像も見たはずです。どのような状況か理解できるはずですし、逃げるチャンスはあったはずです。14日でもまだ逃げ場はあったのに、ヘッジなしで、しかも耐えれば助かると思っていては、そうなっても仕方がありません」と話した。
次の天変地異はいつ起きるのかわからない。しかし、こうした心がけは常に持っておかなくてはならない。
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