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本来はヘアカットして投機を許さないことが重要だが
日本や米国と同じ構図が繰り返されそうだ
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/node_239865/?nid=NLM20110523
欧州銀行の不良資産にヘッジファンドなど群がる
2011年 5月 23日 10:00 JST
【ロンドン】 欧州の数十行に上る金融機関は最近、不良債権などの各種資産や金融危機前に貸し出した債権を処分しようと努力しており、これに多くの著名投資会社が群がっている。
これら金融機関は英国、アイルランド、ドイツ、オーストリア、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、スペインの銀行で、数百億ドルに上る債権を処分しようとしている。処分しようとするのは大規模な米建設事業向けの融資やLBO(買収先の資産を担保にした借入金による買収)、リスクの大きい住宅ローンで構成された証券類などだ。
買い手はヘッジファンドやPE投資会社で、銀行が処分に躍起になっていることに乗じて底値で資産を取得しようとしている。
例えばマラソン・アセット・マネジメントは最近135ページの「白書」を作成し、欧州銀行危機から利益を得る方策を概観している。同社はニューヨークに本拠を置く資産100億ドルのヘッジファンド。
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Bloomberg News
マラソンが最近購入した銀行資産には英ロイズ・バンキング・グループから購入した一連のLBO融資債権や、経営難に陥っている米商業不動産会社の劣後債務の欧州銀行保有分の一部、そして米大手ギャンブル会社向け回転融資枠のドイツ銀行保有分の一部などだ。
マラソンのブルース・リチャーズ最高経営責任者(CEO)は、同社は通常、銀行資産を2500万ドルから1億ドルまでの単位で額面の最大50%ディスカウントで購入していると述べた。
業界関係者によれば、他の買い手は、フォートレス・インベンストメント・グループ、オーク・ツリー・キャピタル・マネジメント、ヨーク・キャピタル・マネジメント、オク=ジフ・キャピタル・マネジメントなど。一部の専門家は、不良資産を求めるあらゆる代替投資会社が食指を伸ばしているという。
このように買い手が殺到しているため、ヘッジファンドの中には市場規模に比べ参加者が増えすぎたと懸念し、投資戦略を修正する向きもある。
英プライスウォーターハウス・クーパース(PwC)の最近の調査では、欧州の銀行は本業に関係のない「非中核」とみられる融資を1兆3000億ユーロ(約150兆円)抱えており、向こう10年間にわたって処分する公算が大きい。PwCは先月ロンドンで、この問題に関する会議を主催したが、投資会社約60社が数十行の欧州銀行幹部とともに出席した。
PwCのポートフォリオ・アドバイザリー・グループのパートナー、リチャード・トンプソン氏は「関心のある投資家が多数いる」と述べ、「処分の動きは、今後増える見通しで、市場に出回る数も増えるだろう」と予想している。
米国では同様の動きが過去何年も続いている。金融危機が吹き荒れていた最中でさえ、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)などの銀行は、政府の圧力もあって、不良資産処分のための部門をオフィスに構えた。安値で買い叩こうとする投資家も群がった。
この動きは痛みを伴うもので、銀行は売却する資産の減価を反映させるため損失吸収を余儀なくされた。しかし、その結果、銀行のバランスシートは以前よりもクリーンになり、最終的には銀行業界の危機脱出に寄与した。
これに対し、欧州では大半の銀行や規制当局の動きは緩慢だった。これは、大半の銀行業界が米銀ほどに大きな打撃を受けていないことも一因だ。しかし、多くの欧州銀行が野放図な融資に携わっており、投資家は後日資産価値が大幅に低下した複雑な証券類に投資していた。最近まで欧州の規制当局は総じて、銀行が時間をかけて問題に対処することに何ら問題を感じていなかった。
しかし、欧州のソブリン債(国債)危機がこうした緩慢な戦略を打ち砕いた。銀行の帳簿上にみられる問題の台頭を懸念した投資家は銀行部門を回避するようになり、株価は下落し、一部の金融機関は資本市場での資金調達に支障を来すようになった。
この欧州債務危機と、新たな国際自己資本ルールが相まって、欧州の銀行や規制当局はバランスシートの浄化プロセスを急ぐようになった。その結果、不良資産の多様なメニューがヘッジファンドなど投資家に提示されたわけだ。
とりわけ熱心なのが英国の銀行だ。第1四半期にはロイズが207億ポンド(約336億ドル)の非中核資産を処分した。またロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループはスペインの不動産融資債権2億8600万ユーロをバイアウト会社ペレラ・ワインバーグの子会社に売却した。
記者: David Enrich and Steve Eder
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