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小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! トップ |
輸入価格が上がってデフレ
2011/05/19 (木) 14:26
本日、1-3月期のGDP速報値が発表になりました。1-3月期の実質GDPは、前期比伸び率の年率換算値がマイナス3.7%になった訳ですが、どう思いますか?
私は、正直言って、そんなものなのかな‥と。つまり、地震や津波が起きた割には、低下幅が小さいではないか、と。そんな程度で済めばありがたいことだ、と。
でも、喜んでばかりはいられません。というもの、地震は3月11日に起きた訳であり、その一方、今回のGDPは、1-3月期の3ケ月の期間に亘って生産された額である訳ですから、大雑把にいって、地震などの影響は、20日/90日ほどしか反映されていないと考えられるからなのです。つまり、もし、地震が年初に起こっていたら、マイナス幅はもっと大きくなった筈で‥。ですから、今後の復旧具合や電力不足の関係もあるでしょうが、4-6月期も大きな回復は期待できないと考えておいた方がいいでしょう。
まあ、いずれにしても、こんなときにはGDPの数値など余り気にしてはいけません。そんなことよりも、復旧や原発事故の対策に力を注ぐべきなのです。GDPの数値なんて、所詮数値にしか過ぎないからなのです。
ただ、そうはいっても‥、GDPのことが気になるという方もいらっしゃると思いますので、本日は、易しい質問をしてみたいと思います。いきますよ。
自粛だけでも如何かということで、国民が従来と同じように消費に励むこととし、実際に消費に励んだのですが、GDPががたっと落ちてしまった、と。こんなことがあり得るのでしょうか。
「分かった、企業が設備投資を控えたのよ」
企業も、景気が落ち込まないようにと、投資に励み、公共投資なども伸びたというのにGDPがが
たっと落ちたというのです。
「はい、分かりました。輸出が伸びなかったのよ。海外が日本の製品を買わなくなった」
いえ、輸出も伸びているというのです。つまり、家計も企業もそして公共部門も支出が伸びているのに、そしてまた、海外への輸出も増えているのに、日本のGDPががたっと落ちてしまうことなんてあり得るのでしょうか? さあ、如何でしょう?
実は、幾ら家計や企業などが支出を増やしたとしても、我が国の生産が伸びなければ、GDPが増えることはないのです。
「でも、消費も投資も伸びているのよ?」
実は、日本人が消費を伸ばしたとしても、それが主に海外の商品への支出に当てられたとすれ
ば、我が国のGDPが伸びないことも起こり得るのです。つまり、輸入が大きく増加したしことによっ
て、GDPが減少することがある、と。
では、もう一問。
今回2010年度のGDPも同時に発表になったのですが、2010年度の実質GDPは前年度比2.3%に対し、名目GDPは0.4%に留まった、と。これ、どういうことかお分かりでしょうか?
「つまり、実質GDPの伸び率の方が高い訳だから、物価が下がったということよね。つまり、デフレ状態が続いている、と」
メディアも、GDPデフレーターは−1.9%で、過去最大のマイナス幅になったなどと報じている訳なのです。では、どんなものの価格が下がったというのでしょうか?
で、中身をみてみると‥民間最終消費支出のデフレーターは−1.3%、民間企業設備のデフレーターは−0.8%‥それほど大きく落ち込んでいるのはなさそうなのですが‥、輸出のデフレーターが−2.1%になっている程度で‥、これで全体のデフレーターが−1.9%になるようなことが起こり得るのでしょうか?
因みに輸入のデフレーターは、逆に4.1%と価格が上がっているというのです。
分かりましたか?
実は、輸入はマイナス項目であるために、輸入品の価格がプラスになると全体をマイナスにする働きがあるのです。つまり、今回デフレーターのマイナス幅が大きくなったのは、物価が大きく下がったというよりも、輸入品の価格が上がった影響が大きいということなのです。
以上
http://www.nikkei.com/content/pic/tc/NDSKDBDGXDASFS1900I_19052011MM0000~5CDNX~5C~5CDSXDZO2883380019052011MM0000-PB1-1-1-00.jpg~5CJPEG~5C20110519~5CJPEG~5Cef4a6380-ATCSF11.jpg
GDP実質3.7%減 1〜3月年率、消費・投資落ち込む
大震災が影響、経財相「景気後退ではない」
内閣府が19日発表した2011年1〜3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.9%減、年率換算で3.7%減となった。マイナス成長は2期連続。東日本大震災の影響で消費や投資が落ち込んだ。サプライチェーン(供給網)の寸断で自動車などの生産が減少したほか、家計や企業のマインドが冷え込んだ。企業は生産体制の復旧を急いでいるが、4〜6月期もマイナス成長となる公算が大きい。
与謝野馨経済財政担当相は同日の記者会見で、実質成長率が2期連続でマイナスとなったことについて「世界需要が蒸発したリーマン・ショックとは状況が全く異なる」と強調。景気後退局面には当たらないとの見解を示した。
前期比年率でみた1〜3月期の実質成長率は、日経グループのQUICKがまとめた民間予測の中央値(マイナス1.8%)を大幅に下回った。生活実感に近い名目GDPも1.3%減、年率では5.2%減と2期連続のマイナス。
前期比0.9%減となった実質GDPのうち、個人消費など内需の押し下げは0.75%分。外需も輸出の伸び悩みなどから0.18%分、GDPを押し下げた。
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GDPの6割近くを占める個人消費は0.6%減。特に耐久財消費は7.3%減と大幅に落ち込んだ。震災で自動車の出荷が滞り、消費者が購入を見合わせた。外食や行楽地などサービスも自粛ムードの広がりを受けて0.9%減った。
非耐久財はミネラルウオーターなどの買いだめの影響もあり前期より増えた。
設備投資は0.9%減少し、6期ぶりのマイナスとなった。設備投資に含まれる企業の自動車購入が震災後に大きく落ち込んだのが主因。部品供給網の寸断で企業が手持ちの在庫を取り崩したため、民間在庫が急激に減少し、実質成長率を0.5%分押し下げた。
外需では、輸出は前期比0.7%増。内閣府は「震災がなければ、輸出はさらに伸びた可能性がある」と指摘した。輸入は2.0%増えた。
総合的な物価の動向を示すGDPデフレーターは前年同期を1.9%下回り、6期連続でマイナスとなった。前期比では0.4%低下し、物価が持続的に下落するデフレ基調はなお続いている。
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