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世界は2番底を迎えそうだ。
その発信源は新興国だと思っていたが、訂正する必要が有るかもしれない。ヨーロッパの国々やアメリカなども再びその危険水域に入ってきたようだ。
どちらかというとアメリカがもう一度震源地になるのではないか。
サブプライムの崩壊とそれが引き金になって起こったリーマンショック後の世界は、金融資産、土地資産価格の大崩壊によって莫大な借金を作り、それが原因でデフレに陥ってしまったのである。
このデフレは、資産価格の崩壊により大きな借金ができ、消費が生産量に比べ大きく減少したために生じているものである。
そのためデフレの解消には直接消費を拡大させるための政策が必要であったのである。ところが世界各国が取ったのは、逆の生産量増大策であった。
正しい対応すればよかったのだが、アメリカを始めヨーロッパの国々や、G20は、根本的に間違った政策を取ってしまった。
それはデフレにおいて最もやってはいけない、超低金利による金融緩和、それによる生産刺激策や輸出奨励策等を取ってしまったのである。
そしてさらにそれぞれの国内では既に間違いであったことが分かっている1930年代に取ったニューディールと言われる公共投資政策を取ったのであった。
これによりアメリカや、ヨーロッパ諸国の生産刺激と、輸出奨励策のため、生産物が世界市場にあふれているのである。それがさらに自国通貨安政策を取って推進させている状況だ。
そのためにアメリカやヨーロッパ諸国の値打ちのある資金が低価格で新興国に流出したのである。
その中でも特に超大国のアメリカの低金利による過剰な金融緩和は、原油や金などの商品市場に流れ、値を吊り上ている。新興国に流れた資金は、土地価格や金融資産を上昇させ、市場経済を活発化させている。
しかし市場の生産物やサービスの売り買いによる儲け以上に資産を売買する方が儲けが出るようになっている。それが新興国のバブルである。
市場経済の活発化は、需給の逼迫より、それ以上の資金過剰による商品の価格の上昇を招き出している。
このような新興国の、原材料価格や商品価格の上昇は、輸入国側の輸入の増大、輸入超過を招く。
アメリカやヨーロッパの低金利は、回り回って自国の商品物価の価格高騰を引き起こし始めたのだ。
EU連合の各国はドイツやフランスなど主要国の経済動向は、問題ないだろう。
しかしギリシャ、アイルランド、ポルトガル、ベルギーなどがこの物価高を乗り越えられるとは誰も思っていないだろう。不気味なのは英国経済であろう。デフレの最中に大幅な歳出カットや、消費税増税をやったのだから。その動向によっては一波乱があるだろう。
これらの国に比べ比較的経済情報の多いアメリカでは、インフレ退治と称しそろそろ金利を引き上げようと画策している。
彼らの多くは、これまでの低金利と生産刺激策及びグリーンニューディールが経済的に成功していると見ているのだ。
これは大きな間違いだ。デフレは貯蓄より借金額が多い人が増えたため、消費が減少している。
そのために生産量の増大によって所得を増やしてもなかなか思うように消費が伸びない市場である。
現在の状況は日本の初期のデフレの状況と同じで、せっかくの大規模な公共投資や生産刺激策が効果を上げず、消費に火がつかない自律回復しない経済成長になっているのである。
すなわち生産量増大策や、公共投資に投入した資金をこの2年をかけてようやく消化し、その投資効果がなくなったのである。そしてどの国もほとんど借金を返済できるだけの経済成長をしていないのである。
さらにいうと、新興国の物価の高騰、原材料費の高騰により、アメリカの輸入財貨は価格が高騰している。
そのため借金を多く抱えた人達は、十分な消費を行うことができず、再び低価格競争や売上不振となって
全米に暗雲を広げて行くことになるだろう。
もう一つの心配は、日本はこの震災により再び低金利を続行しているため、そのお金がアメリカに渡り、再び円キャリーのようなミニバブルが発生し、それが崩壊するかもしれないのだ。
日本の低金利は震災で苦しんでいる所や、売上不振であえいでいる所、借金過多で苦しんでいる所への救済策としては良いが、デフレの解消策としては意味がないのである。
すなわち低金利過剰融資は、デフレにおいて生産者への補助金としての効能があるが、彼らの売上を引き上げる力を削ぐため、彼らの売上が伸びず、借金の返済は困難となるばかりである。
今また日本の低金利は、世界をデフレの世界へ導く導火線となろうとしている。新興国へはバブルへと、アメリカにもミニバブルとしてである。しかし世界全体の借金量の大きさは、世界がまだデフレであることを示している。
そのためバブルはゆるやかに崩壊する可能性が高い。現在の世界はデフレがもたらしたバブルであり、世界がインフレである訳ではない。悪までもその対処の仕方は、デフレ解消策であることに変わりはない。
来年の今頃(2千12年5月頃)には、自律回復しない経済成長であり、単なる経済縮小であることが分かりはじめるだろう。
そして金利の引き上げが早すぎたのではないか、と言うような議論が専門家の間で話題となろう。日本では未だにやっているあのなんら効果のない無駄な議論である。
あるいは再び経済成長策を取る段取りを始めるかもしれない。しかしこのグリーンニューディールなどの大規模な投資は、借金になっただけであり、なんら取り返してはいない。
また再び無謀な生産刺激策や、公共投資を行えば、財政事情はさらに悪化し、貿易赤字国家には厳しい試練をもたらすであろう。
アメリカの再びのリセッションは、世界経済を再び混乱させることになる。日本の相変わらずのデフレ政策とあいまって、混沌とした世相になっていきそうである。
しかしいつも言うように私達は既にデフレの解消策を知っている。それを政府に取らせれば良いだけである。特に日本にデフレ促進策である消費税の増税策を取らせないことは、世界の自由主義経済にとって最も大事なことのひとつであろう。
IMFか何か知らないが、20%もの消費税を上げるような勧告をすること自体、彼らのデフレの無知を知らしむるものである。
一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
世界のデフレ像を描く。デフレの罠に落ちたG20など参照、
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