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http://jp.wsj.com/World/node_236567
【ワシントン】国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事(62)が性的暴行容疑で逮捕されたことで、IMF首脳部ばかりでなく、いくつかの欧州諸国への救済におけるIMFの中心的役割も混乱状態に陥った。
同専務理事は14日、マンハッタンのホテルの従業員への性的暴行容疑でニューヨークで逮捕された。警察当局によると、専務理事は同日午後1時ごろ、タイムズスクエア近くのソフィテル・ホテルで、部屋の清掃に来た女子従業員をベッドに押し倒して性的暴行を加えた容疑が持たれている。ただ、弁護士のウィリアム・テーラー氏は、専務理事は無罪を主張するだろうと述べた。
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Reuters
IMFストロスカーンIMF専務理事
専務理事は欧州に向けて飛び立つ寸前だった航空機の中で逮捕された。専務理事は欧州の指導者らと、悪化する債務危機について協議する予定だった。具体的には15日にメルケル・ドイツ首相、16、17日にはユーロ圏財務相との協議が設定されていた。議題は780億ユーロ(8兆9000億円)の対ポルトガル融資の最後の詰めのほか、悪化するギリシャの債務問題だった。
世界で最も重要な金融機関のトップの逮捕劇は、世界経済がまだ2008年の金融危機からの回復途上にあり、欧州が政府債務危機から脱し切れていないときに起きた。専務理事の容疑が事実ならば、フランスの政治にも打撃を与えることになる。フランスの元財務相であるストロスカーン専務理事は06年の同国大統領選挙に向けた、社会党の候補指名争いに参加したが失敗している。しかし、来年の大統領選挙に社会党候補として出馬するため、数カ月中にIMF専務理事のポストを辞任すると広く予想されていた。
今回の事件が欧州救済におけるIMFの役割に影を投げかけることは間違いない。欧州の債務危機への対処では専務理事は強力なリーダーと見られていた。IMFは15日夕刻に臨時理事会を開いて善後策を講じるが、何らかの決定が下されることはないと予想されている。IMFの広報担当者は「ストロスカーン氏は弁護士を雇った。IMFはこの件についてコメントすることはない」とし、また、「IMFは完全に機能している」と強調した。
IMFはその一方で、ストロスカーン容疑者の代行にジョン・リプスキー筆頭副専務理事を充てると発表した。ただ、JPモルガン・チェースの元幹部で、米国人のリプスキー氏は最近、今年8月31日の期限通りに退任する予定だとしており、難しい状況になっている。同氏はこれまでに、11月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議まで専務理事の特別顧問を務めることに同意している。
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Bloomberg News
ジョン・リプスキーIMF筆頭副専務理事
ストロスカーン専務理事は、国際支援の条件を達成するだけの能力とやる気がギリシャにあるのかという疑問が高まる中でも、同国への救済策を強力に支持してきた。今回予定されていた訪欧では、ギリシャ―それにその他のユーロ圏諸国―が一段の危機に陥るのを回避するために、同国への融資の条件を修正すべきかどうかが話し合われる公算が大きかった。
ドイツ財務省は、同国政府はIMF、欧州中央銀行(ECB)、それに欧州委員会のトロイカが現在進めているギリシャ救済計画のレビューが出たところで、ギリシャ支援に対する態度を決めるとしている。メルケル同国首相は、自身の見解を決める前にギリシャ、ポルトガル、アイルランドに関するストロスカーン専務理事の意見を聞く方針だった。IMF調査団は現在ギリシャを訪問中で、特に総額1100億ユーロの救済資金からの次のトランシェをIMF理事会が承認できるかどうかを見極めようとしている。
ストロスカーン専務理事には2008年にも、交際していたIMFの女性職員に専務理事としての職権を乱用したのではないかとの疑惑が浮上。調査では職権乱用はなかったとされたが、一部のIMF理事は、こうした行為は将来認められるものではなく、また、IMFの信用も失墜したと専務理事に警告した。
記者: Sudeep Reddy and Ian Talley
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_236638/?nid=NLM20110516
IMF専務理事逮捕、仏国民に衝撃―「陰謀ではないか」との声も
2011年 5月 16日 10:37 JST
【パリ】ドミニク・ストロスカーン国際通貨基金(IMF)専務理事がホテル従業員に対する性的暴行の疑いでニューヨーク市警察に逮捕されたとのニュースは、出身国のフランス国民に衝撃を与えた。2012年の大統領選の野党・社会党の最有力候補と目されている人物だけに、「信じられない」、「陰謀ではないか」といった声も聞かれ、半信半疑で受け止められている。
イメージ Associated Press
ニューヨーク市警関係者(14日、IMF専務理事が投宿したホテルで)
07年の大統領選ではロワイヤル社会党候補に投票した銀行のIT(情報技術)関連の技術者であるハキム・ブーラさん(24)は「まったく現実離れした話だ。こうした話が出てきたタイミングが怪しい」と述べ、ストラウス氏に大統領選出馬を断念させる陰謀ではないかとの見方を示した。パリのタクシー運転手のセイ・ラミネさんも「世論調査からは次期仏大統領になる可能性があり、彼がそんなことをするとは理解できない」と語る。
ストロスカーン氏は世論調査で高い支持を受けており、来年の大統領選に出馬すればサルコジ現大統領を大差で破るとみられている。ジャーナリストである妻のアンヌ・サンクレアさんは、「無実であることが証明されることを疑わない」との声明を出した。
ストロスカーン氏は、フランスとモロッコに住居を持つエリートで、フランスの新聞からしばしば「シャンパン社会主義者」と評されている。同氏をめぐっては、仏日刊紙ソワールが、ワシントンの高級紳士服店ジョルジュ・ドゥ・パリで最高3万5000ドル(約283万円)のスーツを購入したと報じ、ストロスカーン氏が13日、これを否定して同紙を訴えている。ソワール紙は、「しっかり調査した結果であり、証拠もある」とし、報道は正確と反ばくしている。
フランスのメディアは、刑事事件にならない限り、政治家の私生活には触れないものだが、ストロスカーン氏の生活ぶりが注目されることでそうした伝統からの決別をもたらすかもしれない。
記者: Gabriele Parussini
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ストロスカーン逮捕の影響は 〜ユールグループ開催
2011/05/16 (月) 12:29
本日、16日ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)がブリュッセルで開催されます。
この会合では、ドラギ・イタリア中銀総裁の次期ECB総裁への推薦が決定されると見られるほか、IMF(国際通貨基金)も交えて、ギリシャやポルトガルなど重債務国への対応も協議されることになっています。
欧州経済にとっても、為替市場にとっても重要な意味を持つ今回の会合ですが、会合に出席予定であったIMFのトップ、ストロスカーン専務理事が滞在先のNYから会合に向かう直前の空港で性的暴行容疑で逮捕されるというハプニングがありました。
IMFは、今回のユーログループへはシャフィク副専務理事が代理で出席、専務理事の職自体はリプスキー筆頭副専務理事が着くことを発表しており、業務について大きな停滞はないとみられますが、重要事項の決定については影響を避けられないという見方もあり、懸念されるところです。
ポルトガルに対しては既に欧州委員会とIMFの間で780億ユーロの救済が合意されており、欧州委員会のレーン委員がユーログループでの承認可能性が高いと述べるなどの状況にあり、大きな影響はないと見られますが、ギリシャへの対応についてはむずかしいところ。
ギリシャについては、もともと今週いっぱいまで構造改革の進展状況や債務の持続可能性についての調査が行われており、結果が出ていない段階での具体的な決定は難しいと言われていました。そこに、今回のストロスカーンの逮捕もあり、決定の先送りがほぼ確実視されることとなり、追加的な金融緊縮措置を迫る程度でとどまる見通しです。
会合は午後8時半から、要人発言はその前から出てくる可能性もありますので、今日は欧州関連の報道に注目です。
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