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[写真] うれしさも中ぐらい!? 増額支給の企業も多い夏のボーナスだが、その後は震災の影響が…
2011.05.13
意外や意外、主要企業の今年夏のボーナスは総じて上昇傾向にあることが分かった。2008年のリーマン・ショックで落ち込んだ業績の回復が反映されたもので、夕刊フジが調べた主要20社の平均支給額調査では、自動車や鉄鋼メーカーを中心に前年より大幅に上がっている。ただし、この冬以降は東日本大震災の影響で再びマイナスとなるのは避けられない情勢だ。
支給額が67万5000円と昨年夏の実績から15万円(約29%)もはね上がったのは鉄鋼大手の神戸製鋼所。上昇の要因について、同社広報は単刀直入に「業績の回復」と説明する。鉄鋼業界ではJFEスチールも約14%上昇と景気がいい。
輸出関連企業も大盤振る舞いだ。自動車メーカーでは、日産自動車が10万6000円(同約11%)増の109万5000円。「2010年度の従業員の貢献、成果に応えるとともに、震災からの早期復興に対する従業員への期待を込め、労組要求に満額回答した結果」(広報部)だという。
ホンダも7万5000円(7・6%)増の105万7000円。日産と並ぶ“7ケタ”支給だ。
電機メーカーでは、ソニーが「エレクトロニクスの業績が昨年から改善したため」として約15万5000円(約19%)増えて96万3000円。日立製作所も約11万2000円(約17%)増の79万3410円を支給する。
三菱電機は「短期間でV字回復を果たしたことに対する社員・組合員の協力と努力への感謝と、さらなる発展に向け意欲を高めてもらうことへの期待を込めた」、ダイキン工業も「業績好調のため」と増額支給の理由を説明している。
運輸業界では、全日空が昨夏から5割増と急回復、JR東海も「震災の影響により当社の業績が極めて厳しくなることが懸念されるものの、安全安定輸送の確保や低コスト化の実現のために日々尽力している社員の努力に会社として精一杯報いる」とコメントしている。
一方、早くも震災の影響が直撃している企業もある。その筆頭はもちろん東京電力だ。震災や福島第1原発事故を受けて労使交渉が先送りされていたが、4月末に決まった「1カ月分支給」で合意した。金額にして40万1000円と昨夏の83万6000円から43万5000円(52%)減となった。
■来年以降は原発次第
東電は支給額について「原子力災害への補償や設備復旧など経費増による経営状況の大幅な悪化を踏まえて決定した」としているが、原発事故の賠償を支援する政府からはさらなるリストラを要求されており、社員のボーナスも厳しい水準が続きそうだ。
東電ならずとも気になるのは冬のボーナスへの影響だが、現状では日本製紙が「今冬については再協議の可能性あり」としているほか、「事業・収益に大きな変動があった場合はあらためて議論する」(ホンダ)、「地震の業績への影響については精査中」(日立)など、様子見といった企業が多いようだ。
第一生命経済研究所主席エコノミストの永浜利広氏は「震災の影響が出てくるのは冬のボーナス。支給額が平均約15%減となったリーマン・ショック時ほどは下がらないが、“ひとケタ%”は下落するのではないか」と指摘する。
リーマン・ショックで下がった水準に戻り切っていない段階での“二番底”になりかねない状況だが、その後の再浮上は期待できるのか。
「年度後半で復興需要や生産能力の復旧、好調な海外経済を背景にした外需の恩恵を取り込めば下期の業績が良くなる可能性もある。ただ、放射能漏れや電力供給の問題を何とかしないと復興需要もおぼつかない」と永浜氏。原子炉の温度が下がらなければボーナスも上がらないということか。
夏のボーナス支給額
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