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森岡英樹の金融スクープ 分岐点を迎えている金相場
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20110511/ecn1105111625003-n1.htm
2011.05.11 夕刊フジ
オバマ米大統領は1日夜、2001年9月11日の米中枢同時テロを首謀した国際テロ組織「アルカイダ」の最高指導者ウサマ・ビンラディン容疑者が、パキスタンの首都イスラマバード郊外で米海兵隊の特殊部隊「シールズ」によって殺害されたと発表した。
「ジェロニモ作戦」と銘打たれた殺害計画は、現場からの映像を交え、リアルタイムでホワイトハウスの作戦司令室に伝えられ、大統領や米首脳陣が見守る中で展開された。同時多発テロ「9・11」から10年弱を経て、米国が苦悩した悪夢にひとつのピリオドが打たれたことになる。
このエポックメーキングな出来事と平仄を合わせるように、市場ではある変化が生じている。これまで高騰し続けてきた金価格が調整局面入りする予兆である。
1990年代、1トロイオンス=200〜400ドル程度にすぎなかった金価格は、2001年9月の米中枢同時テロを機に急上昇に転じ、直近の4月19日には史上初めて1500ドルの大台に乗せた。10年間で5倍以上に価格が跳ね上がった計算である。
背景には、米中央銀行による量的緩和策に伴うドル安の進展、基軸通貨ドルへの投資家の不安が反映されている。ペーパーマネーであるドル不安から金や原油、穀物などの実物資産へ投資マネーがシフトし、価格を高騰させた。しかし、1500ドルに達した金相場はいま、分岐点を迎えていることは確かだ。予兆はいくつもある。
「(私は)価値を生み出すと評価できる資産を保有するのであって、(金のように)熱狂により価格が上昇した資産は買わない。これまでそのような方法で富が創造されたことはない」
世界最大の投資家であるウォーレン・バフェットは4月30日、自らがCEO(経営最高責任者)を務めるバークシャー・ハサウェイ社の年次報告会で、金への投資について聞かれ、こう答えた。金は投資の対象にはならないという明確な意思表示である。さらに、ヘッジファンドの雄、ジョージ・ソロス氏が率いるソロス・ファンド・マネジメント(運用資産約2兆2700億円)は、4月中に金の持ち高の大半を売却したことが明らかになった。ソロス・ファンドは金ETF(上場投資信託)の大口保有者であっただけに市場に与えるインパクトは無視できないものがある。
また、米大手証券ゴールドマン・サックスのアナリストは4月中旬、投資家への電子メールで、金、原油、銅の価格が向こう3〜6カ月の間に下落する可能性があるとして、商品の持ち高を減らすことを勧めるリポートを発出している。これら市場を左右する大手投資家、証券会社が一斉に金投資について慎重な見方に転じたことは、金価格の下落を予感させるに十分なものがある。
そもそも金価格は、急騰し始めた2001年から現在までの米国の平均インフレ率(消費者物価指数)が2・3%であるのに対し、金価格の平均上昇率は年率18・8%に達する。特に2004年の金ETFが上場して以降の急騰部分についてはバブルが指摘されている。6月末には米国の量的緩和策(QE2)が終了する。金相場が分岐点を迎えていることは確かだ。
■森岡英樹(もりおか・ひでき) 1957年、福岡県出身。早大卒。経済紙記者、埼玉県芸術文化振興財団常務理事などを経て2004年4月、金融ジャーナリストとして独立。
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