http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/649.html
Tweet |
なお残る敵対的買収の目 対抗策はMBOか ★パルコ攻防戦の真相(5)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20110429/ecn1104291428003-n1.htm
2011.04.29 夕刊フジ
休戦協定が結ばれた攻防戦だが、火種は依然燻(くすぶ)り続ける。パルコ、イオンの両社は「業務検討委員会」を設置して協業のあり方を探るとしている。が、これはいわば面従腹背。「難しいと思いますよ」−。パルコ幹部はそう本音を漏らす。
イオンは中国進出での提携や、郊外型ショッピングモールの共同開発、自社展開の都心型商業施設「フォーラス」「ビブレ」との統合を申し入れているが、パルコ側は否定的。中国事業ではシンガポールの不動産大手「CMA」と提携したばかりだし、郊外店はパルコのブランド価値を毀損する恐れがある。苦戦が伝えられる「フォーラス」などを押しつけられることにも抵抗が強い。
次期社長への就任が決まった牧山浩三専務執行役も「是々非々で検討する」と早くも予防線を張る。この先、業務検討委員会が有名無実化する可能性は高い。その時、イオンはどう出るのか。
かつては緩やかな資本関係で様々な業態をグループ化してきたイオンだが、近年は戦略を見直してきている。契機となったのは、ドラッグストアチェーンのCFSコーポレーションが2007年に起こした離脱騒動だ。この時、イオンは株主総会で委任状争奪戦を仕掛け、離脱を阻止。逆にCFS経営陣を説き伏せて資本関係を強め、昨年5月には子会社化した。
が、パルコを懐柔するのは至難の業だろう。となると、「敵対的M&Aは成功しない」(岡田元也社長)との前言を翻し、しびれを切らしたイオンがTOB(株式公開買い付け)を強行する可能性もゼロではない。森トラストは「小売り再編に乗り出す考えはない」(吉田武副社長)との立場だから、イオンが好条件を示せば、あっさりと話に乗るかもしれない。
パルコは今回、日本政策投資銀行とフィナンシャルアドバイザー契約を結び、対抗策を模索した。が、結局は全面対決を避け、条件闘争に持ち込む作戦をとった。今後、パルコ側が大胆な手を打つとすれば何か。望ましいホワイトナイト(白馬の騎士)を探すことも一策だが、自主独立を守るにはMBO(経営陣による買収)が有力な選択肢だ。良好な財務体質や収益力から見て、無理な手ではない。
ただ、パルコが単独路線で生き残れるか、課題が多いのも事実。有楽町マリオンへの進出問題ではJR東日本グループのルミネに敗れ去り、資本力の違いを見せつけられた苦い経験がある。
待ち受ける第2幕。その時こそ、パルコは厳しい選択を迫られるだろう。 =終わり
■高橋篤史(たかはし・あつし) 1968年生まれ。早稲田大学教育学部卒、東洋経済新報社などを経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に『凋落 木村剛と大島健伸』『兜町コンフィデンシャル』など。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。