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イオンの電撃参戦 「怒り」の森トラストと共同戦線 ★パルコ攻防戦の真相(4)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20110428/ecn1104281536006-n1.htm
2011.04.28 夕刊フジ
「どういうことなのかなぁ?」
パルコの株主名簿に初めてイオンの名前が登場したのは昨年8月末のことである。ただ、保有株数はわずかで、株主リストのずっと下のほうだった。この時点では、パルコ関係者は首を傾げるしかなかった。
イオンの大胆な狙いが明らかになったのは今年2月22日のことだ。一挙に12・3%を握る第2位株主になったと発表、協力関係を構築しようとの構想までぶち上げたのである。
大量保有報告書によれば、市場で少しずつ株を買い進めていたイオンがまとめてパルコ株を取得したのは2月18日。米系投資会社サード・アベニュー・マネージメントが保有していた約10%の株式をブロックで買い取ったのだ。パルコのIR担当者は年2回、ニューヨークのサード社に業績報告を行っていたが、先方の投資スタンスは長期保有。イオンへの譲渡は寝耳に水だった。
電撃的なイオンの参戦には米シティグループが付いていたとされる。筆頭株主の森トラストと対立関係に陥っていたパルコを取りにいく好機と見たイオンの動きは素早かった。パルコ株取得を明らかにした日、イオンの豊島正明執行役は森トラストの吉田武副社長にまず接触を図った。
この頃、森トラストは「だまし討ち」をしたパルコ経営陣に対する怒りに燃えていた。「今度の株主総会では再任しない」−。平野秀一社長にはすでにそう伝えてあった。そこに飛び込んできたのがイオンだった。
岡田元也、森章両社長のトップ会談を経て、イオンと森トラストが共同戦線を組むのに時間はかからなかった。パルコ側が提案書に拒絶姿勢を見せると、イオンによる乗っ取り同然の株主提案はほどなくまとめられた。森トラスト名でそれをパルコに送り付けたのは3月31日のことだった。
もっとも、両者の思惑が一致していたかというとそんなことはなかった。イオンの狙いはショッピングモール開発や中国進出でパルコを自社の戦略に組み込むこと。他方、森トラストはそんなイオンの構想を半信半疑で眺めていた。不義理をしでかしたパルコ経営陣にお灸を据え、筆頭株主の存在感を改めて誇示することが本心で、そこで前のめりなイオンを利用したフシさえ窺(うかが)える。
普通なら株式45%を押さえるイオン・森トラスト連合に対し、パルコ生え抜き経営陣の勝ち目はなかった。結局、三者三様の駆け引きの末、パルコは自主性を保つことに成功したのだが−。
■高橋篤史(たかはし・あつし) 1968年生まれ。早稲田大学教育学部卒、東洋経済新報社などを経て2009年からフリーランスのジャーナリスト。著書に『凋落 木村剛と大島健伸』『兜町コンフィデンシャル』など
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