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27日のニューヨーク商品取引所で金先物相場は終値ベースで過去最高値をつけ、銀相場も上昇した。米連邦準備理事会がこの日の連邦公開市場委員会(FOMC)で米国債購入プログラムの終了方針を示したものの、政策金利の引き上げには急いでいないことが示唆され、買いの材料となった。
先日、IMFが爆弾発言をした。しかしその時、誰も気づかなかった。
IMFは「アメリカの時代」が終わり、米国の経済が中国に追い越される日を初めて予測した。それは多くの人が考えるよりもずっと早い時期だ。
2週間前に公表されたIMFの公式見通しによると、中国の経済は実質ベースで2016年――今からわずか5年後に米国を追い抜く。
この見通しによって、今、ワシントンで起きている予算対立の状況は厳しいものとなる。また、わずか数年先の国際安全保障体制の行方にも多くの疑問が生じる。さらに、覇権国という地位に数十年間支えられてきた米ドルと巨大な米債券市場にも暗雲が立ち込める。IMFのデータによると、中国経済は2016年に米国を追い抜く。
多くの人は心の準備ができていない。事態がそこまで切迫しているとは気づいてもいない。
IMFの分析は、為替に基づく比較に加え、購買力平価を使い経済の実態に目を向けたものだ。購買力平価に基づくと、中国のGDPは今年の11兆2000億ドルから2016年に19兆ドルに拡大する。一方、米GDPは、15兆2000億ドルから18兆8000億ドルに拡大する。この時点で、世界のGDPに占める米国のシェアは17.7%と、近年で最も低くなる。中国のシェアは18%に達し、さらに拡大を続ける。もちろん、こうした予測は不確実だ。“巨大な中国のタイヤがパンクする”事態も起きるかもしれない。その場合、「Xデー」は数年遅れる可能性がある。しかし、その日が来ることはほぼ疑いようがない。これには数字以上のインパクトがある。アメリカ時代の終焉である。欧州のある債券ストラテジストは、「我々は米経済覇権の最後に立ち会うことになる」と言った。
今、金投資が盛んなことも何ら不思議ではない。米ドルが世界唯一の準備通貨でなくなったら、何がそれに代わるのか。
はたして、ドルの逆襲が始まるのだろうか。
最近のドル建て金価格は米ドルを犠牲にしながら上昇を続けているように見受けられ。その相関性は特に今年に入り目立っている。25日の終値時点で、米ドル指数は昨年末以来6.3%下落している反面、金塊先物相場は6.1%上昇した。
投資家の懸念の多くは、米連邦準備理事会(FRB)が6月30日までに金融緩和策(「QE2」と呼ばれる量的緩和第二弾)を解除する見込みであるのに合わせて、ドルの返り咲きを予想している。
しかし、投資家は本当にドル高を懸念すべきなのだろうか。
ドルが上昇するとドル建ての金価格が下落し、ドルが下落すると金価格が上昇する傾向が見られた。しかし、ここで重要なのは、金相場変動の約4分の1しかドルの動きで説明できなかったことだ。
この結果から、今後も今までのパターンに沿って価格が変動すると仮定すると、ドルの他通貨に対する相場以外の要素が今後の金価格を大きく左右することになると推測できる。
ネッド・デービス・リサーチ社は、ドル安が過去数年のS&P GSCI商品指数上昇の約3分の1にしか寄与していないと報告している。
もちろん、全ての通貨が同程度のペースで下落するケースも理論上はあり得る。その場合、他通貨に対するドルの変動はないものの、ドル建て金価格は上昇することになる。
結論として、ドル安は金価格高騰の一部要因でしかないことが分かった。そのため、ドルの急伸によって金価格は多少下落するかもしれないが、それだけで金価格の上昇が終わることはないだろう。(抜粋)
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