02. 2011年4月27日 13:09:27: cqRnZH2CUM
格付け見通し引き下げ、国債への信認維持して政策進める=官房長官 2011年 04月 27日 12:50 JST シリア治安部隊が首都近郊にも展開、国際社会の批判高まる 財政政策に悪影響の政治的変化、格付け行動につながる可能性=S&P 日本のアウトルック「ネガティブ」に変更:識者はこうみる 日経平均は反発、先物主導で一時9700円台[東京 27日 ロイター] 枝野幸男官房長官は27日午前の会見で、スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)が同日、日本の長期ソブリン格付けのアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更したことを受け、東日本大震災の復興に向けて財政出動が必要になるが、その際には日本国債に対する信認を維持しながら、対策を進めていくとの見解を示した。 枝野官房長官は、日本国債の格付け見通しが引き下げられたことに対して「民間の一格付け会社の評価にはコメントしない」としながら、震災の復興や福島第1原子力発電所事故への対応では財政措置が必要になるとし、「日本の国債の信認を維持して(政策を)進めていく」と語った。 S&Pは、日本の長期ソブリン格付け「AA─」と短期ソブリン格付け「A─1+」自体についてそれぞれ据え置いたが、見通しの引き下げにより、今後2年間に財政が現在の見通し以上に悪化した場合、格下げとなる可能性がある。 また、枝野官房長官は、福島原発事故に関し、原子力損害賠償法(原賠法)に基づく東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の免責の可能性について「最終的には裁判所が法律に基づいて判断すると思うが、私も法律家の1人として免責条項の適用は考えられない」とあらためて否定。その上で、東電の賠償に支払い上限を設ける考えは「被害者との関係で考えられない。上限があるから、これ以上補償しないということは許されない」とし、「国と東電の負担割合についてはいずれ議論があると思うが、被害者との関係では、一義的に東電が損害を補償するのが当然」と語った。こうした点を含めた損害賠償の枠組みについて「しっかり補償しつつ、電力供給責任を確保していくスキームについて、できるだけ早く示したい」と語った。 (ロイターニュース 伊藤純夫) 財政政策に悪影響の政治的変化、格付け行動につながる可能性=S&P 2011年 04月 27日 12:38 JST [東京 27日 ロイター] 米格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のソブリン格付け担当ディレクター、小川隆平氏は27日、日本の財政および経済政策に悪影響を与えるような政治的変化があれば、日本に関する将来の格付け行動につながる可能性があるとの考えを示した。ロイターとのインタビューで語った。 同氏は、日本政府はより効率的な支出を行い、大震災の復興に充てるため収入を増やす方法を検討する必要があると指摘した。 S&Pはこの日、大震災や原発事故で財政赤字が予想以上に拡大する見通しだとして、日本の長期ソブリン格付けアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。 © Thomson Reuters 2011 All rights reserved. 日本のアウトルック「ネガティブ」に変更:識者はこうみる 2011年 04月 27日 12:28 JST
[東京 27日 ロイター] スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)は27日、日本の長期ソブリン格付けのアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。長期ソブリン格付け「AA─」と短期ソブリン格付け「A─1+」はそれぞれ据え置いた。 市場関係者のコメントは以下の通り。 ●為替への影響は一時的、ドル安地合いも上値抑える <バークレイズ銀行 チーフFXストラテジスト 山本雅文氏> 為替相場への影響は一時的にとどまるだろう。過去のCDSスプレッドとドル/円相場の関係を見ても、スプレッド拡大と円高が一緒に起きており、海外投資家の日本のソブリンに対する懸念というのは、必ずしも持続的な円安に結びつかない。海外投資家が5%しか日本国債を保有していないので、どんなに頑張って売っても限界がある。為替への影響は、日本の経常黒字が維持される限りは大きく出てこない。 全体的なドル安傾向もあって、ドル/円は上値を抑えられる。財政問題は日本がフロントランナーではあるが、米国も懸念を抱えており、日本が突出して悪いわけではない。 ●財政再建促す意図あるのでは <大和証券 投資情報部次長 西村由美氏> アウトルックは「ネガティブ」に変更されたが、格付けは変更しておらず、若干円安に進んだことで日本株への影響は相殺されている。震災の影響で財政赤字の拡大は避けられず国と地方の債務もさらに増加することが予想されるが、ここ1─2年で日本国債が暴落するようなことは想定されていない。米国債の格付け見通しが「ネガティブ」に引き下げられたときと同じく、スタンダード&プアーズ(S&P)としては財政再建を促す意図があるのではないか。 ●円安進行も材料視されず、FOMC待ち続く <岡三証券 日本株情報グループ長 石黒英之氏> スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本の長期ソブリン格付けのアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。ただ2月のムーディーズによるアウトルック引き下げに続くもので日本株への影響は限定的とみている。外為市場で為替がやや円安に振れているが、円安進行は一時的とみており特段材料視はされないだろう。市場関係者は今晩のFOMC(米連邦公開市場委員会)に注目している。前場の日経平均は先物主導で9700円水準まで回復したが、商いは少なく後場は同水準でもみ合うとみている。 ●円債市場への影響はない <ドイツ証券 チーフ金利ストラテジスト 山下周氏> スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本の長期ソブリン格付けのアウトルックを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。円債市場への影響はないと思われる。S&Pが変更理由にしていることは、新しく発見することではなく、すでに分かっていることでマーケットにはサプライズではない。 ただ、復興税の話が、今後、「格下げ」になるかどうかのポイントになると思われる。この点では格付け機関が見ているポイントと、日本国債の市場参加者が見ているポイントと一致してくるとみている。 ●統一地方選で復興財源としての増税一段と不透明に <伊藤忠商事チーフエコノミスト、中島精也氏> 日本の財政については、積み上がった政府債務に加えて復興財源が新たな課題になっており、消費税引き上げへの道筋をつけられるかがポイントだ。ただ、議論は紛糾している。統一地方選を経て民主党の退潮が明らかになり、政局も不透明になったことで、ますます税への道筋がみえにくくなっている。復興財源を増税でまかなうというという方針で政治がまとまっていれば、格付け見通しの引き下げはなかったのではないか。 日米欧が財政悪化に苦しむ中、S&Pは米国の格付け見通しも引き下げており、バランスのうえから日本の格付け見通し引き下げはしかたのないところか。OECDが対日審査で日本の財政の悪さに懸念を示したタイミングでもある。 ただ、円へのインパクトは限定的だ。日本国債は現在のところ国内で消化できてしまうためで、海外勢は円の売り仕掛けに飽きている。
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